新規採用職員に行うべき研修は?プログラムの作り方を紹介
新規採用職員の研修は、地方公務員が責任を持った仕事を行うために開くものです。本記事では新規採用職員の研修について、必要性や進め方、注意点などについて紹介します。これから新規採用職員に向けた研修を開催したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- 01.新規採用研修
- 02.新規採用研修の主な対象となる職員
- 03.新規採用職員研修の必要性
- 04.新規採用職員におすすめの研修
- 05.新規採用職員研修の注意点
- 06.まとめ
01新規採用研修
新規採用研修とは、地方公務員が責任を持った仕事を行うために実施するものです。 ここで対象となる職員とは、地方公務員を指しています。地方公務員は、都道府県および市町村などの地方自治体に勤務する公務員であり、日本全体の公務員のうちおよそ8割が該当します。地域に密着し地域を支える存在として、地域独自のまちづくりを行うための行政サービスを提供する職種です。
02新規採用研修の主な対象となる職員
職員の中でも研修を行うことが多いのは、以下の職員です。
- ・官公庁・自治体の職員
- ・福祉・保健職員
- ・医療職員
それぞれの職員がどのような研修を行うことが多いのか、以下で詳しく紹介します。
官公庁・自治体の職員
公務員としての自覚を持ち、公務員のルールや姿勢の概要を学ぶほか、仕事を進める上で必要なスキルを身につけます。コンプライアンス研修やマナー研修、講演会などが一例です。自治体によっては、1年間かけて複数の研修を段階的に行うところもあります。
福祉・保健職員
福祉職、保健師、栄養管理士などが含まれます。公務員としての基本的なマナーのほか、各職種の業務に必要なスキルを、座学及び実習による研修方式で習得していきます。数年かけて一通りのスキルや技術を習得するため、研修も長期にわたる傾向が見られます。市民の健康に関わる職種であり、自治体の実情に合った研修が必要です。
医療職員
この区分には、看護師などが含まれます。公務員としての基礎知識に加え、看護の理念や目標像などの座学や、卒後臨床研修などが行われます。 自治体の事情によって、複数の自治体が合同で研修を行うこともあるようです。基礎教育で学ぶことが困難な実践能力の強化に、重点が置かれています。
公立学校の事務職員
官公庁自治体の職員と同じように、公務員としての基本的知識や仕事に必要なスキルを習得するほか、学校教育に関わる知識や学校事務に必要なスキルなどの習得も目指します。時代の変化に対応した教育の課題が浮き彫りになっている中で、あらゆる場面に対応できる技能を身につけます。
03新規採用職員研修の必要性
地方公務員法第39条により、職員は研修を受ける機会を与えられなければいけないと定められています。これは住民が求める理想の職員として業務を遂行するために、必要とされる知識を身につけるためです。研修では、一般的に次のような内容を学びます。
官公庁・自治体職員の自覚を持たせる
地域住民から、地方公務員に向けられる目は年々厳しくなっており、サービス業と同等レベルの応対を求められる場面が増えています。この要望に対応するには、官公庁・自治体職員としての自覚を持ち、住民に受け入れられるためのマナースキルを身につけないといけません。職員研修は、そのための第一歩となるのです。
社会人としてのマナーを学ぶ
地方自治体では、職員の業務負担が増えている傾向が強く、新規採用職員に対して、できるだけ早く戦力になってほしいと考えています。研修を行うことで、社会人としてのマナーを確実に学び、職員としての育成期間を短縮できます。
チームワークの大切さを学ぶ
仕事を進める上で、ひとりで完結するものはほとんどありません。大半の仕事において、上司や先輩同僚とコミュニケーションを取ることが必要です。新規採用職員がどんなに高い能力を持っていても、チームワークの大切さを理解していなければ、円滑な仕事の進行に支障をきたしてしまいます。研修を通じてチームワークの重要性を肌で感じると、実務でも役立てられます。
仕事の実務練習を行う
新規採用職員は、社会人として仕事を行った経験がないため、仕事を効率良く進めていく方法をこれから覚えていく必要があります。業務上で直面するさまざまな場面を想定し、対処法実務に対応できるような研修が必要です。受け身で仕事をするのではなく、自ら進んで仕事に取り組む姿勢も習得します。
04新規採用職員におすすめの研修
先ほど紹介したように、新規採用職員は幅広いスキルを身につけなければなりません。そのためには、次のような研修を実施することがおすすめです。各研修の内容や目的を把握したうえで、適切な研修を選択しましょう。それぞれの内容を紹介します。
ビジネスマナー研修
社会人としての基本動作(身だしなみ・表情・挨拶・など)や言葉遣い、電話応対、来客時の応対および訪問時のマナーなどを学ぶ研修です。ビジネスを円滑に進めるために必要不可欠のマナーであり、評価や信頼、業績などにつながっていきます。 社会に出ると、学生時代とは異なるマナーやルールが存在することを理解し、常に相手の立場に立った行動ができるように研修を行います。
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接遇研修
接遇研修とは、おもてなしの心を育みながら接客マナーを身につけ、顧客のニーズに応えられるようになるための研修です。具体的には、コミュニケーション能力を高める方法やクレームを受けた時の対応方法などを学びます。 接客スキルとは異なり、接遇は業種に関係なく求められるスキルです。新規採用職員が接遇研修を受けることで、住民から感謝されるありがたさを知ることができます。
ビジネス文書研修
ビジネスシーンで求められる文書作成のスキルを高め、相手がきちんと理解できる文書を書けるようにする目的を持つほか、読み手の立場に立つことで顧客のニーズを把握する能力も高められます。読み手が納得しやすい文書を書くためには、ビジネス文書独自のルールを習得する必要があります。
メンタルヘルス研修
心の病を患う人の割合が高まる一方の現代で、メンタルヘルスは大きな注目を集めています。とはいえ、メンタルヘルスに向けた対策を、どのようにすれば良いのか分からない自治体が多いのも実情です。 どのような人でも、メンタルヘルスが起こる可能性があることを認識し、社員自身に合ったセルフケア対策を研修を通じて見つけ出します。
【関連記事】Schoo|メンタルヘルス研修
チームワーク向上研修
先ほど紹介したように、仕事を進めるうえでチームワークは必要不可欠です。チームワーク向上研修を通じて、チームワークの大切さや活用法を学ぶことで、仕事の成果をあげられるだけでなく、チーム内での信頼関係を深めたり、仕事のアイデアが出しやすくなったりするメリットがあります。
05新規採用職員研修の注意点
既存の職員に対して研修を行うのとは異なり、新規採用職員が職場になじめるかどうかは、研修内容に影響される可能性もあるため、内容を慎重に検討する必要があります。研修を行う際には、次に挙げる項目に配慮し、新規採用職員が前向きな気持ちで研修を受けられるようにしましょう。
職種に合わせた研修マニュアルを作成する
ひとくちに地方公務員といっても、最初に紹介したように職種は大変幅広いため、すべての職種が同じ研修マニュアルを使用すると、業務内容にそぐわない可能性があります。 全体に向けた共通マニュアルと、職種ごとのマニュアルの両方を用意すると、より実務に即した研修が行えます。
座学だけではなくロールプレイングを取り入れる
座学のみの研修では、内容が確実に身についているか確認することが困難です。座学でインプットした知識を、ロールプレイングでアウトプットして正しく活かせると、実務においても研修の効果が発揮できます。 ロールプレイングを通した成功体験は、大きな自信につながるでしょう。また、研修の参加者同士でロールプレイングの内容を確認し合うことで、新たな気付きも生まれます。
受講者の職員のメンタルケアにも気を配る
新規採用職員は、研修を受けるときに期待と不安の両方を抱いて参加します。時には、メンタルの状態が不安定になるケースも考えられます。業務上でも、仕事に慣れるまでは不安や疑問を感じることが多いため、周囲がサポートをし、メンタルケアに気を配る必要があります。 職場について理解を深めてもらうには、研修の前にオリエンテーションなどを開き、交流の機会を設けると良いでしょう。
研修終了後も半年程度は振り返りを続ける
振り返りとは、社員が自分自身の業務について掲げた目標が達成できているかどうか見直す行為をいいます。振り返りを行うことで自己理解が深まり、次の目標が的確に設定できます。 研修終了後に効果的な振り返りの方法は、研修時に記入したワークシートなどを使用し、研修時点での目標が達成できたかを確認するものです。できるだけ、研修終了後半年程度は振り返りを続けることをおすすめします。これは、研修後半年経つと、研修で学んだ成果が現れ始める可能性が高いことと、緊張感が薄れ始める時期に該当するためです。
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06まとめ
新規採用職員に対して行う研修は、社会人としてのマナーと、公務員としての行動モラルの両方を学ぶ必要があります。適切な研修を行うと、職員の質を高められるだけでなく、職場全体のモチベーションアップにつながる可能性もあります。職種に合った研修を受けさせる体制を整え、住民のために行動できる職員を育成しましょう。