公開日:2022/01/21
更新日:2022/07/27

通年採用とは?導入するメリットと注意点について解説する

通年採用とは?導入するメリットと注意点について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

年間を通して採用業務を行う「通年採用」をおこなう企業が増えています。通年を通しての採用を行うことで、経営課題である人材不足を補うだけではなく能力の高い人材を確保しやすくするメリットもあります。本記事では、通年採用を行うメリットや注意点について解説しています。

 

01通年採用とは

通年採用とは、主に新卒採用で使われる採用活動の形態一つで、「企業が年間を通じて採用活動を行うこと」を指します。一般的に新卒採用は春先から企業説明会や選考を実施し、10月1日にそろって内定を出すいわゆる「一括採用」と言われる形態が主流でした。現在では、より採用の質や人員確保のために季節や時期に限らず必要なときに、採用活動を行う「通年採用」が主流となっています。また、従来であれば新卒採用で主に使われていた用語でしたが、現在では中途採用などにおいても通年採用の概念が定着してきており、企業が年間を通して新卒、中途社員を区別することなく採用する考え方となっています。

新卒一括採用との違い

新卒採用における一般採用との違いとは、どのような点なのでしょうか。一括採用とは、現在日本において主流となっている新卒の採用形態のことです。一括採用ではあらかじめ決められた特定の期間に集中して採用活動を行うとことで、採用や教育に掛かるコストを軽減するメリットがあります。しかし、多くの企業が同時期に採用活動を行うことから、企業同士で学生を取り合うような構図になってしまいます。そのため、内定を出した学生が他社に取られてしまう、有名企業に人気が集まり、中小企業が人材を獲得しづらいなどの課題があります。

ジョブ型雇用とは

「ジョブ型」雇用とは、企業が人材を採用する際に職務、勤務地、時間などの条件を明確に決めて採用、雇用契約を結ぶことです。雇用された側はその契約の範囲内のみで働くという雇用システムを指します。予め決めているため別部署への異動や他拠点への移動、転勤はなく、昇進や降格も基本的にはありません。業務に特化した人材を雇用する場合に適用されている雇用形態だと理解しておきましょう。

 

02通年採用の拡大が注目される背景とは

なぜ、今、通年採用が注目されているのでしょうか。次に、通年採用の拡大が注目されている理由について解説していきます。企業は抱える経営課題に、人材不足のテーマがあります。この課題を解決するための通年採用についての効果についても、解説していますので今後の参考にしていきましょう。

専門性の高い人材を獲得するため

企業は常に専門性の高い人材を求めています。専門性の高い人材の募集について、期間を限定してしまうと、その期間以外の採用ができなく、間口を狭めてしまう可能性があります。こうならないためには、通年採用を行い専門性の高い人材がエントリーできる環境を構築しておき、募集に対する応募母体の拡大をはかる必要があります。

終身雇用や年功序列への問題意識が高まっている

終身雇用制度の廃止や年功序列制度の廃止など、雇用状態や評価制度の仕組み変更により将来に不安を感じる方が増えています。このような人材は、より自分にとって働きやすい環境とはどういう環境であるかを考えています。対象となる人材を採用するためには、通年採用を行い企業での受入れ体制を構築することで、エントリー数の増加を狙う必要があります。

海外企業との競争力を強化するため

企業は、国内外の他社と常に競争をしています。この競争に勝ち残るためには、常に優秀な人材を確保する活動を行う必要性があります。通年採用では、優秀な人材の確保や求職者がエントリーできる環境を構築することができ、採用のスムーズ化をはかることができます。例え優秀な人材が自社に興味を持ったとしても募集を行っていなければ、応募が出来ません。こいしたすれ違いを避けるために、企業は通年採用を展開し、求職者のエントリーを待つ仕組みを構築する必要があります。

 

03通年採用を実施するメリット

次に、通年採用を行うことで企業が得られるメリットについて解説していきます。企業が通年採用を行うことは、企業と求職者にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか。その有用性を理解しておき、自社において最大のメリットとなる点を通年採用の目的にするなど、計画の立案時の参考にしていきましょう。

人材のミスマッチを防げる

一括採用とは異なり、通年採用を行う場合には、他社の選考状況を意識することなく、十分な検討期間を設けることができます。選考プロセスにおいて、新卒の一括採用などの場合はいかに早く内定を出すか、他社の動きを意識しなければいけない事態が多々あります。しかし、通年採用であれば、求職者により自社の分析期間、採用プロセスにおける企業とのマッチングを十分に確認するための期間を確保できます。 求職者にとっては、企業分析を行う期間があることは、自分がしたい仕事が本当にあるのか、企業理念に共感できかなどを十分に調査しエントリーが可能です。また、企業側では、求職者の選考プロセスにおいて、どのスキルを評価するのか、どのポジションにマッチしているかを検討する期間を確保できます。双方にとって、期間があること、分析をする期間を設けることができれば、入社後のミスマッチを減らし早期退職などを抑制することが期待できるでしょう。

多様な人材の採用が実現できる

通年採用を実施することで、多様な人材の確保も可能になります。Uターン、Iターン人材を始め、季節に関係なく多様な人材のエントリーを可能にする通年採用では、働きたいと考える人材を広く募集することができます。一括採用であれば、期間を決めての採用活動となるため、何かしらの理由でUターンなどを希望する時期が募集期間から外れてしまうと機会の損失になってしまいます。しかし、通年採用であれば、募集期間の制限がなくエントリ―することが可能なため、広く人材を募集することが可能となります。転職活動を行う理由や時期は人それぞれです。その理由や時期を意識せず募集することができる通年採用は、エントリーする者にとってもメリットがある仕組みです。

採用計画の修正がしやすい

一括採用とは異なり、年間を通じて行う通年採用では、採用計画の修正がしやすいメリットもあります。募集人員数を増やす、減らすなども企業の状態により変更しやすく、また、募集ポジションの調整も可能になります。通常、年間の採用計画を立案して採用活動を行いますが、急な退職者が出るなど会社の状況には変化がつきものです。この変化に対応できる採用活動を行うにも、通年採用は適しており柔軟な対応ができます。

 

04通年採用を実施する上での注意点

次に、通年採用を行う上での注意点について解説していきます。メリットの多い通年採用ですが、注意しておくべき項目があります。ここでご紹介している2つの観点は、どちらについても意識しておくべき注意点です。通年採用において、多くの企業が課題として認識している点ですので、あらかじめその対応策を講じた計画と、実施を行う必要があると意識しておきましょう。事前に対応策を講じておくことができれば、採用活動を行う際にもスムーズな対応ができるようになります。

採用コストが増えるリスクがある

通年採用は、文字通り年間を通じて採用活動を行うことです。このため、人事部門におい手の手間は継続して発生します。また、求人広告などを継続して打ち出すことによるコスト増加のリスクがあります。通常は、年間を通して採用コストを予算化していますが、採用人数に満たない間は、さまざまな施策を講じ実施していくことになります。時には、スポット的な採用広告を打つ等の対応も必要となるため、採用コストの増加になる可能性が高い点を意意識しコスト削減に取り組む必要性があります。

アプローチを継続的に行う必要がある

一括採用とは異なり、通年採用を行うことは、言い換えれば、常に採用活動を行っていることになります。このため、人事部門においては、採用活動の実施、求職者へのアプローチを常に行う必要があります。アプローチを継続的に行うことは、人事部門の負荷となります。こうした負荷を軽減するには、実施手順の簡素化やマニュアル化などによる属人化をあらかじめ予防するなどの対策が必要です。また、外部へ委託している工程を社内で行うなどの対策を講じ、採用プロセスそのものの見直しを行うこおも有効な手段になります。

 

05通年採用で成功している企業例

次に、通年採用を通して成功している企業事例をご紹介します。通年採用については、多くの企業で採用されている手法ですが、特に成功していると言われている事例をご紹介します。ここでご紹介している企業は、大手企業のため自社には不向きと考える場合もありますが、特徴ある取組みに着目し参考にしていきましょう。

ファーストリテーリング

ファーストリテーリングの採用コンセプトは以下の通りです。

・一人ひとりが仕事について真剣に考え、主体的に行動し、納得した将来が送れるように、ユニクロでは、一年中いつでも応募を受けつけています。

大学1、2年生での応募も大歓迎とし、一度選考で不合格になっても、1期経過すれば再度挑戦ができる仕組みを構築しています。また、選考を進んだ人には「ユニクロパスポート」を発行し、発行から3年以内はいつでも最終面接を受けられる仕組みも取り入れた独特の手法により人材を確保しています。

参考:ファーストリテーリング

富士通

富士通の採用コンセプトは以下の通りです。

・新卒採用として2021年4月入社を希望する方については、2020年6月以降通年で採用選考を実施しております。通年採用については、「通常コース」の中の「自由応募-OPENコース」のみが対象となります。

新卒においても、通年採用を採用しており、広く募集を行っています。また、転職希望者については従前より、通年採用を行っており、Uターン人材等のサポート体制も強化しています

参考:富士通

 

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06まとめ

本記事は、通年採用をテーマにその仕組みや特徴、メリットについて解説しています。通年採用を展開する企業が増え、ますます就職活動、転職活動が有効にできる環境が構築されています。自社においての採用活動についても、通年採用を検討することで経営課題の人材不足を補う方法を確立する参考にしていただき、人材の確保を実現していきましょう。

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