公開日:2022/01/24
更新日:2022/06/17

イクボスとは?厚生労働省が提唱する定義や促進するための手順について解説する

イクボスとは?厚生労働省が提唱する定義や促進するための手順について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

厚生労働省が後押しするイクボスとは、育児とボスを組み合わせた俗語です。イクボスとは、 育児や産休などを含む個人のキャリアを尊重した上司のことを指します。このイクボスを育てることで、従業員の働き方は大きく変り従業員の満足度向上、企業ブランド力を高めている企業が増えてきています。本記事では、イクボスをテーマにその概要や制度促進の手順について解説しています。従業員の満足度を高め、企業ブランド力を向上させるイクボス制度を社内に構築する検討材料にしていきましょう。

 

01イクボスとは

イクボスとは、従業員や部下のワークライフバランスを重視し、育児や産休などを含む個人のキャリアを尊重した上司のことです。育児と仕事の両立ができるような環境づくりに重きを置いた仕事場を目指す取り組みで、地方自治体をはじめ、企業も着目している働き方になります。

イクボス宣言で企業アピール力を高める

イクボス宣言は、イクボスを日本全国に広げるため、厚生労働省が働きかけ、企業や自治体などの組織に属する従業員が、育児と仕事を両立できる環境を作る取り組みのことです。イクボスプロジェクトを運営するNPO法人ファザーリング・ジャパンでは、イクボス10か条を定めその普及を促進しています。イクボス宣言を行うことは、社内外への働きかけとなります。新しい制度の理解や、企業ブランド力をアップしたい企業にとって、子育てを応援する企業となることは非常にメリットのあることです。

 

02イクボス10箇条

イクボスプロジェクトを運営するNPO法人ファザーリング・ジャパンでは、イクボス10か条を定めその普及を推進しています。イクボス10カ条は、イクボ制度を推進する企業の指針となる事柄です。10か条の内、過半数を満たしていることがイクボスの認定となります。この10か条は、各企業や自治体がイクボスに取り組む際に必要となる行動指針になっており、この内容を意識した制度の整備を行うことでイクボス宣言企業としての責務を果たすことを目的としています

参照:NPO法人 ファザーリング・ジャパン「イクボスプロジェクト」

イクボス10か条:1.理解

現代の子育て事情を理解し、部下がライフ(育児)に時間を割くことに、理解を示していること。

子育てに理解があり、部下や従業員が育児に積極的に参加することにも理解を示すことができることを意味しています。ポイントは、子育てについての理解です。自身の持論ではなく、時代の変化に沿った子育てについて把握し、状況に合わせた理解をすることもイクボスの重要な責務です。

イクボス10か条:2.ダイバーシティ

ライフに時間を割いている部下を、差別(冷遇)せず、ダイバーシティな経営をしていること。

育児や介護など、生活の事項を優先する従業員に対して冷遇や差別をせず、ダイバーシティな経営を心掛けることがを意味しています。ただし、育児や介護を行っていない社員にも負担にならないよう、業務のバランスを見極めることが必要です。

イクボス10か条:3.知識

ライフのための社内制度(育休制度など)や法律(労基法など)を、知っていること。

知識とは、社内の規定に関する知識を指します。企業における育休、産休、介護休暇など、さまざまな制度について把握し支援に活かしていくことが必要です。

イクボス10か条:4.組織浸透

管轄している組織(例えば部長なら部)全体に、ライフを軽視せず積極的に時間を割くことを推奨し広めていること。

自身の管轄する部署の従業員や部下にも育児への参加の意識を浸透させることが必要です。そのためには、日頃から育児や介護などに理解を示し、組織内の理解力をあげておくこともイクボスの役割となります。

イクボス10か条:5.配慮

家族を伴う転勤や単身赴任など、部下のライフに「大きく」影響を及ぼす人事については、最大限の配慮をしていること。

出張や転勤などについて従業員の育児における環境などには最大限の配慮をすることもイクボスの責務です。また、育児をしていない従業員に負担が偏らないよう、全体的なバランスを見極めることも必要です。

イクボス10か条:6.業務

育休取得者などが出ても、組織内の業務が滞りなく進むために、組織内の情報共有作り、チームワークの醸成、モバイルやクラウド化など、可能な手段を講じていること。

育休や産休などで欠員が出ても、業務に対応できるようなシステムの構築もイクボスの役割です。チーム育成をはじめ、クラウドの活用やツールの活用など、さまざまな策を講じておく必要があります。

イクボス10か条:7.時間捻出

部下がライフの時間を取りやすいよう、会議の削減、書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進めていること。

仕事や育児に専念できるよう、無駄な時間が無いか、効率化ができることはないかを見極めて必要な処置を行うことも必要です。

イクボス10か条:8.提言

ボスからみた上司や人事部などに対し、部下のライフを重視した経営をするよう、提言していること。

提言とは、自身の部署において育児と業務を両立させた取り組みを実施しているこを周知することをさします。人事部をはじめ、他部署などに周知したりメディアなどにも積極的にPRすることで、イクボス制度の定着につなげていきます。

イクボス10か条:9.有言実行

イクボスのいる組織や企業は、業績も向上するということを実証し、社会に広める努力をしていること。

イクボスの導入において業務効率がアップした場合は、その効果を積極的に周知します。有言実行行うこともイクボスの普及につながります。

イクボス10か条:10.隗より始めよ

ボス自ら、ワークライフバランスを重視し、人生を楽しんでいること。

自身が率先して行動に移すことで部下の手本となることを心掛けます。上司が手本となることで、部下のイクボス促進を図っていきます。

 

03イクボス制度を導入するメリットとは

次に、イクボス宣言を行うことで企業におきるメリットについて解説していきます。企業に起きるメリットを確認することは、自社がイクボス宣言を行う際の目的や目標として捉えることができます。メリットを理解し、自社におけるイクボス宣言の目的を整理していきましょう。

ワークライフバランスの向上

企業にイクボスを取り入れることによって、従業員や部下が子育てしやすい環境を構築することができます。これにより、ワークライフバランスの向上に効果があり、充実した生活と仕事の効率アップに期待を持てるようになります。また、イクボスの取り組みは、イクボス10か条があり各項目によってその基準が定められているため企業としてもすぐに取り入れられるメリットがあります。

組織力の強化

イクボスを導入することで、従業員の働きやすさが改善し、満足度が向上するメリットがあります。満足度の向上は、離職率の低下だけでなく、生産性の向上など、さまざまなメリットを生んでいきます。その他にも、イクボスを積極的な導入を周知することにより、企業が従業員を大事にしていることが伝わり、企業ブランドイメージの向上にも効果を発揮していきます。

 

04イクボス制度導入の手順

次に、イクボス制度導入の手順について解説していきます。メリットの多いイクボス制度は、どのような手順で導入していくのが良いのでしょうか。手順を明確にすることで、より具体的なイメージを作り、自社におけるイクボス制度導入の計画立案を行い、イクボス制度の導入を実施していきましょう。

社内での理解度促進

まず必要となるのが、社内での理解度の促進です。イクボス制度を導入する目的、導入後には何が変るかなどを説明していきます。イクボス宣言は、トップメッセージで実施するとが有効です。社内での理解度が不足していれば、社内での協力が得られず、結果として子育ての応援に繋がらない可能性も発生していきます。こうならないためには、社内での理解をうながし全社的な取り組みとして実施していくことが必要です。

就業規則の改訂

制度の導入が決まれば、就業規則等の社則に明記し社内でのルール化を行います。社則の変更を行った際にも、従業員への説明と理解を促す必要があります。規則に定めることで、より利用しやすい制度にすると同時に、社内への理解も促進させるメリットがあります。また、法令対応の一環ともなり、社会的な活動として承認されるための準備として育子とも可能です。

対象者の選定と実践

次は、対象者の選定と実践になります。国内では、まだまだ制度の利用率が低いことは課題です。しかし、社内で対象者を選定し先行事例を作ることができれば、利用者は加速する傾向があるとされています。そのため、企業サイドから従業員に働きけるなどし、制度の利用を促進する工夫が必要になります。

制度の見直し

制度自体は定期的に見直しを実施する必要があります。制度は、一度作ったらら完成ということではありません。定期的な見直しを通して、より利用しやすい制度作りや課題の解決を図ることが必要だと理解しておきましょう。 こうした見直しを繰り返すことで、より自社にあった制度の完成を目指していきます。


 

研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
 

05まとめ

本記事は、イクボスをテーマにその制度の仕組みや宣言(10か条)などについて解説しています。多くの企業が注目している制度だあり、導入によるメリットも高いものです。本記事を参考に、今後の従業員満足度向上、ブランド力の向上の施策としてイクボス宣言の検討を実施していきましょう。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ