更新日:2024/12/09

女性活躍推進研修の内容とは|カリキュラムの具体例も紹介

女性活躍推進研修の内容とは|カリキュラムの具体例も紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

日本における女性の労働環境は、今後大きく改善されるといわれています。こうした変化に影響を与えるのが、女性活躍推進法です。本記事では、女性の活躍が推進されている理由や背景、また効果的な方法と注意点について解説します。担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

01女性活躍推進が求められる理由

2016年に「女性活躍推進法」が施行され、一定規模以上の企業に対して女性活躍の状況把握や行動計画の策定が義務付けられました。2022年にはその対象が中小企業にも広がり、さらに多くの企業が女性活躍推進に積極的に取り組むことが求められています。こうした法的な背景のもと、女性活躍推進研修は、企業におけるダイバーシティとインクルージョン(D&I)の強化を支援し、職場の生産性向上や創造性向上にも寄与するものとして重要視されています。

▶︎参考:女性活躍推進法特集ページ

▶︎参考:男女共同参画白書

 

02女性活躍推進の現状

女性管理職の割合は、社員数が1,001名以上を超える大企業でも10%未満が6割というのが現状です。一方で、女性活躍推進・女性登用に向けた施策については、大企業では実施が進んでいるものの、中小企業では3割程度しか実施されていません。

この章では、女性活躍推進法や人的資本開示の流れがある中で、女性活躍推進は現状でどの程度進んでいるのかをHR総研の調査データをもとに紹介します。

▶︎参考:HR総研:ダイバーシティ経営に関するアンケート 結果報告【女性活躍・価値観・キャリア志向】

女性管理職の割合

“女性管理職の割合”

HR総研が実施した調査によると、従業員数別の女性管理職の割合は以下のとおりです。

1,001名以上のいわゆる大企業でも、女性管理職が5%未満という企業は約4割ほどという結果となっています。300名以下の中小企業になると、女性管理職が5%未満という企業は約6割ほどとなり、まだまだ女性を管理職に登用するという企業は多くないことがわかります。

女性活躍推進・女性登用に向けた施策の実施割合

従業員数別に見た際の女性活躍推進・女性登用に向けた施策の実施有無は以下のような結果となっています。

“女性活躍推進・女性登用に向けた施策の実施割合”

1,001名以上の企業では約8割が実施していると回答しており、人的資本開示やダイバーシティへの対応が影響していることが伺えます。一方で、300名以下の企業では約3割ほどしか実施されておらず、大企業のように女性活躍に注力するようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。

女性活躍推進・女性登用に向けて実施している施策

女性活躍推進・女性登用に向けて実施している施策は、以下のような結果となっています。

“女性活躍推進・女性登用に向けて実施している施策”

このように、主に働き方に対しての支援が上位に位置していることがわかります。一方で、管理職に登用するためのキャリア支援に関しては32%という結果となっており、まだまだ育成という観点での支援は道半ばということが伺えます。

 

03女性活躍推進における課題

HR総研の調査によると、女性活躍推進・女性登用に向けた課題は以下のような結果となっています。

“女性活躍推進における課題”

最も多くの人が課題に感じているのが、女性ロールモデルの欠如で36%。次いで、女性の意識・就労感や風土・社風などが上位に位置しています。この章では、上位に位置している課題3つに対して、詳しく紹介します。

▶︎参考:HR総研:ダイバーシティ経営に関するアンケート 結果報告【女性活躍・価値観・キャリア志向】

女性のロールモデルの不在

先述したように、1,001名以上のいわゆる大企業でも、女性管理職が5%未満という企業は約4割ほど。300名以下の中小企業になると、女性管理職が5%未満という企業は約6割ほどとなっており、一般社員がロールモデルを見つけにくい現状にあることは疑いようがありません。

女性管理職のロールモデルがいないことは、女性社員が自分のキャリアプランを考える際にネガティブに働き、昇進のチャンスがあった際の不安要因となります。また、ロールモデルがいれば、家庭と仕事の両立について相談する相手が見つけやすくなり、管理職に登用された後も安心して働ける環境を作りやすいでしょう。

男性目線の価値観の浸透

「女性は家に入るべきだ」という男性中心の考え方や、出産・妊娠を踏まえて上司が女性に重要な仕事を任せない慣習は、多くの企業で色濃く残っています。

このような判断は結果として女性の成果・経験・知識不足を生じ、女性社員の不足を招きます。

仕事と家庭を両立しづらい企業風土

女性の多くは出産・育児といった要因で、キャリアを中断するか判断を迫られることが多いでしょう。育児に関しては、男性も育休取得をして、夫婦で一緒に行うという家庭も徐々に増えてきてはいますが、まだまだ男性だけ育休をとって、女性は仕事に戻るという家庭はあまり見られません。

仕事と家庭を両立しづらい企業風土が根付いている企業もあり、「管理職になったらプライベートを犠牲にしなければならない」と考えている女性社員は決して少なくありません。


 

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04女性活躍推進研修の目的

女性活躍推進研修は、言葉どおり女性が活躍できる企業になることを目的に行われます。女性活躍を推進するためには、女性だけではなく職場全体での意識改革が必要です。そのため、研修の対象者は女性に限らず、経営や管理職を含めた全社員が対象になります。

もちろん、女性を支援するということも研修の目的となります。例えば、産休や育休からの復帰をする際に行うオンボーディング研修であったり、女性向けのキャリア研修であったり、女性活躍を阻害する課題に対して研修を実施します。

 

05女性活躍推進研修の対象者

女性活躍推進研修の対象者は、基本的に管理職と若手女性社員に分かれます。管理職には、女性が働きやすい環境の構築やキャリア支援を適切に行えるようになることが目的です。一方で、若手女性社員には自身のキャリア形成や、女性社員同士のネットワーキングを目的に実施します。

管理職

管理職向けの女性活躍推進研修は、組織内でのダイバーシティとインクルージョン(D&I)の理解を深め、職場環境の改善を進めることを目的としています。管理職は、女性社員のキャリアを支援し、働きやすい職場環境を作るうえで重要な役割を担っています。この研修では、無意識のバイアスに気づき、評価や人材育成において公平で客観的な判断ができるよう指導します。また、女性社員の強みを活かしながら活躍の機会を創出するためのスキルや知識も習得します。管理職が女性のキャリアに積極的に関与することで、職場全体の活性化と業績向上にもつながります。

若手女性社員

若手女性社員に対する研修は、キャリアのビジョンを描き、自己成長の機会を得られるよう支援することが目的です。研修を通じて、自らの強みやキャリアの方向性を明確にし、積極的に挑戦できるマインドセットを身に付けます。また、メンターシップやネットワーキングを通じて先輩社員や他部署の社員とつながり、職場でのサポート体制を得る機会も設けられます。これにより、将来的にリーダーとして活躍するための自信とスキルを育成し、組織内でのキャリア形成に向けた基盤を築くことが可能になります。

 

06女性活躍推進研修の内容

ここまで女性活躍推進研修の目的や、対象者などを紹介しました。本章では女性活躍推進研修の内容を、管理職と若手女性社員に分けて紹介していきます。

管理職向け

管理職に向けた女性活躍推進研修では、職場で女性が活躍しやすい環境を整えるためのマネジメントスキルを学ぶ研修を実施します。多様化している女性の働き方に応じて働く環境を構築できるような研修内容が望ましいでしょう。

女性が働きやすい環境づくり

この内容では、女性社員が長期的に活躍できる職場環境を整えるためのポイントを学びます。育児や介護と仕事の両立支援、フレキシブルな働き方の導入、職場でのコミュニケーションのあり方など、女性がライフイベントを経ても安心して働ける環境づくりを中心に学びます。これにより、職場の理解とサポート体制が向上し、社員全体の満足度や生産性を高める効果も期待できます。

女性のキャリア形成への理解

この内容では、女性社員のキャリアパスについて理解を深め、彼女たちがキャリアを築いていく過程で直面する課題や障壁について学びます。女性のライフイベントとキャリアが密接に関連している点を踏まえ、どのように支援できるかを検討します。管理職が女性社員のキャリア目標を尊重し、キャリア形成を積極的にサポートすることで、組織全体でキャリア支援の風土が育まれます。

女性管理職の育成

この内容では、将来の女性リーダーを育成するための具体的な方法を学びます。管理職として、女性社員に対して挑戦を促す機会の提供やフィードバックの重要性、メンタリングの実践など、リーダーシップの育成に不可欠な支援スキルを学びます。また、性別に関係なく潜在能力を引き出す育成方法を実践し、女性管理職を増やすことで、多様な視点が活かされる組織風土を醸成します。

評価制度

この内容では、評価制度の運用において、公平性と客観性を保つための方法を学びます。無意識のバイアスや固定観念が評価に影響を与えないよう、評価基準を見直し、透明性の高い評価プロセスを構築する方法を習得します。公平な評価を行うことで、女性社員が自分の実力を正しく評価される機会が増え、モチベーションが向上し、長期的なキャリアを形成しやすくなります。

若手女性社員向け

若手女性社員に向けた研修では、キャリア形成やスキル向上に関する具体的な内容を学び、将来的にリーダーとして活躍できる基盤を築くことを目指し内容を設計します。ロールモデルとなる女性管理職との交流や横の繋がりを作れるような場を提供し、研修を経て前向きに活躍してもらえるような内容を提供すると望ましいでしょう。

キャリア開発

この内容では、若手女性社員が自分のキャリアビジョンを描き、長期的な目標を持って成長できるように支援します。まず、自身の強みや興味を理解するためのワークショップや自己分析を通して、キャリアの方向性を明確にします。また、ライフイベントや様々なキャリアパスを考慮し、柔軟なキャリア形成の考え方を学びます。キャリア開発のプロセスで目標を設定し、自分に合った成長計画を作成することで、モチベーションを高め、将来のリーダーとしての土台を築くことができます。

スキルアップ

この内容では、キャリアに必要な専門知識やスキルの習得を支援し、実務に役立つスキルアップの機会を提供します。特に、問題解決力、コミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキルなど、日々の業務に加えて、リーダーとしての素養を高めるために不可欠なスキルに重点を置きます。さらに、ネットワーキングの機会も設け、他部署の社員やメンターと接点を持つことで、視野を広げ、業務やキャリアに役立つスキルを総合的に高めます。

管理職育成

将来の管理職候補として、リーダーシップの基礎を学び、実務で応用できるスキルを身に付ける内容です。ここでは、組織の目標設定や業務の調整力、チームマネジメントの基礎を学びます。また、リーダーシップを発揮するために必要なスキルを実践的に学び、将来のキャリアに備えます。さらに、ロールモデルとなる女性管理職との交流を通じて、具体的なキャリアのイメージを深め、自身のキャリアに対する意識を高めることができます。

 

07女性活躍推進研修|Schoo for Business

Schoo for Business

Schooでは約9,000本の授業保有しており、女性活躍推進研修に関する授業も多く揃っています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。

研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
※2023年3月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております

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女性活躍推進研修に関するコンテンツ一覧

研修内容 時間
まじめすぎる女性のためのキャリア処方箋 1時間
働く女性の健康 ライフステージごとの問題とセルフケア 2時間40分
働く女性の健康 妊娠期・産後のからだとこころの変化 2時間10分
働く女性の健康 職場の全員が知っておきたい知識 2時間20分
多様性社会を生きるライフキャリア論 40分
女性が活躍できる組織作り 2時間
当事者のための育休のススメ 45分
管理職のための育休サポートの心得 45分
子育て社員の不安解消講座 2時間45分
国際エグゼクティブコーチの女性のキャリアお悩み相談室 3時間10分
女性がリーダーへ踏み出すためのマインドセット 36分
育休のキホン 40分
 

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Schooの女性活躍推進研修カリキュラム例

Schooの女性活躍推進研修の特長は、約9,000本の授業による網羅性です。

女性活躍推進は、経営層や管理職の意識改革、女性管理職候補の育成、キャリア支援など、複合的に取り組まないと前進しません。Schooは業界でも最大級のコンテンツを保有しているため、これらのニーズに全て応えることができます。

参考例として、Schooを用いた女性活躍推進研修のカリキュラム例をご紹介します。

女性活躍推進研修パッケージ

第1回 影響力 -あなたがブランドになる日-
時間 60分×2コマ
研修内容
  • ・なりたい自分を明確にする
  • ・影響を誰に与えるのか
  • ・ターゲットを絞る
  • ・影響力を与えるコツ
  • ・影響力とは
  • ・影響力を高める1番のメリット
  • ・影響力がある人の共通点
第2回 中国名君から学ぶ「セルフプロデュース術」
時間 60分×1コマ
研修内容
  • ・セルフプロデュースとは
  • ・セルフプロデュースに必要な要素
  • ・ケーススタディ
第3回 女性が活躍できる組織作り
時間 60分×2コマ)
研修内容
  • ・女性推進雇用の取り巻く現状
  • ・女性の働き方改革は両性の意識改革から
  • ・女性のライフイベントへの理解が離職を防ぐ
  • ・女性管理職へのチャレンジと登用活用は伸びる会社の条件
  • ・男女ではなく人として捉える
  • ・多様な働き方の提案
  • ・女性も男性も活きる職場づくりのために
   

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大企業から中小企業まで幅広く導入

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広い企業にご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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08まとめ

今回は女性活躍推進法について、実施義務から目的・メリットまで、多岐にわたる内容を紹介しました。女性活躍推進法は、女性が自身のライフプランや目標に合わせて柔軟に働ける社会を実現するための第一歩です。 世界基準だとまだまだ遅れを取っている日本の職場制度ですが、今後さらに女性の活躍を推進する企業が増えていくことは間違いないでしょう。 ぜひ、本記事を参考に女性活躍推進法への取り組みや、女性社員向けの研修を実施し、全社員が働きやすい職場環境作りに努めましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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