公開日:2022/01/24
更新日:2024/03/21

機能別組織とは?特徴やその他の組織との比較などを解説

機能別組織とは?特徴やその他の組織との比較などを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

機能別組織とは、多種多様な組織形態の中の一つです。 最もメジャーな組織形態とも言えますが、どのような特徴やメリットがあるのか。 また、そのほかの組織はどのようなものがあり、どういった違いがあるのかを解説していきます。

 

01機能別組織とは

機能別組織とは、経営層を上位に、研究、開発、生産、営業、販売、人事、経理、総務など、業務内容を職能別に編成し、専門性を高めることで生産性の向上を図るヒエラルキー型組織の一つを指します。 ヒエラルキー型組織とは上下関係がはっきりと分かれている組織のことを指し、ピラミッド型組織と言われたりもします。 本項目では機能別組織の特徴を詳細に確認していきます。

機能別組織の特徴とは

機能別組織の特徴として、業務が細分化されているという点が最も大きな特徴として挙げられます。 細分化されている各部署が各々の役割を正しく果たすことで組織全体が役割分担をしながら一つの製品やサービスを作り上げるといった特徴があり、組織としての大きな課題への一丸となった対応ができるため、機能的と言えるでしょう。 中小企業などに多い組織形態になりますが、多くの組織の基礎部分となっています。 また、分業されており機能的なため、単一事業で製品の種類も少なく、増産することによりコストが抑えられるといった規模の経済が働きやすい自動車などの製造業態や、強力なリーダーシップを発揮できる場合に向いている組織形態といえます。

 

02機能別組織以外の組織形態

機能別組織は優れた組織ではありますが、その他にも様々な組織形態が存在します。 本項目では機能別組織以外の代表的な組織形態を3種ご紹介します。 それぞれの違いや特徴、メリット、デメリットがあるため確認していきましょう。

事業部制

事業部制組織とは、サービスや製品ごとに事業部を設ける組織構造です。 地域や顧客ごとに部署を編成することもあり、複数の製品や多角的な事業を行う企業で多く採用されている組織構造です。 機能別組織では組織全体が役割分担をしながら一つの製品やサービスを作り上げるといった特徴がありますが、事業部制組織は各事業部に必要な機能を備え、事業部ごとの自己完結型で商品・サービス提供を行う組織構造になっています。 事業部制組織には大きく製品別、顧客別、商材別の3つの編成手法がありますが、 事業部単位でみていくと、経営層が事業部に置き換わった機能別組織と同じような組織構造になっています。

カンパニー制

カンパニー制とは、大企業に普及する社内分社制のような組織構造です。 考え方としては、企業内にある事業部を独立した法人のように扱い、経営資源と権限委譲を行うことで、より素早い意思決定を促すことができます。 また、責任の所在を明確化することで、企業内競争力の強化や業務効率化、コスト削減などを意識づけ収益力の向上や事業効率化を図ります。 それぞれのカンパニーには会計上の独立性が担保されているため、同じ会社でありながら科カンパニー間のシナジーが生まれにくいといったデメリットもあります。 またカンパニー単位で見ると、経営層が各種カンパニーに置き換わった機能別組織と同じような組織構造になっています。

マトリクス組織

マトリクス組織とは、一人の社員が複数の部門に所属し、事業やプロジェクトを行う組織構造です。 複数の部門に所属することで、複数の目的を同時に追求することができます。 これまでの組織構造では一つの組織体制で一つの目標を目指してきていたのでその点が大きなメリットとも言えます。 また、一人が複数の部署にいるため、部署間連携などが比較的容易く行えるといった特徴もあります。 しかしながらその性質上一人の社員に直属の上司が複数存在することになり、指揮命令系統の煩雑化をまねいたり、複雑な組織形態となることから意思決定の速度が鈍りやすく、合理的な組織とは言えないでしょう。

 

03機能別組織のメリット

機能別組織は、最もメジャーな組織と言われているように一番多い組織構造となっています。 業務内容が機能で分けられているため、明確といった点も勿論ですが、それ以上に機能で区別することで様々なメリットが生まれています。 本項目では機能別組織構造のメリットを3つに絞り説明していきます。

効率が良い

機能別組織は、機能で区別されているため各部門間での仕事内容の重複などが発生することがまずありません。 また、やるべき業務が明確化されているため目標設定を行いやすいなど、経営効率に非常に優れていると言えます。 また、単一事業で製品の種類も少なく、増産することによりコストが抑えられるといった規模の経済が働きやすい業態の場合は生産効率の向上などから利益率をあげやすいなどの特徴もあります。

専門性を高めやすい

機能別組織は、研究、開発、生産、営業、販売、人事、経理、総務と専門職に分割されています。 同様の業務を行なう従業員が、同じ組織に集まるため知識や技術などの業務ノウハウや経験などの共有が行いやすく、またそれらを実行するさいも集中して業務を行うため、いち早くスキルアップに期待ができます。 習熟が早く、専門性も高まりやすいため素早いキャリアアップにも期待が持てます。

ガバナンスが効きやすい

機能別組織は、機能だけではなく命令系統で見た場合にも経営層などのトップ層に権限が集中している組織構造のため、情報の意思疎通がスムーズに行え、組織の統制を行いやすいといったメリットがあります。 トップダウンでの指示が行いやすいため、意思決定が迅速に行えるのも大きなメリットと言えるでしょう。 また、指揮系統が複数ないため、現場が混乱するといった事態も発生しづらくなっています。

 

04機能別組織のデメリット

機能別組織は、優れた組織構造ではありますがデメリットも勿論存在しています。 デメリットを正しく理解し、より有効的に活用を行いましょう。 ここでは代表的な3つのデメリットとそれらの対策について説明していきます。

総合職が育ちづらい

専門性を高めやすいといったメリットの裏返しになりますが、組織の特性上スペシャリストは多数在籍することになりますが、ジェネラリストとよばれるような総合職はなかなか育たない環境と言えます。 一つの部署で長く働かせるのではなく、多数の部署を経験してもらうことで、職域間での連携が行えるような総合的な活躍を期待できる人材の育成が行えるでしょう。

責任の所在が曖昧になりやすい

業務上大きな問題が発生した場合や、連携がうまくとれていなかった場合、その問題の部分がどこにあるのか、依頼や、伝達方法、それともその他の問題なのかなどの原因の特定が十分にできないケースがあるでしょう。 職域別で分離されており、部門間の統制がとれていないため、責任をどこかの部門に押し付けようという働きが起こる場合があります。 また、原因の特定が行えないということは、対応が遅れ、大きな機会損失に繋がる可能性もあります。 また、評価基準も部門ごとに異なる場合は、総合的な評価が下しにくいといったいった点も大きなデメリットと言えるでしょう。 これらを回避するためにも、部門間の連携が正しく行えるよう総合的な人材を育成したり、それぞれの評価基準などを明確化しておく必要があります。

変化に柔軟に対応しづらい

機能別組織はその組織構造の特性上、部門間の連携が行いにくく他部門での気付きなどを有効活用できない場面などが発生しがちです。 また経営層に指揮命令権などが集中するため、経営層の負担などが大きく変化が激しい場合に経営層が部門間連携だけで仕事が終わってしまうといったよなデメリットもあります。 専門家集団のようになっている部門の場合、異動や退職などを行った場合の生産性の低下などのリスクがあり、総じて機能別組織は激しい変化に弱いと言えるでしょう。 これらを防ぐためには通常での部門間連携のほかに、緊急時などの特別連絡体制などを整えることで幾分か軽減できるでしょう。

 

05機能別組織の問題を解決する方法とは

機能別組織をより優れた組織構造にするために、本項目では機能別組織が陥りやすい課題と、その対応策を説明していきます。 これらを実行し備えることでより機能別組織はより有効的な組織構造になるため、一緒に確認していきましょう。

組織を横断するプロジェクトを実施する

通常の職域とは別に、部門間をまたいだプロジェクトを実施することで、機能別組織の弱点ともいえる部門間連携力を強化することができます。 また、そのプロジェクトを行うメンバーにはゆくゆくは経営層に加えることも視野の上で広範囲での決裁権限などを与え、経営層に加えることで経営層への負担軽減に繋がり、経営層はより企業の発展に重要な意思決定に時間を割くことが可能となります。

幹部候補などの後継育成を行う

総合職などが育ちにくいといった背景はありますが、部門間連携ができるマネージャーなどの育成は組織として必須とも言えます。 いざという時の経営層の意思決定の補助のみならず、普段から次代の幹部などを選定の上業務実行を行ってもらうことでより安定した機能的な組織に繋がっていくでしょう。 また、専門職ばかりになってしまうので各種部門で総合職へのキャリアパスなどを作成することも有効な手段と言えます。


 

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06まとめ

まとめ

本記事では、機能別組織の概要からその他の組織形態、メリットやメリットやデメリットなどの解説を行いました。 色々な組織形態はありますが、その基礎となっているのは機能別組織です。 基礎となっているだけあってとても優れた組織構造ではありますが完璧ではありません。 本記事が皆様の会社の組織体制がどのようなもので、強い組織になるために何をすればよいかの一助になれば幸いです。

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    株式会社ZOZO 技術本部 技術戦略部 組織開発ブロック ブロック長 / 組織開発アドバイザー STANDBY 代表

    1998年に大学卒業後、味の素株式会社に入社し、営業マーケティングに従事。2006年にヤフー株式会社へ転職し、新規ビジネス開発・サービス企画のリリースを経験するかたわらで各種組織活性プロジェクトを推進。2016年に希望して人事部門に異動後、全社の人材開発・組織開発を担当。1on1ミーティングをはじめとしたピープルマネジメントツールの推進や管理職のマネジメント支援と並行して、現場の組織課題解決をサポート。2019年に個人での組織開発アドバイザリー事業と組織開発エバンジェリストとしての情報発信を開始。2020年に株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO)へ転職し、現在は全社およびクリエイター部門の人事企画・人材開発・組織開発に携わっている。

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