公開日:2022/01/24
更新日:2022/09/22

フリンジ・ベネフィットとは?重要視される背景や導入方法などを解説

フリンジ・ベネフィットとは?重要視される背景や導入方法などを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

フリンジ・ベネフィットとは、従業員満足度を向上させる目的などで近年力を入れる企業が増えてきています。現在働いている従業員は勿論、これから入社する新人などの採用分野まで含めて企業価値を高める上でも注目されている取り組みです。 本記事ではフリンジ・ベネフィットの概要から、具体的な内容やフリンジ・ベネフィットを導入することによるメリットなど幅広く解説を行っていきます。

 

01フリンジ・ベネフィットとは

フリンジ・ベネフィットのフリンジは「ふさ飾り」の意であり、ベネフィットは「利益や給付、便益」を指します。 付加給付や、福利厚生などといった意味で用いられることもありますが企業が従業員に対して提供する賃金以外の、給付・サービスの総称のことを指します。 フリンジ・ベネフィットは主に、法定福利といった法律により資金の拠出が企業に義務づけられている「健康保険」、「厚生年金保険」、「労災保険」、「児童手当」などの事業主負担分ではない、法定外福利費用などをさし、「住宅手当」などの一般的なものから、企業による独特なものまで特色が様々なものがあります。

フリンジ・ベネフィットは非課税所得

フリンジ・ベネフィットの特徴として、非課税であるといった点があります。 非課税ということは、企業、従業員のどちらにおいても節税対策になるということです。 企業側では支給した福利厚生費などは給料とは別で、福利厚生費として経費に計上され、原則非課税となります。 従業員においても福利厚生は非課税です。 家賃補助など直接的な金銭が支給される手当は課税対象ですが、寮や社宅の家賃を負担してもらう場合には非課税となります。

 

02フリンジ・ベネフィットの主な具体例

フリンジ・ベネフィットには様々な種類があります。 昨今、IT企業などでは自由でユニークなものが増えてきていますが本項目では現在の日本で一般的なフリンジ・ベネフィットをまとめています。 実際にどんなフリンジ・ベネフィットがあるのか、いくつか確認してみましょう。

通勤手当

会社への通勤のために交通機関を利用する場合、距離などにもよりますが最高月額15万円まで通勤手当を非課税で支給することができます。 公共交通機関だけでなく自家用車などを含み通勤する場合も、決められた限度内であれば距離に応じて非課税となりますが、2㎞圏内の場合など課税対象となる場合もあります。 通勤手当によるトラブルなどを未然に防ぐためにも、これらの内容は就業規定に正しく盛り込むと良いでしょう。

社宅

従業員の住居のためにに住宅を貸与することを社宅制度と呼びます。 一般的な賃貸物件と比べて家賃を安く抑えることができる特徴があります。 転勤が多い企業の場合、従業員の通勤や、家探しなどの負担軽減を目的として社宅制度を取り入れてることが多いです。 似たような制度で家賃補助がありますが、家賃補助などの住宅手当の場合は課税対象になるといった点が大きな違いになります。

出張手当

出張に関して、出張費用や宿泊費などは経費になるため非課税なのですが、 企業によっては事前の準備や当日の予備費用として、事前の出張予算に出張手当が組み込まれている場合などがあります。 出張手当に関しては、日当などで渡し切りが一般的になり、経費として丸められるため非課税となりますが限度額なども存在するため注意が必要です。

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金とは、確定拠出年金法を根拠とする私的年金になります。毎月定額を掛金として従業員が選択する運用資産への積み立てを行っていきます。この積み立て費用を、損金として計上できるため節税対策になるといった点があります。 また、節税対策だけではなく企業年金の運用リスクを回避できるなどの利点もあるため、導入している企業が近年増えてきています。

慶弔金

慶弔金は、冠婚葬祭に際して会社から従業員に対して支払われる経費になります。一例として結婚祝い金や出産祝い金、傷病見舞金や弔慰金などがあります。近年少し変わった内容としてペットをなくした方への手当金なども話題になりましたが、手当の金額が社会通念上相当と認められる場合は非課税といった特徴があります。

 

03フリンジ・ベネフィット導入メリット

フリンジ・ベネフィットを導入することで企業にとって様々なメリットがあります。給与以外の手当を充実させることは、成果を挙げている人からしてみれば、「全従業員が利用可能な福利厚生ではなく、個人の給料に分配してほしい」と思うかもしれません。しかし、フリンジ・ベネフィットを充実させることは、単純に給料を上げること以上の価値をもたらします。本項目では、導入するメリットに関して確認を行っていきます。

節税に繋がる

フリンジ・ベネフィットを導入することで、給与以外の支払いが増えた場合、会社としては福利厚生費としての利用が可能です。 福利厚生費として利用を行った場合、計上金額を損金として換算ができるため節税効果が期待できます。

従業員満足度の向上に繋がる

フリンジ・ベネフィットが充実しているということは、従業員にとって給与以外の給付やサービスが多いということになります。 給付やサービス内容が他企業との差分となり、自社に所属する価値に繋がっていくため、従業員満足度の向上なども期待できます。

新規採用時の特色になる

フリンジ・ベネフィットが充実していたり、ユニークなフリンジ・ベネフィットなどがある場合、起業特徴として売り出すことが可能です。 近年の求職者は給与以外にも働きやすさなどの環境要因を求めることが多いため、採用力の強化などにも期待できます。

社会的信頼性の向上

健康診断などのフリンジ・ベネフィットが充実している場合ですが、従業員の健康管理などに気を遣っており、従業員を大切にする企業であるということが客観的に判断することが可能と言えるでしょう。 フリンジ・ベネフィットの充実は社会的信頼性の向上に繋がっていきます。

 

04フリンジ・ベネフィットを導入する企業事例

フリンジ・ベネフィットは特別なものではなく、様々な企業で導入されています。 本項目では一般的なものではなく、海外企業やベンチャー企業などで導入されている一風変わったフリンジ・ベネフィットを3つご紹介していきます。

ピアボーナス

ピアボーナス制度とは、従業員どうしてお互いへの賞賛や承認を行う際にの報酬を送り合う仕組みのことです。 ピアボーナス制度は、Googleが心理的安全性の向上などに用いていたことで一躍話題になりました。 今までの給与制度にはなかった新しい仕組みとして注目されています。 ピアボーナスを導入することで、お互いに認め、褒める文化が醸成されるため職場のコミュニケーションが円滑になったり従業員のエンゲージメントが高まるなどの効果が期待されます。

クラブ活動

クラブ活動などの、社外活動を積極的に推奨している企業もあります。 コンサルティング会社として有名なアクセンチュアでは、社内のコミュニケーションも大切な福利厚生の一つと考え、クラブ活動を積極的にバックアップしています。 業務以外でも従業員がつながることができる環境構築を会社として支援し、従業員のエンゲージメントを高めるだけではなく、会社への帰属意識を高めることにつながっています。

バンジージャンプ支援制度

最後にご紹介をするのが、少し変わった制度でバンジージャンプ支援制度になります。 年に1回までバンジージャンプ代を会社が負担するといった内容で、株式会社とライバルメディアハウスが実施しています。 刺激的な体験を通して、革新的なアイデアを生み出してほしいとの思いから導入されているようですが、このような変わった体験をできるというのは非常にユニークで面白いと話題になりました。

 

05フリンジ・ベネフィットの代行サービス

フリンジ・ベネフィットに関して近年注目されているのが、アウトソーシングサービスです。 自社で全て対応を行う必要はなく、アウトソースすることでコストを抑えつつフリンジ・ベネフィットを充実させることが可能になります。 本項目では代表的なアウトソースサービスを3社ご紹介します。

ベネフィットステーション

株式会社ベネフィット・ワンが展開するサービスです。 福利厚生アウトソーシングを提供する企業で株式上場を果たしています。 特典やサポートが充実しているほか、従業員だけではなく家族にも割引優待が利用できる点が特徴です。展開サービス数は140万を超え、レジャーエンターテイメントからフィットネスクラブ、自己啓発などまで幅広く網羅しています。 近年では小学生向けのプログラミング講座などを対象に入れるなど、従業員だけではなく家族含めたスキルアップなども支援可能になっています。

ライフサポートクラブ

リソルホールディングス株式会社が展開するアウトソーシングサービスです。 各種拠点での宿泊サービスなどに強みをもっており、最大の特徴としては福利厚生の内容をカスタマイズすることが可能といった点です。 特定の福利厚生だけ強化したい場合などに用いることでより費用を抑えつつアウトソースが可能になっています。 また、利用がない場合の返金などの対応も行っています。

福利厚生クラブ

株式会社リロクラブが展開する日本で最初にスタートした福利厚生アウトソーシングサービスです。 福利厚生クラブは全国50エリアに拠点があり、地域密着型のサービスを展開し地域間格差を解消しています。 また、株式会社リロクラブでは報酬制度の支援や退職後のセカンドライフのサポートや、育児支援など含め幅広くサポートしており、別途同社が設けている独自のホワイト企業認定を受けることもできます。


 

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06まとめ

本記事では、フリンジ・ベネフィットに関して概要から特徴とメリット、導入の企業事例や代行サービスなどについて解説を行ってきました。 フリンジ・ベネフィットが充実しているというと、従業員だけにメリットがあるように思えますが企業にとっても様々な利益が得られます。 企業と従業員、双方にとってよりよい環境構築を行うことが企業の存続には不可欠です。 是非本記事をご参考にフリンジ・ベネフィットの導入などをご検討いただけますと幸いです。

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    株式会社壺中天 代表取締役

    立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。その後、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げ、2020年「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し代表と塾長を務める。

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