公開日:2021/07/13
更新日:2023/01/17

昇給率とは?計算方法や2021年の平均について解説

昇給率とは?計算方法や2021年の平均について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新聞やネットなどのニュースでも耳にする「昇給率」。就職や転職、キャリアにおいて欠かせない割合です。労働者が昇給率について知ることは、様々なメリットもあります。 昇給はベースアップとは異なるのか、2021年に昇給を行った日本企業の割合はどれくらいなのかなどに関しても、正しい情報を手に入れることは大切です。 この記事では、昇給率の意味、ベースアップとの違い、日本企業の昇給実施割合、計算方法などについて、わかりやすく解説します。

 

01昇給率とは?

最初に、昇給率の概要を伝えます。昇給率について詳しく知っておくことは、労働者にとっても数々のメリットがあります。昇給率や昇給について、なんとなく考えていた、よくわからないと放っておくのではなく、昇給率についての知識を深めてください。

昇給後の給料が昇給前より何パーセントアップしたのかを示す割合

昇給率とは、昇給後の給料が昇給前より何パーセントアップしたのかを示す割合です。昇給率2パーセント、昇給率3パーセントなどと言い表します。 大企業と中小企業では昇給率も異なります。大企業の方が、中小企業よりも昇給率は高いです。 昇給率は職種や企業にとっても実に様々で、昇給率が3パーセントと比較的高いところもあれば、昇給率が0,5パーセントと低いところもあります。 職種や企業ごとのおおまかな昇給率を知ることで、現在の給料よりも今後どれくらいの増額が見込めるのかなども、わかります。

昇給率の計算方法を知ればキャリアプラン作成にも役立つ

自身の給料の昇給率や計算方法を知っておくと、キャリアプラン作成にも役立ちます。昇給率や計算方法を知っておくことで、将来就きたい職種や、将来受け取りたい給料についても深く考えることもできるのです。 また、現在就いている仕事の目標についても、しっかりと見つめ直すきっかけにもなります。 他にも、昇給率をチェックすることで、企業の成長度を判断することもできるので、企業の将来性を考えるうえで大変参考になります。

昇給率はここを見るとわかる

業種や企業ごとに異なる昇給率ですが、大企業の昇給率は経団連が会員企業にアンケートを行った結果を公開しているので、それを見ると一目瞭然です。 中小企業の昇給率は、民間の会社がリサーチした結果を見ることでわかります。

就職や転職では昇給額より昇給率をチェック

就職や転職をする企業の昇給額も、チェックしておくことが大切です。「昇給額」が高いと一見好待遇だと思いがちですが、それよりも見ておきたい点は「昇給率」です。理由は、昇給率が低い企業で勤続年数を重ねても、なかなか給料がアップしないことが考えられるからです。


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02予定昇給率とは?

昇給率と関連する言葉で、「予定昇給率」という言葉もあります。予定昇給率とは、企業の従業員の給与が、将来どのようにアップしていくのかを推定して、それを昇給率という形で表した比率のことです。 給与比例制の年金制度の数理計算において使われる計算基礎率の1つでもあります。

予定昇給率が必要な理由

予定昇給率が必要とされる理由の1つは、退職給付金額を前もって知るためです。多くの企業では、退職給付の額は退職時の給与を基礎として、その額に勤続年数等に応じた支給倍率を乗じて計算します。 もう1つ、予定昇給率が必要とされる理由があります。給与の昇給に関する規定は会社によって異なっていますが、企業が予定昇給率を定めておくと、従業員に対して公平で合理的に昇給させることができるからです。 他にも、昇給率が決められていることで、従業員のモチベーションアップや雇用の安定にもつながると考えられています。

予定昇給率は呼称も算定方法も変更された

なお、予定昇給率は2012年の退職給付会計基準の改正によって、呼称が「予想昇給率」に変更されています。 これにともない、予定昇給率の算出方法も変更になりました。「確実に見込まれる昇給」を基に算定していた方法から、「予想されるすべての要因」を考慮して算定する方法に改められています。

 

03昇給とベースアップ(ベア)は異なる

特に質問が多いのが、昇給とベースアップ(ベア)の違いです。この2つは混同されがちですが、異なるものなので、わかりやすく説明します。

昇給は多くの企業が採用していて年齢や継続年数などが基準

昇給率は、多くの企業が採用していて、年齢や継続年数などを基準に行われます。一方で、ベースアップ(ベア)は年齢や継続年数などの基準はなく、従業員全員の基本給の底上げを意味します。

ベースアップは給料水準自体がアップすること

一方、ベースアップは、給料の水準(定期昇給と基本給)自体がアップすることで、従業員全員の給料が底上げされることです。 従業員は、春闘などの協議を通じてベースアップを要求します。

企業はベースアップに慎重

企業は、ベースアップを行うことに対して、慎重な姿勢になることがほとんどです。 その理由は、ベースアップを一度でも行うと、企業の賃金の総額も増加します。そうなると、企業の業績が良くなかったり、日本の景気自体が良くなかったりする場合に、困るからです。 経営者は賃金総額がアップするベースアップより、計画的な昇給を好む傾向があります。

 

042021年・日本の企業の昇給率はどれくらい?

ここで、2021年の日本企業の昇給率を見ましょう。2021年の昇給率は2パーセントを下回る厳しい予想もされていました。この理由は、あらゆる業界の業績ダウンにより、従業員の昇給よりも、雇用体制の維持に重きを置くのが急務だと考えられていたからです。実際の昇給率はどうでしょうか。

2021年の日本の企業の平均昇給率は1.8パーセント

経団連が2021年5月28日に発表した春季労使交渉の1次集計結果によると、大手企業のベースアップを合わせた昇給率は1.82%でした。 昇給率が2%を割ったのは、実に8年ぶりのことです。昇給率が伸びなかった業界で目立つのは私鉄や造船でした。新型コロナウイルスの影響により、業績が大幅にダウンしたのが要因だと考えられています。. 2020年の平均昇給率は2.0%でした。アメリカの平均昇給率を紹介すると、ここ10年間で2%~3%です。
参考:日本経済団体連合会

賃上げを行う予定は大企業が7割超え・中小企業は6割超え

では、気になる賃上げ(給料アップ)についてもお伝えします。東京商工リサーチが発表した賃上げアンケート調査の結果では、2021年に賃上げを行うと回答した企業は、大企業で74.1%、中小企業でも64.8%にのぼるとわかりました。この割合は、前年を8.5ポイントも上回っています。
参考:東京商工リサーチ

 

05ここ数年間に昇給を実施した企業の割合とは?

では、ここ数年間に、実際に昇給を実施した企業の割合はどうでしょうか。昇給は従業員数とも密接な関係がありそうです。日本企業の昇給実施の実態を紹介します。 2018年度は大企業の昇給予定が9割超えでした。2018年の賃金引上げ等の実態に関する調査によれば、5000以上の従業員を抱える企業の中で、従業員1人あたりの平均賃金を引き上げた、または引き上げる予定があると回答した企業の割合は、94%に及びました。 従業員数が300人~999人の企業の場合、昇給を行った企業は95%、従業員数が100人~299人の企業の場合は88%nという割合でした。

 

06給与額からわかる昇給率の計算方法

最後に、給与額からわかる昇給率の計算方法を説明します。現在の給与額から将来もらえる給与額を知ることも可能なので、参考にしてください。

昇給率の計算方法

日本企業のほとんどには昇給システムが規定に盛り込まれているので、計算式を知ればすぐに求められます。昇給率の計算方法は、以下です。 昇給率=昇給後の給与÷昇給前の給与 2人の労働者の給与額を例に、昇給率がいくらになったのかを実際に計算してみます。 ・20万円から20万3,000円に昇給した場合:20万3,000円÷20万円=101.5% ・1年目の給与が20万円、10年後の給与が35万円だった場合:30万円÷20万円=175% 給与がいくらアップしたかを表す「昇給額」を知りたい場合で、定期昇給が1%、基本給が22万円の場合、22万円×1%=22,000円となります。

昇給率の計算は手当や賞与も含む?

昇給率の計算対象では、基本給以外に手当や賞与も含むのか、という点も説明します。 昇給率の計算方法は目的によって異なりますが、一般的な昇給率の計算対象としては、「基本給」や「月例給与」があげられます。手当や賞与は抜きにして、昇給率の計算を行います。

昇給率の計算方法から企業の将来性を知る

昇給前と昇給後の給与額さえわかれば、紹介した計算式で何年後の昇給率でも調べられます。10年後の給与から昇給率を計算してみて、自身の努めている企業の将来性を確認することも可能です。 10年後の昇給率は業界ごとにリサーチされていて、毎年注目されています。就活する人にも転職するビジネスマンにも役立てられています。


 

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07まとめ

昇給率の意味、ベースアップとの違い、日本企業の昇給実施割合、計算方法などについて、一つ一つ解説しました。昇給率を知ることは、就職や転職の際に役立つだけでなく、キャリアプラン作成にも影響します。今後の日本企業の昇給率の傾向にも、注目していくことが大切です。

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    株式会社壺中天 代表取締役

    立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。その後、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げ、2020年「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し代表と塾長を務める。

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