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年俸制とは?外資系企業で一般的な給与制度のメリットや注意点を解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/08/13
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年俸制とは?外資系企業で一般的な給与制度のメリットや注意点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

プロスポーツ選手や外資系企業では一般的な給与体系の年俸制。日本国内の一般企業においても導入が増えつつあります。年俸制を導入した企業の多くは、「人件費の管理がしやすい」「成果によって給与を変動させやすい」といった理由で選択しているようです。この記事では、そんな年俸制に関する基礎知識から、メリット・デメリットや導入時の注意点について解説します。

 

年俸制と月給制の違いとは

そもそも給与体系には時給制、日給制、月給制、年俸制があります。日本国内の企業では正社員の賃金形態として月給制が主に採用されています。文字通り月給制は月を単位に賃金を定め、年俸制は年を単位に賃金を定めます。年俸制の給与支給額の決定方法には、いくつか種類があります。年俸を12分割して毎月支給する方法や、14~16分割して毎月の給与と賞与を支給する方法などがあり、企業によって異なります。年俸制だからといって給与支給は年1回というわけではなく、毎月給与の支払いが必要となります。また年俸制は一般的に毎年給与の見直しが行われるため、いつ給与の見直しが行われるか定かではない月給制と比べ、個々の業績を賃金に反映しやすいという特徴があります。

外資系企業では年俸制が主流となっている

多くの外資系企業では年俸制を採用しています。 日本国内では、アマゾンジャパン合同会社を筆頭に、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社やCROOZ SHOPLIST株式会社、株式会社サイバーエージェント、P&G Japan合同会社、LINE株式会社など、年俸制を採用している企業は外資系企業もしくはIT企業に多くなっています。海外では日本における旧来の終身雇用制度は一般的ではなく、また年功序列による昇給も見られず個人の成果に応じて報酬が決定することがほとんどです。 そのため、勤続年数に関係なく成果によって毎年の評価が変動する年俸制が馴染みやすいのでしょう。 国内で年俸制が採用されているケースも、プロスポーツ選手やシステムエンジニア、プログラマーなど専門性が高く個人のスキルや成果が要求される職業が多くなっています。

年俸制は日本企業には合わない?

少し古いデータですが、日本企業での年俸制の採用率は9.5%です。また業種としては情報通信業、金融・保険業、学術研究・専門・技術サービス業で20%を超える導入率となっています。企業規模別にみると従業員1,000人以上の企業では26.4%と企業規模が大きいほど年俸制を導入している企業が多くなっています。(参考:平成26年就労条件総合調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/14/dl/gaikyou.pdf)

なかには全従業員ではなく、管理職だけ年俸制を採用しているなど月給制と年俸制を併用している企業もあります。日本では採用率が低い年俸制ですが、そもそも日本で月給制が主流なのは日本的雇用の影響を受けているためです。 日本的雇用である終身雇用・年功序列制度と年俸制はあまり相性が良くありません。大きな増減がなく安定した給与支給が望める点と、年功序列による成果以外での定期昇給を長年取り入れてきた日本企業の賃金形態は、日本人のライフスタイルにしみ込んでいます。 決して年俸制が日本には合わないというのではなく、日本人は月給制に慣れていて変えるほどのインセンティブが働かない、といったほうが正しいのではないでしょうか。

 

企業側のメリット・デメリット

年俸制にはメリットもデメリットもあります。企業側にとってどのような影響があるのか確認しておきましょう。

メリット:人件費の見通しや事業計画が立てやすい

年俸制は毎年1年間の総額の給与を事前に決定するため、計画の見通しが立てやすいです。 月給制を採用した際には年度内に昇給や減給など給与額が変わるたびに、年間の収支計算や事業計画、保険料などを見直さなければなりません。

メリット:従業員の目標管理・人事評価がしやすい

毎年、給与額を見直すことで従業員の評価基準を明確に示すことができます。 1年間の成果を次年度の給与に反映することができるため、成果重視の企業に向いている給与体系です。 また、正当な評価をされたい、成果を上げて給料を上げたいというような意欲的な人材が集まるというメリットもあります。

デメリット:景気に合わせた柔軟な給与変更ができない

例えばコロナ禍による事前に予測不能な景気悪化があったとしても、年度中に給与を下げることはできません。1年間給料が変わらないということはメリットでもありますが、デメリットにもなる可能性があるのです。 ただし遅刻、早退、欠勤、休職をした際の働いていない時間の賃金カットについては労働契約上の合意内容次第となります。

デメリット:解雇時には多くの解雇予告手当が発生する可能性がある

年俸制の場合、従業員を解雇する際には注意が必要です。 通常、労働基準法において解雇規定は「30日前の解雇予告もしくは30日分の平均賃金の解雇予告支払い」が必要となります。 ただし民法第627条第3項では「6か月以上の期間をもって報酬を定める場合においてはこれを解約するときは3か月前に申し出る旨」を規定しています。 解雇予告に関しても同様で、年俸制では3か月前の通知が必要で、それを行わない場合は解雇予告手当として給与3か月分相当の支払いが必要となります。 これに関しては少々厄介な問題で、通常は民法よりも会社規定のほうが優先されます。 しかし、民事損害賠償を起こされる危険もあるため、3か月前に解雇予告をするのが望ましいでしょう。

 

従業員側のメリット・デメリット

さて、従業員にとって年俸制はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。 従業員のメリット・デメリットを知り、年俸制にした際にどのようなタイプの応募者が増えやすくなるのか、参考にしてみてください。

メリット:年間の収入計画が立てやすい

1年間に支払われる金額が決まっているため、長期的な計画が立てやすいです。 コロナ禍の影響で多くの月給制の企業では従業員の年収が減っていますが、年俸制ではそのリスクを避けられます。

メリット:毎年の評価でモチベーションを保ちやすい

年俸制を導入している企業は成果主義の評価体制を取っているケースが多く、年俸制は成果を給料に反映するという点において優れています。成果と給料が結びつくことでモチベーションを保てるというタイプの社員も多いのです。

デメリット:成果がすぐに反映されない

毎年、成果を評価されるとは言っても反映はすぐではありません。たとえ大きな成果を残したとしても、来年の給料まで反映されることはないのです。 なかには決められた年俸とは別に成績による賞与を設けている企業もありますが、多くの企業では1年間の給料が変わることはありません。極端な成果主義の社員である場合など、上げた成果がすぐに給料に反映されないことを不満に思う人もいる可能性があるのです。

デメリット:来年の年収ダウンの可能性も

毎年、給料を定められるということはもちろん年収ダウンの可能性もあります。 年収が下がる可能性があるという点が、日本特有の年功序列制度と相容れない部分でしょう。成果主義によって給料が上がる可能性がある半面、ダウンしてしまうというリスクも伴います。

 

年俸制導入には細心の注意と知識が必要

年俸制導入には注意しなければいけない点がいくつかあります。一番は日本ではまだあまり馴染みのない制度のため、従業員の混乱を招く恐れがあるという点です。 従業員に正しく理解してもらうためにも、正しい知識を得てから年俸制の導入を検討しましょう。

就業規則の変更は必須

賃金形態を変更するのであれば、労働基準法に定める就業規則変更の手続きを取らなければなりません。その際に「不利益変更」には注意が必要です。 「不利益変更」とは、会社が一方的な判断で労働者にとって不利益になる労働条件を変更することです。もっとも、年俸制によって不利益とならない、もしくは従業員に説明・合意の上での変更であれば問題はありません。年俸制に変更する際には変更前の条件よりも従業員に不利益にならないように配慮するのが望ましいでしょう。

賞与・残業代の支払い方式も変更になる可能性がある

賞与は年俸に含まれるように規定している企業が多いです。そのような企業では、賞与を含めた年俸を設定し、14~16分割で月給と賞与を支払っています。 この際の賞与は支給分の金額があらかじめ決定されているため「本来の賞与」としての性格は認められず、残業代を計算する際の算定基礎に算入させなければなりません。 また従業員が賞与の支給日前に退職した際にも賞与の支払いが必要になるケースもあります。年俸として定められている期間に在籍した場合は、その期間に応じて支給をしなければならないのです。 ただし、年俸とは別に業績に応じた賞与を支給することも可能なため、自社の実情にあった選択をするのが望ましいでしょう。 また年俸制であっても残業代は発生します。 年俸制で残業代を支払う必要がないケースは、裁量労働制の場合・管理職の場合・一定の残業時間を年俸に含めている場合などです。 たとえ一定の残業時間を想定して年俸を計算していても、一定の時間を超えた分の残業代は発生します。

人事評価制度も年俸制を前提に変更が必要

月給制の場合は通常、給与が下がることはほとんどありませんが、年俸制では減給の可能性もあります。そのため、より納得する給与の決め方と評価制度を整備する必要があります。評価を給与に反映させる明確なルールはあるか、透明性、具体性のある評価基準の整備と開示はできているか、評価の納得性は問題ないか、客観性を保つ評価方法の整備は整っているか、既存の評価制度が上記を備えているか、などを見直すことが必要です。

一方的な評価だけでなく従業員の異議申立制度を設けている企業もあります。年俸制がうまく機能しない原因の多くは、評価の硬直化です。評価が高い人、評価の低い人が毎年同じような顔ぶれになることで従業員のモチベーションも落ちてしまいます。そのため、成果だけの評価ではなく、成長や社内の貢献度といった項目に関しての評価も大切です。

導入前に労使間での合意は必須

年俸制は賃金に関する制度として労働契約のなかでも重要な要素です。会社が一方的に導入するのではなく、労働者との合意を前提として導入すべきものです。 就業規則を改定するに当たっての従業員側の合意はもちろん必要ですが、なぜ年俸制を導入するのかという目的や理由に関しても詳細に説明をしましょう。 前述のとおり日本ではまだ馴染みのない給与体系です。年俸制を喜ぶ人もいれば嫌がる人も必ずいます。会社としての理由・目標を明確化し、労使とともに制度を構築していくのが望ましいでしょう。

 

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1984年生まれ。龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で"学び直し"。 その後、株式会社デコムなどでデジタルマーケティング、消費者インサイト等の業務に携わり、現在は「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーJX通信社にてマーケティング全般を担当している。 政治、経済、文化など、さまざまなデータをデジタル化し、分析・予測することを得意とし、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌にも登場している。 ◇主な著書 「なぜ「つい買ってしまう」のか?~「人を動かす隠れた心理」の見つけ方~」(光文社)2019 「誤解だらけの人工知能」(光文社)2018 「データサイエンス「超」入門 嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい」(毎日新聞出版)2018

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管理画面の使い方2

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管理画面の使い方1

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まとめ

年俸制を導入する企業は徐々に増えてきています。終身雇用や年功序列が保てなくなった現代では、月給制に固執する必要は決してありません。 とはいうものの、すべての企業において年俸制が適している訳でもありません。自社の目標や社風・理念・経営方針・従業員のモチベーションなどと照らし合わせて検討してみるのも良いのではないでしょうか。

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