公開日:2022/01/24
更新日:2022/07/14

複線型人事制度とは?導入するメリットやその方法について解説する

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複合型人事制度とは、同一企業内に複数のキャリアコースを設定する人事管理システムのことです。実際に導入し運用する際は、どのような制度なのでしょうか。本記事では、複線型人事制度についてのメリットや導入方法について解説しています。

 

01複線型人事制度とは

複合型人事制度とは、同一企業内に複数のキャリアコースを設定する人事管理システムのことです。従来のキャリアコースの考え方とは異なり、複数のコースを準備することで多用な人材を管理することが可能になります。複数のキャリアコースがあることで、従業員の成長の可能性を高めることができ、社員の主体的なキャリア形成を促進することも期待できます。社員が自らのキャリア形成を検討できる複合型人事制度は、自己成長の幅を広げる画期的な制度として注目を浴びています。

単線型人事制度との違い

複合型人事制度と比較して単線型人事制度があります。単線型人事制度とは、昇進や昇格などの道が単線、つまり1つしかない人事制度です。つまり、社内におけるキャリアコースが定まっている道筋以外にはない形となり、多様なキャリアパスが準備されている複線型人事制度とは異なります。

 

02複線型人事制度のメリット

次に、複線型人事制度のメリットについて解説していきます。ここでご紹介しているメリットを確認し、自社で複線型人事制度を導入することが有効であるかを判断してみると良いでしょう。

従業員のモチベーション向上

多様なキャリアパスがあることは、従業員のモチベーション向上につながります。自己成長の機会が予め用意されていることは、モチベーションを維持するだけでなく、意識改革にもつながっていきます。モチベーションの中でも、自らが取り組みたいと思う内発的なモチベーションは、長期的に続く傾向があります。個人の成長を促し、結果的に組織全体のモチベーション向上を実現することができるでしょう。

技術や知識の蓄積が可能

複線型人事制度の中には、専門職コースとして技術や知識の蓄積を目的としたコースを設けることができます。このコースに進んだ人材は、既に保有している知識や技術をより高めることを希望するケースが多くなります。個人としてはスキル向上やキャリアの形成に良い影響を与え、会社としては社内ノウハウの蓄積、高度化が期待できるでしょう。

ポスト不足に対応可能

従来の単線型人事制度では、ポジションの数が限定されてしまいます。一般的に企業はピラミッドの形で組織されますが、事業に対して貢献度が高い人材のポジションが確保できないという問題を生じさせます。これに対して、複線型人事制度は貢献度に合わせたポジションを用意するため、この問題を解消する1つの手段として有効です。組織に貢献する人材を高く評価し登用できる仕組みができることは、ポスト不足を解消するだけではなく従業員の可能性を高めモチベーションを高める相乗効果を発揮することができます。

人材成長の可能性が拡大

複線型人事制度ができることで、人材成長の可能性が拡大できます。単線型人事制度に比べ、キャリアパスの道が複数あることで、より成長できる道筋も多数用意されます。単線型人事制度では、実現できなかったキャリアパスの道筋ができることでより多くの人材成長をきたいすることが可能になります。こうしたキャリアパスの道があることで、人材成長の可能性が高くなり企業成長に大きな期待を持てる相乗効果を発揮していきます。

 

03複線型人事制度の実施パターン

次に、複線型人事制度を実施する際に想定しておきたいキャリアパターンについて解説します。複線型人事制度は、複数のパターンを導入することができる人事制度です。ここでは、その中で、どのようなパターンを導入していけばいいかの事例を交えてご紹介していきます。

キャリア志向別のパターン

キャリアの形成には、既存のキャリアを基準とする以外に、新たなサービスなどに着目したキャリアパターンが想定されます。企業が必要とする人材の能力や職務を精査し、その目的にあったキャリア別にパターン設定を行うにがキャリア志向別パターンです。ここで定義するパターンは、その後の企業成長や方向性を左右する影響も想定されるため、公平さを保ちつつ協議をしながら進める必要があります。

適正に基づくパターン

従業員の適性を分析し、その傾向に合わせて設定するパターンです。企業の中には、専門性を重視する、新たな気付きから新商品を創出することなどが得意な人材など、複数の適性をもった社員が存在します。こうした傾向を分析、洗い出しパターンを作成していきます。このパターンであれば、個々人の能力を活かした組織へ在籍させることができるため、個人の特性を活かすことが可能になります。

職種の特徴別のパターン

職種の特徴に合わせたパターンです。職種の特徴とは、実際に行っている業務の特徴を意味し、その特徴別にキャリアパターンを高める方法を指します。このパターンであれば、1つの業務や職種に特化したスキルを蓄積することができ、その道のスぺシャリストを育成することが可能になります。こうしたパターンを設けると、他のキャリアへの転換が難しくなるとも言われています。そうならないためには、他のキャリアへの転換が可能な方法を予め設定しておくなどの方法を模索しておくとよいでしょう。

 

04複線型人事制度導入の注意点

次に、複線型人事制度導入を行う際の注意点について解説していきます。複線型人事制度については、多数のメリットを持つ人事制度です。しかし、その実施には注意点があることを理解しておかなければなりません。この注意点については、予め理解しておくことで、予防策を立てることが可能になりますので、複数の注意点を網羅できる対策を講じる準備を検討しておきましょう。

導入コストが高くなる可能性がある

複数型人事制度については、複数のキャリアが用意されると同時に、複数の組織(グループや部署)を用意する可能性があります。そうなると、人材の増加や組織維持のためのコストが発生することを注意点として認識しておく必要があります。こうしたコストの増加は、一過性のあるものと継続的になるものがあります。継続的に見積もるコストの増加については、その回収が可能か、また最小限にできないか施策を講じておく必要があります。

評価の方法や基準が複雑になる

キャリアの形成やキャリア自体が複数になることで、人事評価や評価基準が複雑になる可能性があります。制度が複雑化することによって、人事部門のリソースが逼迫するケースが少なくありません。実施する上では、既存のリソースがどれだけ必要かも十分に考慮しておく必要があります。対策としては、多数のキャリアについても標準となる基本評価項目を定め、その上で専門的な評価部分の2段階での評価を行うなど、できるだけ標準化を実施することが有効です。平準化については、組織を横断的に決めておくことで、横軸を通しての評価バランスを見ることも可能になります。

定着まで時間と手間がかかる

新たな評価軸を設けることには、手間も時間も必要です。新たに構築した制度が定着するにも時間が掛かることを想定し、定着化までのスケジュールには余裕を持つことが必要です。導入に際しては、スモールスタートで展開していくなど、段階を追っての実施範囲を拡大していくことも有効です。実施するうえで実現性や新たな課題、予実の管理も明確になるため、段階的に検証していくことをおすすめします。

社員への周知や理解促進を促す

複線型人事制度を導入するうえでは、何より社員の合意や理解がなくてはいけません。既存の制度と評価軸が大きく変わるだけでなく、自分の職種が正しく評価されるのかなど、様々な不安を持つ人は少なくないでしょう。そのため、目的や実施背景を説明する機会を会社全体、部門、チームなど複数回にわたって実施する必要があります。実施前に社内でサーベイを行うなども必要です。こうした理解を促すには、経営層を中心に理解促進を図る必要があるため、その運用手順なども含めて準備しておきましょう。

 

05複線型人事制度の導入方法

次に、複線型人事評価制度の導入方法について解説していきます。実際に自社に制度を導入する際には、どのような手順で実施すると良いのでしょか。ここでご紹介する手順を理解し自社における制度導入の手順を明確にし実施していきましょう。

人材の必要スキルを定義する

最初に行うのは、人材の必要スキルを定義することから始めます。社内で必要なスキルとは何か、その特徴は何かを整理していきます。この整理により複線型人事制度のキャリアパスが作成される元になります。スキルの特徴には、業務の特性も加味した整理を行う必要がある点を理解し業務別、特性別の整理を行っていきましょう。こうした複数の観点から設定を行うことで、より企業にマッチした必要スキルを整理することが可能になります。

キャリアコースを設定する

業務別、特性別の整理によりキャリアコースの設定を行っていきます。このキャリアコースによりキャリアパスの道が変っていきます。キャリアコースの設定については、各コースの目的や目指すべき人材スキルを定義し決めていくなど、今後の人材成長にとって大きな影響を与えることを理解し慎重に取り決めを行っていきましょう。キャリアコースについては導入後、直ぐに変更が出来るわけではありません。そこで、スモールスタートを行い徐々に展開していくことが必要です。

評価制度の見直しや定義を行う

次に既存にある評価制度の見直しを実施します。新しく構築したキャリアコースにあった評価制度を構築することが必要になりますので、その定義について検討を進めていきます。既存の評価制度を維持したい部分は維持していきますが、新しく構築するキャリアコースにマッチしているとは限りません。そこで、評価制度を一度フラットにして、新たな評価軸を設けると考えて評価制度の見直しを行うようにしましょう。

社員の配置を行う

準備が整った後には、社員の配置を行います。社員の配置については、本人の希望を含め決めていく必要があります。本人の希望だけではなく、適性なども考慮し配置を行っていきますが、本人への動機付けも必要です。配置前には、本人の面談を通して納得を促すことも必要だと理解しておきましょう。配置に関する納得度合いが低いとモチベーション低下の要素になってしまいます。こうしたことを避けるためには、本人への十分な理解が必要だ理解し対応を行うことが必要だと理解し計画立てた対応を行っていきましょう。


 

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06まとめ

本記事では、複線型人事制度をテーマにその特徴や導入に関する注意点などを解説しています。従来の人事制度ではなく、多岐に渡るキャリコースを準備できる複線型人事制度は、今注目を浴びている人事制度です。働き方も多様化する中で、人事制度の在り方も変化をしています。本記事を参考に、自社における新たな人事制度としての検討を行っていきましょう。

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