公開日:2022/01/24
更新日:2024/01/27

職務遂行能力とは?主な内容や高める方法について解説する

職務遂行能力とは?主な内容や高める方法について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

職務遂行能力とは、与えられた業務を最後までやり遂げる時に必要とされる能力のことです。人事評価制度の評価基準にもなることが多い職務遂行能力ですが、具体的にはどのような能力を指すのでしょうか。本記事では、職務遂行能力について、その構成要素や高めるメリットなどについて解説しています。

 

01職務遂行能力

職務遂行能力とは、与えられた業務を最後までやり遂げる時に必要とされる能力のことです。職務遂行能力が高い人材は業務を最後までやり遂げるため、業務を任せて大丈夫であるという信頼を得ることができます。それだけではなく、職務を遂行するためのさまざまな知識やスキルを保有している人材でもあります。そのため、単純に仕事をこなすということではなく、常に向上していくことも必要なスキルと理解しておきましょう。職務遂行能力については、その職務(業務)を行う上で必要なスキルを保有していることなどを評価する項目として人事評価制度の項目にもなっています。このように、職務遂行能力は単純に業務を行うことができる能力ではないことを理解しておきましょう。

 

02職務遂行能力に必要な2つの要素

業務遂行能力には、必要となる2つの能力があります。その2つとは、保有能力と発揮能力です。この2つの能力は、相互間で関係性の高い能力です。ここでは、この2つの能力について、その特徴について解説します。2つの能力についての理解を深め、人事制度や人材育成におけるヒントとしていきましょう。

保有能力

保有能力とは、業務遂行を行うために保有している能力、つまりスキルのことを意味しています。この保有能力には、商品知識や技能などを始めとするスキルや、単純作業を行うために必要な体力、集中力なども含まれます。その他にも、業務経験から身に付けた判断力、企画力やマネジメント力など幅広い力を含んでいます。保有している、つまり身についている能力全般を保有能力としていると理解しておくと分かり易いでしょう。この保有能力は、日常の業務やスキルアップの機会により高めることが可能です。継続的なスキルアップを行うことで、保有能力は格段にアップしていくことも理解し、人材育成の観点に盛り込んでいきます。

発揮能力

保有能力が高くても、それを発揮できなければ業務への貢献度は低くなります。発揮能力とは、保有能力を最大限に発揮し業務に貢献することを意味しています。発揮能力が高いということは、保有能力を活かして業務に貢献するだけではなく、業務の生産性や精度が高いことも意味しています。その他にも、高いコミュニケーション能力を発揮して組織の雰囲気作りを行ったり、高い協調性により部署間やチーム間の連携を強化するなどの効果をもたらします。

 

03職務遂行能力を高めるメリット

次に職務遂行能力を高めることで得られるメリットについて解説していきます。職務遂行能力が高くなることで、どのようなメリットを企業は得られるのでしょうか。ここでご紹介するメリットを参考に、自社において得られるメリットとして何を重要視したいかを吟味し、人材育成の観点に取り入れていきましょう。

従業員の成長に役立つ

最も大きなメリットは、従業員の成長に役立つことです。職務遂行能力は、その技術や知識、そして能力を発揮した実行力のバランスを必要とします。こうしたバランスがある社員がいることは企業成長に大きなメリットをもたらします。職務遂行能力は基本的なスキルを包括したものと思われることもありますが、この基本となる内容を徹底してできる人材はそう多くありません。職務遂行能力を正しく育成することは、従業員の総合的なビジネス力を向上させることにつながります。

生産性の向上につながる

職務遂行力が高い従業員が増えることで、業務の成果は格段に上がります。これは、それぞれの職務遂行力の発揮によって生産性の向上が期待できるためです。生産性の向上については、既存業務を単純に効率化するだけでなく、新しいアイデアや提案によって効果をもたらすことも含まれます。業務遂行力が標準化され、全体のスキルが上がれば、職場の生産性は大きく向上するでしょう。

職場の活性化による離職率の低下

高い職務遂行能力を発揮する従業員が増えれば増えるほど、職場の活性化につながります。従業員相互が高い技術力や知識をもって業務を行い、コミュニケーション力を発揮して業務を行うことで、より結束力を高めていきます。こうした一連のやり取りの中で、職場の活性化が促進されることで、職場への満足度が向上するでしょう。それによってパフォーマンスが上がるだけでなく、人材の定着率の改善や離職率の低下も期待できるでしょう。

 

04職務遂行能力の主な項目

職務遂行能力とは、どのような能力を含んでいるのでしょうか。次に、職務遂行能力と言われる能力について含まれている観点(項目)について解説していきます。職務遂行能力は、一つの能力ではなく複数の項目が集まった総称であると理解し、各項目について理解していきましょう。各項目を理解することで、人材育成における育成カリキュラムの参考にし、より職務遂行能力が高い人材の育成に役立てていくことができます。

商品知識

職務遂行能力の中には、自社で扱うサービスや商品に関する知識が含まれています。取り扱う商材の特徴や導入メリットだけではなく、留意点についても説明できる能力であり、その説明を通して顧客へのメリットを伝えることができます。その他に、自社商材を使い顧客にどのような変化を起こせるかを提案できる、商品への問い合わせなどにも対応できる知識など幅広い意味合いを持っています。このように商品やサービスの知識が深いほど、自社事業の川上から川下まで対応したり、統括したりすることができるため、商品知識を深く理解することは非常に重要です。

市場理解

自社が置かれている市場環境、市場動向の理解も重要な項目です。市場の理解については、基本となる市場の特徴や動向を理解しておくだけではなく、その変化や新しい動きにも敏感になっておくことが重要です。特に新しい競合の動きや、関連市場での新規サービスなど、自社のマーケットに与える影響がある環境の変化は常にキャッチアップしておくことが重要です。

分析力

課題の本質を見極める分析力、顧客動向の分析など、業務における分析の必要性はあらゆる場面であるでしょう。この分析力は、常に物事をシンプルに考え、その本質を理解する努力が必要です。ロジカルシンキングなどを始めとするスキルの習得も有効となるため、継続的なスキル習得を心掛ける必要があります。このように、分析力と言っても簡単に習得できることではありません。常に、自社のデータやその変化をモニタリングし、仮説を持ちながら検証、その分析を行うなど習慣化することが必要です。

マネジメント力

マネジメント力も業務遂行力には必要な要素です。マネジメント力は、ある程度のキャリアが必要となると言われていますが、マネジメント力の要素となるスキルを身に付ける努力をすることは可能です。マネジメント力とは、タイムマネジメント、指導力などさまざまな項目で構成されています。業務遂行を行う上で必要となる要素と同様にスキルアップを測っていくことで将来のキャリアや人材育成に役立つと理解しておきましょう。

ビジネスマナー

ビジネスマナーは、ビジネス環境での適切な振る舞いやコミュニケーションスキルを指します。これには、礼儀正しさ、プロフェッショナリズム、適切な言葉遣い、コミュニケーションの円滑さなどが含まれます。ビジネスマナーが良好な従業員は、顧客や同僚との関係を構築し、信頼を築くことができます。

 

05職務遂行能力を高める方法

次に、職務遂行能力を高める方法について解説していきます。職務遂行能力を発揮するには、その能力を高めるための人材育成が必要です。ここでご紹介している内容をもとに、職務遂行能力が高い人材の育成を計画的に行っていきましょう。

商品知識の習得を促進する勉強会の実施

商品知識の習得には、社内での勉強会の開催が有効です。商品の知識は一度で習得できない場合もあります。そうした場合には、数回に分けて習得する方法を人事部門を中心に計画すると良いでしょう。商品については、開発部門などに講師を依頼し商品のの特徴などをより詳しく説明するなど、社内の人材を活用し習得できるように計画していくことが有効です。

ロジカルシンキングを習得する

物事の本質を理解するために、シンプルに物事を整理する能力であるロジカルシンキングを習得することがお勧めです。ロジカルシンキングは、社歴などに関係なく活用できる能力です。物事を簡素化し理解することができる能力であるため、社歴が浅い時期にその基礎を理解し活用できるよう育成することで、より業務の本質を理解し効果的な業務運営に役立てることが可能になると理解しておきましょう。

<ロジカルシンキングについてのSchooおすすめ授業>

職務遂行能力の向上に限らず、問題解決や提案・交渉の場など、ビジネスの様々な場面で求められるロジカルシンキングは必要不可欠なスキルです。
本授業では、「相手の困りごとを可視化する」という題材を通じて、日々の仕事や身近なコミュニケーションにロジカルシンキングを役立てていくための方法を学ぶことができます。

「すぐに使える ロジカルシンキング超入門」

すぐに使える ロジカルシンキング超入門

  • 天平株式会社 代表取締役

    日体大卒。脳みそまで筋肉!と言われていた学生時代から、会社経営&コンサルができるまでに成長。その秘訣は「ロジカルシンキング」です。ロジカルシンキングのことを「苦手だな~」「自分なんかが受けても大丈夫?」と不安な方にこそ学んでほしい。安心して学べる場をご用意しています☆彡

成功体験の蓄積

業務を行う際には、失敗が続いてしまうとモチベーションの低下につながり業務のノウハウの理解や業務運営にマイナスの効果を発揮していまいます。そうならないためには、成功体験を蓄積しておくことも有効です。成功体験が蓄積されると、成功のロジックを身に付けることができ、時に失敗をしても軌道修正がしやすいロジックを身に付けることが可能になります。

ジョブローテーションによる経験値の向上

業務や商品の知識を蓄積すること、さまざまな場面での人間関係の構築を行うにはジョブローテーションによる経験値の向上も有効です。ジョブローテーションにより、複数の部署を経験することで商品や業務の知識や技術を蓄積することが可能です。こうした経験は、その後の業務遂行力の向上に効果を発揮すると理解し、定期的なジョブローテーションを計画して実施していきましょう。


 

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06業務遂行能力の評価方法

業務遂行能力を適切に評価していくことで、従業員はモチベーションを向上させることができます。主な評価方法としては、次の4つが挙げられます。

  • ・業績評価
  • ・360度評価
  • ・行動評価
  • ・能力テスト

これらの評価方法は、個々の従業員の能力や役割に応じて適切に選択され、組み合わせられることがあります。組織は、複数の評価方法を組み合わせて使用することで、従業員の全体的なパフォーマンスをより包括的に評価し、育成や報酬の決定に役立てることができます。

業績評価

業績評価は、従業員の業務成果や目標達成度を定量的および定性的な指標で評価する方法です。これには、定期的なパフォーマンスレビューや目標設定、成果物の品質や量、タイムリーな納品などが含まれます。従業員の業績を明確に評価することで、強みや改善すべき点を把握し、育成や報酬の決定に役立てることができます。

360度評価

360度評価は、従業員のパフォーマンスを直属の上司だけでなく、同僚、部下、顧客など、さまざまな関係者からのフィードバックを取り入れる方法です。複数の視点からの評価を受けることで、従業員自身が気づかなかった強みや改善すべき点を発見することができます。また、チーム内のコラボレーションやコミュニケーションの向上にも役立ちます。

行動評価

行動評価は、従業員の行動や態度、コミュニケーションスタイルなどを観察して評価する方法です。直接的な観察やフィードバックセッション、行動に関する質問などを通じて、従業員のリーダーシップ能力、チームワーク、問題解決能力などを評価します。行動評価は、定性的な評価を提供し、従業員の行動の影響を理解するのに役立ちます。

能力テスト

能力テストは、従業員の特定のスキルや知識を測定するためのテストや評価を指します。これには、筆記試験、技術的な実演試験、シミュレーション、グループディスカッション、ロールプレイなどが含まれます。能力テストは、従業員の強みや成長のポテンシャルを特定し、適切なトレーニングやキャリア開発プランを策定するのに役立ちます。

 

07まとめ

本記事では、職務遂行能力をテーマにそのメリットや高める方法などについて解説しています。業務遂行能力はただたんに業務を実施する能力ではなく、業務を実施するための知識や技術を含む複合的な能力の総称です。業務遂行能力が高い組織は、そのパフォーマンスを発揮し企業成長にも貢献できる組織となります。人材育成の観点においても、特に重要な能力として計画的な育成を検討し、スキルを発揮できる組織集団を構築していきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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