質問力を上げるには?高い人の共通点や質問のコツやトレーニング方法を解説

質問力とは、適切な質問で相手の考えや必要な情報を引き出し、状況の理解や問題解決、相互理解を促進する力です。質問力の高い人は、目的に応じて問いを効果的に使い分けることができます。それによって相手の意図を的確に読み取ったり、会話の中で本質を見抜いたりすることが可能です。本記事では、質の高い情報を得るために必要な質問力を高めるコツやトレーニング方法を解説します。
- 01.質問力とは?
- 02.質問力を高めることで得られるメリット
- 03.質問力が高い人の共通点・特徴
- 04.質問の種類と活用例
- 05.質問力アップのためのトレーニング方法
- 06.質問力を高めるためのテクニックやコツ
- 07.質問力を高めるSchooのオンライン研修
- 08.まとめ
01質問力とは?
質問力とは、目的や相手のコミュニケーションスタイルに応じて適切に「問い」を使い分けることで、必要な情報を引き出したり、気づきを促したりする能力を指します。すなわち質問力には、質問する目的を明確にし、どのように聞くべきかを設計し、質問するタイミングを見計らい、相手に伝わる表現をするといったさまざまなスキルが内包されます。相手の意図や潜在的な考えを引き出し、信頼関係を構築するために必要不可欠なコミュニケーション能力の1つです。
「ただ」の質問と「よい」質問の違い
授業や講演において、講師が参加者の質問に「よい質問をありがとうございます」などと応答するシーンを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。このように、質問には「ただ」の質問と「よい」質問があります。
Schoo授業『相手のための聴く力と問う技術』に出演されているコミュニケーションアドバイザーの唐沢 明先生によると、良い質問とは「相手の意見や体験など、相手に聞かなければ分からない問い」や、相手の気づきや考えを引き出す質問です。対して、インターネット検索で簡単に分かるような知識を問う質問は、「ただ」の質問であり、よい質問に比べると効果が薄くなりがちです。また、相手の話を遮る尋問のような質問や、関係値が浅いにもかかわらずプライベートに踏み込んだ質問をすること、TPOや文脈に合わない質問は、することでかえって相手との関係にヒビを入れかねない、「悪い」質問になり得ます。
質問力が役立つシーン
質問力は、さまざまなビジネスシーンで役立ちます。例えば代表的なシーンとして、商談で相手の懸念やニーズを把握し、受注率を高めたい場面が挙げられます。また社外コミュニケーションだけではなく、上司に指示の意図や背景を確認して業務の質を引き上げたり、手戻りを防いだりする目的でも大いに役立ちます。その他、面談や1o1などで後輩や部下の育成で気づきを促したい場面でも、質問力の高さが結果を左右します。
02質問力を高めることで得られるメリット
質問力を高めることで得られるメリットは、主に以下の5つがあります。
- ・質の高い情報の獲得
- ・課題発見・問題解決力の向上
- ・コミュニケーションの円滑化
- ・信頼関係の構築
- ・説得力と影響力の向上
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
質の高い情報の獲得
質問力を高めることで、相手の思考を促し、本人も気づかない本音や悩み、強みを引き出したり、対話の相手しか知り得ない情報を得たりすることができます。質問を通じた質の高い情報の取得は、課題解決や深い関係構築に繋がります。特に顧客との商談やカスタマーサポートなど、対人の業務でパフォーマンスを上げるには、必要な情報をいかにスムーズに入手できるかが重要です。対話によって真のニーズを引き出す質問力は、AIに代替されにくい強力なソフトスキルでもあるのです。
課題発見・問題解決力の向上
適切で質の高い質問をするためには、問題の本質を見極め、必要な情報を整理する必要があります。そのため質問力の向上を意識すると、目の前の課題に対し「自分は何がわからないのか」「どこがクリアになれば解決するか」を考える習慣が定着します。質問力は論理的思考力と密接な関係にあり、課題を筋道立てて分析し、的確な解決策を見つけ出す力も向上させます。
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コミュニケーションの円滑化
質問力を高めると、相手の状況や理解度を確かめながら、ちょうど良い表現で質問を相手に投げかけられるようになります。これにより対話がリズムよく進み、会話が滞りにくくなるだけでなく、相手の意図や考えを自然に引き出せます。表面的なやり取りだけでなく、相手が心の中で本当に考えていることにも触れられるでしょう。その結果、信頼関係が深まり、円滑なコミュニケーションを実現できるのです。
信頼関係の構築
初対面の相手からたくさんの質問をもらうと「興味を持ってくれているのだな」と感じるように、質問をするという行為は、相手への興味レベルを示す強いメッセージになります。適切な質問は、相手の意見や潜在的な考えを引き出し、会話を「共通体験」として積み重ねるきっかけを作ります。そして会話を重ねることで、互いの心の距離感がぐっと縮まり、スムーズで深い信頼関係の構築へと繋がるのです。
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説得力と影響力の向上
相手の本音を引き出し思考を促す質問をするには、対話の相手をよく観察し、理解しようと向き合う姿勢が必要です。そのため質問力の向上は、相手を深く理解したうえで自分自身の意見を伝えることにつながり、結果として説得力や影響力の向上にもつながります。例えば、部下に新しい仕事を任せる場面を考えてみましょう。いきなり指示を出すのではなく、「今の業務で困っていることは?」「どんなスキルを伸ばしたい?」と質問します。部下の状況や希望を把握した上で提案すれば、「この上司は自分のことを考えてくれている」と感じてもらえます。結果として、部下は前向きに仕事に取り組むようになるでしょう。
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03質問力が高い人の共通点・特徴
質問力が高い人の共通点・特徴は、以下のとおりです。
- ・相手の状況や心理を読み取れる
- ・話をよく理解し、情報の整理が得意
- ・質問の目的がしっかり定まっている
- ・話を遮らず、共感しながら聞ける(聞き上手)
- ・情報を論理的に伝えられる(話し上手)
ここでは、質問力が高い人の共通点・特徴を紹介します。
相手の状況や心理を読み取れる
いい質問とは、相手の心の状態にピタリとはまったときに初めて生まれるものです。そのため質問力が高い人は、相手の心理を推察するのが上手い傾向にあります。具体的には、相手の話す言葉の内容だけでなく、表情や目の動き、声のトーン、話すスピードなど、さまざまな非言語情報をもとに、相手の心理状態を想定して適切な言葉を選びます。相手にとっては最適なタイミングや受け入れやすい表現で質問がされるので、嫌な気持ちになることなく、協力的な姿勢で回答することができるのです。
話をよく理解し、情報の整理が得意
対話の内容を深く理解し、インプットした情報を論理的に整理する能力に優れていることも、質問力が高い人の特徴です。相手からの質問が的外れなもので、話が正しく伝わったのか不安になった経験を持つ方も多いのではないでしょうか。このように、心に響く適切な質問をするには、対話の内容を構造的に捉え正しく理解することが必要不可欠なのです。質問力が高い人は、相手に「相互に理解し合っている」という信頼感と安心感を与えるため、質の高い情報が取得できます。
質問の目的がしっかり定まっている
質問をするには、まず問う目的を明確にし、そのうえで相手の状況を見極め、適切な表現とタイミングを設計する必要があります。そのため質問力が高い人は、質問の目的が明確であるという共通点があります。 また質問力が高い人は、その目的を相手と適切に共有することも怠りません。例えば商談において、突然「予算はいくらですか?」と聞かれると、状況によっては警戒心が高まります。しかし対話と文脈を踏まえ、「最適なプランを提示したいので、予算を伺ってもよいですか?」などと聞かれれば、相手の目的がわかっているので安心して回答ができるようになるでしょう。
話を遮らず、共感しながら聞ける(聞き上手)
質問力が高い人は聞き上手な傾向にあります。相手の話を最後まで遮らず、うなずきや相槌で共感を示しながら、相手の意図や潜在的な考えを深く理解しようと努めます。その結果、話し手との会話が深まり、信頼関係を構築しやすくなるのです。
情報を論理的に伝えられる(話し上手)
質問力が高い人は、情報を論理的に整理して分かりやすく伝えられるため、「話し上手」な傾向もあります。質問が上手であるとは、情報の整理や理解、相手の状況の見極め、言葉選びに長けていることを示します。それはまさしく話すために必要なスキルでもあり、質問のシーンのみならず自分が話し手になる時も大いに活かされるのです。
04質問の種類と活用例
ここまで質問力の内容について深堀って解説してきました。ここからは、実際に質問力を高めるために活用できる、代表的な質問の種類と活用例について紹介します。
1:オープンクエスチョン(拡大質問)
オープンクエスチョン(拡大質問)とは、相手に「はい」「いいえ」以外の自由な回答を促す質問です。相手の潜在的な考えや多くの情報を引き出し、会話を深めることができます。自己紹介や商談、面接での逆質問など、相手に「なぜ?」と深く考えさせたい場面で有効です。例えば、「最近ハマっていることは?」「入社までに取得すべき資格は?」などが、オープンクエスチョンに該当します。多くの情報を引き出せる反面、相手によっては負担になる場合もあるため、使いすぎには注意が必要です。
2:クローズドクエスチョン(限定質問)
クローズドクエスチョン(限定質問)は、相手に「はい」「いいえ」で明確に答えさせる質問、または回答範囲を限定する質問を指します。相手との認識を擦り合わせ事実を確認する時や、初対面時など相手に負担をかけず気軽に会話を始めたい時に有効です。
クローズドクエスチョンの例としては、「御社の課題は〇〇でよろしいでしょうか?」「次回の打ち合わせは来週の同時刻でよろしいでしょうか?」などが挙げられます。ただし、これだけでは会話が途切れやすいため、オープンクエスチョンと組み合わせて使うことが大切です。
3:サトルクエスチョン
サトルクエスチョン(Subtle Question)とは、直訳すると「巧妙な質問」という意味になりますが、ビジネスコミュニケーションの文脈では「相手にさりげなく本音を言ってもらう質問」を意味します。特にまだ関係を構築できていない相手に有効とされ、具体的には「仮説をぶつける」方法や、「~ではないですか?」といった否定疑問文を用いる手法が用いられます。
使用場面としては、例えば「最近元気がない部下との面談」のシーンなどが考えられます。部下の不満や困りごとを聞きたいものの、単刀直入に「今の業務に不満はある?」と聞いても、上司に気を遣って「ないです」と回答し、本音が聞き出せないというケースは多いでしょう。そこで「この時期は一般的に疲れがたまりやすい人が多いけど、◯◯さんの周りのチームの雰囲気はどう?」など、仮説と合わせて質問を投げかけることで、相手に本音での回答を促します。
4:プロービングクエスチョン(掘り下げ質問)
プロービングクエスチョン(掘り下げ質問)は、相手の回答から深く踏み込み、本心やニーズ、問題の原因を探るための質問です。具体的な方法としては、1つの話題について「なぜ?」「具体的には?」と繰り返し深掘りする手法や、「今何に悩んでいますか?」「嫌だなと思ったことは何ですか?」といった問いかけで、相手の未認識の感情や思考を引き出す手法などが挙げられます。これにより、より的確な解決策や提案へと繋げることが可能となります。
プロービングクエスチョンは、例えば商談で相手の真の課題を把握し提案を行いたい場合や、コーチングやメンタリングで相手の気づきや成長を促す際によく用いられます。質の高い情報を多角的に収集し、深い信頼関係を築く上で不可欠なスキルです。
5:未来質問
「未来質問」は、将来に向けた建設的な議論を行うための質問です。例えば「成功するために何が必要ですか?」「これからどのようにしたらいいですか?」などが未来質問の例です。質問を通じて相手のビジョンや思考を引き出し、将来に向けた関係構築を探る際に有効です。過去の事象に言及する過去質問とは異なり、前向きな対話を促し、様々な可能性を想像しながら会話を膨らませられます。活用シーンとしては、商談で相手の事業計画や展望を問う際や、友人と将来の目標や計画を話し合う際などがあります。
6:過去質問
「過去質問」は、過去の出来事を振り返り、物事のプロセスや原因を明確にするための質問です。過去に起きた事実に対する問いかけであり、商談などで相手の真の課題や懸念点を探る際にも有効です。
具体例としては、「どうして○○に興味を持ったの?」「失敗した要因は何だと思いますか?」などがあります。過去の事象に言及するため、質問内容によっては後ろ向きになりやすい側面があります。前向きな対話に繋げるために、未来質問と組み合わせて使うことが大切です。
7:肯定質問
「肯定質問」は、肯定的な言葉を用いて相手に問いかける質問です。相手の前向きな意思や考えを引き出し、今後の行動変容を促したいような場面で用いられます。具体的には「成功した要因は何だと思いますか?」、「どの業務が得意ですか?」、「今回のレポートはどんなところに注力して作成したの?」などの質問が挙げられます。
肯定質問を部下への質問に活用すると、相手に圧力を感じさせず、寄り添いながら一緒に考える姿勢を示すことができます。その結果、会話を通じて相手に新たな気づきや成長を促す効果も期待できます。
8:否定質問
「否定質問」は、否定的な言葉で、失敗やうまくいかなかった出来事の原因・理由を相手に話させる質問です。過去の出来事を振り返る際に「どうして期日までにやらなかったの?」「なぜ成果を出せなかったと思う?」などと質問します。しかし、相手に「責められている」と感じさせたり、感情的に見えたりするリスクがあるため、使用には注意が必要です。否定質問だけで終えず、肯定質問や未来質問と組み合わせ、建設的な対話へと導くことが重要とされます。
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05質問力アップのためのトレーニング方法
ここからは、質問力を高めるトレーニング法を紹介していきます。必要なのは「問いを意識する習慣」と「問いを改善する習慣」です。毎日の積み重ねによって質問力は着実に伸びていきます。
質問力が高い人を観察する
質問力が高い人を観察することは、質問力を高める効果的なトレーニング方法です。どんな状況で、どんな質問が適切かを客観的に学べます。
具体的なトレーニングとしては、他人の会話を観察し、質問の内容や相槌のタイミングや会話の流れを細かく見ましょう。また、質問されている側の表情の変化などから、相手が気持ちよく話せる環境が作られているかを観察するのも有効です。これらを自身の会話に取り入れ、真似てみることで質問力は上達します。
日常会話を振り返る
日常会話を振り返るトレーニングは、質問力を高めるのに効果的です。自分が質問されたときのことを思い出し、客観的に評価してみましょう。
例えば「どういう質問だと答えやすかったか」「答えづらかった質問は何か」を振り返ります。そうすると、自分の興味がある内容は答えやすく、距離感に合わない踏み込んだ質問は答えづらかったなど、気づきが得られるはずです。また「自分の質問はわかりやすかったか」も振り返ってみましょう。日々の自分の体験を振り返ることで、質問力を高める糸口が見えてきます。
書籍やニュースの情報に疑問を持つ
書籍やニュースの情報に疑問を持つことは、質問力を高めるうえで効果的です。日常で触れる情報に疑問を持つように意識すると、情報に注意が向けられ、普段では見過ごしてしまうような疑問や質問が自然と沸いてくるでしょう。
具体的なトレーニングとしては、日常的に読んだり聞いたりするニュースや書籍の他、友人との会話や広告など、あらゆる情報に対して「なぜ?」「本当にそうなのか?」といった疑問を持つことが有効です。これにより、漠然とした不明点が明確になり、深く考える習慣が身につくため、質問の質を高められるでしょう。
自分自身に問いかける習慣をつける(セルフクエスチョン)
自分自身に問いかける習慣をつける(セルフクエスチョン)ことも、自分の感情や行動を深く分析できるため、質問力向上に効果的です。また、自分が答えやすい・楽しい質問を理解できる点も、質問力向上に活かせます。
具体的なトレーニングは、自分の今の状況や問題に対して「解決策があるとしたら?」「この状況から学べることは?」などと自問自答することです。さらに、自己分析の際などに自分の行動に対し「なぜ?」「どのように?」と5W1Hの切り口で振り返ることで、より深い分析ができ、質問の質が高まります。
なぜ?を3回繰り返す
「なぜ?を3回繰り返す」は、相手の本音や潜在的な考えを深く掘り下げるための効果的な質問力トレーニング方法です。これは「タテ型ドリル」とも呼ばれ、同じ話題について複数回(例:3回)質問を重ねることで、会話を深く掘り下げます。
1つの話題に集中して掘り下げることで、相手に「よく話を聞いてくれている」という印象を与えられます。より多くの情報や、相手でも気づいていなかった本当の真意や考えを引き出せるためです。相手の理解や思考を深め、視野を広げることにも繋がります。
具体的なトレーニングは、相手が話した内容に対し、「なぜ?」と繰り返し問いかけたり、「具体的には?」「どのように?」など、掘り下げる質問を続けることです。漠然とした情報が明確になり、より質の高い情報収集と信頼関係を築くことができます。
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06質問力を高めるためのテクニックやコツ
質問力を高めるためのテクニックやコツとして、(1)質問をする際の態度、(2)目的や状況に応じた使い分け、(3)NG質問を把握する、の3つがあります。以下にそれぞれのテクニック・コツについて詳しく紹介します。
1:質問をする際の態度
質問力を高める上で、質問する際の「態度」は非常に大切です。相手に気持ちよく話してもらい、信頼関係を築く上で必要になります。特に目線・頷き方を意識するだけで、質問力を高められます。
目線
相手の心を見透かすような印象を避けるため、目をじっと見つめるのではなく、鼻を中心とした額から全体を眺めるようにすると良いでしょう。目線を少し意識するだけで、相手に関心を持っていることを伝えられます。
頷き方
Schoo授業『仕事を有利に進めるスキル「質問力」』に登壇するコミュニケーションコンサルタントのひきたよしあき先生は、相手の言葉を「なるほど、わかった」と噛みしめるように、大きく頷くことが重要だと解説しています。具体的には、天井を見てから頷くと、深い納得感が伝わりやすくなります。無意識に「なるほどですね」と繰り返すと、話を聞いていない印象を与えることもあるため注意が必要です。
2:目的や状況に応じた使い分け
質問力を高めるには、目的や状況に応じた使い分けが不可欠です。友人との雑談とビジネスの商談では、求められる質問の種類や深さが異なります。ビジネスにおいては、漫然と話すのではなく、目的を持って「話す」必要があるからです。
例えばSchoo授業『“売らず”に“売る”技術とは何か』では、しつもんコンサルタントとして活躍する河田誠真先生が、営業シーンで効果的な4つの質問を紹介しています。営業では相手の現状と理想のギャップを把握するのが重要であるため、「今何に悩んでいますか?」という質問で現状の課題を聞き、「何を叶えたいですか?」と理想の状態を尋ねることで、相手の本音や具体的なニーズを引き出せます。さらに「なぜそう思うんですか?」と深掘りすることで、より本質的な課題が見えてきます。また、嫌だと思ったことを聞くことで、相手が重視しているポイントや課題の背景を把握することができます。
3:NG質問を把握する
質問力を高める上で、NG(良くない)質問を把握し避けることは非常に重要です。不適切な質問は相手に不快感を与え、信頼関係を損ねる可能性があります。
具体的には、以下の質問は避けるべきです。
- ・調べれば簡単に分かる質問: 企業の事業内容や基本的な情報など、事前に調べれば分かることを聞くと、「自分で調べてきてほしい」と相手に思われ、印象を悪化させる恐れがあります。
- ・TPOをわきまえないプライベートに踏み込みすぎた質問: 年齢、体重、家族構成、政治・宗教など、個人的な情報は失礼にあたり、デリカシーがないと見なされる可能性があります。
- ・ハラスメントにあたる質問: 相手を責めるような言葉(例:「どうしてできないの?」)や、相手に不快感を与える質問は、コミュニケーションを阻害し、信頼を失う原因となります。
これらのNG質問を避け、相手の立場や状況を尊重する姿勢が、効果的な質問に繋がります。
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07質問力を高めるSchooのオンライン研修
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
相手を課題解決へと導く「質問力」の鍛え方
この授業は、しつもんコンサルタントの河田真誠氏を講師にお招きし、さまざまなビジネスシーンで求められる質問力について解説いただいています。
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しつもんコンサルタント
印刷デザインの会社を経営後、現在は、しつもんコンサルタントとして、企業でのコンサルティングや研修を行うほか、ビジネスプロデュースも手がける。広島県で、口コミだけで1000人規模のイベントを毎月主催した経験を元に、独自の集客プログラムを開発。「しつもん」をするスタイルが、結果が出ると評判をよび、全国にクライアントを持つようになる。その後、集客だけでなく、問題解決、マネージメント、営業など、企業で成果が出た「しつもん」のノウハウをまとめて、「しつもん経営」としてプログラム化、多くの企業に提供している。また最近では、企業でしつもんする「しつもんコンサルタント」の育成や、起業家の育成にも力を入れている。著書に『革新的な会社の質問力』(日経BP社)
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
仕事を有利に進めるスキル「質問力」
この授業は、『「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。』(大和出版)の著者である、ひきたよしあき先生を講師に迎え、著書で解説されている、もっとラクに人と話せるようになる「質問力」向上法について学べる授業です。
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コラムニスト /コミュニケーションコンサルタント /博報堂フェロー
1984年、早稲田大学法学部卒。 学生時代より『早稲田文学』学生編集委員を務め、NHK「クイズ面白ゼミナール」では鈴木健二氏に師事し、クイズ制作で活躍。博報堂に入社後、CMプランナー、クリエイティブディレクターとして、数々のCMを手がける。 政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動し、ズバ抜けた文才に、多くのエグゼクティブからの指名が殺到している。また、明治大学をはじめ、多くの大学の講義では「就職後まで役に立つ」「一生ものの考える力が身につく」と学生からも支持を集める。「朝日小学生新聞」ではコラム“大勢の中のあなたへ”を寄稿。また、行政から小学校まで講演の依頼が急増している。日本語の素晴らしさ、コミュニケーションの重要性を様々な角度からアプローチし、広い世代に伝えている。
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それが欲しかった!を見つける「質問力の学び方」
明確なニーズが満たされた現代では、新しいニーズを生み出したり、顧客自身も気づいていない価値を提案することが求められています。どんなビジネス、どんな職種でも、顧客と対話し、「何に困っているのか」「どんな価値を提案すべきか」を考えることが欠かせません。 本授業では、顧客リサーチの専門家である菅原さんを講師にお迎えし、この「質問力」をどのように学び、身につけるべきかについてお話しいただきます。
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リサーチャー
上智大学文学部新聞学科卒業。新卒で株式会社学研ホールディングスを経て、株式会社マクロミルで月次500問以上の調査を運用するリサーチ業務に従事。現在は国内通信最大手のグループ企業でマーケティング戦略・中期経営計画の立案を担当する。 会社では小売・サービスの分野を中心に年間1,000ページ超のレポートを作成しており、従業員数100名~1,000名の企業におけるリサーチ組織の立ち上げ経験があるほか、自身でもセレクトショップの開業事業部長を務め、調査と事業の両輪を担う技量を併せ持つ。 個人でも一般の人に向けてリサーチを普及させる活動に取り組み、noteや講習会、マーケティング・調査メディアへの寄稿が好評を得ている。主な著書に『新・箇条書き思考』『売れるしくみをつくる マーケットリサーチ大全』(ともに、明日香出版社)がある。
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質問力×提案力 -相手に気持ちよく動いてもらう力-
明確なニーズが満たされた現代では、新しいニーズを生み出したり、顧客自身も気づいていない価値を提案することが求められています。どんなビジネス、どんな職種でも、顧客と対話し、「何に困っているのか」「どんな価値を提案すべきか」を考えることが欠かせません。 本授業では、顧客リサーチの専門家である菅原さんを講師にお迎えし、この「質問力」をどのように学び、身につけるべきかについてお話しいただきます。
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TORiX株式会社 代表取締役
外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、アルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。 事業と組織を統括する立場として、創業から6年で70名までの組織成長を牽引。 2011年にTORiX株式会社を設立。これまで4万人以上の営業強化支援に携わる。 コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版 、シリーズ累計7万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす』(クロスメディア・パブリッシング)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇し、「無敗営業オンラインサロン」を運営。
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相手のための聴く力と問う技術
本授業では、相手の立場に立ったコミュニケーションを取る際に重要な「聴く力」と「質問力」について学べます。講師は、『さすがと言われる話し方・聞き方のビジネスマナー』の著者であり、大学講師・コミュニケーションアドバイザーとして活躍する唐沢明氏です。
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コミュニケーションアドバイザー/大学講師
大学講師、コミュニケーションアドバイザー。大手出版社で営業、編集経験を経て、2000年から大学で敬語、面接、マナー、コミュニケーション、就職講座の講師を担当。国際基督教大学、日本大学芸術学部、明治学院大学、東洋大学、上智大学、東北医科薬科大学など、全国の大学生に楽しくて分かりやすい熱血講義を展開中。 また、社会人研修やコミュニケーション講師として【オーダーメイドの伝え方】をアドバイス。 実務教育学会所属。イノベーションコンテストでビジネス企画賞を受賞。著書に10万部突破ベストセラー『さすがと言われる話し方・聞き方のビジネスマナー』、『敬語すらすらBOOK』など90冊。 近著に『大学生からはじめる社会人基礎トレーニング』、『きちんと伝える全技術』がある。またTBSテレビ『クイズ日本語王』『マツコの知らない世界』『王様のブランチ』、フジテレビ『ノンストップ』、テレビ朝日『SMAPがんばります』など多くのテレビ番組にも出演。
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相手と自分の本音を引き出す「質問」術
本授業では、元NHKキャスターでキャリア20年以上の牛窪 万里子先生をお招きし、相手の本音を引き出す「油田堀り」メソッドや、無意識を意識化するヒアリング、自分探しのための「モーニングクエスチョン」について解説いただいています。
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元NHKキャスター、(株)メリディアンプロモーション代表取締役
大学卒業後は大手飲料メーカーに就職。話し方やコミュニケーションの大切さを実感し、本格的に勉強し始めたことをきっかけにNHKキャスターに転身。NHK「おはよう日本」、「首都圏ネットワーク」等に出演し、これまでのインタビュー歴は著名人を含め、3000人以上にのぼる。 2002年、フリーアナウンサー事務所(株式会社メリディアンプロモーション)を立ち上げ、アナウンススクールも創設。現在は女性達の今を発信するラジオ番組「 素敵!大人女子」のパーソナリティーを務めながら、放送経験を生かしたコミュニケーション法を指導する講演活動も行っている。
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口下手でも会話が弾む「質問力」
会話を通じて相手と良好な関係を築くための「質問力」について学ぶことができます。会話を弾ませるために効果的な質問から、話し上手になる質問まで、状況や目的に応じた質問について解説いただいています。
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しつもんコンサルタント
印刷デザインの会社を経営後、現在は、しつもんコンサルタントとして、企業でのコンサルティングや研修を行うほか、ビジネスプロデュースも手がける。広島県で、口コミだけで1000人規模のイベントを毎月主催した経験を元に、独自の集客プログラムを開発。「しつもん」をするスタイルが、結果が出ると評判をよび、全国にクライアントを持つようになる。その後、集客だけでなく、問題解決、マネージメント、営業など、企業で成果が出た「しつもん」のノウハウをまとめて、「しつもん経営」としてプログラム化、多くの企業に提供している。また最近では、企業でしつもんする「しつもんコンサルタント」の育成や、起業家の育成にも力を入れている。著書に『革新的な会社の質問力』(日経BP社)
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
08まとめ
質問力は、相手の意図や潜在的な考えを引き出し、信頼関係を築くための重要なコミュニケーション能力です。これを高めることで、質の高い情報獲得、課題発見・問題解決力の向上、コミュニケーションの円滑化といったメリットが得られます。 トレーニングとしては、日常会話の振り返りやセルフクエスチョンの習慣化が大切です。またオープンクエスチョンやプロービングクエスチョンなど、目的や状況に応じた質問手法を身につけることや、NG質問を把握することにも取り組むと良いでしょう。さらに質問の内容だけでなく、目線や頷き方を意識し、質問時の態度を印象の良いものにすることも、質問力の向上に役立ちます。






