公開日:2022/01/26
更新日:2022/02/04

専門職制度とは?制度の特徴と導入手順について解説する

専門職制度とは?制度の特徴と導入手順について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

専門職制度とは、企業における人事制度の1つで、特定の分野で専門的な知識や能力を評価することで管理職や役員と同じように評価される仕組みです。本記事では、専門職制度における特徴と導入手順について解説していきます。

 

専門職制度とは

専門職制度とは、企業における人事制度の1つです。特定の分野で専門的な知識や能力を評価することで管理職や役員と同じように評価される仕組みです。職人のように技術力を持った人材や、特定の資格を有する人材が対象となります。専門職については通常であれば管理職に与えられるような権限を付与され、自分以外のスタッフを率いるような場面も想定されます。管理職はジェネラリストとしての素養が求められます。専門職に求められるのはあくまでもスペシャリストとして企業に貢献することが求められます。

専門職制度の歴史

日本における専門職制度は古くから導入されています。既存制度の穴を埋めるものとして、1960年代頃から登場してきたいといわれています。例えば、エンジニアとして高い技術を有していれば、賃金に反映される仕組みとして導入されています。また、人材の育成と活用を促す目的でも導入されています。得意とする分野での能力を純粋に評価してもらえるため、役職に就いていない社員にとっては、働く意欲や自己を向上させるモチベーション向上にもつながります。

 

専門職制度導入のメリット

次に専門職制度導入によるメリットについて解説していきます。専門職制度を導入することで企業に得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。メリットは複数ありますが、自社における目的や最大のメリットとして上げられる項目について精査し、実際の導入計画に盛り込んでいきましょう。

人事評価の公平化を促進

人事評価の公平化を促進するメリットがあります。専門職の場合には、その評価が難しく独自の評価基準を設ける必要がありました。しかし、専門職制度の導入により、その評価軸を他の職種と同様にしなければいけないという概念ではなく、専用の採用基準を設けることで正しく評価することができます。こうした評価基準を設けることができれば、公平な人事評価制度を導入することができるようになります。

専門性の高い人材を育成できる

専門職制度があれば、専門性の高い人材の育成をできることができます。一般社員とは異なる評価制度があることは、その道の人材育成を行えることを意味しています。正しい評価を行えることは、その分野における人材育成を行うことにつながり、そのためには正しく評価される環境が必要となります。こうした仕組みが整備できれば、専門技術を身に付けてたいと考える人材も増えていくでしょう。

ノウハウ蓄積による競争力の強化

専門性が高い人材が増えていくことで、社内にノウハウは蓄積できます。社内にノウハウが蓄積することで企業の成長が達成でき、業界内での競争力が高まります。競争力が高まることによって、今まで以上に強い会社を作るために必要な要素です。専門職の組織を強化することは、他社には真似できない技術やノウハウを極めることになるため、自社の価値向上や差別化にもつながるでしょう。

 

専門職制度を導入する際の注意点とは

次に、専門職制度を導入する際の注意点について解説していきます。制度を導入するにあたってどのような注意点があるのかを理解しておき、その対応策を考えておきましょう。自社の運用体制だけでなく、実際に適用される従業員に関わることであるため要確認が必要です。

担当業務以外へのジョブチェンジが難しい

専門職として極めていくことは、その分野のスペシャリストになることです。つまり、特定の分野にのみ特化した人材を育成することを示しています。技術やノウハウは蓄積されますが、特定の分野に特化した人材となるため、他の業務へのジョブチェンジが難しくなる可能性が高くなります。他の業務に異動するには、経験を一から行うことが多くなってしまい、汎用性の高いスキルを蓄積することが難しなるでしょう。 また、既に専門分野でのキャリアを積んでいる場合には、その分野における考え方や慣習が身についており、これまでと異なった考え方を取り入れることが難しくなるといった注意点もあります。その結果、ジョブチェンジやスキルチェンジの可能性を下げてしまう可能性も考えられます。この場合の対応策としては、他の業務に関する知識や一定期間のジョブトレードなどを通して、他の部署で行っていることや業務を知る機会を設けるなどの取り組みが有効といえるでしょう。

対象から外された社員の扱いを慎重に行う必要がある

専門職を希望している社員は、全ての社員を専門職制度の対象にすることができない可能性があります。こうした場合には、社員からの不平不満になる可能性がある点に注意が必要です。対象とする、しないについては経営層を含めた検討を行いますが、本人の希望や適正からも判断をする必要があります。その際には、公平な視点で対象者を決めることが必要です。それだけではなく、対象となる者、そうでない者においては、個別に面談をした上で、その理由や今後のことを丁寧に説明しなくてはいけません。特に対象にならなかった社員については、退職を示唆する場合があることも想定し、今後のキャリアビジョンをどのように提示してあげるべきかなど、本人が納得できる場を設けていきましょう。それだけではなく、新たな部署での勤務状況においても注意をし、定期的な面談の場を通してモチベーションの維持を行う配慮を行っていくなどの施策を講じることも必要です。

技術の陳腐化が起きた場合の扱いに備える

専門とする技術やノウハウが常に最新とはいえません。情報や技術の進歩は早く、新しい技術の構築も行われています。そのため、自社における技術が陳腐化してしまう可能性がある点にも注意が必要です。万が一、技術の陳腐化が起きてしまうと新たな技術を習得し直す必要があります。そのため、業界や職種によっては常に新しい技術や、マーケットの変化を見ておくことが重要です。特に製造業や研究職の場合、新しい技術の導入によって効率化されてしまうケースは少なくありません。市場に適応するために最新の情報や技術はキャッチアップし続けることが重要です。

 

専門職制度を導入する方法

次に、専門職制度を導入する際の方法について解説していきます。自社における制度導入の計画の参考にしてください。制度導入については、各社の状況に合わせた計画が必要です。そのため、ここで紹介する内容を参考にして頂き、より効果的な計画を立案していきましょう。

専門職の定義を行う

最初に行うのは専門職の定義を行うことから開始します。この定義には、自社に現存しているスキルの棚卸、そして今後必要とされるスキルの定義付けがあります。自社に存在しているスキルについては、貴重な財産です。この財産を最大源に活かすことを前提に、どのようなスキルや技術を取り入れていくのかを定義しましょう。また、必要だと想定されるスキルについては、今後の企業成長に欠かせないスキルが何になるのか、また市場においてどのような技術やサービスが求められるのかを選定する必要があります。その技術を定義した上で、人材にどのようなスキルや役割を与えるのか、人事部門だけではなく経営層を交えた検討を行い、企業の未来を担う人材の育成を促進していきます。

対象となる人材とスキルを整理する

次に、対象となる人材のスキルを整理していきます。専門職の定義を行う際にも存在しているスキルを整理していますが、ここでは、各個々人別のスキルを整理することを意味しています。個人別のスキルを棚卸することは、適正などの側面なども含め多角的な視点での実施を行う必要がある点を理解して行っていきましょう。必要に応じて、個人へのヒアリングや適正検査を行います。こうした情報をもとに一人一人のスキルを整理するためにも、あらかじめスキルマップを用意したり、フォーマットなどを作成しセルフチェックさせるような仕組みにするといいでしょう。

評価制度の見直しを行う

評価制度の見直しについては、単純に専門職制度を導入するだけではありません。既存の評価制度とのバランスを考慮し、時には既存の評価制度を見直すことも実施していきます。従業員が公平に評価されるためにも、その制度を準備、整備することが重要です。専門職制度を導入する際は、どのような項目を設けるべきか、どの程度の目標が適切であるのかを部門、人事間で正しく策定する必要があります。

社内の理解を促す

評価制度については、社内の理解を促す必要があります。制度の導入については、対象者だけではなく全社的に理解をしてもらう必要があります。この理解がなければ、どのような制度を導入しても目的を達成させることができません。制度についての説明は、丁寧且つ、段階的に実施しましょう。その際に目的だけでなく、既存の評価制度にどのような影響があるのかなど、事前に社員が心配となる事項などについては整理しておきましょう。

制度の適用と見直しを繰り返す

制度の適用後には、見直しを行い軌道修正を行うことも必要です。一度で、完全に自社にあった制度となることは少なく、運用中に発見される不具合もあります。こうした不具合を見つけ、繰り返し修正を行って行く中で、自社にとって最適な制度になることを理解し繰り返しの見直しを行うよう計画に盛り込んでおきましょう。


 

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まとめ

本記事は、専門職制度をテーマにその特徴や導入における注意点を解説しています。専門職制度については、専門職を育てノウハウがある集団を構築する上では最適な方法とされています。結果的に競争力を高める等の期待効果もある制度ですので、注意点などに考慮し自社にあった制度設計を行っていきましょう。

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