公開日:2022/01/26
更新日:2022/09/22

アセスメントセンター方式の人事評価方法とは?方法や有効性を解説!

アセスメントセンター方式の人事評価方法とは?方法や有効性を解説! | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アセスメントセンター方式の人事評価の方法を導入すれば、管理職やリーダーなどのマネジメントスキルを客観的に評価できます。アセスメントセンター方式とは何か、目的、メリット・デメリットについて説明していきます。

 

01アセスメントセンター方式とは

アセスメントセンター方式とは、人材採用、人材育成などの場でマネジメントスキルを客観的に評価する方式の人事評価方法のことをさします。 特に、管理職向けの昇格試験や研修に用いられることが多いようです。 社内で実施する場合と社外の専門のアセスメントセンターに送る場合があり、専門の評価者(アセッサー)が客観的かつ公平な立場で評価します。 専門の評価者であるアセッサーとは、評価の際に行う演習での評価対象者を観察し、基準に基づいて評価を行う人のことを指します。 アセッサーは、経営コンサルタントや企業の人事労務経験者など専門的な経験をもつ人が担当しているため、しっかりとした評価を受けられる体制になっています。 アセスメントセンター方式にはさまざまな評価手法がありますが、面接やグループディスカッション、ロールプレイなどの演習形式で行われることが多く、どの手法も評価対象者を多角的に評価できる特徴があります。 アセスメントセンター方式の評価内容としては、管理職やマネジメント向けの概念化能力と対人関係能力の開発に必要な評価対象者のパフォーマンスを評価します。 以下で評価内容である2つの能力について詳しく説明します。

概念化能力(コンセプチュアルスキル)に対して

概念化能力(コンセプチュアルスキル)とは、組織の経営層の人材に求められている能力です。 知識や情報を体系的に組み合わせ、複雑な事象を概念化することによって、物事の本質を見抜く能力をいいます。 コンセプチュアルスキルが高い人は、普段から論理的に物事を考えることができていたり、物事の本質を見抜き課題解決に導くことができていたりするなどの特徴があります。 コンセプチュアルスキルは、ロジカルシンキング、クリティカルシンキングなどの課題解決スキルと洞察力やチャレンジ精神などの判断処理スキルに分けられます。 アセスメントセンターでは、それらのコンセプチュアルスキルが身についているかを演習形式で評価しています。

対人関係能力(ヒューマンスキル)に対して

対人関係能力(ヒューマンスキル)とは、どの階級の人にも必要とされる能力です。 組織のどの場面でも必要な能力であり、業務が滞りなく遂行されるためには欠かせない能力であるともいえます。 ヒューマンスキルには、コミュニケーション力、ヒアリング力、交渉力、プレゼンテーション力、リーダーシップなどのスキルが挙げられます。 アセスメントセンターでは、そのヒューマンスキルが身についているかをグループディスカッションやプレゼンテーション、面談演習形式で評価しています。

 

02アセスメントセンターの目的

アセスメントセンター方式の評価を導入する目的は、個人のマネジメント能力をはかることです。 人材を採用したり、人事異動があったり、社員の昇格や管理職を選出したりする際に、管理職としての能力を備えているかを第三者が客観的に判断することで、評価される対象者も納得感のある評価を受けることができます。 たとえば、管理職の人材採用を行う際に、採用対象者のマネジメント経験が3年あったとします。 面接では3年経験があるという事実だけ確認して管理職として採用してしまった場合、求める能力が不足している危険性があります。能力不足が発覚するのは、入社後に組織を管理できず問題が表面化してからです。 事前に管理職としてのスキルを把握しておくことの重要度について、疑う余地はないでしょう。

 

03アセスメントセンターのメリットは?

通常の人事考課とアセスメントセンター方式の評価とでは、時間軸と第三者が評価するという点が大きな違いです。 人事考課は、評価時までにできていたことを評価する手法で、基本的には直属の上司が評価者です。 一方でアセスメントセンターは、評価時にもっているスキルを今後どのように活かしていけるかを評価する手法で、客観的な視点で公平な立場の第三者が評価します。 自社で将来性も含めて適切に評価できるのであれば、第三者の助力を借りる必要はありません。ですが、そのような適切な評価は難しいのが現状です。 ここでは、より詳しくアセスメントセンター方式を導入するメリットを説明していきます。

能力開発

マネジメント経験がない社員を管理職にしたい場合、それまでマネジメントの経験がないため、どの程度のマネジメント力をもっているか判断できません。 たとえば、新しい組織を社内で作るとき、人事考課で評価の良かった一般職の社員を管理職として登用することが考えられます。一般職と管理職では求められる能力が異なるため、一般職としての能力が高いからといって管理職の能力も十分に備えているとは限りません。 アセスメントセンター方式を用いることによって、管理職での職務をシミュレーションした演習ができます。 演習でのパフォーマンスを評価することで、将来的に管理職としての能力を開発していけるかどうかを見極められます。

客観的な評価

社内での人事考課では、1人の上司からの評価しか反映されないことも多く、どうしても客観的に対象者を評価することが困難です。 アセスメントセンター方式を用いることで、社内評価とは別の客観的な指標として、管理職としての適性に関する情報を得ることができます。 アセスメントセンター方式では、専門の評価者であるアセッサーが評価を行うので、第三者の客観的な意見を知ることが可能です。

公平な評価

職務内容や責任の重さ、上司の評価基準など社内では管理職候補の社員を評価するのに公平性に欠けている部分もあります。 アセスメントセンター方式を用いれば、職務内容や職歴に影響されない、全社員が共通の課題や演習に取り組むため、公平な基準で評価を受けることが可能です。 評価基準も決まっているので、演習を行う面接官によって評価のブレがないというのも特徴の1つです。

 

04アセスメントセンターのデメリットは?

アセスメントセンターは、公平性や客観性、将来的な能力開発につながるというメリットがある一方で、「費用と時間を要する」ことや「本当に人材評価が可能か」という疑問が残るというようなデメリットも挙げられています。

費用や時間を要する

アセスメントセンターで評価を依頼すると、業務委託するので費用がかかります。自社で評価する場合は社員に対して給料を支払っているので、別途残業代以外に人材評価手当のようなものを支給する必要はありません。 アセスメントセンターに評価を委託するとなると、日程調整や連絡など、さまざまな場面で時間を要します。 アセスメントセンターを導入するメリットは、あくまでも評価する手間を省くのではなく、正しく評価するためであると理解しておきましょう。 公正な人事評価を行いたいのであれば、費用と時間をかけてでも納得感のあるアセスメントセンター方式を導入することに価値はあるのではないでようか。

本当に人材評価が可能か

ビジネス環境は日々変化しているなかで、決まった形の演習や課題に取り組むアセスメントセンターでは、社会の変化速度にその方式の演習などが追いついていけるのかという声もあります。 ただし、アセスメントセンター方式は人材評価に特化した専門家たちが客観的な視点や公平な評価手法を用いて評価してくれるので、納得感のある人事評価方法であることに違いはありません。 一定の基準を設けるという役割自体は果たせていると考えられるので、社員が人事評価方法への不満をもっているのであれば、導入は検討に値するのではないでしょうか。


 

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05まとめ

アセスメントセンター方式の人事評価方法について、内容をまとめると以下のとおりです。

  • ・マネジメントスキルを客観的に評価する人事評価方法
  • ・コンセプチュアルスキルとヒューマンスキルに対して評価
  • ・導入することで、社員の将来的な能力開発につなげられる
  • ・導入することで、客観的かつ公平に人事評価が可能
  • ・費用と時間はかかる

適切に人事評価を行うことはもちろん大切ですが、アセスメントの結果をフィードバックし、社員の将来的な能力開発につなげる支援をすることも重要です。 当事者の気づきをもとに、自分の意識や行動をどう変容させるべきか、どのような新しい知識やスキルを身につける必要があるかを主体的に考察するよう、人事担当者は社員にコーチングしなければなりません。 評価手法としてだけでなく、能力開発のためにアセスメントセンター方式を導入してみてはいかがでしょうか。

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  • 登壇者:坪谷 邦生 様
    株式会社壺中天 代表取締役

    立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。その後、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げ、2020年「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し代表と塾長を務める。

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