公開日:2022/02/01
更新日:2022/09/21

組織デザインとは?社員と企業の成長に繋がる組織構築のポイントと重要性について解説。

組織デザインとは?社員と企業の成長に繋がる組織構築のポイントと重要性について解説。 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業がこの先も長く存続し成長を続けるためには、従業員の能力を最大限に活かした社内環境を構築し、組織の形成に役立てる事が重要な課題となります。そうした組織構築の基本として、昨今注目されているのが「組織デザイン」です。 この記事では、組織デザインの理解を深め、社員と企業の成長に繋がる組織を構築するためのポイントと、その重要性について詳しく解説します。

 

01組織デザインとは?

組織デザインとは、社員の能力を最大限に発揮できる体制を構築しながら、効率的に機能する組織をデザインすることを言います。組織デザインを組織構築に上手く活用することが出来れば、企業という大きな組織の枠組みの中において、全ての社員がそれぞれの能力に応じて上手く機能し合う、合理的な組織を作り出すことが可能となります。そのためには、組織デザインを正しく理解することが肝心です。 会社が組織デザインを実施する際の最初のステップとして、まずは組織のビジョンと経営戦略を明確化させ、組織の構造を具体的に構築していくことが必要となります。

最大限のパフォーマンスを発揮するための組織づくりのこと

組織デザインがしっかりと確立された組織構造は、将来的に企業が成長し高い成果を生み出すための重要なポイントとなります。しかしながら、どれだけ完璧な組織の骨組みが出来たとしても、組織において必ず必要となるものが「人」の存在です。ここで言う人とは、社員であり、社員は企業にとって大切な人財でもあります。そうした社員一人一人の能力をしっかりと見極め、適材適所に配置することで、組織の中で個々の能力が最大限に活用し企業のポテンシャルを無駄なく発揮すること可能となります。

採用活動を最適化する上でも組織デザインが重要になる

そもそも採用活動の本来の目的は、会社の成長に繋げるための人材採用であり、企業の経営計画や経営戦略に沿った優秀な人材の確保から人材育成まで、活動の全体像とプロセスは多岐にわたります。企業にとってこのような採用活動を成功させるためには、企業の戦略ビジョンと具体的に必要とされる人材を明確にさせることがとても大切になります。 そこで、今後の組織の方向性を決める組織デザインがしっかりと構築されていれば、採用活動の目的と採用計画が明白になるため、組織デザインは採用活動を最適化する上でとても重要なポイントとなります。

 

02企業が組織デザインを行う上で重要になる3つの要素

ここでは、企業が組織デザインを実行するにあたって重要となる3つの要素をご紹介します。組織をデザインすることは、もともとの組織編成を抜本的に見直し、組織内部の構造を再構築することでもあります。組織デザインの実施は、組織改革と言い換えることもできるでしょう。 これからご紹介する要素を念頭に置くことで、よりよい組織デザインの構築に役立てることが出来ます。

リーダーシップ

組織デザインを活用させて、今ある組織の内部体制をよりよい方向へ変化させていくためには、組織やチームを成功に導く強いリーダーの存在が不可欠です。リーダーとは、チームをひとつにまとめ上げながら、目標達成に向けてメンバーの能力を引き出すスキルを備えた人物を指します。具体的には、チームリーダー、課長、部長、管理職ひいては社長がその代表例としてイメージできるでしょう。 リーダーシップに必要なスキルとして、チームの目標達成を実現するための課題解決能力、複数の人間や組織の間に立って組織をまとめる統率力、相手の目線にたって物事考えるためのコミュニケーション能力などが挙げられます。 企業という大きな組織構造を細分化すると、部署ごとの小さな組織形態が出現します。それぞれの部署が与えられた目的を果たしながらしっかりと機能するためには、個々のチームを積極的に引っ張っていくことのできる有能なリーダーを選出する必要があり、組織改革を行う上で重要な要素となります。 こうしたリーダーシップ能力に優れた社員をしっかりと見極め、適切に人材配置を行う取り組みにより、初めてチームが上手く機能し組織の活性化に結びつきます。

戦略

企業の経営戦略を明確にすることは、組織デザインの基盤となる大切な要素のひとつです。戦略とは、企業が目標達成に向けて事業展開するためのシナリオ・計画であり、経営戦略をしっかりと練ることにより、将来的な企業成長が実現可能となるためとても重要です。 企業が経営戦略を立てるときには「短期戦略・中期戦略・長期戦略」といったスパンを設け、同じベクトルを向きながら、より具体的で実行可能な目標設定に落とし込んでいきます。自社の強みを正確に把握しながら、市場で何が求められているかを客観的に検討するための分析力も企業戦略の要となります。 このように、経営戦略は組織デザインの構築において重要な役割を持ち、組織が正しく機能するための大切な要素となります。

文化

企業にはそれぞれに異なる社内風土があるように、その会社の歴史や従業員のカラーによって長い年月を通して培われてきた企業文化があります。組織とは、ある一定の共通認識やルールを持った集団であるため、企業文化の概念は組織デザインに大きな影響を与えます。 組織の戦略によっては、必ずしも現行の文化が悪いとは言い切れません。しかしながら自社の性質や特徴がどのようなものであるのかについて客観的に見直すことで、今後目指すべき企業方針に合った社内の文化に少しずつ変化させていくことが、組織デザインを図る上でのポイントとなるでしょう。 既存の古い文化を取り払い、時代の流れに沿った新たな文化を組織に定着させることは、簡単な事ではありません。そのため、企業文化を変革させることは組織デザインのプロセスにおいて大きな課題となりうる可能性もあります。

 

03企業における組織の基本形

組織デザインを活用して組織構造を変革させていくためには、まず組織の基本形としてどのような組織パターンが存在するのか理解する必要があります。ここでは、事業部別組織、機能別組織、マトリクス組織と呼ばれる3つの組織構造の基本形態について詳しく解説します。これらの基本パターンを理解することで、目的に合った組織デザインの形成に役立てることが出来ます。

事業部別組織

事業部別組織とは、事業ごとに部署を分ける組織形態のことをいい、大企業が多く採用している組織パターンのひとつです。事業部別組織の具体的なイメージとして、扱う製品ごとに事業を分ける「製品別」、企業が全国展開している場合には地域ごとに分ける「地域別」、顧客のニーズや傾向によって分ける「顧客別」が挙げられます。 このように、事業部別組織を用いて組織展開することで、事業部がひとつの組織として企業の中で機能し始めます。それにより社員の人材管理や生産管理が行いやすくなったり、事業に併せた利益を生み出しやすくなったります。

機能別組織

機能別組織とは、経営機能ごとに分かれた組織形態を指します。具体的な組織構成の例としては、営業部、人事部、経理部などといった形で構成された組織がこれに該当します。機能別組織のメリットとして、ひとつの組織内に同じ専門性を持った人材を集めやすくなるため、専門分野の強みを活かした組織構成や組織内部における人材育成がしやすくなるといった特徴があります。

マトリクス組織

マトリクス組織は、複数軸により構成された組織体系です。 ひとつの組織の中に、先述した「事業部別組織」と「機能別組織」をミックスさせた組織編成だと考えると分かりやすいでしょう。こうした複合的な組織が、マトリクス組織と呼ばれるものです。 マトリクス組織のメリットとして、業務の効率化やトップマネジメントの負担軽減が見込まれます。その一方で、組織の構造がより複雑化しやすく、それぞれの組織が複数の軸に分かれているゆえに、組織リーダーも複数人存在することになります。そのため、指揮統率がアンバランスになりがちで、トラブルやストレスの原因にもなり得るなどの問題点も挙げられます。

 

04組織デザインを実施する際のポイント

社員の能力が最大限に発揮されながら、企業目標の達成に向けて機能性の高い組織デザインを組むためには、どのようなポイントに注意すべきでしょうか? ここからは、組織デザインを実施する時に特に考慮しておくべき重要なポイントについて解説します。

意思決定のプロセスを明確にする

迅速な意思決定は、変化の激しい現代においてとても重要です。 スピーディーな意思決定を行い、組織内に素早く反映させていくためには、この意思決定のプロセスを予め明確にしておく必要があります。 一般的に意思決定のスタイルには2つあります。 1つ目が「トップダウン式」の意思決定です。トップダウンとは、企業のトップが意思決定の権限を持ち、トップが下した判断に従って組織運営していくスタイルを言います。 2つ目が「ボトムアップ式」の意思決定です。ボトムアップとは、社員のアイディアや意見を会社の経営陣が集約することで、総合的に会社の意思決定が下される組織運営のスタイルを言います。 会社として決断を下す場合に、組織内でどこまで賛同を得るべきなのか考えた上で、自社の組織構造においてベストな意思決定のプロセスを予め決めておくと、急激な変化にも迅速に対応できる合理的な組織を構築することができるでしょう。

組織への貢献をわかりやすく人事評価につなげる

人事評価は、社員のパフォーマンスや能力を査定し組織行動に反映させる目的があります。 そして、人事評価を分かりやすく査定することは、組織を作り上げる過程において非常に重要な役割を果たします。分かりやすい人事評価は、社員の仕事に対するモチベーションを向上させたり、能力に応じて適切な人材配置を行うことが可能となります。

社員の働き方を見直し人材育成を強化する

人材育成を強化し優秀な社員を育てる組織を作る事は、将来企業が成長するために不可欠です。優秀な人材を採用することも大切ですが、採用したの人材に活躍してもらうためにも、個々の能力や今後の期待値を加味した人材配置が大きな鍵を握ります。 組織内で適切な人材活用と育成が行われているのかしっかり見直し、改善していくことも大切です。

情報管理のシステムを導入する

情報管理システムの導入によって、誰にでも分かりやすい正確な情報管理と組織内部での共有が可能となります。 デジタル化によるデータの可視化は、企業の問題点や課題を客観的にあぶり出すことが出来るため、企業にとって生産性の向上や経営戦略を行う上でも役立ちます。 合理的かつ効率的な組織をデザインするために、情報管理システムの導入は極めて有効な手段と言えるでしょう。


 

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05まとめ

社員と企業が共に成長し続けるためには、組織の枠組みを見直し新たな時代の流れに適した組織を構築していくことが重要です。企業にとって、会社に貢献してくれる社員の存在は無視できません。優秀な人材を組織内部で効率的に機能させ、社員が能力を最大限に発揮できる組織を作り上げることは、組織改変を行う上での重要な課題となります。そうした中で、組織デザインを組織構築に取り入れていくことは生産性の高い組織を生み出すために必要不可欠です。組織デザインの重要性を理解したうえで今回解説した様々なポイントを組織作りの実践に役立てて下さい。

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    株式会社ZOZO 技術本部 技術戦略部 組織開発ブロック ブロック長 / 組織開発アドバイザー STANDBY 代表

    1998年に大学卒業後、味の素株式会社に入社し、営業マーケティングに従事。2006年にヤフー株式会社へ転職し、新規ビジネス開発・サービス企画のリリースを経験するかたわらで各種組織活性プロジェクトを推進。2016年に希望して人事部門に異動後、全社の人材開発・組織開発を担当。1on1ミーティングをはじめとしたピープルマネジメントツールの推進や管理職のマネジメント支援と並行して、現場の組織課題解決をサポート。2019年に個人での組織開発アドバイザリー事業と組織開発エバンジェリストとしての情報発信を開始。2020年に株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO)へ転職し、現在は全社およびクリエイター部門の人事企画・人材開発・組織開発に携わっている。

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