公開日:2022/03/11
更新日:2022/08/29

ビジネスデザイナーとは?必要なスキルとおすすめの資格を解説

ビジネスデザイナーとは?必要なスキルとおすすめの資格を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ビジネスデザイナーという職種は、まだ世間的に認知度が低く、具体的な仕事内容が分かりにくいこともあるでしょう。しかし、企業におけるDX推進に欠かせない存在であり、今後ますます活躍の場が広がると予想されています。 本記事ではビジネスデザイナーの概要と必要なスキル、保有しておくと良い資格を解説します。

 

01ビジネスデザイナーとは

ビジネスデザイナーとは、アイデアをビジネスとして成立させるための企画を立案し、実現へ向けた仕組みやプロセスを構築する役割を担う職種です。 新しい製品やサービスのアイデアをビジネスとして成立させる場合、さまざまなスキルが必要になります。 まず、マーケットや顧客のニーズから、製品やサービスのアイデアを発想する発想力。そしてアイデアを形にするためには、企画としてまとめる力や、説得力ある提案が行えるプレゼンテーションスキルも必要になります。 近年、こうしたスキルはDXやデジタルビジネスの分野でもニーズが高まり、ビジネスデザイナーの需要は高まっているようです。

 

02DX推進人材を構成する職種

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、2019年に発表したDX人材に関する調査資料に、DX推進を担う職種として、ビジネスデザイナーが登場します。 同資料ではビジネスデザイナーを含め6つの職種が、DX人材として定義されており、それぞれの職種が相互にスキルを発揮することで、DXは実現するとされています。 6つの職種のなかでビジネスデザイナーは技術職ではなく、プロジェクトの管理的な役割を担うとされ、プロデューサーの次の位置付けです。 ビジネスデザイナーの役割を理解するために、他の職種についても見ていきましょう。 参照:独立行政法人情報処理推進機構「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」

プロデューサー

IPA資料ではプロデューサーは「DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材」と定義されています。 具体的には、ビジネスやDX実現のためにすべての関係者に働きかけ、良好な関係を構築しつつ、事業化までのプロセスを一貫して統括することです。 プロジェクトリーダーや総責任者といったイメージが近いでしょう。 この職種には技術的な専門スキルよりも、事業全体を俯瞰し意思決定する力や、外部環境を読み取る力、組織を牽引する力が求められます。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーの定義は、「DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材」とされています。 ビジネスデザイナーはプロデューサーと連携して、アイデアを企画レベルにまで落とし込む役割といえるでしょう。 漠然としたアイデアを、実現可能なビジネスモデルとして形にすること。そして関係者に分かりやすく説明し、納得を引き出し実現に向けたプロセスを推進することが求められます。

アーキテクト

アーキテクトの定義は「DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材」とされています。 アーキテクトは、企画をシステムレベルに落とし込む役割といえるでしょう。 ハード・ソフトウェアに関するデジタル技術の側面から、企画を実現するためのシステム要件を設計します。システム設計には、高度なデジタル的知見に加え、その企画で実現したいことを技術的に構造化するスキルが必要となります。 より、テクニカルな側面が求められる役割といえるでしょう。

データサイエンティスト・AIエンジニア

データサイエンティスト・AIエンジニアの定義は、「DXに関するデジタル技術(AI/IoT)やデータ解析に精通した人材」とされ、より細分化されたスキルと知見が求められます。 AIエンジニアは、AIを用いての課題解決をはじめ、AIプログラム開発そのものを担う役割です。 データサイエンティストは、IoTなどで集めたデータの解析を役割としています。AIを駆使してビッグデータの解析を行い、データ活用の側面から企画に貢献します。

UXデザイナー

UXデザイナーの定義は「DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材」とされています。 UXデザイナーは、企画の成果物であるシステムに、ユーザーにとっての使いやすさや楽しさを付加する役割といえるでしょう。 UXとは「ユーザー体験」のことであり、このユーザー体験の向上が製品やサービスの利用率や満足度を高めます。よりユーザー目線が求められる役割です。

エンジニア・プログラマ

エンジニア・プログラマの定義は「デジタルシステムの実装やインフラ構築を担う人材」とあります。 他の職種が構築・設計したシステムを実装するのが、この立場の役割です。基本的なプログラミングスキルに加え、可能な限り多くのプログラミング言語を身につけておく必要があります。特に、DXに携わる場合は、生産・物流・小売など、現場で使われるシステムの知見が必要となるでしょう。

 

03ビジネスデザイナーに必要なスキル

ここではビジネスデザイナーとして必要なスキルを見ていきましょう。DX人材6職種のなかでも、非常に幅広いスキルを必要とされる職種といえます。 基本的なデジタル技術の知識はもちろん必要です。しかし、それよりもマーケットやクライアントのニーズを俯瞰する視点や、あるべきビジネスの姿をイメージする力など、総合的なビジネススキルが求められるようです。

発想力

ビジネスデザイナーにとって、アイデアを発想する力は重要な資質です。 市場や顧客の課題やニーズを汲み取り、そこから新たなビジネスのアイデアを発想するスキルが必要となります。 市場や顧客のニーズを汲み取る力は、ビジネスの実践の場で磨かれます。そのため営業やマーケティングの実務経験があると、幅広い発想が可能になるでしょう。

企画力

発想したアイデアを魅力的な企画に落とし込む、企画力も必要です。 アイデアをコンセプト化し、どのようにビジネスとして成立させ、どのように成長させていくか。そのプロセスを魅力的に仕立て上げるスキルです。

提案力

どれほど優れた企画を立案しても、社内外の関係者に「魅力的な企画だ」と感じてもらえなければ、その企画が実現することはありません。 企画の魅力・実施するメリットを言語化して伝える力、提案力も重要なスキルです。 具体的には、説得力のある分析やデータを用いたり、分かりやすい図解や説明を駆使したりといったことが挙げられます。

ファシリテーション力

企画の実行過程で必要になるスキルがファシリテーション力です。 プロジェクト推進においては、メンバーの合意形成や相互理解をサポートし、活発な意見交換を促す必要があります。ときにメンバー間で対立が生じることもあるでしょう。そうしたときにも、前向きな議論の場をつくり意見を出させることで、協調関係を維持することが欠かせません。

 

04ビジネスデザイナーにおすすめの資格

ビジネスデザイナーには、デジタル技術の知見だけでなく、総合的なビジネススキルが求められることが分かりました。それでは、ビジネスデザイナーに必要な資格を見ていきましょう。 資格を有していないと、ビジネスデザイナーになれないわけではありませんが、もっておくと実務に役立つ資格であることは確かです。

ITコーディネータ試験

「ITコーディネータ試験」は、ITコーディネータ協会が主催する資格試験で、経済産業省の推奨資格として、全国で6500名の有資格者が活動しています。 ITコーディネータの特徴は、経営的視点をもちつつ、IT活用のスキルが身につく点にあります。 企業戦略としてのDX推進に役立つ、有益な知識が得られる資格といえるでしょう。 製造業や小売・サービス業をはじめ、自治体や病院、学校法人など多様な業種に活躍の場を広げています。 参照:ITコーディネーター協会ホームページ

ITストラテジスト試験

「ITストラテジスト試験」は、独立行政法人情報処理推進機構が認定する国家資格です。 経営戦略に基づいたIT戦略を策定し、高度なIT技術を活用した業務改善や、競争優位性を獲得する製品やサービスの創造を担える人材の育成を目的としています。 ビジネスデザイナーとしてのスキル構築に、適した資格といえるでしょう。 参照:独立行政法人情報処理推進機構ホームページ

プロジェクトマネージャー試験

「プロジェクトマネージャー試験」も、独立行政法人情報処理推進機構が認定する国家資格です。システム開発などのプロジェクトマネージャーとしてのスキルを有していることを証明してくれます。 意思決定やリソースの有効活用をはじめ、経営的な視点やビジネス全般に関する知識、もちろんIT領域の知見まで幅広く求められる資格です。 参照:独立行政法人情報処理推進機構ホームページ

 

05ビジネスデザイナーは自社人材から選抜する

企業は、職種としてのビジネスデザイナーを、どのように獲得しているのでしょうか。 現状では、自社既存の人材を育成しているケースが多いようです。 その理由は求められる資質が、デジタル関連の専門知識よりも発想力・企画力であるため、自社の現状やビジネス形態について精通していたほうが良いからです。 営業部門や経営企画、マーケティング部門の最前線で活躍していた人材に適性があると考えられるのは、こうした理由によります。

 

06ビジネスデザイナーを育成・強化するポイント

ここではビジネスデザイナーを育成しスキルを強化するポイントについて解説します。 自社人材の育成が適した職種であることは、先に述べました。 育成・スキル強化のポイントは、培った既存のスキルを磨き上げることと、新たに必要になるスキルを強化する、2つの側面から考える必要があります。

発想力・企画力を磨き上げる

営業や経営企画、マーケティング部門で活躍していた人材に、適性があることは前述しました。こうした部門で実績を残している人材は、発想力や企画力はすでに有しており、ある程度即戦力としてのレベルに達しています。 さらに磨き上げるとすれば、視野を広くもつことを求めると良いでしょう。 自社ビジネスの範疇ではなく、国内の業界全体を俯瞰することや、国際的な視点を養うような育成を行います。

ファシリテーション力の強化

ビジネスデザイナーとして新たに強化すべきスキルはファシリテーション力にあるといえます。ビジネスデザイナーとして、企画を立案しプロジェクトを進めるなかで、内外の関係者や、プロジェクトのメンバーの合意形成は不可欠です。 ビジネスデザイナーとして携わる案件は、全社的なプロジェクトであることも多いでしょう。 かなり高度なファシリテーションスキルが求められます。 基礎知識だけでなく、外部の研修機関を活用し、上級者向け講座受講の機会を提供すると良いのではないでしょうか。


 

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07まとめ

本記事ではビジネスデザイナーの概要や必要なスキル、育成・強化のポイントについて解説してきました。 ビジネスデザイナーの役割は、新たなビジネスモデルを発案し企画として練り上げ、実現を目指すことです。DX推進による企業発展に欠かせない役割といえるでしょう。 また、ビジネスデザイナーは自社ですでに活躍している人材に適した職種であるようです。 人選から育成・強化の取り組みは、できるだけ早い段階で取り組むことが望まれます。

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