越境学習とは?従業員と企業双方のメリットと具体的な手法を解説

新たな知見を得る手段やスキルアップの手法として、越境学習が注目されています。越境学習は経産省も注目する手法の一つ。この記事では、どのようなメリットがあるのか、具体的な手法はどんなものか、解説していきます。
- 01.越境学習とは
- 02.越境学習に注目が集まっている背景
- 03.越境学習のメリット
- 04.越境学習の注意点
- 05.越境学習の注意点
- 06.越境学習の具体的な5つの方法
- 07.オンライン研修|Schoo for Business
- 08.まとめ
01越境学習とは
越境学習とは自分が勤務している会社や職場を離れ、新しい環境や領域で学ぶことを指します。具体的には他部署への異動、社外活動、ボランティアなどが挙げられます。
経済産業省においては越境学習の定義を以下に定めています。
“越境学習とは、ビジネスパーソンが所属する組織の枠を越え(“越境”して)学ぶことであり、「知の探索」によるイノベーションや、自己の価値観や想いを再確認する内省の効果が期待されています”
引用元:経済産業省「越境学習によるVUCA時代の企業人材育成」より
02越境学習に注目が集まっている背景
越境学習に注目が集まっている背景として、次のようなものが挙げられます。
- ・VUCA時代への適応
- ・働き方改革の進展
- ・キャリアの多様化
- ・急速な技術革新
越境学習は、これらの変化に柔軟に対応し、持続可能な成長とイノベーションを実現するための有効な方法となっています。ここではそれぞれについて、具体的に解説していきます。
VUCA時代への適応
VUCAは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取ったもので、現代のビジネス環境や社会情勢を表す言葉です。VUCA時代では、予測不可能な変化や複雑な問題が頻繁に発生し、従来の知識やスキルだけでは対応が難しくなっています。越境学習は、異なる分野や領域から新たな知識や視点を取り入れることで、このような不確実な状況に柔軟に適応できる能力を養います。
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働き方改革の進展
日本では働き方改革が進行しており、多様な働き方やライフスタイルの実現が求められています。これにより、個々の社員が主体的にキャリアを築くためのスキルアップや自己啓発が重視されるようになっています。越境学習は、職場内外での多様な経験を通じて自己成長を促進し、柔軟な働き方に対応するための手段となります。
キャリアの多様化
現代のキャリアは、一つの企業や職種にとどまらず、様々な領域での経験を積むことが重要視されています。キャリアの多様化は、異なる分野での知識やスキルの統合を可能にし、より創造的で革新的な成果を生むことができます。越境学習は、異なる業界や職種での経験を通じて、個々のキャリアパスを多様化し、専門性を深めるだけでなく、新たなスキルセットを獲得する機会を提供します。
急速な技術革新
技術の進歩は非常に速く、常に最新の技術や知識を習得することが求められます。特に、AI、IoT、ビッグデータなどの新しい技術分野では、既存の枠にとらわれない学びが重要です。越境学習は、異なる技術分野や産業からの知見を取り入れることで、技術革新に対応し、競争力を維持するための重要な手段となります。
03越境学習のメリット
越境学習の促進によって企業、従業員それぞれにメリットがあります。企業においてはイノベーションの促進や人材の流出防止、従業員においては社外との繋がりが一例です。それぞれの視点での越境学習のメリットを紹介します。
企業側のメリット
企業側による越境学習のメリットは以下が挙げられます。
- ・イノベーションにつながる
- ・キャリア自律の促進
- ・人材の流出防止
1:イノベーションにつながる
他社での越境学習により、従業員が異なる業界や文化から新しいアイデアや視点を持ち帰ることができます。これにより、既存の業務に革新をもたらし、業務改善や新規事業開発といったイノベーションが生まれることが期待できます。多様な環境での経験は、従業員の発想力や問題解決力を向上させ、企業全体にとって価値ある知識の共有や競争力の強化につながります。
2:キャリア自律の促進
越境学習は、従業員が新たなスキルや知識を身につける場となり、自己のキャリアについて考えるきっかけにもなります。自らのキャリアを主体的に形成することで、従業員が自身の成長に積極的になり、自発的なキャリア開発や自己啓発を推進しやすくなります。これにより、企業も従業員の成長を支援する姿勢を示し、組織全体が学びを重視する文化を醸成できます。
3:人材の流出防止
越境学習は、従業員が自社で新たな挑戦を体験できる機会を提供するため、転職や離職の防止に役立ちます。特に、成長や自己実現を求める従業員にとっては、他社での学びを通じて多様な経験を積むことで、企業への満足度が向上します。これにより、優秀な人材が社外へ流出することを防ぎ、企業にとっても貴重な戦力を確保できます。
従業員側のメリット
企業側による越境学習のメリットは以下が挙げられます。
- ・当たり前を疑うきっかけになる
- ・社外とのつながりを作れる
- ・多角的な視点を持てるようになる
1:当たり前を疑うきっかけになる
越境学習を通じて、自分が普段の業務や組織で「当たり前」と思っている慣習や方法を、異なる環境と比較することができます。他社や異業種での経験を得ることで、既存の考え方に疑問を持つきっかけが生まれ、新しい発想や価値観を身につけることが可能です。これにより、視野を広げるとともに、自身の業務改善やキャリア形成にも活かせます。
2:社外とのつながりを作れる
越境学習は、他社の社員や異なる業界の人々と働く機会を得ることができます。これにより、社外での人脈を築き、多様なネットワークを広げることができます。こうしたつながりは、キャリアを広げるだけでなく、新たな知見を得たり仕事の機会にもつながる重要な資産となります。
3:多角的な視点を持てるようになる
越境学習で得た経験は、異なる業界や文化での考え方や働き方を理解する力を養うことができます。これにより、一つの課題に対して複数の視点からアプローチできる柔軟性が身につきます。多角的な視点を持つことは、自分の業務の枠を越えた新しい価値を生み出し、問題解決や意思決定の精度を高めるうえで大いに役立ちます。
04越境学習の注意点
越境学習はメリットが大きい一方で、これらのデメリットを事前に想定し、効果的な対策を講じることが重要です。主なデメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- ・自発的に参加する社員が集まらない可能性がある
- ・学習の効果が見えづらい
- ・企業側の負担が大きい
自発的に参加する社員が集まらない可能性がある
越境学習は通常、参加者自身が学びへの意欲や成長意識を持っていることが前提となります。しかし、企業が越境学習を導入しても、自発的に参加したいと考える社員が必ずしも多くはない可能性があります。特に、業務が忙しい社員は「日常業務への支障」を懸念し、参加をためらうケースがあります。また、越境学習の価値を十分に理解していない場合、社内での評価やキャリアに直結しないと考え、参加へのモチベーションが低下します。さらに、越境学習は環境や人間関係が変わるため、心理的な負担を感じる社員もいます。その結果、意欲的な少数の社員ばかりが参加し、学習機会が一部に偏ることで、企業全体への効果が薄れてしまう懸念があります。そのため、学習の意義を丁寧に伝え、参加しやすい環境を整えることが重要です。
学習の効果が見えづらい
越境学習は、異業種や他企業での経験を通じて視野を広げたり、柔軟な発想力を養ったりすることが目的です。しかし、その成果は必ずしも数値や目に見える形で表れるわけではなく、効果が見えづらい点がデメリットとなります。たとえば、コミュニケーション力や課題解決力といったスキルは定量的に評価しにくいため、企業側は成果を把握するのが難しくなります。また、学習効果が現れるまでに時間がかかるケースもあり、短期間での効果測定が困難です。そのため、「本当に学びが業務に活かされているのか」「投資対効果はあるのか」といった疑念が生じやすくなります。効果を可視化するためには、事前と事後で具体的な行動変容を確認する仕組みを設ける必要があります。
企業側の負担が大きい
越境学習は、企業側にとってコストや労力がかかる点がデメリットとなります。まず、参加者が業務を離れることで、欠員が生じたり、残された社員に負担がかかったりする恐れがあります。また、越境先の企業や団体との調整、契約手続き、学習プログラムの設計などには、時間と労力が必要です。さらに、参加費用や交通費、宿泊費などの金銭的な負担も発生します。これらのコストが企業の利益や生産性に影響を与える場合、継続的な運用が難しくなる可能性があります。加えて、得られる成果が不明確な場合、費用対効果が見合わないと判断されるリスクもあります。そのため、負担を抑えつつ効果を最大化するために、プログラムの選定と運用方法の見直しが重要です。
05越境学習の注意点
社内で越境学習を促進する場合の注意点として以下があります。
- 1:越境学習は目的ではなく手段である
- 2:越境経験を還元する仕組みを整える
- 3:自発的な参加を促す仕組みを作る
- 4:参加理由を見極める
越境学習を行うだけでなく、越境学習を通してどのような効果があるのか検討した上で、実施すると良いでしょう。
1:越境学習は目的ではなく手段である
越境学習は、他社や異業種での経験を通じてスキルや知識を得る「手段」にすぎません。越境自体が目的化すると、学びの成果が曖昧になり、個人や企業にとっての価値を十分に発揮できません。そのため、越境学習の目的を明確にし、学んだ知識や経験をどのように活用して目標達成に繋げるのかを意識することが重要です。
2:越境経験を還元する仕組みを整える
越境学習で得た経験や知見を企業内で共有し、活用できる仕組みがなければ、その効果は個人の成長にとどまり、組織全体には広がりません。例えば、学んだ内容を社内で発表する場を設けたり、経験を活かせるプロジェクトに従事させるといった仕組みを整えることで、越境学習の成果を組織全体に還元しやすくなります。
3:自発的な参加を促す仕組みを作る
越境学習は、異業種や異分野での経験を通じて新たな視点やスキルを獲得する学習法ですが、成果を上げるためには自発的な参加が欠かせません。強制的な参加ではなく、自らの成長意欲に基づいた挑戦が必要です。そのためには、参加者が「なぜ越境学習に取り組むのか」を主体的に考えられる仕組みが重要です。例えば、事前に参加目的や期待する成果を明確にするワークシートを作成することで、目標意識を高められます。また、学習成果を社内で発表する機会を設けることで、アウトプットを意識した学びが促されます。さらに、学習後のキャリアへの反映や評価制度と連動させることで、参加へのモチベーションを維持しやすくなります。
4:参加理由を見極める
越境学習においては、参加者の動機を見極めることが重要です。「成長したい」「新たな視点を得たい」といった前向きな理由で参加する場合は学習効果が高まりますが、「義務感」や「逃避目的」で参加する場合は期待する成果が得られにくくなります。そのため、事前にヒアリングやアンケートを実施し、参加動機を把握することが重要です。さらに、動機が曖昧な場合には、目的意識を引き出す対話を行うことが効果的です。また、単なる経験に終わらせず、学習目的と業務課題を関連付けることで、参加者の主体性を高められます。越境学習を有意義なものにするためには、参加者の理由をしっかり見極めたうえで適切なサポートを行う必要があります。
06越境学習の具体的な5つの方法
ここまで越境学習のメリットや注意点を紹介しました。本章では越境学習の具体的な方法を紹介します。越境学習の方法には以下の5つが挙げられます。
- ・プロボノなどの社会貢献活動への参加
- ・副業や兼業
- ・ビジネススクールや社会人も参加できる講座を受講
- ・ワーケーション
- ・勉強会や交流会へ参加
社外活動、ボランティア、あるいは異業種交流など様々な形で越境学習を行うことができます。それぞれを具体的に紹介します。
プロボノなどの社会貢献活動への参加
プロボノとは、自分のスキルや仕事で得た知見を活かし、地域活動や社会貢献などを行うことです。プロジェクト運営スキルを活かして地域振興イベントを企画したり、プログラミングスキルを活かして地域のホームページを刷新したりといった具合です。 また、自分の仕事上の知見を新興国で活かすために、海外に一定期間の間派遣される「留職(りゅうしょく)」という手法もあります。こちらも、自分のスキルを新興国に提供しつつ、技術教育的なことを行う場合もあります。 このように、社会貢献活動を行いながら越境学習を行う手法があります。
副業や兼業
自分が所属している会社とは別の会社で働いたり、フリーランスとして仕事を受けることも越境学習の一つです。 メインの収入源である本業とは別に副業をもつ場合もあれば、本業も副業もどちらの比重も同じくらい高く、複数の会社で同じように働いている、というケースもあります。 月曜と水曜はA社、火曜と木曜はB社、金曜はフリーランス、といった具合です。 複数の業務と言う意味で「複業」と呼んだり、パラレルワーク、ダブルワークなどと呼ぶ場合もあります。 これらは一つの会社では得られない知見を得られるため、越境学習の一つとされています。
ビジネススクールや社会人も参加できる講座を受講
近年では、社会人向けのオンライン講座やビジネススクールも多様になっています。 さまざまな専門分野に向けた講座が提供されており、自分の今の職種のスキルアップに使えるのはもちろん、まだ見ぬ新しいスキルを獲得するためにも有用なのです。 会社から勧められた講座に申し込むだけでも良いですが、おすすめは自由に講座を受けられる形式のオンライン講座です。 基本的には自分が主軸を置く職種のスキルアップに使いつつ、折を見てまったく異なる職種の講座を受講して新しい知識を得る、という使い方ができるためです。
ワーケーション
休暇などを挟みつつ、観光地などでリモートワーク・テレワークを行うのがワーケーションです。 リモートワークが可能で、なおかつ許可されている会社だったとしても、大抵は自宅で作業することが義務づけられているはずです。 ですがどこでも仕事ができるのであれば、たとえ自宅であろうと観光地であろうと変わらないのではないでしょうか。 とはいえ、会社側は不測の事態に備える必要もあります。 会社からの許可を得た、観光地でのリモートワークであると考えればいいでしょう。普段とは異なる環境から得られるものがある、とされています。 また場合によっては、該当の観光地の会社や店舗に営業活動を行ったり、地域振興のプロジェクトに参加するなど、観光地ならではの業務を行うという場合もあります。 その場合は、よりワーケーションによる越境学習の効果を高められるのではないでしょうか。
勉強会や交流会へ参加
社内、社外問わず、勉強会や交流会が行われています。そういった勉強会や交流会に参加するのも、異なる知見を得るためには有効です。 交流会であるならば、異業種交流会だとなお効果的でしょう。 短期間しかほかの知見に触れられないですが、ここで紹介したなかでもっとも参加するハードルが低く、手軽に体験できるというのが大きなメリットです。 何かキャリアに行き詰まりを感じるのであれば、大規模な越境学習への参加を申請するよりも前に、ひとまず勉強会や交流会へ参加してみるというのも手段の一つでしょう。
社内における部署異動やグループ異動
社内での部署異動やグループ異動は、越境学習の一環として有効な手法です。異なる部署と業務を通して携わることで、新たな視点やスキルを獲得できます。たとえば、営業担当者が企画部門に異動することで、戦略立案や市場分析の視点を学び、営業活動に活かすことができます。また、異動を通じて他部門の課題や業務プロセスを理解することで、部門間の連携が強化され、組織全体の生産性向上につながります。さらに、異動経験は社員の適応力や柔軟性を高め、キャリアの幅を広げる効果もあります。ただし、異動による負担を軽減するためには、事前のフォロー体制や明確な目的設定が重要です。計画的な異動を通じて、組織と個人双方の成長を促進できます。
他企業への出向
他企業への出向は、異なる文化や業務環境に身を置くことで、視野を広げる越境学習の手法です。たとえば、メーカーの社員がベンチャー企業に出向することで、スピード感のある意思決定や柔軟な業務運営を学べます。また、出向先でのネットワークが拡がり、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もあります。さらに、出向で培った知見を自社に持ち帰ることで、組織全体のイノベーション推進にも貢献できます。ただし、出向は環境や業務のギャップが大きいため、適応に苦労するケースもあります。そのため、出向前には期待される役割や成果を明確にし、定期的なフォローアップを行うことが重要です。出向は個人の成長と企業の競争力強化に有効な手段となります。
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NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事等。主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)等