公開日:2021/09/10
更新日:2022/07/15

リスキルとは?組織における再教育の必要性を徹底解説!

リスキルとは?組織における再教育の必要性を徹底解説! | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

この記事では「リスキル」という、組織としての人材育成の意味合いで使用する言葉について解説しています。読んでいただければ企業や組織単位でいかにリスキリングに取り組むのかということが理解できます。

 

01リスキルとは

もともと英語としての「リスキル(リスキリング)」は、従業員の再教育、再開発という意味で使われていました。 一方、環境変化を受けて、日本における「リスキル(リスキリング)」という言葉の定義は、単なる従業員の再教育、再開発ではなく、環境変化に対応するという意味での従業員の再教育、再開発と定義されています。経済産業省の提示(リクルートワークス研究所)を参考に、当記事における「リスキル」は下記のとおり定義しています。 『リスキル(リスキリング)とは、デジタル化と企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現という波を受けて、その変化に対応し、生産性を向上させるための従業員の再教育のことである。』

リスキル(リスキリング)の定義

「リスキル(リスキリング)」は環境変化の激しい時代において、いかに組織として従業員の再教育や再訓練に取り組むのか、という意味合いです。近年、テクノロジーの発展やDXの推進により、企業ではIT関連のノウハウや知識を持って業務を進めていく必要が出てきました。これに伴い、企業はリスキルを促進し、人材に新たなスキルを習得してもらう必要が出てきました。このようなスキルの習得は、ITスキルだけではありません。変化の激しい時代だからこそ、「リスキル」は多くの企業で促進をしていく必要があるものなのです。

リカレントとの違い

「リカレント」は個人のレベルでどのように生涯を通して「学びなおし」を行うかという意味です。「リスキル」と「リカレント」の違いとしては、就業状況の有無です。「リスキル」は就業しながらの学びであり、「リカレント」は仕事から離れてからの学習を指します。一方で、リスキリングは職場を離れることを前提としていません。したがって、今いる職場で新しいスキルを習得することが「リスキル」の特徴です。

 

02リスキルが必要な背景

リスキルが必要という声が大きくなってきたのは、デジタル化の波、および新型コロナウイルスによる働き方の変革など、外部環境の変化が要因となっています。 企業においては、事業の進め方を大きく変える必要性に迫られているため、必然的に従業員の仕事の仕方も変化します。 従業員の仕事が変化するため、従業員に新しいスキルを身につけてもらう必要があります。

環境変化への対応の必要性

デジタル化の波は、企業の事業運営(バリューチェーン)そのものの変化を強要します。 変化させなければ、競合に負けてしまい競争力が低下してしまうからです。現代は、デジタル技術を活用して、いかに優れた効果効率で顧客へ価値を届けるのかという競争軸に移行しているのです。 一方、顧客はデジタルを活用し、自分に合ったサービスや商品を購入/評価する時代です。 このように、企業は顧客と競合がデジタルを活用する時代に、環境変化への対応を迫られているのです。

人材管理の変革の必要性

環境変化に対応し、競争を勝ち抜くための人材管理の在り方も見直しが必要です。 環境変化への対応が求められる現在、意図のない配置転換や「何とか現場が育成してくれるだろう」という現場依存の能力開発は、通用しなくなったといえるでしょう。 スピード感が遅く、能力の発揮度合いが見えづらい方法論に頼るのは、この先の環境変化への対応が期待できません。 デジタルを活用した仕事の進め方、成果の出し方といったスキルを最定義したうえで、従業員の再教育を図っていく方向への変革が必要です。

人材の流動化に伴う必要性

GOOD JOBLOG Kazutomo Nagasawa Official Blogによれば18歳〜64歳までの全労働者のうち、転職を経験した人は7割を超えていると言われています。また人生100年時代といった背景も相まって、一人の社会人がさまざまな企業での経験を通じて、長いキャリアを歩んでいくことから、一人ひとりのキャリアは多様化し長期化しています。そのため、所属する企業に合わせて柔軟に新たな能力を身につけていかなければ、スキルの陳腐化がおき、所得をあげていくことが困難になってきています。こうした人材の流動化に伴い、新たな知識をつけなければ、いわゆる市場価値が高まらないことから、リスキルという概念が広まりつつあります。

 

03リスキル実現のための人材育成の在り方

ここからは、リスキル実現のための人材育成の在り方についてのポイントを解説していきます。

スキルの再定義

リスキル実現のためには、環境変化への対応を盛り込んだうえで、スキルを適切に再定義することが必要です。 環境変化への対応を考慮せずに、今までの人材育成の延長線上では従業員のリスキルは不可能です。 例えば、営業職は非対面での営業力を強化する必要があり、「顧客との関係構築」というスキルではなく、「非対面の状況でデジタルツールを活用し、顧客の問題解決を支援しながら最適な提案ができる」というスキルに変えることが必要です。 製造職では、溶接や目視による確認作業といった作業をロボットで行うと、その仕事は人が不要になります。今後必要になるのは「目視の正確さ」ではなく、「ロボットを活用して全体の生産性を上げる」、「ロボットと人がどう役割分担すれば最適なのかを考えられる」といったスキルになっていくでしょう。 このように、変化に適応するためにスキルを再定義することが必要です。

人材育成の変革

スキルの再定義と連動して、人材育成を変えていくことが必要です。スキルを再定義しただけでは、スキルを向上させることはできません。具体的な人材育成施策を企画・実行することが必要です。この際、ポータブルなスキルで人材育成を行うことが必要です。「従来の研修」のような「漠然とした抽象度の高いテーマ」で人材育成を行うのではなく、「具体的な業務遂行手順」といった具体性の高いものを扱うのでもない、適切な抽象度(ポータブルなスキル)で人材育成テーマを設定するべきです。 抽象度が高すぎると業務への接続が困難になり、あまりにも業務に近づきすぎると応用が効きません。このようにスキルの再定義に連動して、応用できるポータブルなスキルで人材育成テーマを設定することが必要です。

多様なキャリア観と育成の接続

従業員のキャリア観が多様化しているため、キャリア観とリスキルの結びつきを従業員が実感できるよう促すことが必要です。リスキルの文脈は、企業の変化への対応が強調されがちです。しかし、いかに学ぶ必要性を従業員に納得して学んでもらうかは、人材育成の普遍的な命題です。「会社としてリスキルを求める」というメッセージだけでは、従業員のモチベーションが上がらず、学ぶ効果が低下することが予想されます。個人のキャリア観とリスキルの意味合いを重ねておくことが、育成の効果を高めるために必要な観点だといえます。

 

04具体的なリスキル促進

続いて、具体的なリスキルの運用についてのポイントを解説します。

主体性や気づきを促す仕組みと仕掛け

「会社が変化対応する必要があるので、従業員はリスキルしなさい」というメッセージ発信では、学ぶ意欲が低下し、効果が望めません。そのため、リカレント教育のように個人にとっての学ぶ意味合いを言語化して、それとリスキルの意味合いを重ねておくことが必要です。具体的には、下記のような手順を踏みます。

  • ・企業の置かれた状況と今後の変革メッセージを伝える
  • ・個人のありたい姿や志向する働き方を言語化する
  • ・会社からのメッセージと個人のありたい姿を重ね合わせる

このように、リスキルが個人としての意味合いに落とし込めるよう、ナビゲートすることが必要です。 これらは組織開発やキャリア開発のコンサルタントが得意とする内容です。自社で実施するのが困難な場合は専門家に相談するのも手段の一つです。

ポータブルなスキルとの連動

リスキルの実行は、応用力も身につけるために、ポータブルなスキルという観点をもって育成施策を検討することが必要です。リスキルは、ITツールの活用という短絡的な育成施策になりがちです。しかしそれではマニュアルを読んだだけとほぼ変わらず、その仕事での特定ツールを指示どおり使用できるというレベルにしか到達できない、という状態に陥ってしまいます。

リスキルの効果測定

研修の効果測定は、一般的には研修を受講しての満足度を測定することが多いものです。ですが、そのような効果測定ではスキルの定着度を計測することはできません。リスキル研修の効果測定は、研修前と研修後の比較、受講している人/受講していない人の比較などで測定することが必要です。スキルについて正しい理解がされているか、研修後にスキルを効果的に活用できるようになったか、などを中心に測定することで研修効果を判断しましょう。

「リスキル(リスキング)」の主な施策

リスキルの具体的な運用について理解したら、最後に主な施策について知っておきましょう。リスキルを導入している企業は、以下のような施策を取り入れています。

  • 1:従業員が得たスキルを、発信できる場を用意する
  • 2:取り組みの姿勢やもたらされた成果を、社内評価や給与として還元する
  • 3:取り組んだ従業員の上長も、当該の従業員と同等の評価対象をする

このように実際にリスキルを運用するためには、学び終わった後に、従業員やその周辺の人が、さまざまな形で評価されるような取り組みが必要となる場合が多いです。導入を検討している企業の方々は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

05リスキル(リスキング)」の主な事例

具体的にリスキルを行う上でどのように導入していくのでしょうか。ここでは、リスキルの導入事例について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

日立製作所

日立製作所では、昨今注目が集まっているDXを推進できる人材の育成を目的に、国内グループ企業の全従業員を対象としたDXの基礎教育を実施。「デジタルリテラシーエクササイズ」と称して、eラーニング形式で従業員向けに講座を提供しています。講座は4つから成り、具体的には「DXとは」「課題の定義」「実行計画の立て方」「計画の進め方」があり、DXを推進する人材の素養として、基礎知識習得を支援しています。

三菱商事

三菱商事では、デジタル人材育成のため、社員向けに「IT・デジタル研修」を設立。文系社員が多い商社の特性を踏まえて、所属・年次・年齢問わず、誰もが受講できるものとなっています。講座は基本的にオンラインで実施され、社員のリスキルを行うことで、人材の高度化と顧客企業のデジタル化や新事業の創出につなげていくことを目的としています。

キヤノン

キヤノンでは従業員1,500人に対して、職種転換を進めており、クラウドやAIなどの研修を実施しています。2018年10月から、本社近くに新設した教育施設において研修を充実させており、2022年までには品質検査を含むソフトウエア技術者を計370人育成すると発表している。具体的には、セキュリティやプログラミング言語などのIT知識を学べる講座が、レベルごとに14系統・190講座用意されており、就業時間を使って半年程度で専門的な教育を行っています。研修を通してこのような学問を学ぶことで、自社内でのキャリアチェンジが可能になり、全社的なレベルアップが期待できるとされています。


 

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06まとめ

リスキルは企業が環境変化への対応を迫られた結果として、必要性が叫ばれています。 変革のための必要なスキルセットを見える化し、人材育成施策を展開していくことが必要です。 リスキルは、どうしても企業にとって必要だからというメッセージが強調されがちです。会社から押し付けるだけでは、従業員の「学ぶ」モチベーションがあがりません。リスキルを個人にとっての意味合いに落とし込んで、「学ぶ」モチベーションを高めることが必要です。当記事をきっかけに、従業員のリスキルの具体的な実現策を検討されてみてはいかがでしょうか。

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