公開日:2022/09/09
更新日:2023/11/21

人生100年時代とは?根拠から働き方のヒントまで詳しく解説

人生100年時代とは?根拠から働き方のヒントまで詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人生100年時代という言葉を近年よく耳にするけれど、企業ではどのような取り組みが必要なのかイメージがわかないという人も多いのではないでしょうか。 この記事では人生100年時代とは何かから働き方のヒントまで詳しく解説します。

 

01人生100年時代とは

人生100年時代とは、平均寿命が伸び、100年生きるのが当たり前になる時代という意味の言葉です。イギリスの組織論学者であるリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」という本の中で提唱し、世の中に広く知れ渡りました。

日本でも、内閣や厚生労働省が人生100年時代に対しての対策をまとめており、人生100年時代への対応は個人だけでなく、国や企業も取り組まなければならない課題として認識されています。

▶︎参考:首相官邸|人生100年時代構想

▶︎参考:厚生労働省|人生100年時代を見据えた多様な就労・社会参加の実現に向けて

 

02人生100年時代の根拠

人生100年時代は、米国カリフォルニア大学とドイツのマックス・プランク研究所が実施した調査で、日本で2007年に生まれた子供の寿命が107歳と推測されたことが根拠とされています。

“日本で2007年に生まれた子供の寿命”

▶︎参考:Human Mortality Database, University of California, Berkeley(USA) and Max Planck Institute for Demographic Research (Germany). Available at www.mortality.org

この結果を証明するように、日本人の平均寿命は伸び続けています。2022年に内閣府が発表した「令和4年高齢社会白書」によると2020年現在の男性の平均寿命は81.56年、女性の平均寿命は87.71年でした。

1950年の男性の平均寿命が58. 0年、女性の平均寿命が61. 5年だったのと比較するとそれぞれ23. 56年、26. 21年も平均寿命が伸びているのです。

“平均寿命の推移と将来推計”

今後も平均寿命はさらに伸び、2065年には男性84. 95歳、女性91. 35歳となり、女性の平均寿命は90歳を超えると予想されています。 このことから近い将来、100歳を超えて生きる人はそう珍しくなくなると言えるでしょう。

▶︎引用:内閣府|令和4年版高齢社会白書 第1節 高齢化の状況

 

03人生100年時代の課題

100歳まで人生が続く時代になっている中で、老後の資金は大きな課題として挙げられます。年金だけで生活が維持できると楽観視することは難しく、これまでのように60~65歳で定年退職して余生を過ごすのではなく、働き続けないと生活できない未来が来るでしょう。

また、日本人は学ばないという課題もあります。自発的に学ぶ日本人は、50%ほどしかいないのです。著しい速度で変化していく社会で働き続けるためには、自ら学び、成長して、社会に必要とされる人材であり続けなければならず、学ばない日本人という課題にも取り組まなければなりません。

老後の資金不足

“2人以上の世帯における1ヵ月あたりの消費支出平均額”

総務省の家計調査報告によると、2人以上の世帯における1ヵ月あたりの消費支出平均額は、世帯主が60~69歳の世帯で29万9,362円、70歳以上の世帯で23万7,203円となっています。

したがって、65歳で退職し100歳まで生きると仮定した場合には65歳からの5年間で約1,800万円、70歳からの30年間で約8,500万円、合計して1億円以上の資金が必要となるのです。

この予測値は食費や光熱費など生活に必要な支出に限定されており、娯楽的な支出を加えると老後に必要な資金はさらに大きくなります。

▶︎引用:総務省|家計調査報告 2022年(令和4年)平均結果の概要

学ばない日本人

老後の資金不足を解決するには、現役時代にキャリアアップをして資金を貯めておくか、定年に関係なく働くことができる人材になるかしかありません。いずれにせよ、VUCAと呼ばれる現代において主体的に学び、成長する必要があるでしょう。

“主体的に学んでいる人の割合”

しかし、パーソル総合研究所 「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」によると、主体的に学んでいる人の割合は52.6%となっており、諸外国に劣っているというのが現状です。

この要因には、終身雇用が前提かつ年功序列だった日本企業の文化が大きく影響しています。次第に大企業から主体的な学び・成長への支援が進み始めていますが、この課題に対して明確な解決策が見出せている企業は多くないのが現状です。

▶︎参考:パーソル総合研究所 「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」

 

04人生100年時代に必要な力

経済産業省では人生100年時代を生きる上で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」と定義しています。 これからご紹介する3つの能力を身に着け、それを発揮するにあたって適宜振り返りをしながら、目的、学び、統合のバランスを計ることがキャリアを切り開く上で重要だとされているのです。

前に踏み出す力(Action)

前に踏み出す力とは一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力のことで、次の3つの要素で構成されています。

要素 概要
主体性 ・物事に進んで取り組む力
働きかけ力 ・他人に働きかけ巻き込む力
実行力 ・目的を設定し確実に行動する力

仕事の場では指示待ちをせず、自ら考え行動できるようになることが求められているのです。

考え抜く力(Thinking)

考え抜く力とは疑問を持ちそれを考え抜く力のことで、次の3つの要素で構成されています。

要素 概要
課題発見力 ・現状を分析し目的や課題を明らかにする力
計画力 ・課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
創造力 ・新しい価値を生み出す力

自分で課題を見つけ、解決のための手段を導き出す力が求められているのです。

チームで働く力(Teamwork)

チームで働く力とは多様性を持つチームメンバーと目標に向けて協力できる力のことで、次の6つの要素で構成されています。

要素 概要
発信力 ・自分の意見をわかりやすく伝える力/td>
傾聴力 ・相手の意見をていねいに聴く力
柔軟性 ・意見の違いや相手の立場を理解する力
状況把握力 ・自分と周囲の人たちや物事との関係性を理解する力
規律性 ・社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール力 ・ストレスの発生源に対応する力

チーム内だけの協力にとどまらず、社内や社外のさまざまな人たちとの連携や協働を生み出す力が求められています。

▶︎参考:経済産業省「社会人基礎力」

 

05人生100年時代における企業の在り方

人生100年時代に対応するため、企業にはどのような取り組みが求められているのでしょうか。主に挙げられるのは、以下の3つです。

  • ・1.キャリア開発を支援する
  • ・2.リテンションを強化する
  • ・3.新たな関係性を構築する

それぞれについてご紹介します。

キャリア開発を支援する

人生100年時代においては企業に対しても従業員の雇用を守ることばかりに囚われず、社会で活躍し続けられるように支援することが求められます。 生産性を高め、事業を取り巻く環境の変化に強い従業員を育成するためには、次のような施策に取り組むのがよいでしょう。

  • ・社内外での研修
  • ・人事制度の改革
  • ・兼業や出向の推進

従来のスキル研修だけではなく、多面的なキャリア開発支援を行うという観点を持つことが重要です。

リテンションを強化する

リテンションとは自社の優秀な人材の流出を防止するための施策のことですが、人生100年時代においては高齢者になっても働き続けたいと思えるような環境作りをすることが大切です。 社内での意識改革を推進するために、次のような施策を行ってみましょう。

  • ・多様な働き方やポジションを作る
  • ・d&iを浸透させる
  • ・従業員のマインドセット改革をするための研修を行う

高齢者となってもモチベーションを高く持って働き続けることのできる環境を整えることが重要です。

新たな関係性を構築する

人生100年時代においては、社内・社外に関わらず社会全体で人材を最適に配置するという視点が必要です。 転職者を含む広いネットワークを作って事業を拡大していくために、次のような施策を行ってみましょう。

  • ・従業員の処遇の整備
  • ・多彩な転職先の紹介・マッチング

業界全体で協力し、環境やネットワーク整備を推進していくことが大切です。

▶︎参考:経済産業省「『人生100年時代』の企業の在り方」

 

06人生100年時代に必要な人材を育成|Schoo

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人生100年時代に向けておすすめのSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、人生100年時代を迎えるにあたっておすすめの授業を紹介いたします。

Re-skilling 〜人材市場で高い評価を得るために学ぶべきこと〜

待ったなしのDX、企画づくりから在庫管理まで、あらゆるプロセスがデジタル化した世界で価値創造し続けるために、各企業は従業員の「リスキリング」を進めています。すなわち、私たち一人ひとりがスキルを"塗り替え"、デジタル化に適応せねばなりません。そこで本放送は、DXトレンドを踏まえた最新の人材市場動向から何を学ぶべきか考えます。一緒に自分DXをはじめましょう。

 
  • リクルートワークス研究所 人事研究センター長 / 主幹研究員

    慶應義塾大学法学部卒業後、銀行、コンサルティング会社を経て2001年よりリクルートワークス研究所に参画。以来、人材マネジメント領域の研究に従事。2015年から2年間、機関誌Worksの編集長を務めた。2017年4月から現職。タレントマネジメント、リーダーシップ開発、女性リーダー育成、働き方改革等を専門とする。主な著作に『女性が活躍する会社』(大久保幸夫との共著、日経ビジネス文庫)がある。

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自己認識力 〜キャリア開発のための自分の本質

本コースでは、自分の価値観や願望を明確に持ち、自分のことをよく理解できている「内面的自己認識力」と、他者が自分のことをどのように見ているかを正確に掴んでいる「外面的自己認識力」の両方を高めることがいかに大切かを学びます。

 
  • ブラックラムズ東京 クラブビジョナリーオフィサー

    2002年明治大学政治経済学部卒 リクルートグループ2社を経て、2012年㈱ビジネス・ブレークスルー入社。大前研一と共に次世代リーダー育成プログラムの立ち上げに従事。2017年ビジネス・ブレークスルー大学事務局長としてカリキュラム開発、教員採用、学生募集等大学経営全般の業務と並行して、企業やスポーツチームの研修講師として活動。2022年より㈱En人 を設立。同年ラグビーリーグワン、ブラックラムズ東京にてアドバイザーとしてスポーツチームのマネジメントに関わっている。

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LIFE SHIFT実践 -100年時代に活きる「変え続ける力」の磨き方-

「所属している会社で定年まで居続ければ、一生安泰」そんな時代は終わりを迎えようとしています。これからの時代は、会社中心の人生計画を見直し、「人生を悔いのないものにするためには何が必要なのか?」を考え、自分の力で仕事を、そして人生をデザインしていくことが必要になるのです。

本連載授業では『人生100年時代に必要な“変身資産”』をキーワードに以下の3つを学んでいきます。

  • 1.変身資産とは何か?
  • 2.自分自身を変える一歩目にはどのようなものがあるか?
  • 3.先駆者はどのようにライフシフトを実践しているのか?
 
  • 多摩大学大学院教授研究科長/株式会社ライフシフトCEO

    日産自動車人事部、欧州日産を経て、1999年よりフライシュマン・ヒラード・ジャパンのSVP/パートナー。また、2006年から多摩大学大学院教授を兼任。 多摩大学大学院教授 ・研究科長。野中郁次郎名誉教授との共同開発によるMBB(思いのマネジメント)の第一人者。著書に『40代からのライフシフト実践ハンドブック』、『MBB:思いのマネジメ ント』(野中郁次郎名誉教授、一條和生教授との共著)、『ビジ ネスモデルイノベーション』(野中名誉教授との共著)、『人工知能×ビッグデータが「人事」を変える』(福原正大氏との共著)、 『イノベーターシップ』など多数。東京大学教養学部卒業。

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07まとめ

人生100年時代とは、イギリスの組織論学者であるリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」という本の中で提唱した言葉です。 働き手が意識改革をするだけではなく、この記事も参考にして企業においてもキャリア開発の支援やリテンションの強化など、さまざまな取り組みを行い人生100年時代における働き方を整備していきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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