公開日:2022/09/16
更新日:2023/02/02

ブレイクスルー思考とは?社員が持つことで企業に起こる3つのメリットと手順を解説

ブレイクスルー思考とは?社員が持つことで企業に起こる3つのメリットと手順を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ブレイクスルー思考とは、目的の本質を突き詰めながら、それを達成するための思考です。本記事では、ブレイクスルー思考の概要やブレイクスルー思考と通常の思考の違い、ブレイクスルー思考を身につけさせるための方法について解説しています。社員の育成を担当している方は、ぜひご参考にしてください。

 

01ブレイクスルー思考とは

ブレイクスルー思考とは、過去や現実の情報を収集して分析するのではなく、最初から求める未来を創造し、それを実現する組み立てを構築する発想法を言います。 南カリフォルニア大学の名誉教授ナドラー氏や中京大学名誉教授の日比野省三氏によって提唱されました。大きな発想転換が求められるシーンにおいて、技術や常識、システムなど既存の枠組みを根底から覆し、新たな着想を得るブレイクスルー思考は、イノベーションを引き起こす大きなきっかけにもなります。 特に、「VUCA」と呼ばれる何が起こるか分からない予測不可能な現代には大変有効な方法だと考えられています。

イノベーションとの違い

ブレイクスルーと似た言葉に、「イノベーション(英:Innovation)」があります。「革新」という意味で、既存のシステムなどを全く新しい視点や技術により、とらえなおすことで、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化をもたらすことを指します。 一方、ブレイクスルーは、現状を打開することや突破口を意味する言葉です。そのため、新しいアイデアであることに重きが置かれているかどうかが両者の大きな違いです。

パラダイムシフトについて

「パラダイムシフト」とは、その時代に当然と考えられていた物の見方や考え方が劇的に変化することを意味します。問題に対して、どのようにより良い解決策を導き出すかを考え出し、問題を解決する方法論を実践するブレイクスルーは、パラダイムシフトに内包される考え方であると言えます。

 

02ブレイクスルー思考と通常の思考の違い

ブレイクスルー思考では、目先の目的にとらわれずに、本来の目的を意識することや、類似した問題解決策を真似しようとせずに、新しい方法を見出そうとすることに重きを置いています。下記では、ブレイクスルー思考と通常の思考の違いについて説明します。

問題解決の方法

一般的な問題解決の方法は、「現状の把握」「起こっていることの原因分析」「対策の検討・実施」という流れになっていることが多く、「現状の改善」をゴールとしています。 一方、ブレイクスルー思考は「そもそもの目的」や「目標を実現するために必要なシステムや方法」から思考を始めます。そのため、従来の問題解決の方法よりも、更に現状の課題や困難の打開策立案につながる思考法であると考えられています。

 

03社員がブレイクスルー思考を身につける4つのメリット

社員がブレイクスルー思考を身につけることで得られるメリットは、

  • 1.さまざまな問題に対応できる
  • 2.ビジネスの未来を築けるようになる
  • 3.人間中心に物事を考えられるようになることでビジネスチャンスを逃しにくくなる
  • 4.新たなアイディアを生み出すチャンスを得られる

の3つです。以下では、それぞれのメリットについて詳しく紹介します。

1.さまざまな問題に対応できる

ビジネスでは、すべての物事が順調に計画通りに進むとは限りません。むしろ計画通りに進むことの方が少ないでしょう。 しかし、ブレイクスルー思考が身についていると、予想外の問題が発生しても冷静に受け止め、原因を分析しながら、解決していくことができます。問題に直面しても慌てず、新たな策を講じながら、前に進める力こそがブレイクスルー思考の本質なのです。

2.ビジネスの未来を築けるようになる

過去のやり方にとらわれることなく、ゼロベースで考えることで、新たなチャンスを生み出しやすくなります。実際に、大ヒット商品や新しい発明の多くは、既存の考えを追究したり、新たな視点を加えたりすることで誕生しています。行き詰った状態から抜け出すことで、ビジネスの未来を築けるようになるでしょう。

3.人間中心に物事を考えられるようになることでビジネスチャンスを逃しにくくなる

問題解決には、原因分析と実行の両軸が非常に重要です。発言はするものの、いざ実行するとなった時点で他人任せにしてしまう人は、決して少なくないものです。 原因分析能力に長けていても、実際に行動にうつさない限り、問題解決には結びつきません。改めて俯瞰して物事を考え、適切な判断が下せるようになることで、ビジネスチャンスを逃しにくくなることにも期待が持てます。

4.新たなアイディアを生み出すチャンスを得られる

どれだけ意見交換を重ねても、なかなか問題に対する効果的な打開策を見つけられないといった経験をしたことがある人もいることでしょう。このような場合は、全員が似たり寄ったりの考え方に染まってしまっており、発想の土台が固定化していることが考えられます。 しかし、打開策が見つからずに投げ出してしまいそうなときこそ、ブレイクスルー思考を駆使するチャンスです。創造的な思考で壁を突破し、課題を解決していくことで、新たなアイディアを生み出し、正解のない課題だらけの現代のビジネス社会を勝ち抜きましょう。

 

04ブレイクスルー思考の手順

通常の問題解決では、原因を追究するために「なぜ」を繰り返すのに対し、ブレイクスルー思考では原因に目を向けるのではなく、目的に目を向け「何のために」を追求します。 成功・失敗事例から着想するのではなく、未来のあるべき姿を起点に目的を問い続けることで、新たなアイデアを生み出すことを目的としているのです。ブレイクスルー思考の手順は、以下の通りです。

  • 1.目的を明確にする
  • 2.目的のために必要なことをさらに明確化する
  • 3.目的をどのように達成するか考える

1.目的を明確にする

まずは、今企業が抱えている根本的な問題を洗い出し、課題や目的を明確にします。本質的な部分を見ようとしないまま、形式的な策を講じていては、いつまでも理想の状態にたどり着けません。 問題解決には、行動よりもその前段階の課題設定が重要です。これまで良しとされてきた方法を今一度精査し、現状把握で見つかった問題を、原因まで突き詰めて考えることで、問題のある部分が見えてくるはずです。

2.目的のために必要なことをさらに明確化する

目的を明確にした後は、目的達成のために必要なことを具現化し、目標のゴールを決定します。自分がどこを目指していけば良いのかを明確にすることで、正確に目標まで向かっていくことができます。 また、目指したい姿と、後に講じる施策にギャップが存在しないかを改めて確認でき、さまざまな問題を未然に防げます。

3.目的をどのように達成するか考える

ブレイクスルー思考は、これまでの分析中心の問題解決ではなく、根本目的から問題を再定義し、問題の本質を明確にします。その際、情報を数多く集める必要はなく、解決策に必要な最小限の量のみを収集し、意見交換を重ねます。 そして達成すべき目的を探し出し、それを達成することで問題を解決していきます。

 

05ブレイクスルー思考を身につけさせるための方法

これまで、ブレイクスルー思考の概要やブレイクスルー思考を身につけることで得られるメリットを解説してきました。この章では、社員にブレイクスルー思考を身につけさせるための具体的な方法をお伝えします。

  • 1.問題解決のためにラテラルシンキングを鍛える
  • 2.勉強会や研修を実施する

どのような人でも、以下で紹介する内容を意識することで、ブレイクスルー思考を養えます。ブレイクスルー思考の習得を目指して、早速実践してみてください。

1.問題解決のためにラテラルシンキングを鍛える

「ラテラルシンキング」とは、問題を解決するために固定観念や既存の論理に捉われず、さまざまな視点から自由に発想を広げる思考方法です。ラテラルシンキングを鍛えることで、論理的思考では生まれにくい斬新なアイデアが生まれやすくなります。また、これまでになかったユニークな発想が問題解決の糸口になり、新しいアイデアを生み出すことができるのです。

2.勉強会や研修を実施する

ブレイクスルー思考を身につけさせるための方法として、社内で勉強会や研修を実施するのも有効です。研修では、受講者全員が同じ内容を学べるので、指導される内容にばらつきが発生しません。 また、研修は基礎から実践まで集中的に学べるうえに、グループワークなどを通じてより実践的なノウハウを習得できます。会社側にとっても、一度にたくさんの社員に指導できる点がメリットです。


 

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06まとめ

この記事では、ブレイクスルー思考の特徴やビジネスにおいてブレイクスルー思考が必要とされている理由、ブレイクスルー思考を養うコツについて、紹介しました。企業の成長や発展を阻害するのは、固定観念や先入観です。 既存の考えにとらわれず、柔軟な発想を持つことで、新たなビジネスチャンスを掴むチャンスが広がります。ブレークスルー思考を身につけるには、課題の表面的な問題に振り回されるのではなく、そうした問題を引き起こしている真の原因を探り当て、大胆な発想の転換を行うことが欠かせません。 ぜひ、今回の記事を参考に、ブレイクスルー思考を身につけ、自社の更なる発展へつなげてください。

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    法政大学大学院政策創造研究科 教授

    NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事等。主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)等

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