ビジネスキャリア検定とは?試験分野や活用するメリットについて解説
ビジネスキャリア検定を受けたいと考えているものの、この検定は本当に意味があるのか分からない方もいるのではないでしょうか。本記事ではビジネスキャリア検定とは何か、試験分野や活用するメリットについて解説します。
- 01.ビジネスキャリア検定とは?
- 02.ビジネスキャリア検定には4種類の等級に分かれている
- 03.ビジネスキャリア検定の試験分野
- 04.ビジネスキャリア検定を活用するメリット
- 05.まとめ
01ビジネスキャリア検定とは?
ビジネスキャリア検定とは、特定の職種に必要な専門知識のスキルがどれほど備わっているかを評価するための検定のことです。人事や経理、営業、生産管理といった職種の試験が中心となります。ビジネスキャリア検定に向けて学習することで、業務に必要なスキルを体系的に身につけることが可能です。
人事部向けの資格や検定には多くの種類がありますが、その中でも受験者数が約60万人と多いのが特徴です。また、新人研修として導入している企業も多いです。また、ビジネスキャリア検定は1年に2回実施されるうえに、全国どこでも受験することができます。受験するハードルが比較的低い検定と言えるでしょう。
02ビジネスキャリア検定には4種類の等級に分かれている
ビジネスキャリア検定は、以下の4種類の等級に分かれています。各等級は難易度や試験範囲などがそれぞれ異なります。ビジネスキャリア検定を初めて受ける方は、最も難易度の低いBASICから受けてみると良いでしょう。1つ1つの等級の難易度や対象者について詳しく解説していきます。
- 1.BASIC
- 2.3級
- 3.2級
- 4.1級
1.BASIC
BASICはビジネスキャリア検定の中で入門者向けという位置づけであり、学生や新入社員が対象となっています。人事業務をこなすための基礎知識に関する問題が中心に出されます。合格率は試験分野にもよりますが、80%を超えている場合も多く、難易度はそこまで高くないと推測されます。とはいえ、知っていないと解けない問題も多いため、試験対策は必須と言って良いでしょう。分野ごとにテキストが販売されているのでそれらで学習すると良いです。
2.3級
3級はBASICよりも難しめとなっており、合格率も50〜70%程度であることが多いです。人事業務の経験が3年以上ある方が主な対象者となっています。すでに人事業務に関する基礎知識が身についている方がスキルアップするのにおすすめです。難易度はBASICに比べると上がっており、特にその試験分野の経験が浅い場合、まとまった勉強が必要でしょう。
3.2級
2級は実務経験が5年以上の方が主な対象者となっており、管理職の方の受験も増えてくることが想定されます。3級までは4択問題だったのに対して2級は3択となっており、難易度も大きく上がっています。合格率も分野によっては30%を切る場合もあります。ただ、難易度が高い分資格としての価値は高く、人事や経理部で管理職を目指す方や、管理職に必要なスキルを身につけたい方に向いている等級です。
4.1級
1級はビジネスキャリア検定の中でもっとも難易度が高いです。実務経験10年以上の方が対象となっています。企業の戦略を実現させるために、企業資源も踏まえつつ最適な施策の立案ができるだけのスキルが求められます。1級に合格できるレベルになれば、企業全体をリードできるだけの人材になれる可能性もあります。また、マークシート方式ではなくすべての試験分野が論述式問題に変わります。論述問題に慣れていない方は、別途対策を立てる必要があるでしょう。
03ビジネスキャリア検定の試験分野
ビジネスキャリア検定には2022年9月現在8つの試験分野があり、自分の職種に合ったものを選択することが可能です。各試験分野の中身について詳しく解説していきます。
- 1.人事・人材開発・労務管理
- 2.経理・財務管理
- 3.営業・マーケティング
- 4.生産管理
- 5.企業法務・総務
- 6.ロジスティクス
- 7.経営情報システム
- 8.経営戦略
1.人事・人材開発・労務管理
人事・人材開発・労務管理は人事部向けの試験です。人事とは経営資源の中でもっとも重要な「人材」を管理する業務のことです。こちらの2・3級は「人事・人材開発」と「労務管理」の2つに区分されています。「人事・人材開発」は人事制度の運用や給与の支給、研修関連業務を行っている方向けで、「労務管理」は就業規則の立案や社員の健康管理、福利厚生などの労務義務を行っている方向けです。
2.経理・財務管理
経理・財務管理は経理部向けの試験です。経理とは会社の経営資源を管理する業務のことであり、会計情報の作成や資金調達に関する計画の作成などを行います。経理・財務管理は「経理」と「財務管理」に区分されています。「経理」は伝票処理、納税申告などを担当している方向けで、「財務管理」は企業の資金管理関連の業務を行っている方向けです。
3.営業・マーケティング
営業・マーケティングは営業職向けの試験です。営業は顧客に対して商品を売り込む仕事です。こちらの2・3級は「営業」と「マーケティング」に区分されています。「営業」は営業マンとして現場で顧客訪問や商談を行う方向けで、「マーケティング」はマーケティング部などで商品に関するリサーチや企画を行う方向けです。
4.生産管理
生産管理は受注状況などを加味して資材の調達や工場・設備の管理など生産管理を行う仕事です。こちらは「生産管理プランニング」と「生産管理オペレーション」に区分されています。「生産管理プランニング」は生産システムの設計や計画業務を行っている方向けで、「生産管理オペレーション」は生産システムの統制や運用業務を行っている方向けです。
5.企業法務・総務
企業法務は企業の法律に関わる問題の防止や措置を行う仕事です。こちらの2級は「企業法務」と「総務」に区分されています。「企業法務」は各部署に対して法律関係の指導を行っている方向けで、「総務」はオフィス環境の整備や行事の運営など総務業務全般を行っている方向けです。
6.ロジスティクス
ロジスティクスは物流の運送・保管などの仕組み作りを行ったり、仕組みを管理したりして、需要と供給のバランスを取る仕事です。こちらは「ロジスティクス管理」と「ロジスティクス・オペレーション」に区分されています。「ロジスティクス管理」とは製品の注文状況などを管理する業務を行っている方向けで、「ロジスティクス・オペレーション」は物流センターなどの実際の現場で荷役・保管などの業務を行っている方向けです。
7.経営情報システム
経営情報システムは会社の情報化戦略を策定し、システム化を推進する仕事です。こちらの試験ではITの活用方法やシステム化計画などの問題が出題されます。こちらの2級は「情報化企画」と「情報化活用」に区分されています。「情報化企画」は業務の分析や評価を行い、システムの開発を行う方向けで、「情報化活用」はシステムを実際に運用し、経営の改善策を立てていく方向けです。
8.経営戦略
経営戦略は、経営目的の達成を目指した戦略を立てることです。こちらの試験では経営戦略の役割や経営戦略を立てる手順や、経営戦略の実行・評価、イノベーションに関する問題が中心に出題されます。
04ビジネスキャリア検定を活用するメリット
ビジネスキャリア検定は、研修としても活用することが可能です。ビジネスキャリア検定を活用するメリットは次の3つです。
- 1.社会人基礎スキルを身につけさせられる
- 2.自己学習のきっかけができる
- 3.自分の長所・短所が明らかになる
1.社会人基礎スキルを身につけさせられる
ビジネスキャリア検定を受けることで、社会人としての基礎力を高めることが可能です。独学だと自分の興味ある分野ばかり勉強してしまい、知識が偏ることはあります。資格合格を目指して勉強すれば、知識内容が偏る可能性が少なくなります。特にBASICレベルはその分野に最低限必要な知識に関する問題が出題されるため、基礎固めに最適でしょう。
2.自己学習のきっかけができる
ビジネスキャリア検定を受けることで、自己学習のきっかけを作ることが可能です。業務外で勉強する習慣がついていない社員も多いでしょう。資格という明確な目標ができれば、勉強する意欲も湧きやすくなります。ビジネスキャリア検定に関しては試験日が明確に決まっているため、ダラダラと勉強することも防ぐことが可能です。検定を通じて業務に必要なスキルを身につければ、さらに発展的な知識も覚えたいと思えるようになり、他の資格の勉強や外部研修の参加を自主的に行うようになる社員も増えるでしょう。
3.自分の長所・短所が明らかになる
ビジネスキャリア検定を受けることで自分の長所・短所を整理することができます。特に人事や経理関連の能力は客観的に判断するのが難しいです。ビジネスキャリア検定を受ければ、自分はどの分野が得意でどの分野が課題なのかが分かり、今後の自己学習の参考にすることができます。また、苦手分野に関しては得意な人に頼ることもできますし、逆に自分が助ける側に回ることもできるでしょう。
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・自己啓発への活用方法 など
05まとめ
ビジネスキャリア検定は人事業務をこなすうえでの基礎スキルを身につけるのに有効です。また、社内研修にも活用できる検定の1つです。このような検定は学習意欲を高めるためにも有効なので、積極的に活用していくことをおすすめします。