公開日:2022/11/02
更新日:2023/02/02

ビジネスにおけるオールラウンダーとは?強みから育成するメリットまでご紹介

ビジネスにおけるオールラウンダーとは?強みから育成するメリットまでご紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業で働く人の中にはオールラウンダーと呼ばれる人がいます。このような人たちをどのように捉え、活かせばよいのでしょうか。この記事ではビジネスにおけるオールラウンダーの強みから、企業で育成するメリットまで詳しくご紹介します。

 

01ビジネスにおけるオールラウンダーとは?

日本語のオールラウンダーは「何でもできる人」「万能」という意味で用いられ英語のAll-Rounderに由来しますが、そもそもは「多領域で有能な人」を指します。ビジネスの場では「どのような業務でもそつなくこなす人」という意味で用いられることが多いでしょう。 経理と営業両方の経験を持つなど、部署をまたいで仕事をこなせる人がオールラウンダーの代表例と言えますが、何でもできるけれどビジネスにおいて専門領域と呼べる分野を持っていないといったネガティブな見られ方をすることもあります。

オールラウンダーとゼネラリストの違い

オールラウンダーとゼネラリストは、ビジネスの場においてどのような違いがあるのでしょうか。 ゼネラリストはジェネラリストとも呼ばれ、ビジネスにおける幅広い知識、経験、スキルを持つ人という意味です。そのため基本的にどちらも、一つの専門スキルを突き詰めるというよりも、多様で幅広い業務をこなせる人材を指し、文脈によって同様の意味で使われることが多いです。

一方、スペシャリストの対義語としてはオールラウンダーではなく、ゼネラリストが用いられます。また、専門職に対する総合職という意味合いで使用される場合には、求められる役割としてマネジメントが含まれる点も特徴と言えるでしょう。ゼネラリストは汎用的なビジネス力を持つ人材を指すため、多くの部署や転勤がある大企業での勤務に相性が良いとされます。

 

02オールラウンダーのビジネスにおける強みとは?

オールラウンダーは、ビジネスにおいてどのような強みを持っているのでしょうか。主な例として、以下の3つを挙げて解説します。

  • 1.コミュニケーション能力が高い
  • 2.幅広い仕事をそつなくこなせる
  • 3.視野が広いため課題解決が早い

1.コミュニケーション能力が高い

現在ビジネスの場でオールラウンダーと呼ばれている人も最初から仕事の知識や経験が豊富だったわけではなく、上司や先輩などに教えてもらうことで今のように仕事がこなせるようになったはずです。幅広い能力を身につける過程では、オールラウンダーの人は不明点があれば理解できるまで質問をし、自分1人では解決できない課題が生じた際は上司や先輩に相談するなど、周囲の人と適切なコミュニケーションを取ることでその能力を高めてきたと考えられます。このことからオールラウンダーの人のビジネスにおける強みの1つとして、高いコミュニケーション能力があると言えるでしょう。

2.幅広い仕事をそつなくこなせる

オールラウンダーの人は自分が担当している以外の業務にも関心を持ち、資格を取得したり研修に参加したりと自己啓発にも積極的なため、幅広い仕事をそつなくこなすことができます。チャレンジ精神があり思いついたらすぐに行動に移すため、新しいスキルを身に着けるのにも時間がかからないでしょう。

3.視野が広いため課題解決が早い

オールラウンダーはビジネスにおいて解決しにくい課題があればそれを広い視野でさまざまな角度から検証することができるため、柔軟に解決策を導き出すことができます。仕事でミスをしたとしても瞬時に気持ちを切り替えて新しい方法を試すことができるため、最終的には仕事を成功させ、成果につなげることができるのです。

 

03企業がオールラウンダーを育成するメリット

企業がオールラウンダーを育成するのは、ビジネスにおいてどのようなメリットがあるのでしょうか。以下の3つについて、詳細を解説します。

  • 1.配属した部署において仕事の効率化ができる
  • 2.セクショナリズムを起こしにくくなる
  • 3.新しいビジネスに挑戦しやすくなる

1.配属した部署において仕事の効率化ができる

オールラウンダーは初めて配属された部署においても仕事のポイントを押さえてインプットし、それを周囲にもアウトプットできるので自然に仕事が効率化していきます。そのため現場の仕事だけではなくマニュアルなどの作成を依頼したり、新人研修を依頼したりするとオールラウンダーの良さがより発揮できるでしょう。例えば営業とマネジメントを両立する「プレイングマネージャー」といった役職をオールラウンダーにやってもらうと、チーム全体の成果が上がりやすくなります。

2.セクショナリズムを起こしにくくなる

セクショナリズムとは、企業や組織の中で自分の所属する部門のみの利益や権限を考えて行動することを指します。セクショナリズムが起きると円滑に業務を行うための情報共有やコミュニケーション、また協働などができなくなるため、組織全体に不利益がもたらされてしまうのです。しかしオールラウンダーはビジネスにおける視野が広く、企業と業務を俯瞰して組織全体の利益を考えて行動ができるため、配属するとセクショナリズムを起こしにくくなるでしょう。

3.新しいビジネスに挑戦しやすくなる

オールラウンダーは全ての仕事をそつなくこなすために、強い意志で1つ1つの業務を行っています。そのため新しいビジネスにチャレンジする機会を与えると、成果を出すまで自分から投げ出すことはありません。オールラウンダーの仕事に妥協を許さない姿勢は、チームメンバーにも良い影響を与えるため、最初から結果を出すのは難しくてもチームが団結して新しいビジネスに前向きに取り組むようになるでしょう。

 

04企業がオールラウンダーを育成するポイント

企業がオールラウンダーを育成する場合、どのようなポイントに気をつけるとよいのでしょうか。育成における主なポイント3つについて、解説します。

  • 1.スペシャリストとのバランスを考えて育成する
  • 2.過度な期待をかけない
  • 3.本人のキャリアプランを考えて育成する

1.スペシャリストとのバランスを考えて育成する

スペシャリストとはビジネスにおいて特定の領域の知識や経験に秀でていて、その高い専門性を活かして仕事に取り組む人材のことを指し、ゼネラリストの対義語として用いられます。近年日本の企業においては成果主義の導入を背景にスペシャリストの採用や育成に注目が集まっていますが、企業や組織全体のことを考えると、それぞれの企業に合ったスペシャリスト・ゼネラリスト・オールラウンダーのバランスが存在するのではないでしょうか。どれか1つに人材を偏らせてしまうと、組織の運営がうまくいかなくなってしまうということもあるでしょう。

例えばスペシャリストばかりの組織では、コミュニケーションを取る際に組織における共通言語が非常に少なくなるため、齟齬が生じやすくなります。またオールラウンダーばかりの組織では、特定分野における専門知識や経験を持った人材がいなくなるため、その知識や経験がないと解決できない課題に直面した際誰もその解決策を導き出せなくなってしまうのです。

このような事態を避けるためにも、まずは自社にとって適切なオールラウンダー・ゼネラリスト・スペシャリストのバランスはどのようなものかを考え、それに則してそれぞれの人材を育成していくのが望ましいと言えるでしょう。

2.過度な期待をかけない

オールラウンダーはさまざまな仕事をそつなくこなせるため、周囲の人と比較すると仕事が集中しやすい側面があります。そのため上司や先輩社員などが過度に期待をかけて育成すると、プレッシャーに押しつぶされて実力を発揮できなくなってしまいます。適切な期待のかけ方を考える上で参考になるのが、心理学におけるピグマリオン効果とゴーレム効果です。

ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果とは、周囲から期待や関心を持たれることでパフォーマンスが上昇するという心理効果のことです。オールラウンダーの能力を引き出すためにピグマリオン効果を用いるなら、次の3つのポイントに気を付けて行ってみましょう。

  • ・オールラウンダーを信頼する
  • ・オールラウンダーのタスクを可視化し、優先順位を一緒につけてやり方も確認しておく
  • ・上司や先輩社員とオールラウンダーの期待値の基準を目標として設定し合わせておく

ゴーレム効果とは

ゴーレム効果とは、周囲からの期待や関心を持たれないことでパフォーマンスが低下するという心理効果で、ピグマリオン効果とは逆の意味を持ちます。もしオールラウンダーに対して今まであまり関心を持っていなかったとしたら、まず関心を持ち、何かフィードバックを行う際は加点方式で行うことから始めてみましょう。加点方式でフィードバックをすることで、できたことや以前より改善されたことに目を向けることができ、ピグマリオン効果が働きやすくなるためです。オールラウンダーに対しては、周囲の期待が大きくなりやすいことを理解して育成することが大切です。

3.本人のキャリアプランを考慮して育成する

幅広い知識や経験を持ち、それを活かして働くことができるのがオールラウンダーのメリットですが、その知識や経験の品質やレベルがあまり高いものではない場合、周囲の人から「器用貧乏」と位置づけられてしまうでしょう。このような状況にならないようにするためにも、オールラウンダーが幅広い知識や経験を基に仕事を平均以上の高い能力値でこなせるよう、育成をする必要があります。例えばオールラウンダー本人のベースとなるスキルを1つ身につけさせてから、他の幅広い業務を経験してもらうなど、将来に向けたキャリアプランをしっかりと立てて育成するとよいでしょう。オールラウンダー本人が自分の能力に自信を持ち、ポジティブな気持ちで仕事に取り組めるように配慮することが大切です。


 

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05まとめ

オールラウンダーとはビジネスの場では「どのような業務でもそつなくこなす人」のことを指し、企業にとっては仕事の効率化やセクショナリズムの解消などに必要な人材ですが、ゼネラリストやスペシャリストとのバランスを考えて育成するのが望ましいでしょう。

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