公開日:2023/05/15
更新日:2024/03/01

DX推進指標とは?診断結果をビジネスに活かす方法を解説

DX推進指標とは?診断結果をビジネスに活かす方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

DXは多くの企業にとって取り組むべき大きな課題となっています。では、自社のDX推進の程度を確認する指標には、どのようなものがあるのでしょうか。この記事では経済産業省が定めるDX推進指標について詳しく解説します。

 

01DX推進指標とは

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略語で、簡単に言うと企業活動のデジタル化を意味しています。そしてDX推進指標とは、令和元年(2019年)の7月に経済産業省が発表したもので、企業のDX推進がどの程度であるかを測るためのものです。顧客データの管理やAIの活用、IoT化などを含めた事業のデジタル化を推進することで、ビジネスモデルや事業形態だけでなく企業風土や企業文化そのものを先進的なものへと変革することを目的としています。 技術発展が加速度的に進み、変化が激しく既存の常識が通用しなくなっている現代において、企業のデジタル化は競争力を維持するうえで必要不可欠であると考えられています。 そのため、DXは政府が主導して進めている施策の一つでもあるのです。

▶︎参考:「DX 推進指標」とそのガイダンス

 

02DX推進指標が設定された理由

DX化は企業が生き残るうえで重要であるため、政府もその推進には強い関心をもっています。ではなぜ、このような指標が設定されたのでしょうか。その理由について解説します。

  • ・DXが想定よりも進んでいない
  • ・正しい現状を理解してDX推進を加速させるため

DXが想定よりも進んでいない

DX推進指標が指定された最大の理由は、「日本企業のDXが想定よりも進んでいないこと」であるといっても過言ではないでしょう。前述の『「DX 推進指標」とそのガイダンス』の冒頭には、下記のような記述があります。

“デジタル部門を設置するなどの取組が見られるものの、実際のビジネス変革にはつながっていないという状況が、多くの日本企業に見られる現状と考えられる。”

▶︎引用:「DX 推進指標」とそのガイダンス

DXは日本企業が生き残るために重要であることは想像に難くないため、少なからず企業もデジタル化を取り入れてきました。しかし当初想像していたよりもその進捗が芳しくないため、企業に任せるだけにするのではなく、政府としてもDX化をサポートするような取り組みの一環としてこの指標を定めたのです。

正しい現状を理解してDX推進を加速させるため

DX推進指標のガイダンスの中では、指標の意義として次のように述べられています。

“各社が DX に向けて手探りで取り組む中、他企業や他の業界の取組状況を知ることは、自社の位置づけを把握し、次に取り組むべきステップに対する理解を深めることにもつながることが期待される。”

▶︎引用:「DX 推進指標」とそのガイダンス

上記で語られているように、各企業が現状を正確に把握することで課題を認識し、その課題を克服することでDXを推進することが指標の効果として期待されています。つまり、日本におけるDXの課題として、各企業におけるDX推進の方法や進め方の解像度の低さが指標策定の背景にあると言えるでしょう。

 

03DX推進指標の成熟度とは

では、DX推進指標には実際にどのような指標が設けられているのでしょうか。具体的には、以下の6つの段階が設けられています。

  • ・レベル0『未着手』
  • ・レベル1『一部での散発的実施』
  • ・レベル2『一部での戦略的実施』
  • ・レベル3『全社戦略に基づく部門横断的推進』
  • ・レベル4『全社戦略に基づく持続的実施』
  • ・レベル5『グローバル市場におけるデジタル企業』

それぞれ、どういった段階にあるのか確認していきましょう。

レベル0『未着手』

“経営者は無関心か、関心があっても具体的な取組に至っていない”

上記のように定義される段階です。もっとも分かりやすい段階であり、DXがまったく行われていない状態であるといえるでしょう。

レベル1『一部での散発的実施』

“全社戦略が明確でない中、部門単位での試行・実施にとどまっている”

上記のように定義される段階です。ここから、少しずつDX化の傾向が始まります。しかし全車戦略とDX化は紐づいておらず、実質的なDXのレベルとしては最低段階です。

レベル2『一部での戦略的実施』

“全社戦略に基づく一部の部門での推進”

上記のように定義される段階です。レベル1よりも発展した段階であり、DX化を始めた初期段階であるともいえるでしょう。進行度としてはそれほど進んでいないものの、戦略的にDXが開始されているという状態です。

レベル3『全社戦略に基づく部門横断的推進』

“全社戦略に基づく部門横断的推進”

上記のように定義される段階です。初期段階は終わり、部門に限定されずにDXが浸透してきた段階といえるでしょう。ここまで来れば、部署を超えての顧客データベースの構築と利用など、デジタル化の恩恵を具体的に得られる場面も増えてくるはずです。

レベル4『全社戦略に基づく持続的実施』

“定量的な指標などによる持続的な実施”

上記のように定義される段階です。継続的な実施に伴いDXは会社内で定着し、企業文化や風土もデジタルを利用することに抵抗がないものに刷新されている可能性が高いでしょう。持続的にデジタルが利用されているため、実施したDX施策の効果が薄ければ振り返って別の施策へ切り替えるなどの改善施策も行われている段階です。 ほとんどDX化に成功したと言ってもいい状態であり、この段階に到達できることをひとまずの社内DXの目標においても差し支えないでしょう。

レベル5『グローバル市場におけるデジタル企業』

“デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル”

上記のように定義される段階です。2023年3月に発表された「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2022年版)速報版」によると、自己診断参加企業の平均値は1.19ポイントであることを鑑みると、レベル4の段階でも日本国内の企業としては非常にDX化に成功した企業といえます。しかし、最終段階としては得られた競争力を十分にグローバル市場でも発揮し、世界的に存在感を発揮しているという状態が置かれています。

▶︎参考:DX推進指標 自己診断結果 分析レポート


 

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04DX推進指標を経営に取り入れるメリット

では、この指標を経営に取り入れることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。この項で確認していきましょう。

  • ・自社の現状を把握できる
  • ・必要なDX施策が分かる

自社の現状を把握できる

前述の通り、DX推進は企業が今後生き残るために避けられない課題の一つです。DX化が遅れれば、それだけ生き残りの可能性が減ってしまうと考えることもできます。 企業としては、自社がどれだけDX推進されているかを把握し、課題を克服して前述したDXのレベルを上げていく必要があります。そのためのスタートとして、まずは自社のDX推進状況を正確に知る必要があるのです。DX推進指標はそのためのツールとして有効に使えるのではないでしょうか。

必要なDX施策が分かる

DX推進指標の目的の一つには、企業のDX課題を認識し、その課題を克服してDXを推進することがあるとは冒頭で述べたとおりです。DX推進指標は、ITシステムの構築状況といった理解しやすいものから、ガバナンスや体制、人材育成や人材確保、企業が掲げるビジョンまで、さまざまな項目でDXの段階を問うものとなっています。

▶︎参考:経済産業省「DX推進指標」

これらをチェックしていくことで、自社のDX推進の状況を把握することが可能です。状況が把握できたら、ネックとなっている個所を見つけることができます。単純に、推進レベルが低い箇所に課題があると見ることもできますし、その箇所のレベルが低くなってしまうことの原因がどこかにあるのであれば、それを深掘りして解決していけば良いでしょう。このように指標を使って自社のDX推進状況を知ることで、今必要な施策を立案する助けになるのです。

 

05DX推進指標を取り入れる際のポイント

では、実際に取り入れる際にはどういったポイントがあるのでしょうか。代表的な3つをご紹介します。

  • ・経営陣や推進者がDXの理解を深める
  • ・定期的にDX推進指標や進捗を診断する

経営陣や推進者がDXの理解を深める

『「DX 推進指標」とそのガイダンス』のなかには、「経営トップのコミットメント」という言葉がたびたび登場します。そもそもDX推進指標は、経営陣が自社を評価するためのものです。 企業のDX推進においてもっとも効果的なのは、まずは経営陣がDXの重要性を認識することです。そのために経営トップをはじめとした経営層やボードメンバー、社内のDXを推進するマネジメントメンバー向けにハンズオンや研修等を行うのが良いでしょう。 経営層がDXについて理解を深めることで、全社的に横断してデジタル施策を取り入れることが可能になります。

 

定期的にDX推進指標や進捗を診断する

DX推進指標は、一度診断してそれだけで終わりにするものではありません。指標をもとに課題を洗い出して解決し、DX推進状況が変わればまた診断を行うようにしましょう。そうすればまた新たな課題が見えてくるため、さらに上位のレベルに進んでいく原動力となります。実際に、前述した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2022年版)速報版」の中でも過去提出企業と今回初提出の企業とでは各指標の平均値が大きく異なり、過去提出企業のスコアが高いことが示されています。

このように、定期的に診断を行うことで継続的にDXを推進するためのツールとして活用していきましょう。

 

▶︎参考:経済産業省「DX推進指標」

▶︎参考:DX推進指標 自己診断結果 分析レポート

 

06Schoo for BusinessのDX研修

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オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約8,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

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特長1. DXスキルを診断・結果に応じて学習のレコメンド

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「DXスキル診断」で社員のDXスキルを可視化することができます。100問ほどの質問に回答することで、社員一人ひとりの強みや課題が明らかになります。

また、この診断結果に基づいて自動で学習コンテンツをレコメンドする機能も備わっています。学習内容は、経産省のデジタルスキル標準に準拠しています。

※DXスキル診断の利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。

特長2. 実践的なDXスキルが学べる

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※DXカリキュラムの利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。

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07まとめ

DXは多くの日本企業にとって必要不可欠ですが、なかなか進め方が定まらない企業が多いのも事実です。DX推進指標を用いて正しいDX手法を知ることで、誤ったデジタル化を取り入れたことで「DXそのものがムダである」というような誤解をしてしまう機会も減らせるのではないでしょうか。自社の競争力を高めるためにも、ぜひDX推進指標を取り入れることを検討してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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