公開日:2022/11/02
更新日:2023/01/31

フラット組織とは|メリット・デメリットや課題の解決法も解説

フラット組織とは|メリット・デメリットや課題の解決法も解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

理想の組織のあり方については様々な議論がある中で、社員の自立性を重視するフラット組織が注目されることがしばしばあります。しかし、どんな特徴があるのかご存知の方は少ないかもしれません。この記事では、そんなフラット組織についてメリットやデメリット、そして抱える課題の解決方法についても解説していきます。

 

01フラット組織とは管理階層が少ない組織のこと

フラット組織またはフラット型組織とは、社内の役職としての管理階層が少ない組織のことを指します。社長・部長・課長・係長というように幾重にも重なる管理層をもった組織と比較して、その管理層の役職構造が平面的(フラット)であることからフラット組織と呼ばれています。どの程度組織階層を減らすのかによっても強度は変わりますが、階層が少なくなることによって権限が一人ひとりの社員に行きわたることとなり、従業員の自律性や主体性が活きる組織になること、意思決定スピードが早まることなどが特徴です。

ピラミッド組織との違い

フラット組織と対になる考え方が、ピラミッド組織またはピラミッド型組織と呼ばれるものです。これは前述の社長・部長・課長・係長というように管理層の階層が深い組織のことを示しています。上位役職者の人数は少なく、役職が下るにつれて人数が多くなっていき、役職なしの社員がもっとも多い、という組織構造がピラミッドに例えられているのです。従来型の組織は、ほとんどがピラミッド組織に該当するでしょう。上位役職者の意思決定をもとに組織運営がなされるため、決定権や裁量権は役職が下る(=ピラミッドの下層になる)ほど小さくなっていきます。そのため上意下達型組織やトップダウン型組織とも呼ばれることもあります。

 

02その他の主な組織形態とは

フラット組織やピラミッド組織は管理層の厚さにのみ注目していましたが、それ以外にも組織形態の切り口はいくつか存在しています。他の切り口での組織形態について理解しておくことで、よりフラット組織についての理解も深められるのではないでしょうか。ここでは一度、その他の組織形態について確認しておきましょう。

職能別組織

職能別組織とは、営業/人事/制作/製造/開発など、職能ごとに部署が編成される組織形態のことです。営業部、人事部、制作部といった具合に部署分けされており、各部署はその職能の専門家たちの集団となっています。ムダなく専門的な職能を発揮できる環境にあるものの、プロダクトやサービスが多岐にわたる場合は運営が難しくなります。また、部署間でのコミュニケーションが最低限でよいため、利便性はあるもののコミュニケーション不足による軋轢が生まれる可能性もあります。

事業部組織

事業部組織または事業部制組織とは、支店ごと、エリアごと、扱う商品ごとなどに事業部が分かれ、事業部単位で組織運営がされる組織形態のことです。例えば関東エリア事業部のなかにマーケティング担当や営業担当や経理担当などがいる、という組織です。各事業部ごとに職能を最適化することができ、なおかつ事業部事態は小規模な組織なので小回りが利くという点が利点です。一方、事業部で独立的に運営しているため、会社トップからの指示が届きにくいという点、事業部間の連携が取りにくい点などがデメリットでしょう。

マトリックス組織

マトリックス組織とは、マトリックス図のように職能別・事業別・エリア別など複数軸で構成された組織のことで、一人の社員が複数部門に所属するのが特徴です。例えば、関東エリアの営業メンバーは営業部の所属であり関東エリア事業部の所属でもある、という形です。両方の組織の利点を得られるものの、指示系統が2つになってしまうため混乱しやすいというデメリットも受けてしまいます。

 

03従来組織の問題点を克服するために注目が集まった

フラッド組織は、従来のピラミッド組織では現代のビジネスシーンにそぐわないことが多くなってきたため生まれた組織形態です。職能別組織や事業部組織の問題点を解消するためにマトリックス組織が生み出されたのと同じようなものだと思えば理解しやすいでしょう。変化が激しい「VUCA時代」と呼ばれる現代、トップダウンで意思決定がなされるピラミッド組織ではどうしても対応が遅れてしまっていました。現場の意見を重視するボトムアップという手法もありますが、やはり下からは意見を上げにくく、組織構造的に行動を起こすのが遅いという利点は解決できませんでした。これらを克服するため、フラットな構造で社員一人ひとりの決定がすぐさま組織の決定に反映されるフラット組織に注目が集まったのです。

 

04フラット組織のメリット

フラット組織にすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリット3つについて、以下で解説します。

  • 1.現場の意見を反映しやすくなる
  • 2.人材一人ひとりの責任感が増す
  • 3.従業員一人ひとりのパフォーマンスが向上する可能性も

1.現場の意見を反映しやすくなる

社員個人がもつ意思決定に関する裁量権や決定権がピラミッド組織に比べて大きいため、現場社員が自分の意見を反映した決定を行うことができます。経営的な判断に関わることであっても、間に入る管理層が少ないため、最終的な稟議承認や決定に関しても早くなる傾向があります。スピード感がある対応が可能になることが、フラット組織の大きなメリットです。

2.人材一人ひとりの責任感が増す

フラット組織では、前述のとおり自分の意見をそのまま仕事に反映できる機会が多くなります。加えて、中間管理職に相当する人が存在しないか少ないため、それらの責任が一従業員にも割り振られることになります。

  • 例1)
  • →自分の数値目標は自分自身で責任をもって果たさなければならないため、KPIの設計を自分で決めることができる。
  • 例2)
  • →成果につながるのであれば、最適な勤務時間帯を自分で決めてもよい

従業員一人ひとりがもつ責任が重いものになるため、自然と責任感が醸成されていくのです。

3.従業員一人ひとりのパフォーマンスが向上する可能性も

上記2つのメリットを合わせると、フラット組織は「責任感がある従業員が決定権をもって活躍できる場である」とも言えるでしょう。つまり、従業員一人ひとりが自分で考え、自分の責任で行動できるようになるのです。しかも、その決定は上層部などの中間管理層の確認を待たず、素早く行われます。これらによって、従業員一人ひとりの生産性が上がり、パフォーマンスが向上する可能性があるのです。

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05フラット組織のデメリット

フラット組織の導入にはメリットだけでなく、いくつかデメリットも懸念されています。主なデメリットとしては、以下の3つが考えられます。

  • 1.連携が取りにくい組織になる
  • 2.個人のスキル低下によって組織力が低下する
  • 3.管理者の負担が増す

1.連携が取りにくい組織になる

社員個人が自分の責任において自律して業務を行うことによって、組織としてまとまった行動がとりにくくなってしまいます。その結果、ビジョンやミッションが浸透しない、同じケースでも対応者によって対応が変わることがある、などの不都合も生じます。

2.個人のスキル低下によって組織力が低下する

自律していない、課題解決力が低い、責任感がない、といった従業員が増えてしまうと、それをカバーしフォローする管理階層の社員が不在のフラット組織では、組織のパワーが落ちてしまう可能性があります。良くも悪くもフラット組織では、組織全体の能力が各人のスキルに依存しすぎてしまう、といえるのではないでしょうか。

3.管理者の負担が増す

フラット組織とはいえ、少ないながらも管理職や管理階層は存在します。通常の組織の場合、少なければ部下を3人~5人、多ければ10人、20人という規模で受け持ちます。フラット組織には管理者は少ないので、1人の管理者が見なければならない部下の人数が上記よりも多くなってしまい、管理者の負担は大きなものとなります。完全フラット化を目指し、「管理職は企業トップのみ」というような組織であれば、それはさらに顕著になるでしょう。社長業を行いながら数十名規模の部下をもつ、というのはかなりのマネジメント負荷がかかると直感的に理解できるのではないでしょうか。

 

06フラット組織の課題を解決する方法

フラット組織に起こりうる課題を解消するには、どのような方法が挙げられるのでしょうか。主に考えられる対処法3つについて、解説します。

  • 1.情報伝達の方法を工夫する
  • 2.従業員の能力開発を促す
  • 3.一度の改革で完全フラット化を目指さない

1.情報伝達の方法を工夫する

フラット組織の場合、社員への情報伝達の方法を工夫する必要があります。まずは、会社の根幹をなすビジョン・ミッションを浸透させる、対応に関する標準化マニュアルを作る、各社員の交流を促す、といった手法で解決していきましょう。さらに、各部署や各人が担当する業務を共有する、雑談的なミーティングを推奨するなど、横のつながりを強化する施策も有用です。これらによって、連携が取りにくい組織になるという課題を解決できるでしょう。

2.従業員の能力開発を促す

定期的な業務研修・能力研修、ロールモデルの提示など、成果面・成長面で社員のモチベーションを維持・向上させる取り組みを行い、従業員の能力開発を促しましょう。これにより、個人のスキル低下によって組織力が低下するというデメリットを、逆に個人のスキルが高いため組織全体の能力が高くなる、というメリットに変換できるかもしれません。自社内で研修を用意できないのであれば、eラーニングや外部講師を招いた研修なども効果的です。そういった機会を提供することで、積極性の醸成や成長モチベーションを向上させることにもつながるのではないでしょうか。

3.一度の改革で完全フラット化を目指さない

どうしても管理者の負担が大きいと感じるなら、フラット化から離れるかもしれませんが、管理階層を増やすのも手です。なぜなら、管理者に負担が集中するのならば組織の理想と実態が乖離した状態にあることを意味するからです。また、これからフラット組織に移行していくという場合、一度に管理者すべてを排するのではなく、少しずつ組織を変革させていくことを考えてみてください。まずは、管理職の業務を細分化して一部を譲渡することを考えてみましょう。1on1は管理者ではなくチームメンバー同士で行う、会議運営は管理職を除いたチームメンバーが持ち回りで行う、などです。そうすることで、一度の変革で完全フラット組織にすることは難しくとも、管理職を減らすことでフラット組織に近づけ、フラット組織がもつメリットを一部でも享受できるようになっていくはずです。

 

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  • 株式会社オズビジョン 取締役COO

    1977年生まれ 千葉県船橋市出身 中小企業診断士 MBA in Innovation Management 大学卒業後、システムエンジニアからスタートしたキャリアが、上場準備を契機に管理部門へシフト。その後2社で2度のIPOを経験。 社会人大学院の修了に合わせて組織開発の実践の場を求め『ティール組織』に日本企業で唯一紹介された株式会社オズビジョンに参画。取締役COOとして事業と組織の統合を推進。 ありのまーま合同会社代表社員も兼務。 趣味は組織と人に関する探求。尊敬する人物は大門未知子。

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ダイバーシティ経営組織が勝てる理由

ダイバーシティ経営組織が勝てる理由
 

人材を投資によって価値を創造することができる「資本」と捉える人的資本の考え方が日本でも普及し始め、企業が成長する上で「組織力」や「人材力」は重要性を増しています。 しかし、企業がその職場におけるダイバーシティを豊かにする必要が叫ばれて久しい中、実際にそれを実現できている国内企業は決して多くありません。それどころか、女性の活躍の水準だけ見ても、日本は他先進国に対して大きく遅れを取っています。 本来ダイバーシティ経営とは、その倫理的側面だけでなく経済合理性においても、進める以外の選択肢は無かったはずです。実際にダイバーシティ経営を進める事ができた企業とそうでない企業では、現時点でも、そして未来においては更に、その”勝てる確率”の差が広がってしまいます。 本授業で、その差を生み出す「ダイバーシティ経営を進められた組織がビジネスで勝てる理由」とは何なのか、探ります。

  • SDGインパクトジャパン 代表取締役Co CEO

    国際機関、財団及び戦略コンサルタントとして、ビジネスを通じたSDGsの実現に携わる。日本の金融機関及び世界銀行で官民連携推進やプロジェクトファイナンス、政治リスク保証等の業務に関わったのち、2017年に当時アジア最大規模のインパクトファンド「アジア女性インパクトファンド」を創設。その後ファーストリテイリングにてダイバーシティのグローバルヘッド、人権事務局長、サステナビリティ広報部長を務め、2021年にSDGインパクトジャパンを設立。共同創業者兼CEOとしてESG及びインパクトベンチャーファンドの設立運営に携わる。東京大学経済学部卒、タフツ大学フレッチャー校修士(環境、金融)。国際協力機構海外投融資リスクアドバイザー、SMBC日興證券ESGアドバイザリーボード、明治ホールディングスESGアドバイザリーボード、W20日本デレゲートなどを務める。

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人的資本を活かした自律型組織

この授業では、「人的資本」について学ぶとともに人的資本を活かした組織づくりのために何をすべきか。人事部としての役割は何かを学んでいきます。人事部のみならず、ビジネスパーソンとして「人的資本経営」に関する理解を深められる授業となっています。

 
  • 株式会社NEWONE 代表取締役社長

    大阪大学人間科学部卒業。 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。2002年、株式会社シェイク入社。企業研修事業の立ち上げ、商品開発責任者としてプログラム開発に従事。新人~経営層までファシリテーターを実施。2015年、代表取締役に就任。2017年9月、これからの働き方をリードすることを目的に、エンゲージメント向上を支援する株式会社NEWONEを設立。米国CCE.Inc.認定 キャリアカウンセラー。

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08まとめ

フラット組織とは組織の在り方の一形態にすぎず、残念ながらデメリットも存在しています。それは、既存のピラミッド型組織も同じこと。どちらを選んだほうが効果的かは、組織によって異なっています。ぜひこの機会に、自社がフラット組織に適しているか否かを振り返ってみてください。

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