公開日:2023/05/15
更新日:2023/05/23

成長機会の提供が組織を強くする|社員の成長を促す具体的な手法を解説

成長機会の提供が組織を強くする|社員の成長を促す具体的な手法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業が組織力を強化するには、人材の成長が不可欠です。人材は仕事を通じた経験により、欠かせない戦力に成長していきます。社員の成長は、会社が戦略的に成長機会を提供することで加速するものです。本記事は、社員の成長を促す企業の取り組みを具体的に紹介します。

 

01成長機会とは

成長機会とは、業務レベルの向上や新しいスキル・知識の獲得などを通じて、従業員の成長を促す状況や機会を指します。日常業務によっても成長機会は生まれるかもしれませんが、会社が研修制度を整備したり、人材育成を目的とした人事異動を行ったりすることで、意図的に成長機会を提供することもできます。戦略的に社員に成長機会を与えることは、これからの人材育成に欠かせない要素となるでしょう。

成長機会の具体例

では具体的に、成長機会とはどのような機会を指すのでしょうか。以下で各々説明します。

これまでよりもレベルの高い業務を担当する

1つ目は、より高いレベルの業務への挑戦機会です。次に挙げる例のように、不確実要素の高いプロジェクトを担当したり、いままでメンバーとして担っていた業務においてチーム責任を担うポジションに移るなど、これまでのスキルがそのまま転用できない業務を担うシーンが該当します。

  • ・新規プロジェクトへの参画
  • ・初めて部下を持ち指導にあたる
  • ・マネジメントをおこなう立場に昇格する

経験のない業務や、異なる環境下での勤務をする

1つ目が業務の縦幅における成長だとすると、2つ目は横幅を広げる成長機会です。次に挙げる例のように、いままで経験をしたことがない業務を新しく習得したり、これまでとは異なる環境下でパフォーマンスをあげることを求めるシーンが該当します。

  • ・異なる職種への異動
  • ・転勤
  • ・海外赴任

学んだことを実践する

そして最後は、インプットしたことのアウトプットを通じた習得機会です。1つ目・2つ目に挙げた成長機会においても実践されることですが、何か新しい挑戦機会が無い場合でも、いま取り組む業務に対して課題を見出し、インプットと実践を繰り返して改善させていくことも成長機会と言えます。

  • ・OJTを通じての実践
  • ・研修での学びを業務で実践
 

02社員に成長機会を提供するメリット

成長機会を提供することは、社員・企業の双方に以下のようなメリットをもたらします。

  • ・社員のパフォーマンスが向上する
  • ・エンゲージメントが向上する
  • ・組織の活性化が図られる

成長が実感できる環境は、社員の自己肯定感・自己効力感を高めるものです。活き活きと働く社員が増えることで、会社が活気づいていくでしょう。

社員のパフォーマンスが向上する

研修やOJTで学んだ知識を実践することにより、スキルがあがり業務スピードの向上が見込めます。人事異動により、これまでと違う業務を担当すれば、対応できる業務が増え仕事の幅が広がるでしょう。また、マネジメントをおこなう立場になることで、人を動かして成果を上げられるようになります。一人ひとりの社員の「できること」が増えた結果として、社員のパフォーマンスが向上するのです。

エンゲージメントが向上する

成長への努力は、前向きな気持ちにつながりやすいものです。前向きに業務に取り組むことで、仕事に対する達成感や充実感を得られるでしょう。また、仕事の進め方を理解し、対応できる業務が増えれば、仕事に対する不安やストレスは軽減されます。フォローしてくれる上司や先輩社員の存在は、モチベーションを高め、業務への意欲を掻き立てるでしょう。なにより、成長機会を与えてくれる会社に対しては、高い貢献意欲を持つようになります。エンゲージメントが向上することはいうまでもありません。

組織の活性化が図られる

社員に成長機会を提供することは、直接的に組織の活性化につながる効果も期待できます。たとえば、定期的な業務替えをおこなえば、社内の人材交流が活発になります。社員にとっては、新しい部署で新しい先輩や上司から業務を教えてもらうため、さまざまな視点や新たな気付きを得る機会となるでしょう。社内コミュニケーションの量と質が向上し、組織全体が活性化していくのです。

 

03社員の成長機会を妨げる要因

成長機会を妨げるのは社員の意識の問題もありますが、企業の側が適切なタイミングで成長機会を提供できてないことによる場合もあります。先輩や上司の関係が希薄であったり、人材育成の取り組みが手薄であったりすることが要因として挙げられます。ここでは社員の成長機会を妨げる要因について次の観点で解説します。

  • 1:仕事の意義や目的を教えていない
  • 2:新たなチャレンジの機会を与えていない
  • 3:適切なアドバイスができていない

仕事の意義や目的を教えていない

仕事の意義や目的が理解できていなければ、作業的に業務をこなすようになります。このような状態では、課題に対する認識が薄くなりがちです。自身の改善すべきポイントも分からなくなり、成長の機会を失ってしまうでしょう。できるかぎり早い段階で、なぜその仕事が必要なのか、業務の意義や目的を理解してもらうよう指導することが大切です。そのうえで、課題の明確化や、解決策を考える方法を教えるとよいでしょう。

新たなチャレンジの機会を与えていない

新たな業務にチャレンジする機会を与えていないことも、成長機会の阻害要因です。未経験の業務や実力以上の仕事に取り組むとき、多少の負荷はかかります。困難な問題に直面し克服する過程が成長の機会であり、それを乗り越えることで実力が身につくことを経験談を交えるなどして話すとよいでしょう。仕事に意欲と積極性を発揮してもらうためには、適度に業務替えや異動などの機会を与えることが必要です。

適切なアドバイスができていない

適切なアドバイスを与えず、柔軟な視点が持てないことも、成長機会の阻害要因になります。効率のよい方法や業務改善に対し、上司や先輩が適度なアドバイスをすることにより、気付きを得て自らが業務に対し創意工夫をするようになります。こうした機会を適切に与えていない場合、新たな視点や気付きを得る機会は極端に少なくなり、成長機会が失われてしまうのです。

 

04成長機会を持てない社員へのアプローチ

成長の機会を持てない社員が増えてしまえば、組織運営は停滞し、業績にも悪影響を及ぼすでしょう。こうした状況を防ぐには、上司や先輩社員が積極的に関わり、成長機会を与える必要があります。ここでは、成長機会を持てない社員へのアプローチを解説します。

  • ・本人のキャリアや志向を理解しアドバイスする
  • ・設定した目標達成のためにフォローする仕組みを作る
  • ・成功体験を演出する

本人のキャリアや志向を理解しアドバイスする

本人が思い描くキャリアや性格、仕事に対する価値観をまず理解する必要があります。どのように成長し、会社に貢献していきたいと思っているのかを知ることです。密度の高いコミュニケーションにより本人の志向や得手不得手を把握し、個別にアドバイスすることが望ましい方法です。その際、上司や先輩社員が、自身の経験や価値観を押し付けることがないようにしなくてはなりません。

設定した目標達成のためにフォローする仕組みを作る

本人の志向を理解したうえで、部下と上司、双方が納得できる目標を設定することも必要です。目標設定の段階から積極的に関わり、目標に対する現状の把握、達成に向けたアプローチから検証まで、上司が寄り添い協力して進めていきます。こうした仕組みを作り上げ、部下が目標に向けて自主的に努力する姿勢を引き出していくとよいでしょう。

成功体験を演出する

成功体験を積んでもらうことも、成長機会を持たせるうえでは必要なプロセスです。目標を達成することが理想ですが、すぐに成果が出ないことのほうが多いでしょう。そうしたときには、目標を細分化することが有効です。目の前の課題をクリアしたことを小さな成功体験として実感してもらうとよいでしょう。目標達成に向けた行動のなかでうまくいったこと、本人が工夫して努力したことに目を向け、必ず賞賛を与えます。これが積み重なることで成長を実感してもらえるのです。

 

05成長機会を提供する具体的な手法

社員に成長機会を提供するには、上司や先輩社員が関わりを強めるだけでなく、会社の制度や人材育成の仕組みと合わせて取り組むことが必要です。ここでは社員に成長機会を提供する具体的な手法を5つ紹介します。

  • ・ストレッチ目標を設定する
  • ・メンター制度の実施
  • ・効果的なジョブローテーションを実施する
  • ・自己啓発を支援する
  • ・マインドセット研修を実施する

ストレッチ目標を設定する

適度な負荷をかけたストレッチ目標を設定することが効果的です。現状の力量では達成が難しい目標に挑むことにより、達成に向けた行動に創意工夫が生まれるためです。目標達成に向け試行錯誤を繰り返すことが、成長機会となるでしょう。上司や先輩が励ましつつ、ときにアドバイスや賞賛を送ることも忘れてはいけません。

メンター制度の実施

社歴の浅い若年社員には、制度としてメンターを設けることも一つの方法です。メンターである先輩社員が若年社員に接するなかで、仕事の意義や目的を理解してもらい、当事者意識を育んでもらうとよいでしょう。若年社員の成長は会社が望むものであり、会社の成長に欠かせないことを伝え、成長意欲を引き出していくのです。

効果的なジョブローテーションを実施する

ジョブローテーションを実施し、さまざまな業務を経験する機会を提供することも必要です。業務替えや部署異動により新たな業務に取り組むことは、本人にとっては負担に感じることかもしれません。しかし、こうした負荷が成長機会であることを理解してもらいます。ジョブローテーションは、社員それぞれのキャリア志向や特性を把握したうえで実施することで、より効果を発揮するでしょう。

自己啓発を支援する

制度として社員の自己啓発を支援する仕組みを構築することも、成長機会の提供につながります。自身のスキル不足や課題に直面したときに、それを補う手段を会社が準備していることは、社員にとって心強い支援となるでしょう。具体的な手段としては、オンライン研修サービスの受講を推奨するなど、社員の自己学習を後押しする取り組みが挙げられます。

マインドセット研修を実施する

マインドセット研修を実施し、社員の意識を変化させることも有効な手法です。研修では成長マインドセットを意識させるとよいでしょう。人間のスキルや能力は努力と経験で向上すると考えることにより、自主的な努力や行動、チャレンジにつながりやすくなります。成長マインドセットを持てば、自らの意思で成長機会を求めるようになるのです。


 

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・自己啓発への活用方法 など


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06まとめ

人材育成は、企業の発展において欠かせない取り組みになりつつあります。社員に対し積極的な成長機会を提供し続けることが求められるのです。成長機会の提供は、コミュニケーションと人事制度の両面からアプローチすることで相乗効果を発揮します。研修の実施や自己学習の支援など、取り組みやすい方法から実践していくとよいでしょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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