オープンマインドとは?ビジネスにおける有効性や組織に浸透させる方法を解説
「オープンマインド」とは、自分自身をオープンに保ちながら、周囲の意見にも敏感に耳を傾け、素直に受け止めることができるマインドのことを指します。オープンマインドになることで、自分と相反する意見にも寛容になり、対人スキルを向上させることができます。 当記事では、オープンマインドの言葉の意味やビジネスシーンにおけるオープンマインドの有効性、オープンマインドを従業員に浸透させる方法について網羅的に解説します。
- 01.オープンマインドとは
- 02.ビジネスシーンにおけるオープンマインドの有効性とは
- 03.オープンマインドを持つ人材の特徴とは
- 04.オープンマインドを浸透させる方法
- 05.まとめ
01オープンマインドとは
「オープンマインド」は、「心が広い・頭が柔らかい・開放的・偏見がない」などの意味を持つ言葉です。 人は誰しも二面性を持っているものですが、オープンマインドな人は、自分の多面的な性質も認めたうえで、隠さず相手に伝えます。そして、自分の考えが正しいと決めつけず、違う意見や思想なども認めることができるのです。
企業や組織にも求められるマインドセットセットの1つ
オープンマインドは、企業や組織にも求められるマインドセットのひとつと考えられています。新しい分野のサービスや事業にチャレンジする際は、物事を多角的な視野から考えて、最良の方法を見つけ出すことが欠かせません。この点、オープンマインドであれば、周囲の多様な意見に耳を傾けられるため、より良い結論につながりやすくなります。 また、ビジネスシーンにおいては、意見が合わない相手とやり取りをしなければならない機会もよく訪れます。このようなシーンにおいても、オープンマインドな人であれば、相手の意見も尊重して受け入れられるため、意見の食い違いによる衝突を防げます。
02ビジネスシーンにおけるオープンマインドの有効性とは
オープンマインドを得ることは、ビジネスシーンにおいてどのような効果をもたらすのでしょうか。以下では、ビジネスシーンにおけるオープンマインドの有効性について説明します。
- 1.組織間のセクショナリズムを解消する
- 2.チームや組織の心理的安全性を築くことができる
- 3.各個人が多様性を受け入れる姿勢を持てる
- 4.オープンイノベーションを促進する
1.組織間のセクショナリズムを解消する
「セクショナリズム」とは、組織内で協力することなく、自分や自部署の利益だけを優先してしまっている状態を指します。セクショナリズムが強い状況では、部署同士の軋轢を生んでしまいます。 組織全体の利益や効率性のためには、メンバー全員が一丸となって協力し合うことが理想です。反対に言えば、オープンマインドにより、部署やチームの垣根を超えて協力し合うことができる組織は強い組織であると言えるでしょう。
2.チームや組織の心理的安全性を築くことができる
日本人には消極的な人が多いと言われることもありますが、遠慮や諦めによって自分の意見をハッキリと口に出せないことが珍しくありません。誰かの意見に同調して、その場を丸く収めようとする人も多く、いつも特定の人の意見によって、結論が決まるというケースも少なくないのではないでしょうか。 しかしビジネスは、特定の人の考え方によって成功させるものではありません。組織全員で助け合い、高め合っていくことで、成功するものです。そのためには、オープンマインドによって、 自分の意見を主張しなければなりません。また、お互いの意見や価値観が衝突した際には、理解を示しながら、お互いが納得できる中間地点を探すことが肝要です。言いたい事が言える環境は、チームや組織の心理的安全性を築きやすくなり、結果的に働きやすい環境づくりや生産性向上に大きく寄与します。
3.各個人が多様性を受け入れる姿勢を持てる
オープンマインドを得ることで、自分の考えや価値観に囚われない、柔軟な発想ができるようになります。他者の意見も素直に聞き入れやすくなるため、良い人間関係を構築しやすくなるでしょう。さらに、メンバー全員が多様性を受け入れる姿勢を持てるようになれば、企業の成長スピードも加速することが見込めます。
4.オープンイノベーションを促進する
「オープンイノベーション」とは、組織内のイノベーションを促すために、外部のさまざまなアイデアや技術を取り入れることを言います。オープンイノベーションが促進されることで、これまで組織内では思いつかなかった知識や技術、ノウハウなどを獲得できるようになります。これによって、生産性や効率が大きく向上し、企業運営に良い影響をもたらします。
03オープンマインドを持つ人材の特徴とは
オープンマインドを持つ人材にはいくつか共通した特徴があり、主に以下の3つが挙げられます。それでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。
- 1:他人の意見を否定せずに聞く
- 2:多角的な視点をもって考えることができる
- 3:変化を恐れない
1.他人の意見を否定せずに聞く
オープンマインドな人は、他人の意見を否定せずに聞くことができます。自分の考えとは異なる意見を言われても、相手の意見を否定することなく、最後まで聞き届けます。 自分が同意できない持論を展開された場合、最後まで話を聞くことができず、途中で遮ってしまう人は決して少なくありません。しかし、オープンマインドな人は、人それぞれ価値観は異なるということをきちんと理解できているため、対立意見にも耳を傾けることができるのです。さらに、先入観やバイアスに囚われることなく、異なる意見同士を組み入れてより良いアイデアを考えようとするため、周囲からの人望も厚い傾向にあります。
2.多角的な視点をもって考えることができる
オープンマインドな人は、固定概念に縛られることなく、あれこれ思考を巡らせることができます。自分の立ち位置から離れて、違う立場や人間になったつもりで新たな目線で物事を見られるため、「これはこの状態で当然である」というような、思い込みによって考えを確立することがないのです。
3.変化を恐れない
オープンマインドな人は、変化を過度におそれることがありません。誰かに自分の意見を批判されたり、意見が食い違ってしまったりした場合でも、常にプラス思考で、ポジティブに考える人が多いものです。さまざまな意見を成長の糧としているため、変化を受け入れながら前に進むことができます。
04オープンマインドを浸透させる方法
オープンマインドは、一朝一夕で身につくものではありません。オープンマインドを浸透させるためには、常識に縛られない柔軟な考え方を心掛けることが重要です。ここからは、従業員にオープンマインドを浸透させる4つの方法について紹介します。
- 1:企業のコアバリューや行動指針を変える
- 2:評価制度や基準にオープンマインドを盛り込む
- 3:雑談や自由に意見ができる場づくりを設ける
- 4:チームビルディングや研修を実施する
1.企業のコアバリューや行動指針を変える
まず挙げられるのが、企業のコアバリューや行動指針と紐づけるということです。企業が重視する価値観として打ち出すことで、従業員全員が統一された価値観で行動できるようになり、チームや部門内における人材育成にも反映していくことができます。。 ただし、コアバリューや行動指針に反映する際は、そのコアバリューをトップ層が模範として示す必要があります。言動が一致しない場合には、従業員にオープンマインドが浸透することがなく、ただの言葉となってしまいます。そのため、まずはトップ層がオープンマインドを身につけて体現し続けることが重要です。
2.評価制度や基準にオープンマインドを盛り込む
コンピテンシー評価などの評価制度や基準に、オープンマインドを盛り込むこともひとつの手です。ただし、評価項目があやふやなままでは、目指すべき姿を理解しづらくなってしまいます。そのため、評価する項目や基準、方法を明確化したうえで、分かりやすく共有しましょう。
3.雑談や自由に意見ができる場づくりを設ける
部門やチームの壁を越えて、従業員同士が自由に意見交換をできる場を設けることもポイントです。従業員同士が気軽に交流できる場を設ければ、社内のコミュニケーションが活性化します。 実際に、自動車メーカーのHONDAでは、社内のさまざまな人とのつながりを楽しむ方法として、「ワイガヤ」を定期的に開催しています。ワイガヤでは、立場や部署に関係なく、従業員同士が自由に議論や意見交換を楽しむことできます。これによって、議論や雑談のなかから、良いアイディアが生まれやすくなったそうです。
4.チームビルディングや研修を実施する
チームビルディングや研修を実施することも、有効な方法です。チームビルディングや研修では、オープンマインドを構成するスキルや、オープンマインドを身につけるために必要なノウハウを体系的に学べます。そのため、オープンマインドが短期間で浸透しやすいといったメリットが存在します。
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05まとめ
今回は、オープンマインドの概要やビジネスシーンにおけるオープンマインドの有効性、オープンマインドを浸透させる方法についてお伝えしました。ビジネスマンにとってたくさんの考えや価値観を吸収しながら、自らを確立していくオープンマインドは、成長するために欠かせない要素です。 また、従業員がオープンマインドを身につけることで、企業は、「組織間のセクショナリズムを解消する」「チームや組織の心理的安全性を築ける」などのメリットを得られます。従業員同士の心理的安全性が高まると、自然にお互いの意見や価値観を尊重し合うため、誰もが自分の意見を素直に発することができるようになります。さまざまな意見が出ることによって、ディスカッションが活発になり、新たなアイデアもたくさん創出できるようになるでしょう。 ぜひ本記事を参考に、従業員にオープンマインドを浸透させ、より良い企業運営につなげてください。