公開日:2023/05/16
更新日:2023/05/17

牽引力とは?ビジネスで重視される背景と高め方を解説

牽引力とは?ビジネスで重視される背景と高め方を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

牽引力とは、周囲の人間をリードする力のことです。リーダーシップを求められる場面では、牽引力が重要と考えられています。当記事では、牽引力の概要や牽引力が注目される背景、牽引力がある人材の特徴について解説しています。育成担当者の方はぜひ参考にしてください。

 

01牽引力とは

「牽引力」とは、組織やチーム、関係者を目標に向かって引っ張る力のことを指します。ビジネスにおいて成功するためには、周囲の人を巻き込み、牽引することが欠かせません。なぜなら、周囲の力を借りて協力し合いながら業務を遂行できれば、ひとりでは成し遂げられない成果をあげることができるためです。

牽引力はリーダーシップの要素の1つ

牽引力は、リーダーシップに必要なスキルのひとつと考えられています。牽引力を高めることで、チームや組織を正しく導くことができ、ビジネスの成果を飛躍的に向上させられます。そのため牽引力は、優れたリーダーとして認められるために欠かせないスキルと考えられているのです。

統率力との違い

「牽引力」と似た言葉に、「統率力」が存在します。これらはいずれもリーダーシップにおいてよく用いられる言葉です。統率とは、集団をまとめて率いることを指す言葉です。したがって、統率力とは組織やチームメンバーをまとめ、目標に向かって率いる力のことを意味します。 一方の牽引力とは、「引っ張る・引き寄せる力」を意味する言葉であり、組織やチームの先頭に立って目標に向かって引っ張っていくというニュアンスが強い言葉です。 つまり、牽引力はチームを良い方向性へ導く力を、統率力は定めた方向性に向かってチームをまとめ上げ共同作業を促進する力と言えるでしょう。牽引力と統率力はいずれもリーダーシップの発揮には欠かせないスキルであり、、リーダーとして成功するためには両方を身に付けることが欠かせません。

 

02牽引力が注目される背景

現代のビジネス環境は、変化が激しく、不確実性や複雑性が高まっています。このような状況下では、従来のような指示命令スタイルのリーダーシップでチームや組織を正しく導くことができません。一方、牽引力を持つリーダーは、自身が持つビジョンや価値観を共有し、チームや組織全体を引っ張っていくことができます。このような理由から、昨今では、リーダーに求められるスキルとして牽引力に注目が集まっているのです。

 

03牽引力の発揮に必要な要素

ここまで牽引力の概要や牽引力が注目される背景について見てきました。では、牽引力を身につけて組織を引っ張るためにはどのような要素が必要なのでしょうか。以下では、牽引力の発揮に必要な要素を説明します。

  • ・ビジョンや方向性を示す力
  • ・コミュニケーション能力
  • ・業務遂行力
  • ・動機付け・モチベーション管理能力
  • ・部下の指導・育成能力
  • ・変化に対応する柔軟性
  • ・責任感

ビジョンや方向性を示す力

組織を牽引するためには、リーダーがビジョンや方向性を明確に示し、それを実現するための行動を促すことが欠かせません。いかに周囲から信頼されていたとしても、目指すべき方向性が明確でなければメンバーの行動に統一感は生まれません。自身のビジョンや方向性に共感する人々を集め、共にその実現に向けて進むことができる力は、牽引力に欠かせない要素と言えるでしょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、相手を深く理解すると共に、自分の考えや意見を相手に伝えることができる力です。牽引力を発揮するためには、自分のビジョンや方向性を明確に示し、それを周りの人たちに理解してもらうことが重要です。相手の立場や視点を考え、適切な言葉で伝える能力がない場合には、牽引力が発揮されることはありません。また、コミュニケーション能力はメンバーとの信頼関係やチームワークの強化にも役立ちます。

業務遂行力

組織の先頭に立ってメンバーを引っ張っていくためには、牽引する人自身の業務遂行力が求められます。業務遂行力とは、業務を完遂するために必要な力を指します。必ずしもすべての領域においてメンバーよりも高い専門性を発揮する必要はありません。チーム内でリーダーが担う役割を全うし、かつメンバーを率いる人物として相応しい姿勢や態度を含む力を指します。

動機付け・モチベーション管理能力

チームメンバーのモチベーションを高め、目標に向けて前進するための意欲を維持することも組織の牽引に求められる要素です。リーダーはメンバー個々の性格や能力を把握し、ニーズに応えながら、適切な報酬やフィードバックを提供することが求められます。具体的には、メンバーの業務遂行状況の正確な把握、適切な承認、深いコミュニケーション、チーム内での心理的安全性の確保などが挙げられます。

部下の指導・育成能力

リーダーには、自身が持つスキルや知識を部下に指導し、会社の更なる成長に貢献することも求められます。また、部下とのコミュニケーションを通じて、現状の課題を把握し、それぞれに合ったアプローチを取ることもポイントです。部下が自信を持って業務に取り組めるようにサポートすることで、チーム全体のモチベーションを高めることができ、結果的に会社の発展につながるのです。

変化に対応する柔軟性

時代や環境の変化に対応できないリーダーは、組織を先導することができません。柔軟性を持って変化に対応し、新しいアイデアや戦略を考え、それをチームに伝えることができるリーダーこそ、牽引力を発揮することができます。特に、これからの時代はますますVUCAが激しくなることが予測されるため、現代に適応した仕事の進め方を検討する必要があります。

責任感

牽引力を持つリーダーは部下やチームの方向性や目標を明確にし、自らも責任を持ってその実現に向けて尽力できます。失敗や問題が起きた場合にも、その責任を率先して受け止め、解決策を模索することができるでしょう。また、目標に向かって途中で諦めずにやりきる姿勢を見せることも、チームに良い影響を与えることにつながります。

 

04牽引力のある人材の特徴

ここまで、牽引力が組織やチームのリーダーには必須の能力であることを見てきました。では、優れた牽引力を持つ人材にはどのような共通点があるのでしょうか。下記にて牽引力のある人材の特徴を見ていきましょう。

  • ・目的や目標へのコミットメントが高い
  • ・求心力が高く人を引き付ける
  • ・ストレス耐性が高い
  • ・各所との調整力や交渉力が高い

目的や目標へのコミットメントが高い

牽引力のあるリーダーは、自分自身が追求する目的や目標を非常に明確にしており、それらを達成するために自分自身を律することができます。目的や目標を達成するために必要な努力を惜しまず、自分の行動が目的や目標に沿っていることを確認しながら、必要に応じて修正します。これにより本人が高いレベルで業務遂行できるだけでなく、周囲の人にも基準の高さが伝播し、チームの意識向上にも繋がります。

求心力が高く人を引き付ける

牽引力のある人材は、求心力が高い傾向にあります。求心力とは、他人を引きつけ、輪の中心で物事を動かすことのできる力です。 ビジネスシーンにおいては、異なる考えや意見を調整し、全員が納得した状態で、次のステップへ進むことが欠かせません。その点、求心力のある人材がリーダーとして指揮を取ることで、意見がまとまりやすくなり、関係者の信頼を集められます。また、周囲からの求心力が高いことで、自発的に協力しようとする人も多くなるため、組織やチームの成果にも直結します。

ストレス耐性が高い

牽引力のある人材は、ストレス耐性が高い傾向にあります。ただストレスに強いだけではなく、適切なメンタルマネジメントを行い、自身のストレスをコントロールできる点がポイントです。このような人材は、チームメンバーに安心感を与え、困難な状況でも冷静に対応することができます。組織を引っ張る立場の人材は困難に対処したりプレッシャーがかかる経験をすることも多いため、ストレスコントロールは重要なスキルの一つです。

各所との調整力や交渉力が高い

牽引力がある人材は、関係者との調整力や交渉力が高いこともポイントです。組織としての目標を達成するためには、他部署や関係者との交渉や調整が必要不可欠です。また、プロジェクトに携わる多様な人々と協力して、目的を達成するための意思決定を行う場面も多々あります。必ずしも利害が一致するとは限らない場面で、牽引力のある人材は、目標を達成するために必要なリソースを調達し、チーム全体のパフォーマンスを高めることができるのです。

 

05社員の牽引力を高めるための方法

社員の牽引力を高めることで、チームの生産性や効率性がアップすることが見込めます。以下では、社員の牽引力を高める方法について紹介します。

  • ・リーダーに求める牽引力や必要な要素を明確に定義する
  • ・理想とするリーダーのロールモデルを明確にする
  • ・対象者に小さなプロジェクトから任せる
  • ・リーダー研修を実施する

リーダーに求める牽引力や必要な要素を明確に定義する

社員の牽引力を高めるためには、まずはリーダーに求める牽引力と、それに必要なスキルや要素を明確に定義することが不可欠です。会社や職種によって求められる牽引力や必要なスキルや要素は異なるため、自社の状況にあった定義を行う必要があります。 例えば、保守的でコツコツと努力ができる人材が多い企業においてチームを牽引していくためには、メンバーのアクションについてより細かく設計・管理できる力が必要になるでしょう。一方、メンバーが自らの裁量で動く方がパフォーマンスが上がる組織の場合は、細かな管理スキルよりも発信力や信頼関係構築力が効果的かもしれません。このように、職種や職場の文化も踏まえ、リーダーに必要なスキルは様々な捉え方があり得るのです。

理想とするリーダーのロールモデルを明確にする

理想的なリーダー像を社員に示すことで、社員はそのロールモデルを目指し、自己成長を遂げることができます。そのため、牽引力のある社員を育成するには、目指すべきモデル像を明確にすることが大切です。 ロールモデルを作るうえでは、まず企業が求める「牽引力」を明確に定義し、それをトップ層が実践することが重要です。例えば、チームワークを大切にするという「牽引力」を求める場合は、トップ層が積極的にチームビルディングを行い、協調性のあるチーム文化を育むことが求められます。 また、ロールモデルとしてのリーダーは、社員と密にコミュニケーションを取り、サポートすることも肝要です。社員が困難な状況に直面した際には、リーダーが的確なアドバイスを与え、フォローアップを行うことで、成長スピードを加速させられます。

対象者に小さなプロジェクトから任せる

いくらリーダーシップに関する理論や方法論を学んだとしても、全く実践経験がないところから高い牽引力を身につけるのは難しいことです。そのため、牽引力を向上させたい社員に対しては、何かしらのチームやプロジェクトを率いる経験をさせることも効果的です。 まずは対象者に小さなプロジェクトから任せることも有効な方法です。小さなプロジェクトから任せることで、社員は満足感や達成感を得られます。また、小さなプロジェクトは失敗しても大きな影響がないため、社員たちが自己実現に向けて自由にアイデアを出すことができるようになるでしょう。 社員に小さなプロジェクトを任せる際には、プロジェクトの目的やゴールを明確に伝え、適切なサポートを提供することがポイントです。社員がプロジェクトを成功させるために必要なリソースや情報を提供し、状況に応じて適切なフィードバックを行いましょう。

リーダー研修を実施する

リーダー研修を実施することも社員の牽引力を高める方法のひとつです。リーダー研修では、リーダーに必要なスキルや行動様式を体系的に学べます。また、研修で学んだことを実践することで、リーダー自身の牽引力を高めることができます。 リーダーシップとは複合的なスキルであるため、リーダー研修ではリーダーシップの発揮に関する内容を様々な角度で学びます。具体的には「コミュニケーション研修」や「マネジメント研修」「チームビルディング研修」「課題解決力向上研修」などが挙げられます。また、研修を通じてリーダーの行動様式や考え方を改善することで、周囲のメンバーを引っ張る力が強化されるでしょう。


 

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06まとめ

牽引力とは、リーダーが自分自身の力や人脈を駆使して、自分自身や周りの人々を目標達成へ導く力のことです。牽引力を持つリーダーは、自分自身の目標達成だけでなく、周りのメンバーの成長や生産性向上にも貢献することができます。 ビジネスにおいて、リーダーに求められるスキルは多岐に渡りますが、牽引力はそのなかでも特に重要な要素です。牽引力を持つリーダーがいることは、チーム全体の生産性やモチベーション向上に大きく寄与します。ぜひ、当記事を参考に従業員の牽引力を高める取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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