謙虚さとは?人材に求められる理由や育成するための方法を解説
謙虚さは、ビジネスパーソンが成長し続けていくために重要な素養のひとつです。当記事では、謙虚さの概要や謙虚さが人材に求められる理由、従業員の謙虚さを育成するための方法について解説します。人事・育成担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- 01.謙虚さとは
- 02.謙虚さがビジネスで重要視される理由
- 03.謙虚さのある人材の特徴とは
- 04.人材の謙虚さを育成するための方法とは
- 05.まとめ
01謙虚さとは
「謙虚さ」とは、自分の能力や立場におごることなく、素直かつ控えめな態度で人に接することを指します。良好な人間関係を築くために忘れてはならない姿勢や態度であり、これはビジネスシーンにおいても変わりません。 謙虚さがあるかどうかは、ビジネスパーソンとしての成長に大きく関わります。また、社内のあらゆるメンバーと円滑に仕事を進めるためにも、重要な姿勢となってきます。そのため、新しく人材を採用する際に「謙虚さ」を求める企業は、決して少なくありません。
知的謙虚さとは
「謙虚さ」には、「知的謙虚さ」という側面があります。知的謙虚さとは、自分の知識や見解について、常に疑問を持ち、自己批判的になることを言います。 ビジネスシーンにおいては、自分が正しいと信じていたことが、実は誤りであったことが発覚する機会が度々訪れます。その際に、自分の非を素直に認めて、新しい情報や見解へ柔軟に対応できることが知的謙虚さなのです。知的謙虚さがある人は、他者と対話し共感することで、新たな発見や解決策を見出すことができます。
ビジネスで必要な謙虚さとは
ビジネス社会を取り巻く環境は、経済や国際醸成などの外的要因だけではなく、技術の発展によって、日々目まぐるしく変化しています。このような状況下に縦横に適応していくためには、謙虚さや知的謙虚さが欠かせません。 例えば、業界歴や就業歴が長くなると、これまでに触れたことがない技術やツールが出てくることがあります。そのような変化の場面において謙虚さがなければ、新しい環境に適応できず、自身の成長も止まってしまいます。また、謙虚さを失ってしまうと、新しいスキルや技術の習得に対する意欲もなくなるため、今後の活躍の幅を狭めてしまうのです。 その一方で、ビジネスで必要な謙虚さとは、自分の意見を思うように言えないことや周囲の意見に流されて迎合することとは異なります。あくまで、自分の意見はしっかりと主張しつつも、周囲の意見をフラットに受け入れていくことが、ビジネスにおける謙虚さと言えます。
02謙虚さがビジネスで重要視される理由
ここまで、謙虚さの概要について見てきました。以下では、謙虚さがビジネスで重要視される理由について次の3つの観点から解説します。
- ・自己成長を促すため
- ・価値観が多様化やグローバル化への対応のため
- ・環境変化や技術進歩のスピードに対応するため
自己成長を促すため
謙虚さは、ビジネスにおいてだけではなく、自己成長を促すためにも重要な資質です。謙虚な姿勢を持つことで、自分自身の欠点や課題を認めて、改善することができます。また、謙虚さを持つことで、周囲の人々からさまざまな知見やノウハウを学ぶことができます。 さらに、謙虚な姿勢を持つことで、自分自身に対する客観的な評価も受けられます。他者からのフィードバックをもらい、それを真意に受け止めることで、自己改善につなげることができるのです。
価値観が多様化やグローバル化への対応のため
価値観の多様化やグローバル化に対応するためにも、謙虚さは欠かせないと考えられています。多様な価値観を持つ人と関わっていくためには、それを受け入れるための謙虚さが必要です。 例えば、働く理由は人によってさまざまで、「社会貢献のため」という人もいれば「希望するライフスタイルを実現するため」と考える人もいます。このような問いに対し、自身の価値観を前提にしてしまうと、円滑なコミュニケーションを取ることができません。 また、グローバル市場を見据えた事業を行う場合は、多国籍な人材と働く機会も増えてきます。その場合、各国の価値観を理解して受け入れることができなければ、仕事を円滑に進められず、その国に合わせたローカライズが行えません。
環境変化や技術進歩のスピードに対応するため
ビジネスにおいて謙虚さが重要視される理由のひとつに、環境変化や技術進歩のスピードへの対応があります。現代社会は急速に変化を続けていて、新しいテクノロジーや市場動向が生まれるスピードは、以前に比べて格段に速くなっています。そのためビジネスにおいても、環境変化への柔軟な対応と、スピーディーな意思決定が求められます。 また組織内でも、環境やルール、方向指針が変化することは少なくありません。こうした変化へ柔軟に対応するためには、謙虚な姿勢も持ち続けることが重要です。自分の考え方に固執するのではなく、新しいアイデアや意見に耳を傾けることで、より良い判断を下すことができます。 このような理由から、ビジネスにおいて謙虚さを持つことは、必要不可欠であると言えるでしょう。
03謙虚さのある人材の特徴とは
ここからは実際に、ビジネスにおける謙虚さのある人材の特徴を紹介します。主な特徴としては、次の5つが挙げられます。
- ・自分の誤りを認められる
- ・自分とは異なる意見を取り入れられる
- ・自身や他人の意見を客観的に考えることができる
- ・過去の成功体験や価値観に囚われすぎない
- ・多くのことをインプットできる
それでは、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
自分の誤りを認められる
謙虚さを持つ人材は、自身の誤りや限界を素直に認めることができます。自分自身を客観視する能力にも長けているため、自己評価に偏りがなく、成長するために必要な反省と改善を積極的に行います。このような姿勢は、組織内でのチームワークやコミュニケーションにも良い影響を与えます。
自分とは異なる意見を取り入れられる
謙虚な人は、自分の考え方や見解に固執することなく、異なる意見やアイデアも受け入れることができます。新しい視点や刺激を楽しみながら取り入れられるため、自己成長やチームの発展にも大きく寄与します。また、謙虚な人は、他者とのコミュニケーションを円滑に進めることもできるため、人間関係の構築もスムーズな傾向にあります。
自身や他人の意見を客観的に考えることができる
謙虚な人は、自分の意見や他人の意見に対して偏見を持たず、客観的な視点で物事を考えられることも特徴です。自分自身の感情や主観的な価値観に囚われず、客観的な判断を下すことができるため、意思決定や問題解決においても高い評価を得られます。
過去の成功体験や価値観に囚われすぎない
過去の成功体験や自分の持つ価値観に囚われず、新しいアイデアや知識を積極的に取り入れられる人は、謙虚な人と言えるでしょう。過去の成功体験に囚われすぎると、変化する環境に対応できなくなり、失敗する可能性が高くなります。一方、謙虚な人は自分の限界を認めつつ、新しいことにチャレンジすることができるため、ビジネスにおいても重要な存在となります。
多くのことをインプットできる
謙虚な人は、損得勘定に関係なく、多くのことをインプットできる傾向にあります。自分に直接関係のない内容でも、積極的に取り組んで吸収します。 また、分け隔てなくさまざまな人と積極的にコミュニケーションを取れるため、周囲からの人望も厚いことが多いものです。
04人材の謙虚さを育成するための方法とは
最後に、人材の謙虚さを育成するための方法を3つ紹介します。
- ・1on1やメンター制度の実施
- ・360度評価を取り入れる
- ・メタ認知や内省に関する研修を行う
こうしたポイントを意識することで、従業員の謙虚さを効果的に育成することができるはずです。
1on1やメンター制度の実施
人材の謙虚さを育成するためには、1on1やメンター制度の実施が有効です。1on1やメンター制度では、上司や先輩から個別にフィードバックを受けられるため、自身の行動や思考を客観的に見つめ直す機会を得られます。 また、1on1やメンター制度を通じて、自身の考えを他者に話しやすくなるため、自己中心的な考え方から脱却しやすくなります。企業側がこうした取り組みを積極的に行い、従業員の謙虚さを促進することは、ビジネスにとってもプラスに働くことでしょう。
360度評価を取り入れる
ビジネスの現場で求められる謙虚な人材を育成するためには、360度評価を取り入れることも効果的な手法です。360度評価とは、上司や部下、同僚や取引先などからのフィードバックを集めて自己評価と照らし合わせることで、自己理解を深める手法です。 360度評価では、自己評価だけでなく周囲からの意見を聞けるため、これまで自分では気吹けなかった課題や改善点を見つけやすくなります。
メタ認知や内省に関する研修を行う
謙虚さを育成するためには、自分自身のことを客観的に見つめる「メタ認知」や、過去の自分を振り返り、改善点を見つける「内省」が必要不可欠です。このようなマインドセットを身につけることで、自己評価や自己成長の意識が高まり、謙虚さを育むことができます。 実際に、企業にはメタ認知や内省に関する研修を実施し、人材の謙虚さを育成する取り組みが求められています。
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05まとめ
今回は、謙虚さの概要や謙虚さが人材に求められる理由、従業員の謙虚さを育成するための方法についてお伝えしました。 謙虚さは、環境変化や技術進歩のスピードに対応するために必要不可欠な能力です。謙虚さを養うことができれば、ビジネスパーソンとして大きく成長できるでしょう。 従業員の謙虚さを育成する方法には、「1on1」や「メンター制度」、「360度評価」、「マインドセット研修」など、さまざまな方法があります。ぜひ、当記事を参考に謙虚さの重要性を今一度認識し、より良い企業運営へとつなげてください。