共創力とは?求められる背景や人材が発揮するためのポイントを解説
共創力とは、さまざまな背景を持つメンバーが協力し新しい価値創造や課題解決を図ることを指します。ビジネスシーンにおいても共創力の重要性は年々高まっており、実際に官学民の連携プロジェクトが進められることが増えてきました。当記事では、共創力の概要や共創力が求められる背景について解説します。
- 01.共創力とは
- 02.共創力が求められる背景とは
- 03.共創力に欠かせない要素とは
- 04.人材が共創力を発揮するための方法
- 05.まとめ
01共創力とは
「共創力」とは、複数の人や組織が協力して、新しい価値を創造する力のことを指します。単なる協業やコラボレーションとは違い、それぞれの専門分野や視点を持った人材がお互いに知識を交換しながら、より高い次元でアイデアを創造することが求められます。 ビジネスにおいては、より革新的な解決策を見つけるために、異なる専門分野の人が協力し、多様な知識や経験を共有することが不可欠です。このような理由から、共創力は今後もますます重要性が高まるスキルと言えるでしょう。
02共創力が求められる背景とは
共創力は、なぜこれほどまでに注目を集めるようになったのでしょうか。ここでは、共創力が求められる背景について解説します。
- 1:VUCAの時代に対応するため
- 2:DXの推進など組織や部署の連携が求められるため
- 3:外部の人材活用の機会が増加しているため
VUCAの時代に対応するため
「VUCA」とは、不確実性(Volatility)、複雑性(Complexity)、不安定性(Uncertainty)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取った造語です。現代社会やビジネスにおいて、不確実性が高く、将来の予測が困難な状況であることを示すために造られた言葉です。 VUCA時代においては、従来のような予測可能な状況や問題に対応するだけでは、企業のさらなる発展は見込めません。異なる分野や専門性を持つ人材が集まり、共創力を発揮して、新しいアプローチを取ることが欠かせないのです。 また、VUCA時代における共創力の発揮には、「オープンマインドな人材」や「コミュニケーション能力の高い人材」、「リーダーシップのある人材」が必要です。異なる分野や専門性を持つ人材が協力し、多様なアプローチやデザイン思考を取り入れることで、より効果的な共創が実現します。
DXの推進など組織や部署の連携が求められるため
DXの推進など組織や部署の連携が求められるようになったことも、共創力が注目を集める理由のひとつです。 昨今では、多くの企業でDXの推進が急務の課題となっています。企業や組織がデジタル技術を取り入れ、ビジネスプロセスやサービスを改善することで、業務の効率化や顧客満足度の向上を図ることができます。しかし、DXを推進するためには、異なる部署や専門分野の人材が協力し、連携を取ることが不可欠です。さまざまな知見を持つ人材が協力し、共創力を発揮することで、より効果的なDXの推進を実現することができるのです。
外部の人材活用の機会が増加しているため
現代のビジネス社会では、人材不足や雇用の流動性の高まりによって、外部の人材をプロジェクトにアサインする働き方が増えています。これに伴って、組織や部署の壁を越えた連携も求められるようになりました。また、副業によって外部の人材活用の機会が増加していることも、共創力が求められる背景のひとつと言えます。
03共創力に欠かせない要素とは
共創には、相手の意見やアイデアを理解することはもちろん、自分の意見やアイデアを分かりやすく伝える能力も求められます。また、自分だけが目立つことを追求するのではなく、相手と協力し、共に目標を達成する能力も必要です。以下では、共創力に欠かせない要素について解説します。
- 1:メンバーと信頼関係を構築する力
- 2:チーム内でビジョンを共有する力
- 3:他者の意見や価値観を受け入れるオープンマインド
- 4:新しいアイデアや解決策を生み出す創造力
メンバーと信頼関係を構築する力
共創プロセスでは、メンバーがそれぞれ有している専門知識や経験に基づいて、意見交換やアイデア出しを行います。しかし、自分の意見を話すことに躊躇してしまったり、相手の意見に対して否定的な態度を取ってしまったりすると信頼関係が築かれず、共創プロセスが円滑に進みません。 一方、メンバー内で確かな信頼関係が構築されている場合には、相手の意見やアイデアに耳を傾けて、受け入れることができます。また、自分の意見やアイデアも積極的に提案することができるでしょう。信頼関係を構築するためには、自ら率先してコミュニケーションを取ることが重要です。
チーム内でビジョンを共有する力
共創プロセスでは、メンバーがそれぞれの立場や専門性を超えて、チーム全体の目標に向かって協力することがポイントです。そのためにも、チーム全員が共通の目的や価値観を共有し、それを実現するための協力体制を整備します。 目的や価値観が共有されていないままの状態では、各メンバーが自分たちの利益や立場を優先してしまい、共同作業が進まなくなることがあります。したがって、共創には目的や価値観を共有する力が必要と判断できます。
他者の意見や価値観を受け入れるオープンマインド
共創力を発揮するためには、参加者が互いの意見や価値観を尊重し、受け入れることが重要です。この際、オープンマインドな姿勢を持つことで、自分の視野を広げて、新しいアイデアや解決策を生み出すことができます。 また、相手の意見に耳を傾けて、その意見がどのような背景や考え方から出たものなのかを理解することも重要です。過去の成功体験にとらわれず、新しいアイデアや考え方に対してもオープンな姿勢を持つようにしましょう。
新しいアイデアや解決策を生み出す創造力
創造力に優れたメンバーが会議に参加することで、より多彩なアイデアや斬新な解決策が生み出されやすくなります。このような理由から、共創に参加するメンバーは常に新しいアイデアを発想するために、柔軟な思考力や創造性を磨くことが求められます。新しいアイデアや解決策を生み出す力が、チームの成果に大きく影響すると言えるでしょう。
04人材が共創力を発揮するための方法
共創力を持つ人材は、他者とのコミュニケーションを円滑に行い、柔軟な思考で新しい視点を取り入れることができるという特徴があります。しかし、共創力は以下で紹介する取り組みを実施することで、誰でも身につけることが可能です。ここからは、人材が共創力を発揮するための方法について理解を深めていきましょう。
- ・達成すべき目的や目標を明確にし共有する
- ・目的に応じたメンバーや人材をアサインする
- ・社内横断型プロジェクトの実施と促進
- ・働く環境や心理的安全性を整備する
- ・リーダーシップやデザイン思考研修の実施
達成すべき目的や目標を明確にし共有する
目指すべき目的や目標が明確になっていれば、多様な視点や考え方を持った人材が創造的なディスカッションを交わしやすくなります。 また設定された目的や目標の実現に向けた具体的なアクションプランを策定することで、チームでの協力体制が強化されて、共創力を発揮しやすくなります。
目的に応じたメンバーや人材をアサインする
目的に応じたメンバーや人材をアサインすることも、有効な手法です。それぞれのメンバーには得意な分野やスキルがあり、その特性を活かしてタスクを分担することで、効率的にプロジェクトを進められます。また、異なるバックグラウンドや専門知識を持つ人材をアサインすることで、新しいアイデアや視点を生み出し、より創造的な解決策を見出すことが容易になります。この際、社内に適任者がいない場合には、不足した知見を補うことのできる外部人材の活用も検討しましょう。
社内横断型プロジェクトの実施と促進
社内の横断的なプロジェクトを実施することで、異なる部署や職種の人が協力して目的を達成できるようになり、共創力が強化されます。 社内の横断プロジェクトを促進するためには、異なる部署や職種の人の立ち位置や考え方を知る機会を設けることが必要です。こうした取り組みによって、従業員がより一体となって協力し、共創力を発揮することができるでしょう。
働く環境や心理的安全性を整備する
失敗をおそれずに、アイデアを出し合うことができる雰囲気を作ることも、従業員の共創力を促進するうえで忘れてはならないポイントです。 職場の心理的安全性を高めるためには、上司や同僚とのコミュニケーションやフィードバックに関する文化を醸成することが肝要です。具体的には、お互いの存在を受け容れる姿勢や、他者の意見を尊重すること、反対意見も前向きな表現で伝えるなどが大切です。自分の意見や気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態は、共創力の発揮に必要不可欠と言えるでしょう。
リーダーシップやデザイン思考研修の実施
共創力を発揮するためには、リーダーシップやデザイン思考に関する研修を実施することもひとつの手です。リーダーシップ研修では、共創力を引き出すためのコミュニケーション能力やフィードバックの方法を学びます。また、デザイン思考に関する研修を実施することによって、問題解決能力やアイデア創出能力を身につけられます。
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05まとめ
共創力とは、自分の力と他者の力を掛け合わせて、より良い成果を出していくスキルのことを言います。新しいアイデアや解決策を生み出す創造力を持ち合わせた人材が集まり、目的や価値観を共有することで、これまでになかったイノベーションの創出が実現します。 また、共創力を持った人材が、協力して問題解決やイノベーションを生み出すことができれば、企業や社会全体の発展につながります。共創力を持った人材を育成し、組織全体が成長しやすい職場環境を構築することが、企業にとっても大きな利益になるはずです。