フレキシビリティとは?フレキシビリティ人材の特徴や育成ポイントを解説
フレキシビリティは、環境変化や状況に応じて、柔軟に対応できる柔軟性や適応性です。本記事では、フレキシビリティが求められる背景や、人材の特徴や育成ポイントを紹介しています。社員のフレキシビリティ向上に向けて、本記事を参考にしてください。
- 01.フレキシビリティとは
- 02.フレキシビリティが高い人材が求められる背景
- 03.フレキシビリティが高い人材の特徴
- 04.フレキシビリティ人材を育成するメリット
- 05.フレキシビリティの高い人材を育成するポイント
- 06.まとめ
01フレキシビリティとは
フレキシビリティとは、柔軟性や適応性、しなやかさを意味します。つまり、ビジネスにおいてフレキシビリティのある人材とは、環境変化や周囲の状況に応じて、速やかかつ柔軟に適応できる人のことです。ビジネスシーンにおいては、職場の異動や転職、上司が変わるなど環境変化が伴うため、即座に適応を求められることは多いです。
02フレキシビリティが高い人材が求められる背景
フレキシビリティのある人材は適応力に優れ、柔軟性が高いと解説してきました。それではなぜ、現代においてフレキシビリティが高い人材が求められているのかについて、考えてみましょう。適応力や柔軟性に優れた人材のニーズが高くなっている背景には、下記2つが挙げられます。
- ・不確実性が高いVUCAの時代であるため
- ・市場ニーズの多様化に対応していくため
不確実性が高いVUCAの時代であるため
ここ数年で世の中は、デジタル技術の急速な進化や新型コロナウィルス(covid-19)のように、将来の予測が難しく、不確実性が高い「VUCA時代」に突入しています。「VUCA(ブーカ)」とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語であり、2010年頃から先行き不透明な時代を表す言葉として使用されるようになりました。 VUCA時代のような、既存の方法では対応が難しい時代の中では、過去の慣例にとらわれず、柔軟な思考と適応力を持った人材が必要です。また、ビジネス環境の変化にも敏感にアンテナを張り、情報をアップデートしながら進めることが求められています。
市場ニーズの多様化に対応していくため
デジタル技術の進化によるDXへの取り組みや働き方改革による働き方の多様化など、ビジネスモデルや働き方も大きく変化しています。また、社会の成熟によって市場ニーズも多様化していて、さまざまな新たなサービスや商品を創り出す必要があります。その中で求められるのが、市場のニーズを迅速に捉えられる、柔軟な考え方や発想力を持った人材です。このように、環境変化への適応力が高いフレキシビリティ人材の需要は、年々高まっています。
03フレキシビリティが高い人材の特徴
フレキシビリティが高い人材は、現代の変化が激しいビジネス市場においては貴重な人材です。ここでは、フレキシビリティが高い人材にはどのような特徴があるのかを解説していきます。
- 1.急なトラブルにも柔軟に対応できる
- 2.多様な意見を否定せず受け入れられる
- 3.ひとつの物事を多角的に捉えられる
- 4.業務内容の変化があっても適応できる
- 5.壁にぶつかっても前向き思考を貫ける
1.急なトラブルにも柔軟に対応できる
フレキシビリティが高い人材は適応力があるため、急なトラブルにも柔軟に対応できます。自身の信念は持ちながらも、自分の考えに固執せずに、常に最善の方法を考えているからです。そのように考えることで、多くの選択肢から状況に応じた最適解を見つけることが可能となります。また、フレキシビリティが高い人は、行動力が高い傾向にあります。状況変化やトラブルの度に立ち止まって考えるのではなく、まずは行動しながら答えを導き出します。
2.多様な意見を否定せず受け入れられる
フレキシビリティが高い人は、自分と異なる多様な意見についても、否定せずに受け入れることが可能です。物事を柔軟に考えられる人は自分の考えに固執せず、周囲の意見を取り入れ取捨選択しながら、新しいアイディアや解決策を生み出します。そのため、他人の意見をはじめから否定することはせずに、意見を尊重しながら物事を進めていきます。
3.ひとつの物事を多角的に捉えられる
フレキシビリティが高い人には、ひとつの物事を多角的に捉えられる特徴があります。思考に柔軟性があるため、1つのアイデアに対しても別の考え方ができないかや、実は間違っているのではないかという様々な観点で考えることができます。また、上に記載の通り周りの意見に対してフラットに耳を傾けることができるので、自分の考えだけでなく周囲の考えも参考にしながら物事を捉えることができるのです。
4.業務内容の変化があっても適応できる
フレキシビリティのある人は変化への耐性が高いため、業務内容の変化があっても適応可能です。例えば、人事異動や転職、会社の統廃合などで、自身の業務が一変したとします。この場合でも、変化への耐性が強いため動じることはなく、まずは自分が行える業務から取り組みます。また、コミュニケーション能力も高いため、周囲の人々から業務を学び、吸収し、幅広いスキルを身に付けていきます。結果として、様々なスキルや知識を身に付けて、どのような業務内容にも適用可能な人材に成長していくでしょう。
5.壁にぶつかっても前向き思考を貫ける
フレキシビリティが高い人材は、壁にぶつかっても前向き思考を貫ける傾向があります。目標を達成するために、自分の考える方法や手段にこだわりません。壁にぶつかったら他の方法を模索し、自分で解決できなければ周囲にアドバイスを求めて、困難な状況を打破していきます。柔軟性や順応性を備えたフレキシブル人材は、トラブルを成長の機会と捉え、ポジティブに進めるしなやかさを備えています。
04フレキシビリティ人材を育成するメリット
企業としてフレキシビリティ人材を育成するメリットには、何があるのでしょうか。ここからは、フレキシビリティ人材を企業として育成するメリットを、3つ解説していきます。
- 1.トラブルや不測の事態にも柔軟に対応できる
- 2.新規事業や新しいプロジェクトを遂行しやすい
- 3.従業員一人ひとりのメンタリティが強化される
1.トラブルや不測の事態にも柔軟に対応できる
フレキシビリティ人材は適応力が高く、突発的なトラブルや不測の事態にも落ち着いて対処可能です。これは、適応力がある人材には、常に考えながら行動するという特徴があるからです。そのため、トラブル時に対応が停滞することなく、スピード感を持ってアクシデントを収束させられると期待できます。その結果、重大な事態となる前に対処できて、企業へ甚大な被害が及ぶことは避けられるでしょう。
2.新規事業や新しいプロジェクトを遂行しやすい
フレキシビリティが高い人材を育成することで、新規事業や新しいプロジェクトを遂行しやすくなるメリットがあります。新規事業を遂行するためには、既存の考え方に捉われない、多角的な視野が必要です。フレキシビリティが高い人材は、固定概念に固執せずに、さまざまな可能性を考慮しながらプロジェクトに取り組みます。また、新規プロジェクトでは、多種多様なメンバーの意見をまとめながら進めることになります。そのため、メンバーの意見を否定せずに、尊重しながら答えを導き出せる人材は、新規プロジェクトの遂行に重要な存在です。
3.従業員一人ひとりのメンタリティが強化される
フレキシビリティが高い人材を育成することで、従業員一人ひとりのメンタリティが強化されるメリットもあります。フレキシビリティが高い人材は、困難な状況や壁にぶつかっても、柔軟な思考からポジティブに捉えることが可能です。そのため、従業員一人ひとりがこの柔軟性を身に付けることで、自身でメンタルコントロールやアンガーマネジメントができるようになる可能性も高いです。その結果として、ストレス耐性の向上や、ひいては職場全体の雰囲気づくり、離職率の低下にもつながるかもしれません。
05フレキシビリティの高い人材を育成するポイント
最後に、フレキシビリティの高い人材を育成する際のポイントについて、解説していきます。具体的なポイントとして、以下の4つを紹介します。
- 1.他部署や異なる職種との交流の機会を作る
- 2.行動指針にフレキシビリティを取り入れる
- 3.新しい業務にチャレンジする機会を作る
- 4.思考術やレジリエンスの研修を実施する
1.他部署や異なる職種との交流の機会を作る
フレキシビリティの高い人材を育成するうえでは、他部署や異なる職種との交流の機会を作ることも重要です。適応力や順応力は、自分と背景や考え方の異なるメンバーと対応することで養われます。会社全体の集合イベントや、オンライン交流会の定期開催など、普段の職場以外のメンバーと交流できる環境が大切です。
2.行動指針にフレキシビリティを取り入れる
フレキシビリティのある人材を育成するためには、柔軟なアイデアや新しい取り組みを歓迎する企業文化が必要です。会社全体の行動指針として、「フレキシビリティ」を取り入れるのも効果的でしょう。そのためには、経営層から管理者のような上層部が、積極的に新しい取り組みを行うことが大切です。
3.新しい業務にチャレンジする機会を作る
フレキシビリティ人材を育成する方法として、新しい業務にチャレンジする機会を作ることも有効です。新しい業務にチャレンジさせることで、多角的な視野や考え方を身に付けて、柔軟性や適応力を高められます。新規プロジェクトを任せたり、業務のローテーションを行ったりすると良いでしょう。また、社内ダブルワーク制度やトレーニー制度のような、普段の業務とは違った業務に応募できる制度なども効果的です。
4.思考術やレジリエンスの研修を実施する
フレキシビリティには、柔軟な思考と、困難に対応しながら業務を進めるしなやかさが必要です。そのため、思考術やレジリエンスの研修を実施することも効果的です。トリプルシンキングや発散思考、課題解決のフレームワークなど、フレキシビリティに必要な知識やスキルを学べます。また、座学だけではなく実習を通して、実際の業務で活用できる方法も身に付けることが可能です。
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06まとめ
将来の予測が難しく不確実性の高いVUCA時代において、柔軟性や適応力の高いフレキシビリティは、ビジネスパーソンにとって必須のスキルです。本記事では、フレキシビリティ人材の特徴や育成のメリット、ポイントなどを解説しました。本記事を参考に、フレキシビリティ人材の育成を促進させましょう。