公開日:2023/09/19
更新日:2023/10/13

起業家精神とは?自律型人材を育てるためのメリットや方法を解説

起業家精神とは?自律型人材を育てるためのメリットや方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

起業家精神は、新規事業はもちろんのこと企業全体の成長を高めるために持っておきたいスキルの1つです。 起業家精神を持つことで、個人の成長だけでなく組織やチームへの意識変化に良い影響を与えます。そこで本記事では、起業家精神の概要から育成方法について詳しく解説していきます。

 

01起業家精神とは

起業家精神とは、新たなビジネスチャンスを見つけ、革新的なアイデアと行動力でリスクを恐れずに成果を追求する積極的な姿勢や能力のことを言います。英訳で「entrepreneurship:アントレプレナーシップ」といわれることも少なくありません。 社内で起業家精神を持つ人を増やすことができれば、革新的なアイディアと行動力から会社の成長を高めることができます。

 

02起業家精神を持つ人材が日本に少ない理由

“総合起業活動指数(TEA)_世界50カ国との比較”

グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)が実施した▶︎「起業家精神に関する調査」によると、主要50カ国と比較して日本は起業家精神を持つ人材が圧倒的に少ないことがわかります。

世界的にみても起業家精神を持つ人が少ない日本ですが、この背景には以下3つの理由が考えられます。

  • ・起業意識の低さ
  • ・起業後の収入の不安
  • ・起業する上での手続きやコスト

それぞれ解説していきます。

起業意識の低さ

日本に起業家精神を持つ人が少ない理由の一つ目は「起業意識の低さ」です。 日本は、今まで終身雇用制度のように安定した雇用環境が重要視されてきました。 それにより、多くの人が一生涯を通じて同じ会社に勤めることが望ましいと考え、起業への関心が低下したと考えられます。 さらに、日本の教育や文化も起業家精神の育成に影響を及ぼしていると考えられます。 例えば、学校教育では優秀な生徒ほど安定した大手企業に就職することが強調されることが多く、自己表現やリスクを取る能力の低下に繋がっているといえるでしょう。 また日本の社会文化では、失敗を恐れる風潮があり、失敗した場合に社会的なプレッシャーや評価から企業への意欲を抑制する要因になっていることも考えられます。

起業後の収入による不安

起業家精神を持つ人が少ない理由の二つ目は「起業後の収入による不安」です。 新しくビジネスを始める場合、初期投資や運営コスト、人材確保など様々な費用が必要になるため最初の数年は収入が不安定になるのが一般的です。 このような不確実なビジネスによる不安から、多くの人は安定した給料を保証してくれる会社員の道を選ぶことが考えられます。

起業する上での手続きやコスト

起業家精神を持つ人が少ない理由の最後は「起業する上での手続きやコスト」の問題です。 起業のための設立手続きや煩雑な事務処理、高い税金や保険費用などが起業を躊躇する要因の1つとして挙げられるでしょう。 特に登記手続きでは、商号検査や登記申請、印鑑登録など複数の書類を提出する必要があったり、手数料支払いもかなり煩雑です。 一方、アメリカの登記手続きはオンラインで簡単に手続きすることができるので、このような手続きの迅速さや簡素化が、アメリカは起業環境が良いと言われる特徴の一つでしょう。

 

03起業家精神を持つ人の特徴

起業家精神を持つ人とは、どのような特徴があるのでしょうか。 主な特徴について解説します。

  • ・リーダーシップがある
  • ・他責ではなく自責で考えることができる
  • ・企画力や発想力がある
  • ・ポジティブ思考でいられる
  • ・様々な人材との協調力がある

リーダーシップがある

新しい事業や商品開発を始めるにあたって、周りの人やチームを巻き込みビジネスを進めることのできる人は起業家精神を持つ人に共通している点です。 また、チームの中のやる気を向上させてポジティブな影響を与えるマネジメント能力にも長けています。

他責ではなく自責で考えることができる

起業家精神を持つ人は、責任感や自己成長に対する意識が強いため、「失敗=学び」や「失敗=自己成長」につながると理解しています。 そのため、失敗に対しても「自分の選択や判断に何か間違いがあったのでないか」というような他人のせいではなく自分にベクトルを向けて考える傾向があります。

企画力や発想力がある

起業家精神を持つ人は、既存の枠に囚われず、常に新しい視点から物事を捉えることができるため独自性のある発想力や企画力を持っています。 自身の成長のために継続的な学習に努めることができるので、企画力や発想力を高めているという方が多いです。

ポジティブ思考でいられる

起業家精神を持つ人はポジティブ思考の方が多いです。 新しい事業を始める場合、多くのリスクや不安といったネガティブな思考になりやすいですが、起業家精神のある人は、それら不安要素を楽しむ傾向になります。 またそのようなポジティブな考えがチームや組織に派生し、良いチーム作りにもつながります。

様々な人材との協調力がある

最後に、起業家精神を持つ人は別部署やチームとも協力し合えることができます。 事業を成功するためにチームとの協力なしでは達成できないと理解しているので、チーム間でのコミュニケーションや情報共有を密に行いチーム力を高める傾向があります。

 

04起業家精神を持つ人材育成のメリット

起業家精神を持つ人材を育てると、具体的に企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • ・事業の新たな成長機会を得られる
  • ・組織内の起業意識の醸成ができる

それぞれ詳しく解説していきます。

事業の新たな成長機会を得られる

起業家精神を持つ人材を育てることで、企業にとって新しい事業の成長機会を開拓できるようになります。 上述でも触れているように、起業家精神を持つ人は固定概念といった既存のビジネスモデルに囚われません。そのため、常に多角的な視点から学習して新しいアイディアや商品、サービスを発想し、企画してくれます。 それにより新しい市場や顧客の獲得ができ、事業においての競争力を高めていくことにつながります。

組織内の起業意識の醸成ができる

起業家精神を持つ人を育成することで、チームや企業内の起業意識を高めることができます。 起業家精神の人が持つチャレンジ精神やリスクを恐れないといった姿勢は部署やチーム、会社内にも良い意味で派生していきます。 さらに、起業家精神を持つ人に役職を与えてチームをリードするポジションを与えることで、チーム全体が柔軟になりアジャイルな運営が可能となります。さらに、市場変化に迅速に対応できる強いチームを作ることができます。


 

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05起業家精神を養う方法

最後に、社内で起業家精神を持つ人を育成するための方法について紹介します。

  • ・透明性のある社内情報共有を行う
  • ・失敗やチャレンジを歓迎する文化にする
  • ・社内ベンチャー制度を導入する
  • ・アントレプレナーシップ研修を実施する

それぞれ解説します。

透明性のある社内情報共有を行う

社内全体に会社の業績や今後の展望など重要な情報を共有し、社員が今の現状や将来の方向性を把握できるようにしましょう。 そうすることで、社員の認識を統一化させることができ、新しいアイディアや取り組みを展開しやすい環境を作ることができます。 会社の状況が常に把握できるような透明性の高い企業文化は社員のモチベーションを高め、チーム間での連携の強化や新しい革新的な商品・サービスの創出促進につながります。

失敗やチャレンジを歓迎する文化にする

社内では、成果を出すかどうかにかかわらず新しい事業のチャレンジを歓迎するような風土を作りましょう。 それにより、社員が積極的に新しいプロジェクトに取り組むようになり、リスクをとって成長するし意欲を高めることができます。 また、事業が失敗した場合は、失敗から得られる教訓を組織全体で共有し、その経験を生かして次のビジネスに生かすことで、組織全体の知識やスキルがアップします。 失敗が罰せられるのではなく、挑戦すること自体が評価される環境が起業家精神を育てる要因になります。

社内ベンチャー制度を導入する

社内ベンチャー制度とは、社内に所属しながら独立したベンチャー企業として新規事業を運営する制度のことを言います。 具体的には、社員に対して新たな事業アイディアやプロジェクトを自由に提案させ、それを企業のように小規模組織として運営する仕組みの制度です。 社内ベンチャー制度を導入することで、従業員から新しい革新的なアイディアを生み出すことができるので企業のイノベーションの能力が向上します。 さらに、そこから設立した組織の実行やリスク管理、企画作りをしてもらうので、起業家としてのスキルを磨くことができます。結果、失敗や成功を通じて学び、成長意欲のある社員に育てることができます。

アントレプレナーシップ研修を実施する

アントレプレナーシップ研修とは、文字通り、起業家精神を育成するための研修です。 「アントレプレナーシップ研修」と検索をかければ、多くの会社で起業家精神を育成するためのプログラムやセミナーを実施しています。 研修には、「新規事業開発に必要なビジネスプランニング」「事業計画書策定の知識と技術の学び」「新規事業開発担当に必要なイノベーション知識」「実践的なグループワーク」 などがあります。 研修を受けることで、起業家精神を育成するための基礎的な知識だけでなく、新規事業のビジネスプランの策定に必要な事業計画書や収益構造など本格的な実践スキルも身につけることができます。

▶︎参考:新規事業開発とアントレプレナーシップ研修

 

06まとめ

起業家精神は、会社や組織の存続や成長に欠かせないスキルの1つです。 しかし、今の日本は他国と比べて起業家精神を持つ人が圧倒的に少ないことが課題となっています。その理由として日本の教育や文化、起業への不安などあらゆる理由があります。 それらのイメージを払拭するためには、一つ一つの企業が社員への意識変化に向けた取り組みが必要になります。ぜひ本記事を参考に社員の意識を醸成する取り組みを検討してみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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