公開日:2023/10/06
更新日:2023/10/12

モチベーションサーベイとは?項目や方法、注意点を解説

モチベーションサーベイとは?項目や方法、注意点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

モチベーションサーベイとは、従業員のモチベーションを定量的・定性的に把握する手法のひとつです。当記事では、モチベーションサーベイの概要やメリット、モチベーションサーベイを実施する6つのステップについて解説します。

 

01モチベーションサーベイとは

「モチベーションサーベイ」とは、従業員のモチベーションを測定して、企業に存在する課題を発見し、組織全体の改善に役立てる調査のことです。モチベーションサーベイで調査できるのは、企業理念やビジョンへの理解、業務に対する満足度や離職意向など多岐に渡ります。

モチベーションを定量的・定性的に把握する手法

モチベーションサーベイは、従業員個々のモチベーションを定量的かつ定性的に把握できるのが特徴です。モチベーションサーベイのスコアが高くなればなるほど、従業員のパフォーマンスが向上してプラスに働くため、会社への定着率や組織全体の士気が向上することを期待できます。

従業員満足度調査との違い

モチベーションサーベイと並んで使われる言葉に、「従業員満足度調査」があります。従業員に対する調査という点では、モチベーションサーベイと同じであるものの、実際には調査対象となる事柄が異なります。 具体的には、モチベーションサーベイでは、仕事へのモチベーションや目的意識を調査します。一方で従業員満足度調査では、職場の人間関係や業務内容、業務環境への満足度を調べます。 このような違いがありますが、定義が確立されているわけではないため、どちらも同様の意味で使われることがあります。

 

02モチベーションサーベイにおける主な質問項目

ここでは、モチベーションサーベイを実施する際に、質問として設けたい項目をピックアップして紹介します。主に、以下の10項目です。

項目例 調査する内容
1. 基本属性 ・部署・入社歴・年代など
2. 戦略方針 ・企業理念やビジョンへの理解・共感など
3. 職場環境 ・労働環境の快適度など
4. 企業風土・人間関係 ・社内で良い人間関係を築けているか、風通しが良いと感じるかなど
5. 評価・承認欲求 ・評価は妥当であるか、自分の仕事を認めてくれる人がいるかなど
6. 満足度・待遇 ・業務量は適切か、待遇面に不満はないかなど
7. 価値観 ・仕事を通じて社会貢献していると感じるかなど
8. 成長機会 ・成長の機会は日々与えられているかなど
9. 達成感 ・明確な目標があるか、目標は定期的に更新しているかなど
10. 離職意向 ・退職したいと思うかなど

上記の項目を、モチベーションサーベイを実施する目的に合わせて作成します。この際、項目が増えるほどコストも増加するため、必要項目を精査して設定することが重要です。

 

03モチベーションサーベイの導入メリット4つ

モチベーションサーベイを実施することで、企業と従業員の双方に多くのメリットがあります。主なメリットは、以下の4つです。

  • 1.従業員のモチベーションを可視化できる
  • 2.効率良くモチベーションを高める方法を見つけられる
  • 3.エンゲージメントが上がり離職率が低下する
  • 4.企業全体の生産性がアップしやすくなる

1.従業員のモチベーションを可視化できる

モチベーションサーベイの最大のメリットは、従業員のモチベーションを可視化できる点にあります。モチベーションは、目に見えない価値観であることから、他者が正確に把握することは非常に難しいものです。 業績や言動の変化などからある程度予想することはできますが、あくまでも予想であり、見る人によっても評価が変わります。 一方で、モチベーションサーベイを用いれば、設定された質問に対するスコアを可視化できるため、従業員のモチベーションを正確に把握できるのです。

2.効率良くモチベーションを高める方法を見つけられる

モチベーションサーベイによって数値化されたスコアを詳細に分析することで、効率良く モチベーションマネジメントが行える点もメリットです。 モチベーションサーベイは、実施して終わりにしてしまうと、期待通りの効果は得難くなってしまいます。 従業員一人ひとりのモチベーションの実相を把握し、課題を明確にすることで、改善策の検討と実施が行えます。従業員のリアルな声が集約された結果であることを理解し、責任を持って有効に活用しましょう。

3.エンゲージメントが上がり離職率が低下する

モチベーションサーベイを通じて、適切なモチベーションマネジメントを行えば、業務へのモチベーションが高まり、仕事に対するやりがいを感じやすくなります。これにより、自社へのエンゲージメントが向上し、離職率の低下にも期待できます。 人材の定着に関して課題を抱えている企業にとっては、モチベーションサーベイを実施する意義は大きいと言えるでしょう。

4.企業全体の生産性がアップしやすくなる

モチベーションサーベイの結果を人材マネジメント施策へ有効活用すれば、従業員一人ひとりのモチベーションを高められます。モチベーションアップによって業務効率が向上すれば、結果的に企業全体の生産性向上にも役立ちます。

 

04モチベーションサーベイを実施する5つのステップ

モチベーションサーベイは、5つのステップに沿って取り組みます。定められた5つのステップに沿って展開することで、従業員のモチベーションを正しく認識して、より良い企業運営を実現できます。以下では、モチベーションサーベイの5つのステップについて紹介します。

  • 1.モチベーションサーベイを実施する目的を明確にする
  • 2.目的を踏まえたうえで質問項目を選定する
  • 3.調査の実施方法や使用ツールを決める
  • 4.繁忙期を避けて調査を実施する
  • 5.調査結果を集計・分析して今後の課題を探る

1.モチベーションサーベイを実施する目的を明確にする

まずは、モチベーションサーベイを実施する目的を明確にします。どのような問題をクリアにしたいのかという実施目的が明確になっていなければ、中身の伴わない調査となってしまいます。実施前にはモチベーションサーベイを行うことで、どのような効果を得たいのかを明確にしましょう。

2.目的を踏まえたうえで質問項目を選定する

次に、測定の目的を考慮しつつ、質問内容を作成していきます。この際、質問項目が多すぎると、従業員の集中力が途切れる可能性があるため注意が必要です。 また質問文は、曖昧さをなくして、すべての回答者に同じ意図を伝えられるよう工夫することも忘れてはならないポイントです。

3.調査の実施方法や使用ツールを決める

モチベーションサーベイの実施方法としては、インターネットを活用した「Webアンケート」が主流となっています。Webアンケートのメリットは、インターネット環境さえあれば、時間や場所の制限を受けることなく調査が可能な点です。さらに、従業員も気軽に回答しやすいため、短期間で多くの回答情報が集まります。 ただし、すべてのモチベーションサーベイが、インターネット上で行えるとは限りません。インターネット上で実施できない場合は、紙のアンケート用紙を作成しましょう。 また、モチベーションサーベイのサービスを提供している企業もあるため、それらの専用ツールを活用するのも、ひとつの手です。

4.繁忙期を避けて調査を実施する

モチベーションサーベイの実施時期は、繁忙期を避けて、全従業員が参加しやすいタイミングにしましょう。職務中に実施することを指示したとしても、繁忙期の場合、従業員から不満の声が出てしまうことが懸念されます。そのため、なるべく閑散期に行うことが望ましいと言えます。

5.調査結果を集計・分析して今後の課題を探る

アンケートの回答が集まったら、調査結果を集計・分析します。さらに、調査結果から判明した傾向を照らし合わせて、取り組むべき課題を導き出します。はじめに設定した目的達成に向けて、どのように課題を解決していくべきか、改善案の立案に役立つでしょう。 従業員に時間を割いてもらって実施している調査だからこそ、結果はそのままにしておくのではなく、どのように活かすかを考えて調査を実施しましょう。

 

05モチベーションサーベイ実施時の注意点

次にモチベーションサーベイ実施時の主な注意点について解説します。

  • 1.一度きりではなく定期的に実施していく
  • 2.従業員が自由に記入できる欄を設ける
  • 3.内発的・外発的動機づけの両方に触れるようにする

1.一度きりではなく定期的に実施していく

従業員による数値のブレがあることを踏まえ、モチベーションサーベイは継続的に複数回の実施を前提に行うことが重要です。一度の調査では、本当のモチベーションが分からない可能性があります。そのため、複数回の実施を前提に、モチベーションサーベイの実施頻度などを設計しましょう。

2.従業員が自由に記入できる欄を設ける

モチベーションサーベイの質問項目は、「すごく当てはまる」や「やや当てはまらない」などから、自分に最も適したものを選択していくケースが多いものです。 しかし、それ以外にも、従業員が自由に自分の考えや意思を記入できるフリー欄を設けるのがおすすめです。フリー記入欄を設けることで、日頃上司には言いにくい不満をヒアリングすることができ、効果的なモチベーションマネジメントにつなげられます。

3.内発的・外発的動機づけの両方に触れるようにする

モチベーションには、内発的動機づけと外発的動機づけの2種類があります。どちらにもそれぞれメリット・デメリットがあり、モチベーションマネジメントにおいては、両方を使い分けることが重要です。 したがって、モチベーションサーベイでは、内発的動機づけと外発的動機づけの両方に触れるようにしてください。


 

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06まとめ

モチベーションサーベイは、従業員のモチベーションに関する本音を調査するためのツールです。モチベーションサーベイを活用することで、従業員の会社に対する満足度や仕事への意欲を可視化できます。また、定期的に実施することで、水面下にある組織内の課題の早期発見も期待できるでしょう。 ただし、モチベーションサーベイは実施して終わりではなく、サーベイの調査結果を組織運営に活用することが欠かせません。 調査結果からどの部分を改善すべきか検討し、職場環境の改善、エンゲージメントの向上につなげましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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