公開日:2023/10/16
更新日:2023/10/16

社会的感受性とは?重要性と高めるための方法を解説

社会的感受性とは?重要性と高めるための方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

社会的感受性とは、相手の表情やしぐさなどから、その人の感情や心理状態を感じ取る能力のことです。他者とのかかわりを持ち社会生活を送るうえで、社会的感受性は非常に重要で、企業においてもチームを運営するために求められる能力の一つです。 この記事では、社会的感受性がなぜ重要なのか、社会的感受性が高いメリットや高めるための方法を解説します。

 

01社会的感受性とは

社会的感受性とは、相手の表情やしぐさ、話の文脈などから、相手の心理状態や感情を理解し尊重する能力のことをいいます。私たちの社会は多様な人たちと協力し合うことで成り立っています。そのため社会で生きる私たちにとって、社会的感受性は非常に重要な能力の一つです。 社会的感受性は、相手の立場になることで、相手の感情や考えを的確に察知し、異なる背景から様々な視点や考え方を持つ多様な人たちを理解するのに役立ちます。これにより円滑なコミュニケーションに重要な役割を果たしています。

社会的知性との違い

 

社会的感受性と似た言葉で「社会的知性」があります。社会的知性とは、社会で成果を上げ快適に生きていくための社会性やコミュニケーション能力などの資質を総称したものです。 アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱した考え方で、「他者との関係において高い知性を発揮する能力」と定義されています。 社会的知性には、社会的感受性を活かしたコミュニケーションや関係構築が含まれていると考えられ、社会的感受性は社会的知性の一部といえます。

 

02社会的感受性が重要な理由

社会的感受性は、他者との円滑なコミュニケーションに役立ちます。社会的感受性が高いことは、企業のマネジメントや成果に影響すると考えられています。 企業で社会的感受性が重要視される理由について、解説します。

  • ・業績や成果に良い影響を与える
  • ・集団的知性を高めることができる
  • ・他者の視点に立つことができる

業績や成果に良い影響を与える

 

これまで頭の良さを測る指数として「IQ」が提唱され、IQが高い人が多くいるチームが優れていると考えられていました。しかし、最近の研究ではチームの成績はIQの高さでは決まらないということが判明しています。 アメリカの複数の大学が共同研究を行った結果では、社会的感受性が高い人が多いチームが一番高い成績をあげ、IQが高い人が多いチームを上回りました。 企業ではチームで活動することが基本となりますので、社会的感受性が企業の業績や成果に大きく影響します。

集団的知性を高めることができる

 

集団で意見を出し合い考えることは、個人よりもはるかに高い知性を発揮し、成果をあげることにつながることがわかっています。これを「集団的知性」といいます。 集団は個人よりも多くの知識を持っているため、集団の中で有効なディスカッションを通じてさらに知性を高めることができます。 社会的感受性が高い人のグループでは、偏見にとらわれず、有効なディスカッションが行われるため集団的知性が高まり、大きな成果となって現れるのです。

他者の視点に立つことができる

 

社会的感受性が高い人は、相手を尊重し他者の視点に立つことができます。自分を抑えて協調できるため、チームが上手く機能するようになります。 社会的感受性が高い人たちのチームでは、メンバー全員が積極的に発言し多くのコミュニケーションを取っていました。

 

03社会的感受性が高い人の特徴

社会的感受性が高い人にはいくつか大きな特徴があります。どのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

  • ・周囲の人に対する興味関心を持っている
  • ・相手の話をじっくり傾聴している
  • ・幅広い経験をしてきている
  • ・自分と異なる意見でも一旦受け止める

周囲の人に対する興味関心を持っている

 

社会的感受性が高い人は、周囲の人に対する興味関心が高く、相手の状況や考えを知りたいと思ってよく観察をしています。 「なぜそう思ったのだろう」「こんな行動をする背景には何があるのだろう」と考えることが多いため、相手の気持ちをしっかりと汲み取れるようになります。

相手の話をじっくり傾聴している

 

相手の言葉を遮らず、最後までじっくり聴き取ることも大きな特徴です。会話しているときの相手の表情やしぐさなどからも、伝えたいことを読み取ろうとしています。 頭の回転が速い人の中には、話の途中で次の展開を読み取り、自分の話を始めてしまう人がいますが、そのような姿勢では相手の感情や思考は十分に汲み取れません。 社会的感受性が高い人は相手を尊重し、自分を抑制して最後まで聴き取ります。

幅広い経験をしてきている

 

楽しい経験だけでなく、つらい経験や悲しい経験などを経てきた人は、過去の自分の体験と照らし合わせることで相手の状況に共感しやすくなり、相手の立場になって考えることができます。 相手の感情をリアルに感じ取りながら、相手に寄り添ったコミュニケーションを取ることができます。

自分と異なる意見でも一旦受け止める

 

集団の中には自分と異なる意見や考え方の人もいます。その場合もすぐに否定したりせず、一旦受け止めて違った見方ができます。 相手の考えがどこから来たのかその背景を考えて、相手の視点から考えられるため、否定的な対応ではなく、建設的なコミュニケーションを取ることにつながります。

 

04社会的感受性が高いチームのメリット

社会的感受性が高い人が集まったチームでは、高い成果が出せることを先にご説明しました。その他にいくつかメリットがありますので、それぞれ詳しく解説します。

  • ・チーム内コミュニケーションが円滑になる
  • ・アイデアが生まれやすくなる
  • ・チーム内の団結が深まる
  • ・チームの解決力と生産性が上昇する

チーム内コミュニケーションが円滑になる

 

社会的感受性が高い人が多いチームでは、相手の話をしっかり聴き、相手の立場になって会話ができる人が多いため、スムーズにコミュニケーションを取ることができます。 自分の偏見で決めつけたり、会話の途中で遮ったりする人がいないため、じっくりと話ができストレスなく会話が進みます。

アイデアが生まれやすくなる

 

社会的感受性が高いチームでは、お互いに尊重しあう姿勢があり、自分が否定されることがないという心理的安全を感じることができます。 そうしたチーム内では、どんなアイデアを出しても笑われたり否定されたりすることがないと感じられるため、アイデアを出しやすい環境といえるでしょう。 チームに積極的に貢献しようという想いがある人が多いことも、アイデアが生まれやすくなる大きな理由です。

チーム内の団結が深まる

 

できるだけチームに貢献しようと思うメンバーが多く、協力して取り組もうとする姿勢が強いため、チーム内の団結が深まります。 お互いに尊重し合い、仲間を思う意識が高く、いい雰囲気のチームになっていきます。

チームの解決力と生産性が上昇する

 

社会的感受性が高いチームでは、メンバー全員が話し合いに積極的に加わり、メンバー同士の発言も増えて、どんどんアイデアが生まれてきます。 課題に対しても前向きに取り組む人が多く、失敗してもリーダーがサポートしてくれるので、積極的に課題を解決しようとするメンバーがどんどん出てくるのです。 その結果、社会的感受性が高いチームでは課題解決が進み、生産性が上昇していきます。

 

05社会的感受性を高める方法

従業員の社会的感受性を高めることで、部署内の課題解決力と生産性の向上が期待できます。社会的感受性を高めるためにできることとして4つご紹介します。

  • ・他部署や様々なメンバーとの交流を促す
  • ・360度評価を導入する
  • ・自己認識力を高める
  • ・コミュニケーション研修を実施する

他部署や様々なメンバーとの交流を促す

 

異なるタイプの人や、今まで接点がなかった部署の人たちとの交流は、見聞を広め柔軟な考え方を育てるきっかけとなります。 チーム横断型のプロジェクトや全社総会を実施したり、ワークショップやディスカッションをさまざまなメンバーとの組み合わせを通じて行う、といった機会を設けて、様々な部署との交流を促していくといいでしょう。

360度評価を導入する

 

360度評価を導入して様々な人から自分の評価をしてもらうことは、自分を客観視できる機会になります。 自分がどのように見られているかを知り、相手が求めている姿を理解することで、相手の視点で物事をとらえられるようになります。 自分の見られ方を理解できるようになることは、他者の思考を理解し尊重することにつながります。

自己認識力を高める

 

自己認識力とは、自分の感情に気付く能力のことをいいます。自分の感情を理解することでより他者の感情を理解しやすくなります。 自己認識力を高めるためには、360度評価のような他者からのフィードバックをもらうことや、自分の思考や行動を振り返り、そのときに思ったことや考えたことを書き出してみるといいでしょう。

コミュニケーション研修を実施する

 

社会的感受性を高めるためには、コミュニケーションのしかたを学ぶのも役に立ちます。コミュニケーションの質を高める技術を身につけることは、他者の思考や感情を理解する近道といえます その際に身につけたい技術が「傾聴」と「質問」のしかたです。傾聴では、相手の話の内容をしっかりと聴き取ると同時に、相手の動きや抑揚、声の大きさなどから感情も読み取れるようになるといいでしょう。 質問のしかたでは、直接的な質問以外に相手の思いを引き出し、感情を共有する質問のしかたを身につけるのがおすすめです。コミュニケーションの質が上がり、社会的感受性も高めることができるでしょう。


 

研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
 

06まとめ

社会的感受性は、相手の視点に立つことで相手の思考や感情を読み取る能力で、私たちが社会生活を送るうえで非常に大切な役割を果たしています。 社会的感受性が高い人が集まるチームでは、お互いに協力し尊重し合うため、メンバーが積極的に参加しアイデアを出し合うようになり、その結果、課題解決力や生産性が向上することがわかりました。 今後自社でも社会的感受性が高い従業員が増えていければ、会社としても大きな成果が得られるようになると期待できます。 ぜひ御社でも、社会的感受性を高める取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE
この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
執筆した記事一覧へ

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ