eラーニングとは?意味・メリットデメリット・実施方法について解説

さまざまな学習のスタイルがある中で、近年eラーニングは学習スタイルの主流になりつつあります。従来のような講師と受講者が対面で顔を合わせて行う講座形式の研修とは違い、場所や時間などを制限されないという点は、eラーニングの魅力の一つです。 この記事では、eラーニングのメリットやデメリットを紹介するほか、企業でeラーニングを導入する際のポイントなどもご紹介します。eラーニングに関する知識が曖昧になってしまっていた方や、今後eラーニングの導入を検討されている方はぜひお役立てください。
- 01.eラーニングとは
- 02.eラーニングを行う目的
- 03.eラーニングの歴史・取り巻く環境について
- 04.eラーニングのトレンド
- 05.eラーニングのメリット・デメリット
- 06.eラーニングの実施に必要なもの
- 07.企業研修としてのeラーニング
- 08.eラーニングの導入事例
- 09.Schooが提供するeラーニング
- 10.まとめ
01eラーニングとは

eラーニングとはわかりやすく言うと、IT技術やインターネットを活用して行われる学習の方法を指します。つまり、対面で会って教わる学習形態ではなく、何かしらの「通信技術を使った学習」全般がeラーニングに該当します。eラーニングにはオンライン型の学習に限らず、CD・DVDによる教材コンテンツ利用やネット環境下であらかじめダウンロードした教材をオフライン環境で学習することも含まれます。加えて、オンラインでも、リアルタイムで学習するものか、そうでないかなどの区分によって、以下のように分類されます。
分類 | 内容 |
同期型eラーニング | 衛星通信やテレビ会議システムなどを使って、リアルタイムで配信・学習する形態。企業の社員教育・社内研修、高等教育、生涯学習など、さまざまな分野で活用される。 |
非同期型eラーニング | インターネットにより教材を配信し、自分のペースでいつでも好きなタイミングで学習できる。 |
eラーニングの仕組み
eラーニングは主に、以下2つから構成されています。
- ・教材コンテンツ
- ・学習管理システム(LMS:Learning Management System)
学習に必要な教材を提供し、その学習効果を更に高めるサポートをLMSで行なうという仕組みです。 そのため、教材コンテンツとLMSは、切っても切り離せない関係にあるのです。
教材コンテンツ
eラーニングにおける教材とは、テキストや音声、画像、動画などを組み合わせて作成されたコンテンツのことを指します。アニメーションやコンピュータ・グラフィックス、VR(仮想現実)を活用した教材も増えています。利用者としては、教材の中身=コンテンツが役立つかが最重要ですので、企業研修に導入するのであれば、自社にあったコンテンツかどうかを、まず確認しましょう。
Schoo for Businessでは、各業界のトップランナーを招いて作成した約7,000本の授業を教材コンテンツとして提供しています。それらを組み合わせた研修パッケージの一覧はこちらをご覧ください。

▲Schooの授業一例
学習管理システム(LMS)
先にも触れた通り、eラーニングを実施する際の基盤となるシステムのことで、Learning Management Systemを略してLMSと呼ばれています。受講者がeラーニングの教材コンテンツを利用する際にアクセスするシステムで、教材の閲覧だけではなく学習内容や進捗を管理することができます。主な機能には次のようなものがあります。
LMSの主な機能 | 内容 |
1. eラーニングを配信・受講する機能 | 動画などのコンテンツをアップロードしたり、受講したりすることができる。 |
2. 学習進捗の管理といった管理機能 | 受講者一人ひとりの学習進捗を確認することができる。 |
3. レポートの提出 | 研修後のレポートを提出したり、提出状況の確認やフィードバックができる。 |
4. 受講者と管理者のコミュニケーション機能 | 研修開始の連絡やリマインドを送るなどのやりとりを簡単に行うことができる。 |
これらのシステムを利用することで、管理者にとっては学習効果の確認と改善に役立てることが可能となります。

▲Schoo for Businessの学習管理システム
Schoo for Businessでは、研修テンプレートを活用し、簡単にeラーニングによる研修を開始することができます。また学習履歴や受講者一人ひとりの興味関心・学習状況を把握することができるので、学習計画の作成や1on1などのコミュニケーションにも活かすことができます。研修担当者だけでなく直属の上司も研修の進捗や学習状況を確認し、現場での教育に活用することができます。
02eラーニングを行う目的
eラーニングを導入・利用する目的にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは導入する企業側と利用する受講者側の目的に分けて解説します。
企業側の目的
企業側の目的の一つは、社員の学習機会を増やすということです。eラーニングは対面式の学習と比べ忙しい社員の負担を最小限に抑えることができ、社員の能力開発に役立ちます。その他、新製品についての情報やコンプライアンスについてなど、社員が共通して理解しておくべきことの浸透にもeラーニングが用いられます。このようにeラーニングの実施目的は様々であり、自社の課題や実施目的に適したeラーニングの仕組みを導入し、有効活用することが大切です。また、新卒入社の社員や中途入社でキャリアチェンジされた方の早期戦力化ができるような支援体制もできることも特徴です。
受講者側の目的
eラーニング受講者側の目的も、立場や職種によって様々です。主な目的として、スキルアップ・自己研鑽が挙げられます。会社で成果を上げ続けるためにも、新たな知識とスキルをインプットしてスキルを磨いていく必要があります。しかしその一方で、忙しい社員にとって学ぶ時間を確保するのは容易ではないのも現状です。そういった中で、時間と場所を自由に確保できるeラーニングのニーズが高まっているのです。
03eラーニングの歴史・取り巻く環境について
eラーニングが登場したのは2000年以降ですが、似たようなシステムは1950年代から登場していました。ここではeラーニングについて時系列に沿って歴史を解説していきます。
年代 | 学習教材 | 内容 |
1950年代〜 | CAI | 反復練習用のシンプルな内容 |
1990年代〜 | CBT | CD-ROMやパソコンのハードディスクへインストールして使用 |
1995年頃〜 | WBT | インターネットを介して教材を学習者に配信する方法でリアルタイムの通信が可能 |
2000年〜 | CD-ROM | 自宅でパソコンとCD-ROMを用いた映像や音声による双方向的な学習が可能 |
現在のeラーニング
現在のeラーニングはWBTの方法を用いており、授業動画などの再生をWebを通じで行うネット接続型であるのが特徴と言えます。
WBTがCBTと異なる点はいくつかありますが、中でも大きいのは多くの情報を一括で管理することができるという点です。WBTでは、LMS(学習管理システム)を用いており、個人の学習状況や教材、プログラムのデータなどは全てインターネットを通じてLMSに記録されるようになっています。 また、LMSを用いたことで教材の内容に変更や修正を加えやすくなりました。CD-ROMでは製造過程でデータを書き込むため内容の追加や修正が困難でしたが、WBTでは教材の修正や更新を全てWeb上で行うことができます。これにより急なプログラムの変更やメンテナンスなどを簡単に行えるようになった為、常に最新の教材内容の提供が可能になりました。
そしてインターネットを用いたことで、双方向での学習が可能になりました。オンライン上でコミュニケーションを行いながらの配信授業が行われるようになっただけでなく、受講者がメッセージで質問をしたり、受講状況を報告したりと、eラーニングでの新しい学習形態を確立させる大きな要素となりました。
eラーニングの市場規模
「eラーニング市場に関する調査」という矢野経済研究所による調査結果では、2020年の日本のeラーニング利用度がBtoB、BtoCのどちらも前年度比で伸びていることが分かりました。同時に、国内のeラーニング市場の規模も前年度比122.4%増加しており、成長市場として注目を集めています。
BtoBでの利用が伸びた理由としては、企業が人材育成へ関心を強く持つ傾向にあること、新型コロナウイルスの影響で集合研修や現場での教育機会が減らされたことで、様々な分野でeラーニングの需要が高まったことが考えられます。コロナ禍で急速に職場環境の変化を強いられた中で、人材育成に力を入れることで適応していく必要があったためです。
また、働き方改革関連法が施行されたことで労働時間が短くなり、生産の効率化が急務となりました。
そこで、eラーニングで時間管理スキルや人材の成長を促す指導方法について学ぶ場面が増え、結果として社内に個人単位でeラーニングが浸透することとなりました。しかしその反面、規模が小さく安価なサービスへの需要が高まったことで価格帯の下落が起きました。
BtoCにおいては、スマートフォンやタブレット端末などの普及により、個人でのeラーニングの利用が大きく広まったことが考えられます。日常の空いた時間など、短い時間で手軽に学習ができることも現在の人々の生活スタイルに適していると言えます。また、塾や学校、予備校などでも盛んにeラーニングの導入が行われました。対面授業が制限されるコロナ禍でも、eラーニングによって学習の遅れを最小限に抑え、学ぶ機会を確保することができるためです。
04eラーニングのトレンド
ここまでeラーニングの歴史を振り返りましたが、現在のeラーニングのトレンドを紹介します。テクノロジーの発達によってVRやARを活用した学習なども普及し始めており、eラーニングはさらなる発展が見込まれます
マイクロラーニング
マイクロラーニングは、短時間の学習ユニットを提供する手法です。学習者は時間の制約がある場合でも、スキルの習得や知識の更新を効果的に行うことができます。また、マイクロラーニングはモバイルデバイスに最適化されており、いつでもどこでも学習が可能です。
ソーシャルラーニング
ソーシャルメディアやコラボレーションツールを活用したソーシャルラーニングが増えています。学習者は他の人との対話や情報共有を通じて学び合い、コミュニティの中で知識やアイデアを交換することができます。
VR/ARの活用
仮想現実や拡張現実の技術を活用したeラーニングが注目を集めています。これにより、学習者は没入感のある環境で実践的な体験をすることができ、より効果的な学習が可能となります。
AIの活用
AIの技術を活用して、学習者の進捗や傾向を分析し、パーソナライズされた学習経験を提供することができます。AIが学習者に適切なコンテンツを推薦したり、フィードバックを提供したりすることで、学習の効果を最大化することができます。
モバイルを活用した学習
スマートフォンやタブレットの普及により、モバイルデバイスを活用した学習が一層重要となっています。学習者は移動中や待ち時間など、いつでも手軽に学習に取り組むことができます。
これからのeラーニング
これからのeラーニングは、技術や社会の変化に伴い幅広い展望が期待されています。ポイントとして、①マルチデバイス化、②学習形態の進化、③社会のデジタル化、が挙げられます。 まず、近年のスマートフォン等の急速な普及により、eラーニングにおいても複数デバイスでの利用が前提となってきています。それにより、以前は30分〜60分程度の動画でアニメーション等も多用される教材が多かったところ、少しの空き時間で簡単に情報を得られる動画ニーズが高まる等の変化が生じています。 また、学習形態としてブレンディッドラーニングというオンライン・オフライン複数の手段を組み合わせた新しい形態が生まれました。実技は集合研修で、予習・復習はeラーニングで行うなど、目的に応じてより効果的なプログラムの策定を行う企業が増えています。
最後に、第四次産業革命と呼ばれる社会の急速なデジタル化により、リスキリングへの活用という観点でもeラーニングが注目されています。リスキリングとは社会や環境の変化に伴って必要となった新たなスキルの獲得を指します。AIやIoTなど新しい技術が登場し社会のDX化が進む中、そのような環境に対応するために人材の育成を行う必要性が各企業で高まっています。そこで、社員の負担を最小限に留めながらスキルアップをすることができるeラーニングが注目を集めているのです。
05eラーニングのメリット・デメリット

eラーニングのメリット
まず、企業側にとってのメリットについては以下の通りです。
メリット | 内容 |
・平等な学習機会の提供 | ・どこにいても同じ内容の研修が受けられるため、テレワークや時差出勤など、集合研修では対応が難しかった様々な働き方の社員に対応が可能。 |
・研修管理業務の負担軽減 | ・教材配布、受講者への連絡、受講状況といった業務の負担を減らすことができる ・ 学習進捗をオンライン上で一元管理できるため、管理義務の工数を減らし、効率化を図ることが可能 |
・教材の更新が簡単にできる | ・コンテンツ内容に変更があったときの差し替えや最新のものへアップデートなど、素早く対応可能 |
次に受講者側にとってのメリットについては以下の通りです。
メリット | 内容 |
・時間や場所に縛りがない | ・時間や場所にかかわらずいつでもどこでも学習可能 |
・自分のペースで学習を進められる | ・受講前の条件や理解度など自分のペースで自由に学習を進めることが可能 |
・反復学習ができる | ・同じコンテンツを繰り返し利用可能 ・間違えた箇所を重点的に理解できるまで繰り返すことで、効率よく学習できる |
eラーニングのデメリット
また、メリットだけでなく、当然デメリットもあります。企業側にとってのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
デメリット | 内容 |
・受講者のモチベーション維持が難しい | ・学習の進め方が受講者のモチベーションに左右される |
・インターネット環境の確保が必要 | ・受講者側のインターネット環境が不十分な場合、動画コンテンツを視聴することができない |
続いて、受講者側のデメリットについても見ていきましょう。
デメリット | 内容 |
・講師や受講者同士の交流が図れない | ・一方的な受講となるため講師や受講者同士の交流によって、相互理解を深めることが難しい |
・ 実技をともなう研修には適していない | ・個人がもつクセや特性を修正する必要があるため口伝えでは難しい |
デメリットを回避・解決するためのポイント
デメリットはどんなサービス導入にも当然つきものですが、メリット・デメリットを比較する参考として、デメリットを回避するポイントも見ておきましょう。
受講者のモチベーション維持につながる仕組みを作る
モチベーションの管理を受講者個人に任せるのではなく、アドバイザー制度やインセンティブ制度を導入して、成果をフィードバックできる体制を整えることが重要です。アドバイザー制度では、教育担当や研修担当、あるいは上司がアドバイザーになって、定期的な面談を行います。目標達成のために、自分のやりたいこと、自分のできること、自分がやらなければならないことのすり合わせを行うことで、成長を実感しやすくモチベーションの維持につながります。
インセンティブ制度は、個人の成果に応じて報酬を与える制度のことです。具体的には給与に反映したり、好きな商品に交換できるポイントを付与する方法や表彰、昇進・昇格などで評価することで、受講者のモチベーションを上げることに期待できます。インセンティブを与える時期をスキルや資格を取得、あるいはコースの修了時点にすると受講率や修了率を向上させることにもつながります。
一人ひとりに適した学習の提供
そもそもモチベーションが下がるのは、研修内容の難易度が受講者の理解度とマッチしていないということも考えられます。eラーニングでは、学習進捗状況や成績をシステム上で管理できます。 この学習履歴を分析し、各受講者に合った学習の提供ができるようになる学習分析という手法も注目されています。進捗状況やテスト結果をもとに弱点を類推し、それぞれに合ったコンテンツやテストを自動で抽出し、提供できる仕組みも可能です。これによって、受講者に適した研修内容を提供できるようになります。
▼eラーニングサービスとは詳しく知りたい方はこちら▼
【関連記事】eラーニングのメリットとデメリットを学習側と企業側の2つの視点で紹介
06eラーニングの実施に必要なもの
eラーニングを実施するためには、学習管理システム(LMS)・教材・学習環境の3つを準備する必要があります。ここでは、それぞれどのような準備が必要なのかを解説します。
1. 学習管理システム(LMS)
LMS(学習管理システム)とは、eラーニングを実施するためのプラットフォームのことを指し、eラーニングシステムなどと呼ばれることもあります。このLMSの主な機能として以下2つが挙げられます。
- ・受講者と使用教材についての情報管理
- ・受講者の受講状況や学習の成果の管理
1つ目の「受講者と使用教材についての情報管理」とは、受講者の登録や編集を行ったり、使用する教材の更新やあらゆる設定を行うための機能です。これにより、受講者の情報を一元的に管理できるだけでなく、受講目的や学習状況に応じて使う教材を調整することもできます。また、教材のアップデートや登録も簡単に行えるため、受講者に最新の学習環境を提供しやすくなります。
2つ目の「受講者の受講状況や学習の成果の管理」は、受講者の学習の進捗状況や成績を把握できる機能です。受講者一人ひとりが今現在どのあたりまで学習を進めているのかといった学習状況を管理者側が把握することができます。また、テストの成績や合否なども同時に知ることができるため、今後の学習方針を成績を反映したものに更新するなど、受講者にとってより有効な学習のために活かすことができるのです。
LMSを導入することで管理者側はあらゆる情報を統一的に管理できるだけでなく、得た情報を活用して受講者の学習をより充実させることが可能になるのです。また、LMSを使えばプログラム等を作成して情報を管理する必要がないため、その分のコストを大幅に削減できるのも大きなメリットと言えます。
2.教材
コンテンツの種類
eラーニングを実施する上で、教材は受講者の満足度や成長度を左右する重要な要素です。教材コンテンツは大きく分けて次の4種類です。
- 1:写真と文章で構成されたPowerPointの教材
- 2:講義を動画に収録した教材
- 3:学習の成果を図るためのテスト・問題集
- 4:リアルタイムでの配信授業
知識と実践的なスキルをインプットしたい場合は2つの形式を組み合わせるなど、目的に応じて選ぶ必要があります。教材の作成は普通オーサリングツールという編集ソフトウェアを用いますが、近年はLMSに教材作成機能が付いていることもあります。
学習者ごとに合った学習の提供
階層別
階層別の学習では、内定者や新人社員、中堅社員、管理職というように社員を分けて行います。階層ごとに分けることで、身につけるべきスキルや課題に合わせて効果的な研修を行うことができます。 ここでは、階層ごとに研修を行う際の内容例をご紹介します。
階層 | 内容 | 具体的な研修テーマ |
1. 新入社員 | ・基本的なビジネススキル | ・ ・OAスキル(Word/Excel) ・ビジネスマナー研修 ・ロジカルシンキング初級 |
2. 中堅社員研修 | 管理職候補として幅広いスキルの習得 | ・モチベーションマネジメントスキル研修 ・コーチング研修 ・コミュニケーション力向上研修 ・課題発見力向上研修 ・リーダーシップ研修 |
3. 管理職研修 | 新任管理職向け研修と上級管理職向け研修に分けて、スキルの強化 | ・新任マネージャー研修 ・組織マネジメント研修 ・ビジョンマネジメント研修 |
テーマ別
テーマ別の研修の際には職種やポジションによって必要なテーマを選んで実施しましょう。 以下は実際のテーマ例です。
教材の手配の方法
自社作成、外部のものを利用、外部に制作依頼など eラーニングの実施に必要な教材の手配方法は主に次の3つがあります。
- 既製品を購入する
- 教材を自社で作成する
- 外部に作成を依頼する
既製品を購入する場合は会社独自の内容は盛り込めませんが、一定のクオリティを保証できます。ビジネスマナーやPCの使い方など基礎を学ぶ場合、十分な網羅性があります。 教材を自社で作成する場合には教材作成ツールを用いて自社独自の内容を入れて作成しましょう。 外部に作成を依頼する場合は、eラーニングの提供会社に作成を依頼します。コストはかかりますが、簡単に教材を手配することができます。
3. 学習環境の整備
学習支援者の設置
eラーニングを実施する際は、学習支援者(チューター、メンター)を設置しましょう。学習支援者とは、受講者の学習やメンタル面をサポートする人たちを指します。 学習支援者を設置することで、受講者は教材の内容に関する質問をしたり、メンタル面での相談をすることができます。疑問を解消していける環境づくりをすることで受講者のモチベーションを継続させることに繋がるのです。また、学習支援者が受講予定をリマインドすることで受講漏れを防ぐことができます。
モチベーション維持につながる仕組み作り
eラーニングは好きな場所や時間で学べる一方、モチベーションの維持が難しいという難点があります。そのため、受講者のモチベーションを保つ工夫が重要です。具体的な仕組みづくりの方法は以下のとおりです。
施策 | 内容 |
受講者のモチベーションを保ちやすい仕組みづくり | ・受講者の目標や学習の成果を第三者と共有する ・担当者や上司が定期的に受講者と面談を行う ・インセンティブ制度 |
受講者一人ひとりに合った学習環境の提供 | 学習状況や成績を定期的に分析し、それらを反映した学習内容の提供 |
07企業研修としてのeラーニング
また、企業研修としてeラーニングの導入を検討した場合においては、どのような注意点などがあるのでしょうか。
Off JTの必要性
eラーニングを導入する企業が増えていますが、その背景にはOFF-JTの必要性が見直されているということが挙げられます。OFF-JTは職場外研修と訳され、現場以外のところで行われる研修やセミナーのことを指します。OFF-JTの良さには、業務の中で指導できなかったスキルや知識をインプットできる点や、業務に関わる必要な知識を集中的に学ぶことができる点、階層別や職務別に研修を行えるという点があります。
もちろんOJT(職場内研修)にもメリットはありますが、教育の内容や進捗管理、指導の方法などは教育担当者任せになってしまうため、学びにばらつきが生じてしまいがちです。そうしたばらつきをできるだけ防ぐためにもOFF-JTは欠かせないのです。
企業が自社の研修プログラムとしてeラーニングを活用するメリット
しかし、いくらOFF-JTが必要だといっても現場で教育が完結するOJTと比べればOFF-JTを実施するにはさまざまなコストが必要です。コストだけでなく、大勢の社員を一度に集めることで資料作成や調整、研修講師の手配等の手間もあります。eラーニングであれば、大勢の社員を一度に集合させなくてもよく、各々の都合に合わせて受講してもらうことができます。時間や場所を選ばないというeラーニングのメリットは、業務で多忙な社員にとってもメリットと感じられる点です。受講者の進捗も一元化で管理できるため、コストを最小限にできます。
▼eラーニングサービスとは詳しく知りたい方はこちら▼
【関連記事】eラーニング研修で社員育成を加速させるには?無料視聴あり
08eラーニングの導入事例
ここでは実際にeラーニングを導入した企業の事例を紹介していきます。近しい課題を抱えている場合は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
株式会社博報堂・アイスタジオ
広告代理店大手の博報堂グループにおけるデジタルクリエイティブの制作をおこなう株式会社博報堂・アイスタジオでは、社員の自発的なスキルアップを支援する取り組みの一環として、eラーニングを導入しています。eラーニングは、いつでもどこでも学びたいときに学習できるので、自己学習としてエンジニアが始業前に学べたり、育児中の時短勤務でも自宅や通勤途中のスキマ時間などで学ぶことができるなどのメリットがあります。このようなことから、社員の利用率も高く、福利厚生としては社内で1位の利用率でした。
佐野日大高等学校
「自立できる」人材の育成を目指し、栃木県佐野市石塚町にある佐野日大高等学校では、2014年度よりWindowsタブレットを導入しましたが、それに伴いMicrosoft Office製品の活用・WEBコンテンツ作成など、従来の学習コンテンツでは補いきれない分野が発生しました。これらを補うために、生徒向けにeラーニングの導入を実施しています。eラーニングは高校では学ぶことができない専門知識を習得できます。また、授業中の活用だけではありません。同校の放送部はeラーニングを活用し、映像についての学びを深め、「第62回NHK全国高校放送コンテスト、創作テレビドラマ部門」で初出場ながら全国準優勝という結果を残すなど、クラブ活動などでも活用されています。
サントリーホールディングス株式会社
酒類、食品事業をはじめとして、健康食品事業など新規分野にも取り組み、国内に限らずアジア・中国での事業展開やアメリカ・オセアニアにおける飲料ビジネスなど、世界各国で幅広く事業を展開しているサントリーホールディングス。社員の愛社精神が強いことから、外部との接点が弱く、学びの風土が低いことから、eラーニングの導入を実施。導入後は予想以上の利用希望が上がり、社員の学びの機会が増え、人材開発に役立てています。
株式会社PHONE APPLI
Web電話帳クラウドサービス「PHONE APPLI PEOPLE」 を主軸として様々なサービスを展開している株式会社PHONE APPLIでは、新入社員のビジネス基礎力にバラつきがあ理、社内でオンライン研修を実施したものの、領域によってはカバーしづらいものが多く存在していました。そこで、eラーニングツールを導入し、学びの内容を社員間でプレゼンし合う施策を実施。アウトプットまでを目的にした結果、自分自身とは異なる学びの視点を得られ、学習意欲が向上しました。また、新入社員の資料作成スキルやプレゼンスキルも向上し、当初の課題であったビジネス基礎力の一律化を実現することができました。
09Schooが提供するeラーニング
Schooの特徴
講師は業界の最前線で働くトップランナー
Schoo for Businessでは、各業界における第一人者や著名な専門家の方々が多数講師として活躍しており、ビジネス現場での経験に基づいた事例などを具体的に教えています。ケーススタディや実践的なスキルも豊富なので、業務で活用できるスキルが身に付きます。
100種類以上の研修パッケージ
Schooでは階層別、テーマ別に豊富な研修パッケージをご用意しています。研修パッケージを選んですぐに研修を始められるため、コンテンツ選びで迷うことなく、効率的に研修を行うことが可能です。
好奇心を刺激する幅広いコンテンツ領域
各種ビジネススキルのほかマーケティング、プログラミング、デザイン、DX、最先端のビジネス情報まで様々なコンテンツをご用意しています。業務で課題を感じていることや興味を持った分野に合わせて、社員一人一人が学習を進めることができるので、自発的に学ぶ組織づくりを進めたいという場合にもおすすめです。
「研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする
■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

10まとめ
eラーニングはインターネットを利用した学習スタイルのことであり、近年はマルチデバイス対応のeラーニングが普及しています。eラーニングのメリットは、学習の場所や時間を限定されずに学習でき、提供側は、受講者の進捗管理や情報修正がスムーズに行えることです。一方で、デメリットは受講者のモチベーションが維持できなかったり、実技を伴う研修には適していなかったりする点にあります。
また、業務の中で指導できなかったところを補完したり、必要な知識やスキルを集中的に学ばせたりするには、OFF-JTを積極的に取り入れる必要があります。OFF-JTを実施する際、eラーニングであれば、大勢の社員を一度に集合させる必要がなく、各々の都合に合わせて受講させることができるので、近年再注目されている研修手法と言えるでしょう。