データリテラシーとは|必要性や具体的な能力・身につけ方を紹介

我々の日常にはデータがあふれかえっています。ビジネスにおいても日常生活においても情報が飛び交い、その情報の真偽は定かではありません。特にビジネスにおいてはデータ分析の繰り返しです。分析して改善して行動して再度分析してを繰り返し効率的に成長を続けていく必要があります。そんな、日常にあふれる「データ」を正しく理解する能力であるデータリテラシーについて解説します。
- 01.データリテラシーとは?
- 02.データリテラシーの必要性
- 03.データリテラシーで求められる能力
- 04.データリテラシーを高めるメリット
- 05.データリテラシーの身につけ方
- 06.データリテラシー研修|Schoo for Business
- 07.まとめ
01データリテラシーとは?
データリテラシーとは、データを理解し分析、活用できる能力のことを指します。具体的には、データを収集・分析し、それを基に意思決定を行う力や、データの信頼性や限界を評価する力がデータリテラシーです。データに基づいた判断やアクションが求められる現代においては、あらゆる業界で必要なスキルといえるでしょう。
02データリテラシーの必要性
データリテラシーが必要とされる背景にはDXの推進が挙げられます。DXでは、データを活用した意思決定やプロセスの最適化が重要であり、その基盤となるのがデータへの基礎的な理解です。データリテラシーがあることで、従業員はデータを読み取り、分析結果を正しく解釈し、業務に応用できるようになります。したがって、データリテラシーはDX推進にあたって必要なスキルとなるのです。
03データリテラシーで求められる能力
データリテラシーで求められる能力として、次の4つが挙げられます。
- 1:データを読む能力
- 2:データを分析する能力
- 3:データを伝える能力
- 4:データを活用する能力
これらの能力は、データを扱う上で必要不可欠であり、個人や組織がデータを有効に活用し、意思決定や問題解決を行うための基盤となります。データリテラシーを向上させることは、現代のデータ駆動型社会において競争力を持つための重要なスキルの1つです。ここではそれぞれについて詳しく解説していきます。
データを読む能力
データを読む能力とは、提示されたデータを正確に解釈し、その意味を理解する力を指します。具体的にはグラフや統計表を見てトレンドやパターンを把握したり、数値の背後にある現象を読み取ったりする能力です。データを読む能力によって、データが示す情報を迅速かつ正確に捉え、適切な判断を下すための基礎を築くことができます。
データを分析する能力
データを分析する能力は、データを処理し、特定の目的に応じた洞察を導き出す力です。具体的には統計的手法やデータ分析ツールを使用してデータを探索し、パターンや関係性を特定する能力です。データを分析する能力によって、データから意味のある情報を抽出し、問題を理解し、解決策を導くことが可能となります。
データを伝える能力
データを伝える能力とは、分析結果をわかりやすく表現し、効果的に他者へ共有する力です。グラフやダッシュボードを作成し、データに基づいたストーリーを伝えることで、チームや関係者の理解を促進します。データを伝える能力は、データの意味を明確にし、議論や意思決定をスムーズに進める上で重要です。
データを活用する能力
データを活用する能力は、得られたデータや分析結果を実際の業務やプロジェクトに結びつける力です。具体的には、得られた洞察を活かして業務プロセスを改善したり、戦略的な意思決定を下したりすることです。この能力により、データドリブンなアプローチを組織全体で実現することが可能になります。
04データリテラシーを高めるメリット
データリテラシーを高めるメリットとして、次の4つが挙げられます。
- 1:データの重要性を理解できるようになる
- 2:データに基づいた論理的な決断ができる
- 3:データマネジメントが可能になる
- 4:データが共通言語となる
データリテラシーの向上は、組織における意思決定など様々な面において効果が期待されます。それぞれのメリットを具体的に紹介します。
1. データの重要性を理解できるようになる
データリテラシーが向上すると、データが単なる数値や情報ではなく、意思決定や課題解決において極めて重要な役割を果たしていることを認識できます。これによって、組織の方向性や戦略を考える際にデータを活用する土台を築き、意思決定における正確性や信頼性を向上させます。
2. データに基づいた論理的な決断ができる
データリテラシーが向上することで、感覚的な判断ではなく、具体的な数値や分析結果に基づく合理的な決断が可能になります。これにより、リスクを最小限に抑え、成果を最大化する計画が立てられるため、より信頼性の高い意思決定が実現します。
3. データマネジメントが可能になる
データリテラシーの向上によって、データの収集、整理、保管、分析といったデータマネジメントが可能になります。これにより、データの活用効率が向上し、適切なデータを必要なタイミングで活用できる環境を構築することが可能になります。
4. データが共通言語となる
データリテラシーが高まると、組織内でデータが共通言語として機能し、異なる部門や立場の間でもスムーズなコミュニケーションが図れます。データに基づく議論や意思決定が促進され、チーム全体で課題に取り組む一体感を生むことが期待されます。
05データリテラシーの身につけ方
データリテラシーの身につけ方には以下の4つがあります。
- 1:データに関する基礎知識を学ぶ
- 2:統計学でデータを読む力を身につける
- 3:データ分析ツールを積極的に使ってみる
- 4:実践でデータを活用する
データリテラシーを身につけるためには、書籍やオンライン学習サービスを活用して基礎知識を学ぶことが有効です。また、統計学を学び、データを正しく理解する力を養うことも重要です。さらに、習得した知識を実務で積極的に活用することで、理解を一層深めることができます。このような学習と実践を繰り返すことで、データを正確に読み解き、意思決定に活かす能力を身につけることが可能になります。
データに関する基礎知識を学ぶ
データリテラシーを身につけるためには、書籍やオンライン学習サービスを利用して基礎知識を学ぶことが効果的です。これらのリソースでは、統計学の基本、データ分析ツールの使い方、可視化技術などを段階的に学べます。例えば、書籍では専門家の知識を体系的に習得でき、オンライン学習サービスでは実践的な課題や最新の技術動向を効率よく学ぶことができます。自己ペースで学習できるため、初心者から専門家まで幅広く活用可能です。
統計学でデータを読む力を身につける
データリテラシーを身につける際に最初に必要なことは、データを正しく理解することです。そのためにも統計学は有効です。平均値や中央値、最頻値などの数値の違いや特徴が分かれば数値が何を意味しているのか理解できるようになるでしょう。また相関や偏差値なども学べばデータを分析する際に役に立ちます。
データ分析ツールを積極的に使ってみる
データ分析ツールは自動でデータを分かりやすいように分布してくれます。例えばWebサイトの閲覧データを調べるツールにGoogle Analytics 4があります。Google Analytics 4では閲覧者が何人いるのかだけではなく、どこの国からアクセスがあったのか、Webサイト内での行動、どのページで離脱しているのかなど非常に多くのデータが閲覧できます。日頃から分析ツールに慣れておけば新しい事業を始める際にどのデータを集めるべきかが分かるようになるでしょう。
実践でデータを活用する
データを実際に使ってみることは効果的です。例えばスーパーの特売のチラシが配られたとします。特売という文字や値下げ幅に驚き一喜一憂するだけでなく、そのデータを実際に読み解いて、使ってみましょう。他店舗と比べていくら得になるのか、品質と価格は見合っているのか、普段はいくらで売られているのかなど、一つのデータから考えられる考察はさまざまです。
06データリテラシー研修|Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
DX研修では、診断結果から自動で学習内容を推奨してくれる機能だけでなく、実務で使えるスキルを身につける3ヶ月の学習プログラムまで用意しており、組織全体のDXスキルを底上げすることが可能です。
特長1. DXスキルを診断・結果に応じて学習のレコメンド

「DXスキル診断」で社員のDXスキルを可視化することができます。100問ほどの質問に回答することで、社員一人ひとりの強みや課題が明らかになります。
また、この診断結果に基づいて自動で学習コンテンツをレコメンドする機能も備わっています。学習内容は、経産省のデジタルスキル標準に準拠しています。
※DXスキル診断の利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。
特長2. 実践的なDXスキルが学べる

Schooの学習動画では、第一線で活躍するビジネスパーソンが講師を務めています。そのため実践的なスキルが身につく研修を実施することが可能です。
また、データ分析・ITリテラシーなどスキル毎にカリキュラムもご利用いただけます。カリキュラム作成に時間を割く余裕が無いという方でも、簡単に研修を開始できます。
※DXカリキュラムの利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。
特長3.データリテラシーに関するコンテンツ一覧
研修内容 | 時間 |
課題解決の選択が広がる データ活用入門 | 1時間15分 |
非エンジニアのためのIT・AIリテラシー | 1時間35分 |
ゼロから始めるデータリテラシー入門 | 1時間50分 |
いまさら聞けない「データ分析」の歩き方 | 55分 |
ゼロから分かるアクセス解析レポートの作り方 活かし方 | 2時間 |
Schooで学べるデジタルリテラシー〈Schoo Open Campus〉 | 45分 |
データ分析力を磨く‐ 仮説の構築と検証 | 3時間 |
データ活用超入門 必要性と使いどころ | 35分 |
データ活用のお作法【Excel】 | 2時間30分 |
Excelで鍛える統計思考 | 1時間40分 |
AI人材に必要な統計学 | 3時間20分 |
AI人材に必要な高校数学:データ分析・関数・微分・ベクトル・確率 | 2時間30分 |
Rで学ぶデータ分析超入門 | 2時間20分 |
データの読み方入門 | 2時間 |
データから変化を読み解く「示唆出しトレーニング」 | 3時間 |
分析で失敗したくないマーケターのための「データ活用ステップ」 | 3時間 |
データ分析を活かすための「仮説」アプローチ | 2時間 |
“思い込み”を解消する、データ・リテラシーの鍛え方 | 2時間 |
「データ分析人材」になるためには?〜思考フレームワークを学ぶ〜 | 1時間 |
データ分析センスが身につく統計超入門 | 1時間40分 |
四則演算で学ぶ統計 超入門 | 1時間30分 |
文系でもわかる「統計学」超入門 | 2時間 |
ファクトを読み解くためのデータリテラシー | 3時間 |
07まとめ
データリテラシーはもはや社会人としての教養といっても過言ではないでしょう。今後ますますデータが活発に使われていきます。データを分析する能力はAIに取って代わられる可能性もありますが、大切なことはそのデータから何を読み取りどう行動するかを考えられる人間です。数字の羅列に意味を見出すことは人の仕事として今後も必要になるでしょう。これを機にデータリテラシーを学んでみてはいかがでしょうか。
▼【無料】経済産業省が取り組む デジタル人材育成プラットフォーム|ウェビナー見逃し配信中

経済産業省の商務情報政策局 情報技術利用促進課でDXリテラシー標準化の検討会を行っている同課の金杉 祥平氏をお招きし、「経済産業省が取り組むデジタル人材育成プラットフォーム」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。デジタル人材要件の定義や、リスキリングするための構造化された項目、さらに経済産業省で構想している人材育成プラットフォームについてもお話しいただいております。
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登壇者:金杉 祥平様経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課 課長補佐(企画)
2006年に経済産業省に入省。過去には、再生可能エネルギーの推進、家電製品の安全基準の整備、電気事業制度のルール整備、福島第一原子力発電所の廃炉推進に従事し、2021年5月から現職。情報技術利用促進課では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、デジタル人材の育成を推進するため、デジタル知識・能力を身につけるための実践的な学びの場を提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の制度設計を担当。