公開日:2021/04/30
更新日:2022/08/22

ジョブローテーションとは?メリットやデメリット・流れを紹介

ジョブローテーションとは?メリットやデメリット・流れを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事計画に基づいて行われる戦略的人事異動制度であるジョブローテーション。そんなジョブローテーションにはメリットもあればデメリットもあります。この記事では長所・短所とあわせて、ジョブローテーションのフローを紹介しています。ジョブローテーションが向いている業界についても理解できるはずです。

 

01ジョブローテーションとは

ジョブローテーションとは、社員の能力開発のために、人事計画に基づいて行われる戦略的人事異動制度のことです。さまざまな場所で経験を積んでもらうことで、社員のスキルアップや知識の充実、さらにはお互いの仕事をカバーできる体制や組織風土をつくることを狙いとおり、対象になるのは新卒社員や幹部候補などがあげられます。 本ページではジョブローテーションのメリット・デメリットや、成功事例を挙げながら、制度運用を成功させるためのポイントを解説します。

 

02ジョブローテーションのメリット

まずはジョブローテーションのメリットから見ていきます。 仕事の効率化や離職の抑制、人材育成、適材適所の実現、社内コミュニケーションの活性化、社員のモチベーション維持など、近年起こりつつあるさまざまな企業課題に対し、対応策となるべき可能性を秘めてるジョブローテーションのその効果と導入のメリットについて解説します。

メリット1:さまざまな業務を担当することで適性がわかる

社員はジョブローテーションを通じてさまざまな職種を経験することで、「自分はどういうことができるのか」「どういう仕事をしたいと思うのか」など、自分自身の適性や興味を発見することができます。 また、人事担当者もその社員がどこの部署に適しており、どんな能力を持っているのか、社員の適性を見極めることができ、人材配置のための大切な判断材料を手に入れることも可能です。

メリット2:他部署とのコミュニケーションが図れる

いつも同じ部署内かつ同じメンバーで働くことになると、普段接する相手が同じ部署の社員や同期など限られたメンバーになりがちです。それもジョブローテーションによって人員入れ替えを頻繁に行うことで、部署間の垣根がなくなり交流が活発になります。 社内のネットワークを広げることで、他部署と合同のプロジェクトが円滑に進む効果を期待でき、仕事がしやすくなる環境を整えられます。

メリット3:業務のマンネリ化やモチベーションの低下を防ぐ

ジョブローテーションを行い、新たな学びの機会を得ることで、担当業務に対してのマンネリ化を防いで社員のモチベーションアップにつなげることができます。「いつもとは違う人と、何かを一緒に行う機会」を与えることで、緊張感を持って仕事に取り組むことができるはずです。

 

03ジョブローテーションのデメリット

一方で、人材を一定期間で動かしていくジョブローテーションには、いくつかのデメリットがあります。「社員のモチベーションやスキルアップに本当に効果があるのだろうか」「正しい運用の仕方がわからない」このようなことを考え、導入を悩んでしまうことはありませんか?効果的な運用には改めて理解を深めることも重要となりますのでここからはデメリットについても詳しく解説します。

デメリット1:自分に合わない仕事を任されることも

ジョブローテーションでは、自分の希望していない業務であっても一定期間行わなければなりません。特定の仕事を希望して入社する企業を決めた社員や、専門性を追求したいと考える社員にとっては、回り道をしていると感じることもあるようです。 そのような不満によって発生しうる社員のモチベーション低下や退職などのリスク対策として、企業側は配属後、しばらくジョブローテーションの対象社員に注意する必要があります。

デメリット2:業務への責任感が希薄になることもある

ジョブローテーションは基本的に一定期間を経て、次の仕事へサイクルする流れとなっています。そのため、対象者が新しい業務に対して「どうせ異動してしまうから」と消極的な姿勢になってしまうおそれがあります。 そのような問題を発生させないためにも、あらかじめジョブローテーションの目的を十分に説明しておく必要があるのです。

デメリット3:引継ぎがうまくいかない可能性がある

業務内容の異なる職場への異動の直後は、新しい業務に慣れるまでの時間がかかり、周囲も指導に時間が取られます。引継ぎ内容の把握と部署に入ってくる新人の育成を部署のマネージャーやチーム長がすべて担当しているケースも少なくありません。そのような場合、マネージャーやチーム長への業務負担が大きくなります。 また、引き継ぎの進捗次第では、業務が停滞してしまうことも考えられ、一時的に生産性が低下する可能性があります。 引継ぎのフォローアップ業務は、あらかじめマニュアル作成するなどして、サポート体制を整えておくことが重要です。

デメリット4:スペシャリストが育ちにくい

ジョブローテーションはジェネラリストが育つ反面、スペシャリストが育たないとも言われています。 一定期間で業務内容が変わってしまうので、その分野に特化した「スペシャリスト」の教育の育成には適さない場合もあります。スペシャリストの育成が人事課題であれば、ジョブローテーションは避けたほうが無難です。

 

04ジョブローテーションが向いている業種と職種

ジョブローテーションの実施には、メリット・デメリットがそれぞれあるものの、業種や職種によっては積極的に導入するべきケースもあります。どういった業種や職種に向いているのか、その例をご紹介します。

大手企業

基本的にジョブローテーションが向いているのは、新卒採用を実施していて、終身雇用を前提としている大きな会社です。 従業員数が多い分、同じような職種や役職・ステージの人が多いため、異動やチームなどの計画を組みやすいといます。また、人材交流を積極的に行うことで、新たなアイデアや業務改善案が生まれやすくなります。

製造業

製造業のように各部署で行う業務の関連性が高く、複数の作業が連動している業態では、社員が工程の前後を知ることで、円滑に業務をまわせるようになります。

金融業

幅広い知識が必要となる金融業にもジョブローテーションは有効です。多くの部署を経験することで、その場において的確な判断ができる人材を育成することができます。

 

05ジョブローテーション不向きな業種・職種

ジョブローテーションは短期的な効果が出づらいことやスペシャリストの育成には向いていないことから、導入によるメリットを感じづらい業種・職種も存在します。ジョブローテーション導入が向いていない業種・企業は以下の通りです。

中小企業やスタートアップ・ベンチャー企業

ジョブローテーションは、少数精鋭体制の企業にはあまり向いていません。 小規模の体制にジョブローテーション制度を導入することで、業務が回らなくなってしまう恐れがあるからです。人員が限られている中小企業・スタートアップ企業ではジョブローテーションを導入するメリットは小さく、むしろデメリットのほうが大きくなるおそれがあります。

情報通信業

ジョブローテーションは一定期間で部署が変わるという性質上、専門分野に特化したスペシャリストには適しません。そのため専門性が高く、技術の習得に長い年月を要する情報通信業の場合、半年から数年で職場を変わるジョブローテーションは不向きと考えられます。

 

06ジョブローテーションの一般的なフロー

ここからはジョブローテーションの一般的なフローを順を追ってご説明します。ジョブローテーションを成功に導くためには、実施までに入念な準備が必要となります。効率よくジョブローテーションを行うためのヒントとなりますのでご参照下さい。

対象者と配属先の決定

まずは年齢や社歴、本人のキャリアの志向性を確認して、対象者を選定します。 対象者の選定にあたって最も重要なことは、対象者が「どのようなキャリアを形成したいのか」を把握することです。ここで双方の認識のズレが出てしまうと、モチベーションの低下や退職のリスクが出てしまうため、しっかりとカウンセリングをするようにしてください。 ジョブローテーションを効果的に進めるにあたって、もうひとつ重要なのは、候補者に合った配属先を選ぶことです。対象者のキャリアプランや性格、どの部署で人員を必要としているかなどを慎重に考慮したうえで、配属先を決定します。

実施期間と目的の設定

対象者と配属先が決定したら、実施期間と具体的な目標を設定しますが、これはジョブローテーションを実施する目的を踏まえたうえで考慮することをおすすめします。

実施

対象者・受け入れ側双方の了承と、スタートにあたって必要な準備が整ったら、ジョブローテーションを実施します。実施中は目標の進捗状況やスキル取得状況などを都度確認してください。また、実施者がモチベーションを低下することなく十分なパフォーマンスを発揮できるように、定期的にフォローをすることも大切です。

次の部署への異動

あらかじめ決めていた実施期間が終了したら、次の部署へ異動します。本人のキャリアブランや年齢の他、異動した先で得たスキルや経験なども考慮したうえで、新たな配属先を決定します。

 

07ジョブローテーションの成功事例

ジョブローテーションに成功している企業は、実際にどのような仕組みを取り入れているのか。ここからは代表的な2社の成功事例を紹介します。

ヤマト運輸

ヤマト運輸では、新入社員研修の一環としてジョブローテーションをカリキュラムに取り入れています。入社後2年間は配送物の集配や配送サポート、営業といった、いわゆる現場での実務を経験したのち本社などへキャリアを積んでいくケースが多いようです。 同社では、さまざまな業務を経験することで「仕事のつながり」の大切さを学ぶことを目的としています。そのため、社員自身が自分が今行っている仕事が何に影響し、どういう効果をもたらすのかを理解できるジョブローテーション制度を採用しています。

<参照>ヤマト運輸株式会社:現場の力で若手社員が育つ「ジョブローテーション制度」 リンク

富士フィルムホールディングス

富士フイルムホールディングスも、入社後3年間は「仕事力の基盤と自立的な行動姿勢を確かなものにする時期」と定義して、新入社員を対象にジョブローテーション制度を導入しています。 「自分の価値」と「仕事の価値」の両軸を高めていける自立型人材の育成を目的に、ビジネスマナーをはじめ、各業務が求めるノウハウやスキルの習得・特定分野の技術や知識を追求する姿勢など、従業員として必要なことを学びます。人材育成を大変重視した富士フィルムホールディングならではの、戦略的なジョブローテーションとなっています。

<参照>人材育成と働き方 | 富士フイルム - Fujifilm リンク

 

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指示待ち部下が自ら考え動き出す!

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担当講師:大平 信孝先生
目標実現の専門家 メンタルコーチ

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。 第一線で活躍するリーダーのためのメンタルコーチ。 目標実現の専門家。中央大学卒業。長野県出身。 脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。 その卓越したアプローチによって、これまで1万人以上のリーダーの人材育成に関する悩みを解決してきたほか、経営者、オリンピック出場選手、トップモデル、ベストセラー作家、ビジネスリーダーなど各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。 その功績が話題となり、各種メディアからの依頼が続出している。 リーダー向けの企業研修やパーソナルコーチングは、現在3カ月待ちとなっている。 さらに2018年からは年間セミナーである「行動イノベーションアカデミー」を運営。 「行動イノベーション・メソッド」により業績を上げる人に留まらず、人間関係や心身の健康にも効果を実感する人が続出。 数多くのリーダーに、研修、講演、個人サポートを提供している。 これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。 8冊の著作の累計発行部数は18万部を超え、中国、台湾、韓国など海外でも広く翻訳されている。 おもな著書に、『本気で変わりたい人の行動イノベーション』( だいわ文庫)、『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)「指示待ち部下が自ら考え動き出す!」(かんき出版)などがある。 日刊メルマガ「行動イノベーション365・ネクストステージを目指す! 行動のヒント」を毎日配信中!

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この授業では「決算情報から、企業を研究する方法を学び、事業・戦略・財務などを読み解く力」を解説します。

 
担当講師:野添 雄介先生
株式会社ストレイナー 代表取締役CEO

2014年にDeNA入社。フィンテックベンチャーを経てStockclip株式会社(現・株式会社ストレイナー)を創業。「経済情報をもっとシンプルに」をミッションに掲げ、決算資料を中心とした"ファクト情報"を中心に社会のトレンドを考える経済メディア『Strainer』を運営。

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アイデア量産の思考法

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本授業は、努力しているのにアイデアが浮かばない人のために新しいマーケティング手法の1つである「新奇事象」を通じて「アイデアの種」をゲットしてもらう授業です。

 
担当講師:松本 健太郎先生
株式会社JX通信社

1984年生まれ。龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で"学び直し"。 その後、株式会社デコムなどでデジタルマーケティング、消費者インサイト等の業務に携わり、現在は「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーJX通信社にてマーケティング全般を担当している。 政治、経済、文化など、さまざまなデータをデジタル化し、分析・予測することを得意とし、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌にも登場している。 ◇主な著書 「なぜ「つい買ってしまう」のか?~「人を動かす隠れた心理」の見つけ方~」(光文社)2019 「誤解だらけの人工知能」(光文社)2018 「データサイエンス「超」入門 嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい」(毎日新聞出版)2018

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3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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09まとめ

働き方改革で仕事の効率化が叫ばれる昨今において、人材を最大限に活かす方策としてジョブローテーションに期待が集まっています。 人材育成計画に基づいた計画的人事異動であるジョブローテーションは、人材の適正配置に向けた人事の人材把握や、社員の個々の能力を最大限引き出すなど様々なメリットを得ることができます。 しかし、闇雲に導入をしてしまうと社員の退職やパフォーマンス低下につながってしまうことも。今回ご紹介したジョブローテーションのメリットやデメリット、導入時の注意点を踏まえたうえで効果的な導入を行い、企業の成長につなげましょう。

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