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リテンションとは?人材の流出を防ぐための施策と効果的な手法を解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/05/27
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リテンションとは?人材の流出を防ぐための施策と効果的な手法を解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リテンションとは、人事領域で「人材の流出防止」という意味で使われる場合と、マーケティング用語で「既存顧客との関係維持」という意味で使われる場合があります。本記事では人事領域での意味に絞って解説を行います。 人材の流出を防ぐために効果的な施策もご紹介します。

 

リテンションとは?

リテンションの本来の意味は「維持、保持」です。人事領域では、人材の流出防止という意味で使用される言葉で、従業員の離職対策のことをリテンションマネジメントと呼びます。具体的には待遇の改善、能力開発、キャリアプランニングなど、「働きやすさ」「働きがい」を向上するための施策を行うことで人材の流出を防ぎます。

今リテンションが求められる社会的背景

少子高齢化による人材不足によって、リテンションの必要性が高まっています。日本における人材不足は深刻化しており、現段階ですでに多くの企業が従業員が不足していると回答しています。それを裏付けるように、2018年度の人手不足倒産は169件であり、2013年の45件と比べると4倍近くに膨れ上がっています。
参考:帝国データバンク 人手不足倒産の動向調査

転職市場の活性化によって人材の流動化も起こっており、離職率の改善も重要な課題です。離職率が高くなることで、業務の停滞、顧客や企業ノウハウの流出などの懸念もありますが、新たな社員の補充・育成に莫大なコストがかかることも問題です。人材不足が慢性化している現代において社員の採用コストは年々上がっており、2018年で平均774万円で、2014年の353万円と比べてこちらも2倍以上の上昇となっています。
参考:engage 採用コストの平均相場や推移は?気になる数字を徹底解説!

リテンションに投資することは従業員のモチベーション向上やスキル向上につながるだけでなく、離職率を下げ、ひいては採用コストを抑えることも可能になるため、今注目が集まっているのです。

リテンションの目的を設定する

ひとことで人材の流出を防ぐと言っても、目的はさまざまです。やみくもに労働環境を改善するだけでは「働きがい」を重視する優秀層の人材は流出し、「働きやすさ」だけを求めるぶら下がり層の定着を招いてしまうことにもつながりかねません。リテンションの目的を設定するためには、自社の現状を把握している必要があります。優秀な人材が辞めていってしまうのか、それとも新人の定着率が低いのか。退職理由は「働きやすさ」が問題なのか「働きがい」が問題なのか。若手が辞めていくのか、中堅社員が辞めていくのか。自社の状況によって目標設定と施策は異なります。自社で離職率の高い層を見極め、なおかつ辞めてほしくない層を特定することが大切です。

 

リテンションを強化することによるメリット

離職率を下げることで大幅なコストカットができる

前述のとおり、人材が流出すると莫大なコストがかかってしまいます。適切なリテンションマネジメントを導入して離職率を下げることで、コストカットできる可能性があります。具体的には、採用・研修費の削減、従業員のモチベーションの向上、良好な人間関係の構築、情報漏洩の防止、生産性の向上などの効果が期待できます。

従業員のスキル向上

リテンションマネジメントには、従業員のスキルアップ・キャリア形成を行うことで自社に留める方法があります。優秀な人材であればあるほど、「よりスキルアップを目指せる会社に転職したい」など前向きな退職が多くなるためです。 そんな優秀な社員を流出させないためにも、キャリア形成やスキルの向上を目指す施策は非常に有効です。 働きがい・成長環境のある会社を作ることは、離職率を低下させるだけでなく従業員の生産性・スキル向上にも寄与します。

 

リテンションを強化することによるデメリット

導入にコストと労力がかかる

リテンションの具体的な施策は後述しますが、どれもコストと労力がかかります。労働環境を改善しようにも、ただ「残業禁止」を掲げるだけでは実現できません。新たに人員を採用する必要がある場合や、人事部や役職者の業務が増える場合もあります。 人材確保等支援助成金という、離職率を下げる施策が成果を上げた際に支給される助成金があります。このような助成金を活用し、コストを最小限に抑えるなどの対策を行いましょう。

効果に即効性はない

離職率の低下や人材の成長は、一朝一夕で成果が上がるものではありません。むしろ新たな施策を導入したことで業務量が増え、ストレスを感じて、離職率が一時的に上がることも考えられます。 ワークライフバランスを整える施策を導入したら、「もっと働きたい」と思っている人材には好ましくないでしょう。キャリアアップの支援を導入したら、「今のままでいい」と思っている人材は鬱陶しく感じるかもしれません。 変えるということはそれだけリスクがあり、なおかつ今すぐに効果が出るものではありません。最低でも1年間は効果が出ないと考えておきましょう。

 

失敗しないリテンションマネジメントの施策と活用方

リテンションマネジメントにはさまざまな施策があります。しかし万能な施策はなく、「働きがい」と「働きやすさ」の両方を同時に向上させることも困難です。 加えて、新しい施策の導入ばかりに目を向けるのではなく、現状の改善を行うことも重要です。

ワークライフバランスを整える

仕事とプライベートのバランスを保つことで、安定的に働きやすい職場を実現しましょう。例えば、出産や育児などで休業を余儀なくされる従業員の環境を整備するなどが挙げられます。休業後の復帰を促し、離職率の低下につなげるためには有効な施策です。 また、昨今多くの企業で副業の解禁、テレワークの導入など働き方の多様化に対応した施策も導入されています。さまざまな働き方を認めることは、多くの従業員にとってメリットがあります。かつ多様な働き方を認めることで、さまざまな状況の求職者からの応募も期待できます。ワークライフバランスを整え、従業員のプライベートを充実したものにすることは、現代の社会的要求にあっているとも言えるでしょう。 しかし「働きやすさ」だけを重視する施策には、ぶら下がり社員を生む危険性もあります。すべての社員の離職率を下げたい場合には有効ですが、従業員一人一人の生産性の向上という観点から見るとデメリットがあります。 さらに、どんな環境であれ人は必ず慣れてしまいます。導入当初は満足度が上がったとしても、1年も経たないうちに効果は薄まっていきます。継続して施策の効果を確認したり、従業員と相談しながら施策の微調整を続けていく必要もあるのです。

従業員のスキル・キャリアアップを支援する

従業員の成長意欲を向上させることは、離職率を低下させられるだけでなく、生産性の向上にもつながります。具体的にはセルフキャリアドック制度の導入などが有効です。セルフ・キャリアドックとは、企業がキャリアコンサルティング面談と研修により、従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を目的として導入される取り組みです。

国がセルフ・キャリアドック導入を支援しており、人材開発支援助成金により研修費用の助成も積極的に行っています。従業員のキャリア目標を明確にすることは離職率低減に効果があり、成長意欲の高い人材が定着する・集まりやすいというメリットもあります。もちろん社内には一定数「今のままでいい」という人材もいます。そのような人材にとって仕事や手間を増やされることは不満につながってしまうでしょう。加えて、キャリアコンサルティング面談を実施するには人員が必要で、面談員の育成にもコストがかかります。人材開発支援助成金によってコストを軽減することが可能ですが、時間と費用というコストがかかってしまう点は覚えておきましょう。

職場の労働環境の整備

労働環境の改善・整備とひとことで言っても、いくつか施策があります。労働安全衛生法で定められている労働環境要因は、「気候的条件」「物理的条件」「科学的条件」の3つあります。気候的条件とは、職場で体感する気温や湿度などです。気候的な条件による不快感は健康に悪影響を与えます。物理的条件とは、証明、色彩、振動等です。物理的な条件による不快感が常態化すると健康に悪影響があります。科学的条件とは、ガス、蒸気、匂いなどです。目に見えない気体が不快感を感じさせることがあります。目に見えない物質による不快感は、健康被害以外に恐怖心をも与えてしまいます。

上記に追加して、「通勤環境」も大きな影響を与えます。通勤時間が長いと従業員の幸福度や心身の健康にマイナスの影響が出てしまうでしょう。社内の労働環境の整備には、コストがかかります。しかし、一度コストをかけて投資するだけで長い期間効果が持続し、しかも即効性もある施策です。通勤時間に関しても、テレワークや時差出勤などを導入することで従業員の健康上のマイナスを抑えることが可能です。新しい施策を導入することを考えることも重要ですが、現状のマイナス要因に目を向けて改善することも大切です。

人間関係の構築と正常化

実は、労働環境やキャリア形成よりも、人間関係が原因の離職のほうが多いのです。ある調査では、退職理由の本音ランキングで1位と3位に人間関係上のトラブルがランクインしており、全体の43%の人が人間関係で退職しているというデータが出ています。

参考:リクナビNEXT 転職理由と退職理由の本音ランキングBEST10

人間関係上のトラブルは生産性の低下を生むだけでなく、心身のストレスや不調にもつながる重要な問題です。パワハラ・セクハラに関する問題は表面的には分かりづらい厄介な問題でもあります。日常的なハラスメントは時間をかけて少しずつ従業員の心をむしばんでいき、気づいたら取り返しがつかない事態になりがちです。対策として、メンタルヘルスケアを導入する、社員アンケートを実施する、社内コミュニケーションを推進する、他部門への異動や他部門との交流を定期的に行う、などが挙げられます。これらを実施することで問題が浮き彫りになり、解消への一手となります。

人間関係の悪化は非常に根深い問題です。いくらキャリア形成に投資をしても、ワークライフバランスを整えたとしても、根本部分にマイナス感情がはびこっている状態であれば、期待している効果を発揮することはありません。時間とコストがかかりますが、人間関係の問題が根底にあるなら、一番に対処すべきでしょう。

 

自社に合ったリテンションの導入を検討する

これまで述べてきたようにさまざまな施策が存在しますが、企業の目的や現状によって最適な施策は異なります。まずは社内の現状把握をすることが大切です。社内アンケートや面談を通してデータを集めましょう。過去の退職者の退職理由や、退職者の年齢・性別・退職理由などのデータを集めることでも、自社の問題点を浮き彫りにできます。

そしてデータを集めたら、それらの分析を元に目標を設定しましょう。例えば退職する理由が「よりキャリアアップしたい環境を求めて」が多数を占めていて、アンケート結果から待遇面での不満がないという結果が出たとします。そのうえでさらにワークライフバランスを改善する施策を講じると、ぶら下がり社員が増え、優秀な人材の流出にもつながってしまうかもしれません。

誰に残ってほしいのか、しっかり目標を設定して、ときには業務量が増えてでも新しい施策を導入することも必要です。最後に、社内に会社が目指す目標や方向性を浸透させましょう。新しい施策を導入することで社員は不安を感じます。導入する目的やビジョンを共有して理解してもらうことで、社員のエンゲージメントを向上させることがリテンションマネジメントの成功につながります。

 

まとめ

ここまで、リテンションについてご紹介してきました。離職率は企業にとって非常に重大な問題です。ただ離職率を下げるだけではなく、狙った効果を発揮できるように、長期的なスパンで目標と達成度合いを管理することが重要です。 今後、少子高齢化がより進んでいくため、リテンションに投資をするのは早ければ早いほどいいでしょう。人材が定着し、応募者が集まりやすいことは今後の経営に欠かせない要素となります。 社内の環境を一度見直してみてはいかがでしょうか。

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