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なぜ人事評価には不満が生まれるのか?基礎から課題、活用法まで解説

公開日:2021/05/28
更新日:2021/05/31
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なぜ人事評価には不満が生まれるのか?基礎から課題、活用法まで解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

組織の成長や目標達成、人材育成の観点から人事評価制度の見直しを検討することもあるかもしれません。これから初めて人事評価を正式に制定する、という比較的若い企業の方もいるでしょう。どうすれば従業員の不満を減らし、目的達成につながる制度を制定できるのでしょうか。本記事では人事評価制度の目的を踏まえたうえで、その基礎から制度が抱える課題、そして解決策を解説します。

 

人事評価とは?

「人事評価」とは、評価項目を設けてその項目に従って従業員を評価する人事・人材管理手法のことです。人事評価は、従業員本人と上長・人事などを交えてオープンに評価され、その結果も従業員本人に知らされることがほとんどです。 似た言葉として「人事考課」が挙げられます。人事考課は、本人不在の閉じた場で運用され、考課結果は会社役員や上長までしか公開されないことが多いでしょう。 とはいえ、それほど大きな違いはなく、会社によっては同じ意味で使っていることもあります。それほど違いを意識しなくても良いのではないでしょうか。本記事ではすべて、「人事評価」として統一して解説していきます。

一律で社員を評価するために制度化が必要

明確な基準がなければ社員を一律に評価することができず、不公平や不満感を生み、納得感の薄い評価結果となってしまうでしょう。 会社が組織として確立・成長してくるにつれ、給与体系や職位・職権範囲を明確化する必要が生じます。それらの一環として、評価基準も曖昧なものではなく、明文化・明確化した「人事評価制度」が必要となるのです。

能力・業績・情意の3種により評価することが一般的

人事評価は、主に下記の3種の要素から成り立っています。

 
  • ・保有スキルを評価=能力評価
  • ・成果や業績を評価=業績評価
  • ・勤務態度を評価=情意評価

能力評価は、発揮できる職種か否かに関わらず、保有しているスキルやポテンシャルも含めて評価します。会社や組織の基準に従って、どのようなスキルがあれば評価するかを決めます。 業績評価は、営業成績や個人の売り上げ、制作物の数や質などを評価します。こちらも、組織の基準に従ってどのような数値であれば程度評価するかを決めます。 情意評価は、勤務態度や意欲、組織への協力、普段の行動などを評価します。どのような態度や姿勢を評価するかも組織によって異なるため、自社が何を重視するかによって評価内容や基準を決定します。

 

人事評価制度を適用することのメリット

人事評価を制度化し、適用するにはどのようなメリットがあるのでしょうか。この項では、大きく3つに分けて解説していきます。

評価・等級(職位)・報酬(給与)は切り離せない関係にある

そもそも人事制度は、「評価」「等級(職位)」「報酬(給与)」の3種を柱に考えられています。 等級によって報酬が決められており、評価によって等級が決められます。また、等級によって評価基準は変わり、評価の度合によっては賞与額が増減します。 正確かつ公正な人事制度を運用するためには、人事評価の設定は不可欠なのです。

行動指針を示し組織のビジョンを浸透させられる

人事評価を設定することは、どのような行動・能力・態度を高く評価するかを全社に周知することでもあります。これにより従業員全員に組織の行動指針を示し、目指すビジョンやミッションを浸透させることができます。すなわち、組織のカルチャーを醸成するために活用できるのです。

人材育成・人材配置・配置転換に活用できる

適切な評価を行うことで、社内人材がもつスキルを可視化・棚卸することにもつながります。これにより、社内には現在どのような能力・職能をもつ人材がいるのか、何が社内に足りないのかを把握することができ、その後の人材育成や採用活動を行いやすくなるでしょう。 また、従業員の人材配置やローテーション、配置転換をする際の指針としても活用できます。もちろん、従業員個人がもつ希望や必要な育成などに対応させ、個別に人材育成をするためにも利用できます。 組織全体の人的リソースを適切に運用するためにも、人材評価は有用なのです。

 

人事評価制度が抱える課題とは?

ここまではメリットを見てきましたが、人事評価を導入するには課題もあります。導入や改修に際し、課題についてもあらかじめ確認しておきましょう。

行動指針に合わない人材の採用率・定着率が下がる

前項では、「行動指針の浸透に役立つ」とお伝えしました。そのメリットが、そのままデメリットとして作用してしまうことがあります。行動指針に合わない人材の採用率・定着率が下がってしまう可能性があるのです。 採用率については、採用担当側が自社の行動指針に沿った採用活動を行うため、行動指針に合わない候補者を採用しないことは当然とも言えるでしょう。 問題は、すでに社内で活躍している人材の離職を促すことにつながってしまう可能性もあることです。行動指針に合わないと気づいた優秀な社員が辞めてしまうことは、短期的に考えれば痛手となることは間違いありません。

能力・業績・情意のいずれかに不足がある社員に不満が溜まりやすい

評価の3種の要素のうち、どれかが不足している社員、特に一つだけに不足がある社員に不満が溜まりやすくなってしまう、という点も課題です。 ・能力は高く業績も上げているが、勤務態度や協力姿勢に問題がある社員 ・能力もあり態度も十分だが、運悪く業績が上がらなかった社員 ・情意も十分で業績も上げているが、不足している能力がある社員 上記のような社員に、特に不満が溜まってしまいます。 二つ以上の項目で不足があるなら、社員本人も納得できるかもしれません。ですがほかの項目で優秀な結果を残している社員の場合、足を引っ張っている一つの項目のせいで全体的な評価が下がってしまうことに不満を感じやすいのです。

頻繁に変更できず制定にはコストがかかる

人事評価制度を制定することは、社内の綱紀の面でも重大な事態です。給与体系や等級・職種・職位・職務範囲の見直しも必要となります。決して、一朝一夕で制定できるようなものではありません。ヒアリングや試算、今後の会社の成長プランなど、さまざまな要素を考え合わせる必要があります。時間的にも体力的にも作業工数的にも、膨大なコストが必要となります。 また一度制定して発効した場合、簡単に変更することは難しくなります。数か月、場合によっては数年単位で「どのように自己成長していくか」「どのように部下を育成するか」といった決定にも関わるためです。特に長期的な視野でスキルを習得していく技術系・専門スキル系の職種においては、半期ごとなどに評価制度を変えると大きな不満を招く恐れがあります。 PDCAを高速で回すタイプのフレームワークを、人事評価制度に対して適用することは厳禁なのです。

 

人事評価の課題を解決するには

前項で挙げた課題は、どのように解決すれば良いのでしょうか。以下に4つの解決策を挙げているので、確認してみてください。

例外を受け入れる制度を別途用意する

本来、人事評価制度は社員全員に一律に適用し、公平に評価するための制度です。ですがどうしても、画一的な制度は例外に弱くなってしまいます。 ・評価基準として組み込んでいないスキルにおいて、非常に高いスキルをもつ社員がいる ・計画も手法も完璧だったが、感染症の影響で流通が滞り業績が落ち込んだ ・家族の不調が重なり、業務に集中できない期間が続いた 上記のような例が考えられます。 解決策の一つとして、例外を受け入れる制度をあらかじめ作っておくことが挙げられます。これはスキル(能力評価)以外についても同様です。 ・流通事故や国際情勢の変化など、特別な事情や不測の事態を考慮する ・業績評価は結果だけでなく、計画や契約段階などの途中経過も細分化して評価する ・評価できないスキルに関しては、能力評価とは別の軸で評価する(情意=意欲面として評価する、など) ・今期だけでなく、過去の情意評価も検討項目に入れる 上記のような評価手法をあらかじめ組み込んでおくことで、例外的な事態にも柔軟に対応できる可能性が高まります。

評価制度の評価を行い微調整する

制度を運用するなかで、当初の想定と違っていたことが発覚するのもよくあることです。誤った制度のまま進めてしまうと誤った行動指針が浸透してしまい、思うような組織運営ができない可能性があります。 そのため「評価制度自体の評価」は、必ず定期的に行わなければなりません。 ですが、人事評価制度を一度制定したあと、再び制定し直すのは難しいとお伝えしました。誤りがあった場合はどのように解消すればいいのでしょうか。そんなときにオススメするのが、大きく変えるのではなく、一部分のみに微調整を行うことです。 例えば能力評価において、不要であることが発覚したスキルがあったとします。それを突然、能力評価から無くしてしまうのではなく、今期は必要だと発覚した新しいスキルを評価軸に入れ、来期から不要なスキルを評価から外すといった形で、段階的に調整を行います。 このような微調整を繰り返すことで、最終的に最適な制度にすることができます。

心理的安全性の確保を行う

評価結果と個人の人格を結びつけるのは、絶対にNGです。ハラスメントにもなってしまいかねません。人事評価を行う際には、被評価者の人格を守るような評価制度、システムにする必要があります。 情意評価を行う場合には、特に注意が必要です。情意評価が低評価だった被評価者は、「勤務態度が悪い」のではありません。「この評価軸だと、高い評価ではない」のです。 被評価者の個人の思想に配慮しつつ人格を守ることと、そのうえで低い評価を行うことは矛盾するものではありません。評価結果の伝え方や表示の仕方、事前・事後の面談などでフォローすることも可能です。 このような手法で適切に心理的安全性を確保することで、モチベーション向上も期待できます。前述した能力・業績・情意のいずれかに不足がある社員に不満が溜まりやすい、という課題も、心理的安全性の確保によって多少は緩和することが可能です。

優秀だが行動指針に合わない人材は引き止めない

例外を受け入れた上で、それでも組織の行動指針に合わない方については、残念ですがどれだけ優秀でもお互いのために引き止めるべきではないでしょう。 そもそも組織カルチャーに合っていないのであれば、働いている当人にとっても苦痛が生じているのではないでしょうか。そのような社員と組織の不一致を見極めるためにも、人事評価制度は機能します。

 

まとめ

人事評価について、基礎のおさらいから導入メリットと課題、そして課題の解決策まで解説してきました。人事評価制度を導入するタイミングや刷新するタイミングは、組織の規模やカルチャーによっても変化するため、一律に決めることはできません。 ですが人事評価がもつ意味や手法について理解することで、最適な時期に最適な評価内容を導入または改善することができるようになるはずです。そして適切な人事評価は、組織をより強固なものにしていくでしょう。

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