公開日:2021/05/28
更新日:2024/03/24

適性検査とは?採用活動で行われる適性検査とポイントを紹介

適性検査とは?採用活動で行われる適性検査とポイントを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

適性検査とは、採用活動をする際に行われる、応募者の素質や自社への適性を測る検査です。適性検査を通じて面接だけではわからない、応募者の特性や基礎能力について、知ることができます。記事では適性検査の種類とともに、実施するときの注意点について紹介します。

 

01適性検査とは?

適性検査とは、一般的に筆記試験や面接試験ではわからない、応募者が企業側の職務にどれくらいの適性があるのかを調べるものです。具体的には、応募者の学力だけでなく、価値観や意欲、そして素質について、検査を通して見極めることができます。 そのため、単純に適正検査の得点が高ければ、良いというものではありません。 職場での雰囲気に合っているか、社風と合わずミスマッチにならないか、また職場での活躍が期待できるかを判断しなければなりません。 そのような適性検査は大きく分けて能力検査と性格検査のふたつが存在します。ここでは、それぞれの特徴を解説していきます。

能力検査

能力検査は、どの企業でも求められる「知的能力」を測定するテストです。代表的なものとしては、リクルートが提供しているSPI試験が挙げられます。内容としては基礎学力と思考力を問うものがほとんどです。応募者がこれまでの人生でどれだけ学習してきたか、発想に柔軟性はあるのか、また判断力の有無を知ることができます。

性格検査

個々のパーソナリティを測定する検査が、性格検査です。性格は容易に変化するものではないため、応募者の性格が企業側に合っているかどうかを確かめることは非常に重要といえます。 しかし、最近では性格テスト対策といったものがあり、自分を良くみせようとして、本心ではない回答をする応募者も存在します。ですが矛盾した回答をすると、ウソをついているのが分かるようになっているため、信頼性はかなり高いものです。 性格検査は大別すると3種類あります。代表的なものはアンケート方式で、用意した質問に対して自由記入または、選択式で回答してもらう質問紙法です。質問紙法は回答以外のデータが得られないことは欠点ですが、一度に多くのデータを集めることができますし、客観的なデータを得られてデータをまとめやすいという利点があります。

性格検査に投影法と作業検査が用いられることも

性格検査では、質問技法を用いる企業が一般的ですが、ほかにも投影法や作業検査法が用いられることがあります。 投影法とは、見方によって解釈が分かれる絵を見せて、自由に回答してもらう方法です。自由である反面、実施者が解析するために負担や時間がかかるデメリットがあります。一方で、深層心理までとらえることができる利点もあり、採用している企業も珍しくありません。 作業検査法は、簡単な作業を一定の条件のもとに行ってもらう手法です。その態度や結果によって、性格が判断されます。応募者の体調によって、結果にばらつきがでるものの、実施しやすく、回答もまとめやすいというメリットがあります。

 

02適性検査の目的

適性検査の目的としては、人物特性の可視化や自社への適応度、そして基礎能力の数値化が挙げられます。適性検査を実施することによって、面接ではわからない応募者の素質を見極められるはずです。ここではそれぞれの目的について解説します。

人物特性の可視化

「几帳面さ」や「素直さ」、「忍耐力がある」といった人物特性を数値にし、データ化することによって、「人物の可視化」が実現され、個人のキャラクターの把握が容易になります。また、他の応募者との比較ができるところも特長です。

自社への適応度

応募者にとって、適している人事形態や相性の良い職種について知ることができます。事前に適応度を把握しておくことで、入社が決定した際も相性の良い部署へ配属することができ、ミスマッチを極力防ぐことが可能です。

基礎能力の数値化

SPI試験などを実施することによって、言語能力や計算能力など、基礎能力を数値化することができます。また、全国の他の受験者と比較することができ、応募者がどれくらいの基礎力があるのかを全国レベルで測ることができます。

内省ツールとして活用

適正検査は、内省ツールとしても活用できます。自分が何に楽しさを感じて、何を嫌だと思うかなど適性検査を利用しながら内省することで、自身のキャリアプランを思案する一助とすることもできるでしょう。

キャリア面談や1on1への活用

適性検査をキャリア面談や1on1に活用する企業も増えてきています。部下の特性や思考を理解した上でマネジメントできている管理職は多くいません。また、部下との関係性を構築して、本音を引き出すことに苦労している人も多いでしょう。このような中で、適性検査の結果を会話の糸口にしながら、部下と対話を進めるといった取り組みを始めている企業もあります。

人材データとしてタレントマネジメントに活用

人的資本経営が注目を集め、タレントマネジメントシステムの導入を進めている企業も増えました。このような中で適性検査の結果をタレントマネジメントシステムに蓄積し、さまざまな人事データと掛け合わせて、分析を進めている企業も出始めています。

人事異動の判断材料として活用

適性検査によって明らかになった社員それぞれの思考や特性を、人事異動に活かすという使い方もあります。D&Iが重要視される昨今で、社員の価値観を大事にした人事配置は優秀な社員を自社に留めておく上で非常に重要な施策となります。しかし、この価値観はライフステージによっても変化するものであり、適性検査を人事異動の判断材料として利用する場合は、定期的に適性検査を社員に受けてもらい、価値観の変化をキャッチアップする必要があります。

 

03適性検査の実施方式

これまで適性検査といえばペーパーテストの実施が一般的でしたが、近年はスマホの携帯が当たり前になったことで、Webテストを取り入れる企業も増加しています。ここではそれぞれの実施方式や特徴を紹介します。

オフラインのペーパーテスト

オフラインのペーパーテストは一般的な筆記試験です。応募者が企業内で行うものと、応募者を会場に集めて行うという、ふたつのパターンがあります。ペーパーテストには、記述式やマーク式など、多様なテストが存在します。

Webテスト

Webテストの方法としては、3パターンあります。まずは、応募者が企業内のパソコンを使用して行う方法。こちらはベーシックなスタイルで、費用もあまりかかりません。 ほかには応募者が自宅のパソコンを使用して行う方法があります。こちらは応募者が自宅から行えるため遠隔地の応募者が受けやすく、負担が少なく済む点がメリットです。企業側も幅広いエリアから人材を募りやすくなります。 最後にテストセンターを利用して行う方法ですが、こちらは応募者のスケジュール管理をしやすく、実施場所を考慮しなくて良いメリットがあります。デメリットとしては、テストの委託に対してコストがかかる点が挙げられます。

 

04適性検査の活用シーン

適性検査の主に以下の5つの場面で活用されることが多いです。

  • 1.採用活動
  • 2.配属先の選定
  • 3.人材配置の検討
  • 4.昇格候補者の選定
  • 5.退職要因の分析

適性検査は採用活動の1つというイメージが強いかもしれませんが、その他にも利用できる場面が多いので、参考にしてみてください。

1.採用活動

新卒の採用活動において、SPIや玉手箱といった適性検査を活用している企業は多くあります。適性検査を採用活動で利用する目的は企業によって異なりますが、履歴書では判断できない候補者の能力を見極めるという理由で活用している企業が多いようです。 一方で、中途採用時の適性検査で適性検査を活用している企業もあります。こちらは職場環境との適正度合いを測るために利用されることが多いようです。そのため、能力検査は行わず、性格検査のみを実施する企業もあります。

2.配属先の選定

新入社員の場合は、配属先の選定という場面でも、適性検査は役立ちます。同じ組織内であっても部署やチームごとに特色があります。例えば、営業部門と労務部門ではカラーが異なるということは想像に難くないでしょう。そのため、適性検査の結果を元に社員が最大限のパフォーマンスを発揮できるように、配属先の選定を行う企業も増えています。

3.人材配置の検討

人事異動という観点でも、適性検査は役立ちます。これまでの人事異動は、人事や上司の一存で決められることが多く、配属先の色に合わないということも珍しくありませんでした。「転職するのは逃げ」のような価値観が蔓延していた過去であれば、このような人事異動も社員は受け入れるしかなかったですが、転職という選択肢が一般的になった現在では、職場との適性は離職率低下の観点でも非常に重要視されてきています。

4.昇格候補者の選定

人材配置の検討にも近いですが、昇格候補者の選定でも適性検査は活用されています。プレイヤーとしての実績や貢献度が高いからといって、管理職としてマネジメントができるかどうかは別問題です。そのため、適性検査によって候補者がマネジメントの素養があるかどうかを分析・判断する企業もあります。 また、適性検査によってマネジメントのタイプを判断し、候補者の研修・育成を実施することもできます。自身もプレイヤーに混ざりながら能力でチームを引っ張るタイプのマネジメントスタイルもあれば、プレイングは全く行わず部下の能力を引き上げることに注力するマネジメントスタイルもあります。これはどちらが良いというものでもなく、部署やチームの特色・企業の状況などにもよって求められるスタイルが変わるので、それを適性検査の結果も踏まえながら見極めるということも求められてきているようです。

5.退職要因の分析

適性検査は退職要因の分析にも利用できます。若手の離職率に悩んでいる企業が多い中で、実際の退職理由をヒアリングしても、その内容が本音かどうか判断できないという方も少なくないでしょう。このような中で適性検査の結果を退職理由の分析に利用することで、データに基づいた視点を得ることができます。

 

05採用試験で使われる主な適性検査

採用試験で、使われやすい適性検査にはSPI・クレペリン検査・eF-1G・TAL・Cubicの5つがあります。ここでは、それぞれの特徴について解説していきます。

SPI3

リクルート社が開発したSPIは能力検査の代表格で、「言語問題」と「非言語問題」に分かれています。性格検査も行うことができ、応募者の総合的な能力、人柄を把握できます。 SPIは筆記試験はもちろん、オンライン上でも実施可能です。年間利用社数は14,440社、受検者数も215万人(※2021年12月期実績)と多くの企業が利用している適性検査の1つです。

▶︎公式サイト: リクルートの適性検査 SPI3

クレペリン検査

クレペリン検査は昔からある心理検査で、並べられた数字を足していく、単純な検査です。 単純であることから日本語がわからない外国人であっても、行うことができます。検査によって「性格、行動面の特徴」と「能力の特徴」を把握できる点がメリットです。合計30分、途中に5分間の休憩を挟みますが、かなりの集中力が求められます。

▶︎公式サイト:内田クレペリン検査

eF-1G

難易度が高い検査であるeF-1Gは、 ・114問を30分で解く能力検査 ・251問を20分〜40分で解く性格検査 の2つで構成されているテストです。能力検査、性格検査ともに短時間で回答をしなければいけません。オンラインや、筆記試験、テストセンターなど、各場所で実施可能です。

▶︎公式サイト:適性検査eF-1G

TAL

脳科学や統計学にもとづいて作られたTALは、面接では見抜けない性格をあぶり出すことができます。テスト時間は20分と短く、オンラインで実施可能です。能力よりも、企業への適性を測ることができるテストとして知られています。

▶︎公式サイト:TAL

Cubic

CubicはTALと似た特徴があり、能力よりも適性を見極める適性検査として知られています。能力検査は言語、倫理、数理、図形、英語から選択でき、難易度を4段階(英語のみ2段階)から設定、出題できます。広く浅く出題されるため対策が難しい試験ですが、オンラインとペーパーのいずれも選択可能です。

▶︎公式サイト:CUBIC採用適性検査

玉手箱

玉手箱は、SPIと同じく適性検査の代表的なサービスとして有名です。種類は「玉手箱III」と「玉手箱I Ver.2」の2つがあります。 前者は、「知的能力」と「パーソナリティ」の両面から測定します。診断結果は紙ベースのIMAGES検査6尺度のフォーマット、もしくは、入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性のフォーマットで報告されます。 後者は、新卒採用の母集団形成や初期選考に活用する目的で開発された検査です。「ヴァイタリティ」「プレッシャーへの耐力」など、9つの能力特性について、予測値と面接時のチェックポイントをアウトプットとして出してくれます。

▶︎公式サイト:日本エス・エイチ・エル

 

06人事担当者が適性検査でチェックしておきたいポイント

応募者に適性検査をしてもらう際に、注意したいポイントは主として、性格検査によるウソ・オンライン適性検査の不正・なりすまし、代行の3つです。それぞれ注意したいポイントについて解説していきます。

性格検査によるウソ

内向的な性格を隠して、外向的で活動的な性格に見せるなど、性格検査で本来の自分を隠して回答する人は少なくありません。このような応募者がいた場合、「ライフスケール」を用いてウソをついているか調べることができます。 ライフスケールとは、「今まで一回もウソをついていない」など、強い否定の質問を 用いて、応募者の回答に一貫性があるかどうかを測るものです。取り入れている企業も多いので、ぜひ採用してみてください。

オンライン適性検査の不正

応募者が、自宅からオンラインで適性検査を受ける場合、電卓や辞書を使用していたり、インターネットで用語を調べていたりと、不正を働いている可能性があります。テストを受けている姿が見えないオンライン試験だからこそ、Zoomのカメラ機能などを使って対策を取りたいものです。

なりすまし・代行

なりすまし・代行が一番起こりやすい検査方法としては、自宅からのWebテストが挙げられます。本人確認がないWebテストは、なりすましや代行がわかりにくいものであるためです。 なりすましや代行を防ぐためには、写真付きの履歴書を事前に送付してもらい、自宅からWebテストをする前に、Zoomなどを使用して写真と照らし合わせると良いでしょう。テストセンターでも写真と照合するなどの工夫が求められます。


 

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07応募者ができる対策とは

まず、​​適性検査は概ね「能力検査」と「性格検査」の2つに分類されます。性格検査は、行動や思考・人柄・適正のあった組織などを把握するために行われるもので、特に対策をする必要はありません。しかし、面接や入社後の配属にも利用されることがあるという点は留意しておきましょう。一方で、能力検査は業務に必要な能力を測る検査であるため、検査の結果がそのまま採用活動に影響してきます。そのため、この章では能力検査の対策に焦点を当てて、具体的な対策を紹介いたします。

問題の種類と出題傾向を把握

企業によって、どの適性検査を採用しているかは異なります。そのため、主要な適性検査の過去問などに触れておき、どのような問題が出題されるのかは掴んでおくと良いでしょう。能力検査は、概ね言語・非言語に分かれており、それぞれの出題傾向を把握しておくことで本番で慌てずに済みます。

問題集を何度も解く

受験勉強と同様に1つの問題集を何度も解くことで、出題される問題の傾向や対策を行うことができます。全く同じ問題が出題されることはないですが、あくまでも何度も解くことによって慣れておくということが重要です。

苦手分野を対策する

何度も問題集を解くことで、自分が苦手としている問題の傾向を掴むことができます。苦手な分野を把握して、その箇所だけを集中して解いてみることで、時間のロスを防ぐことができ、他の出題においてもケアレスミスを防ぐことができるでしょう。

 

08まとめ

多数の応募者が存在する場合、ある程度ふるいにかけるために適性検査が欠かせません。その適性検査も現在は対策本がたくさん出ているため、不正がないように対策を取りつつ実施してみてください。 自社にマッチする適性検査であれば、内定を出した後の配属決定もスムーズになります。採用試験の際にはぜひ適性試験を活用して、自社のマッチする人材の採用を成功させましょう。

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