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同一労働同一賃金とは?法改正がもたらす影響やそのメリットについて解説する

公開日:2021/05/28
更新日:2021/06/02
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 同一労働同一賃金とは?法改正がもたらす影響やそのメリットについて解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

同一労働同一賃金制度は「働き方改革」の一環として、「パートタイム・有期雇用労働法」として適用が開始されました。シンプルにいえば、責任や働き方が同じであれば、雇用形態で差別することなく同じ賃金を支払うルールを運用しようという制度です。この法改正は会社にどのような変化を与えるのでしょうか。

 

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)について具体的に解説していきます。法令の概要と企業の取り組み時期と罰則について説明していきます。法令の内容について理解を深め罰則などに該当しないようにしていきましょう。


参考:厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ

同一労働同一賃金の仕組みとは

「同一労働同一賃金」とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。同一労働同一賃金について解説していきます。企業には、正社員以外にパートタイマー、アルバイト、派遣社員や期限を定めた有期雇用社員など様々な働き方があります。企業においては、業務を遂行する上で様々な働き方をする方を雇用し力を借りています。この働き方に応じて、処遇が異なり正社員に比べ、その他の非正規雇用社員の待遇が低い場合も多くあります。具体的には、給与の額面や賞与そのものが不支給などの事例があり、正社員と同じ業務内容である場合には、この待遇の相違があることで人材確保、労働力確保が難しい場合もあります。働き方改革の一貫として、こうした不平等さを抑制するために同一労働同一賃金の制度導入を実施することとなり同じ業務をしている非正規社員の待遇向上をはかることを促進しています。

施行開始の開始時期を確認する

同一労働同一賃金の導入は段階を応じて実施しています。大手企業、中小企業ともに当初より1年遅れで適用開始となりました。中小企業は、猶予期間を経て大企業から1年遅れの開始となります。すでに施行は開始されている法令になります。対応が未完了の場合には早期の対応を行う必要があることを理解しましょう。

  • 【施行開始時期】
  • ・大企業:2020年4月1日
  • ・中小企業:2021年4月日より施行

違反に伴う罰則について理解する

同一労働同一賃金の導入を実施しなかった場合の罰則は現時点ではありません。しかし、非正規社員からの訴えや内容に応じた行政指導があった場合には社名を公開される仕組みがあります。社名が公開された場合には、企業信用は失墜し企業経営に大きなダメージを与えることになりかねません。罰則の有無ではなく、社会の規範を遵守する企業姿勢、働く従業員を守る姿勢を表すためにも制度の導入は必須と考えましょう。

 

厚生労働省作成の同一労働同一賃金ガイドラインのポイントを理解する

企業において同一労働同一賃金を導入する上で参考になるのが厚生労働省作成のガイドラインです。このガイドラインを参考に制度の理解や対応を実施していきましょう。ガイドラインの中からポイントとなる4つの観点を解説していきます。


厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」

基本的概念を理解しておく

ガイドラインの冒頭には、同一労働同一賃金を導入する目的や基本的な考え方に関する説明が掲載されています。なぜこの制度を導入することになったのか、「不合理」とはどういう意味であるかについて解説されています。解説を読む事で同一労働同一賃金を導入することの意味を理解し自社において不合理がおきていないかの確認ができる観点を持つことができます。

具体例の解説から自社に適用できる

ガイドラインの中には実際に起きる可能性がある不合理に関する事例を掲載しています。この事例をもとに自社において不合理が起きていないかを確認することも可能です。実際に不合理が起きている場合には、その点をピックアップして対策を講じる準備を行うことができます。

基本給や賃金に関する解説が盛り込まれている

給与や賃金に関しての考え方や不合理な状態についての解説も盛り込まれています。非正規社員における給与の考え方を掲載し、具体的な確認観点も掲載されていますので、実際に自社に所属する非正規社員に当てはめて確認をすることが可能です。

盲点になりやすい福利厚生についての注意点も記載されている

給与や賃金以外の福利厚生面での不合理も対象となります。具体例を交えて不合理と判断される基準を掲載しています。同一労働同一賃金については、給与や賃金だけに目を向けてしまいがちですが、福利厚生についても同一にする必要があります。ガイドラインではその点についても事例を交えて紹介されていますので、参考にしていきましょう。

制度導入によるメリットとデメリットを理解する

制度導入については、メリットとデメリットの両側面を考える必要があります。法令だからといって企業運営ができない制度を導入することはできません。制度導入のメリット、デメリットについて「非正規労働者」「正規労働者」の両方の視点で解説していきます。

非正規労働者のメリットとデメリット

非正規社員の側面から見たメリット、デメリットについて解説していきます。

  • ・非正規社員のメリット

給与や待遇の改善が最大のメリットです。給与面で正規労働者に比べ低い水準となる非正規社員については給与、待遇の改善は生活面での安定につながります。待遇が改善されることで、本人のやる気をあげより成果を出したいと考える方も増えてきます。こうした風土は、企業内の活性化に繋がっていきます。

  • ・非正規社員のデメリット

企業においては、人件費の増加が最大のデメリットとなります。待遇を改善することで負担する人件費は増えます。また、法令の施行により同一労働同一賃金の仕組みを導入し違反にならない活動をするため、人事部門の負担は増加します。

正規労働者のメリットとデメリット

正規労働者の側面からメリット、デメリットを解説していきます。

  • ・正規労働者のメリット

非正規社員の意欲向上は正規社員のモチベーションを上げることにもつながります。また、非正規社員の意欲向上により、従来は依頼できなかった業務を依頼できる可能性も増え、正規労働者の負荷軽減につながるメリットを生んでいきます。

  • ・正規労働者のデメリット

正規労働者と非正規労働者の大きな違いになるのが労働時間の場合には、長い時間勤務しているにも関わらず給与などが同じという不満を生む可能性があります。また、責任の範囲が異なることで、正規だから責任が重いなどの不満につながる可能性もあり、モチベーションを下げる要因になる可能性があります。

 

同一労働同一賃金制度導入手順を理解する

実際に社内に同一労働同一賃金制度を導入する際の手順について解説していきます。自社内において同一労働同一賃金制度を導入する場合には、所属している従業員への説明や理解を得なければなりません。

導入目的の共有や社内での周知

同一労働同一賃金制度を展開する目的や法令の理解を社内で促進する必要があります。実際に、どう変わっていくのか、どういう影響があるかを周知し理解を促す必要があります。

個人の職務範囲の明確化を実施する

個人単位での職務範囲を明確にし、同一労働となっているのかを判断します。業務が同一労働でなければ、制度の対象外となります。正規労働者、非正規労働者に関わらず、いつなにをどうしているかの視点で業務の棚卸しを実施していきます。

業務分担の見直しを導入する

業務範囲を明確にした後に、業務分担の見直しを行います。正規労働者のみで行うべき、非正規労働者に依頼するべき業務を再度検討し、業務分担の見直しを実施します。このことで同一労働か、そうでないかの分類を行っていきます。

各種手当の見直しと改訂を実施する

業務分担を見直した後に、同一労働と判断する業務を担当するポジションごとに各種見直しを実施していきます。まったく同じ労働時間、業務内容であれば非正規労働者の待遇を見直す必要があります。この際、制度として導入するため就業規則の改訂や各個人との労働契約書の再締結を実施していく必要もあります。

評価制度の整備や導入を実施する

評価制度についても見直しや整備を行います。従来とは異なり非正規労働者への評価制度の構築や評価基準を策定し、社内への周知を行います。評価制度については、対象となる非正規労働者への周知だけではなく評価する側への周知や評価の基準についての説明会などを実施し正しく評価される仕組みを構築していく必要があります。

 

違反事例から学ぶ

最後に同一労働同一賃金の違反事例をご紹介します。違反事例を参考にすることは制度の考え方を理解し、自社における注意点を学ぶことにつながります。次に2つの判例についてご紹介していきます。

長澤運輸事件(東京高裁)

長澤運輸は、従業員66人を雇用する運送会社です。昭和55年から平成5年までに入社した従業員に対して60歳定年、定年後の再雇用制度を適用し勤務継続を実施していました。再雇用については、定年前の条件と同じ職務内容、就業場所、転勤もあり得るとしていたにも関わらず、給与額は定年前と比較し大きく減額されていたため、「正社員と同等の賃金」を請求したことによる事例です。東京地裁は、「給与格差は不合理な差異として、労働契約法第20条違反である」と結論を出し処遇の改善を指示しました。

ハマキョウレックス事件(大阪高裁)

ハマキョウレックス事件では、有期契約社員と無期契約社員である正社員との格差をについて争われました。正社員が月給制をとっており「賞与や退職金」「無事故手当」「作業手当」「給食手当」「住宅手当」「皆勤手当」「家族手当」などの手当が支給されていましたが、有期契約社員は時給制をとっており手当の支給はありませんでした。当初原告側は違法とする判決を不服としていましたが控訴審である大阪高等裁判所は、不合理な格差という判決を下しました。

 

まとめ

本記事では、同一労働同一賃金をテーマに法令の解説から判例までのご紹介をしています。同一労働同一賃金の制度を導入することは、企業として必要な法対応です。本記事を参考に自社内の制度導入の見直しや導入を推進する際の参考にしてください。

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