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みなし残業の仕組みと注意点を解説する

公開日:2021/05/28
更新日:2021/06/02
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みなし残業の仕組みと注意点を解説する | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「みなし残業」制度を採用している企業が増えています。その反面、知らないと大きなトラブルを起こす可能性がある注意点があります。本記事では、みなし残業の仕組みや注意点を解説しています。本記事を参考に、トラブルを未然に防いでいきましょう。

 

みなし残業とは

最初に「みなし残業」について解説していきます。みなし残業の概念を知ることで、みなし残業における基本的ルールを理解することが可能です。ここでは、基本となる2つの概念について解説していきます。

みなし残業には2種類ある

労働基準法上では、労働時間に応じた賃金を支給することが定められており労働時間を超えて働いた場合に残業代を支給します。これに対してみなし残業は、残業の有無に関係なく残業代が支給され、そのルールは就業規則などに定めています。みなし残業には、「固定残業代に基づくみなし残業」「みなし労働時間制に基づくみなし残業」の2つの種類があります。

  • ・固定残業代に基づくみなし残業

就業規則などに記載され、あらかじめ決まった時間分の残業代を固定給などに含み支給します。支給方法には、一律手当てなどの手当てとして支給する場合もあります。

  •  
  • ・みなし労働時間制に基づくみなし残業

実労働時間の算出が難しい業務や労働時間での給与を定めることが難しい場合に適用きる労働時間制度です。この方法を採用する場合にはあらかじめ労使協定で合意をし、就業規則に記載する必要があります。法定時間である8時間以内の場合にはみなし残業代を支給する必要はない制度です。

 

労働基準法に基づく3つの概念

みなし残業についての理解を深めるには、労働基準法上の記載を理解しておくことが近道です。次に労働基準法に基づく3つの概念を解説していきます。みなし残業制度を適用する場合には、労働基準法に基づく基本的な考え方を理解しておく必要があります。

事業場外労働(第38条の2)

直行直帰を行う営業社員に適用する考え方です。事業場以外での勤務が主流となり、実際の労働時間を把握することが難しい場合に採用します。昨年からの新型コロナ感染予防によりリモートワークを適用する企業が増え、検討や採用が以前よりも進んでいます。

専門業務型裁量労働制(第38条の3)

現在、最も多く採用されている考え方です。法令で決まっている専門的業務に就く従業員は労働時間の縛りがなく専門技術の提供と大幅な裁量権を持って業務を担当することができます。法令で定めっている専門業務には19種類となります。


参考:厚生労働省「専門業務型裁量労働制」

企画業務型裁量労働制(第38条の4)

事業運営において必要となる企画立案、調査や分析業務を行う従業員に対して、労働時間などに関して大幅な裁量権を持たせて勤務させる場合の考え方です。この制度を導入するためには、労使委員会の設置を行い4/5以上の賛成により業務の種類、対象者や労働時間などを定める必要があります。

 

みなし残業を導入する際のポイント

みなし残業制度を導入するには、いくつかのポイントがあります。トラブルがおきやすいみなし残業制度の導入をスムーズに行うために、ご紹介するポイントをおさえ進めていきましょう。従業員の給与に関わる制度導入は特に慎重に行う必要があります。

従業員による書面に確認が必要

制度導入については、従業員の同意が必要です。みなし残業制度を導入することで、変化する手当や給与については従業員一人一人により異なってきます。この内容を書面化し、労使間で合意を得る必要でてきます。最適なのは、給与辞令や労働契約書を発行し各人への説明と記名、捺印を交わす方法です。現在では、電子署名の制度を採用している企業も多くあり、記名、捺印ではなく電子上での確認でも有効な方法となります。双方で確認し合意を得るということ、エビデンスを残すことが重要です。

就業規則等で明確化されている必要性がある

みなし残業制度の概要や適用方法については、就業規則などに明文化し定義される必要があります。就業規則に記載をした場合には、従業金への説明を行うこと、周知を行いことが必要です。また、所轄の労働基準監督署へ届け出を行うことも義務化されています。就業規則については、見ていない、知らないというトラブルを回避するために確認したことを書面等で確認しておく対応も実施しておきましょう。

最低賃金を下回らないこと

みなし残業手当は、決して最低賃金を下回ってはいけません。労働基準法により各都道府県の最低賃金が決まっています。この最低賃金を下回ることは違法です。事業場が複数の都道府県に点在する場合にも、一律ではなく正しく計算をすることが必要と理解しておきましょう。

最大45時間以下になること

労働基準法の残業時間は最大45時間と決まっています。みなし残業時間の範囲も45時間以内となるように設定をしましょう。36協定を結んでいる場合でも、条件45時間の制限は有効です。月単位で決めるのではなく、あくまで1ヵ月あたり何時間とするという定義が正しい決め方です

 

みなし残業代の計算方法

次にみなし残業代の計算方法について解説していきます。基本となる残業代の計算の仕方から、手当として支給する場合、給与に組み込む場合の計算方法についてご紹介します。ぜひ、計算方法を比較して確認してください。

残業代の計算方法

基本となる残業代の計算式は以下の通りです。

  • ・残業代=残業時間×基礎時給×割増率

割増率の基本は「1.25」となりますが、法定休日労働では「+0.35」、深夜労働は「+0.25」となる点もおさえておきましょう。

みなし残業の計算|手当型の場合

手当て型とは、みなし残業代を手当として支給することです。手当型のみなし残業代を計算する計算式は以下の計算式です。多くの企業は手当型を採用しています。組み込み型よりも採用される理由は、計算のしやすさだけではなく従業員にとっても分かり易いためです。給与明細には、みなし残業手当や固定残業代の名称で記載されるため、明確に確認をすることが可能な方法となります。

  • ・固定残業代=時間単価×固定残業時間×割増率

※時間単価は、従業員の給与を時間単価に置き換えた場合の数値を利用します。

みなし残業の計算|組み込み型の場合

組み込み型とは、基本給の中にみなし残業代を含んで支給する方法です。組み込み型を採用する場合の計算式は、先にみなし残業代を計算し基本給から引く計算式になります。

  • ・固定残業代=給与総額÷(1ヵ月平均所定労働時間+固定残業時間×1.25)×固定残業時間

組み込み型を採用した場合には、従業員には分かりにくいデメリットがあります。手当型の場合には、給与明細に明確に記載されることで自分の基本給、みなし残業代を確認することが可能です。しかし、組み込み型の場合には、上記で紹介している計算式で計算をすることになってしまいます。

 

みなし残業制度を導入のメリットとデメリット

次にみなし残業制度を導入するメリットとデメリットをご紹介します。メリット、デメリットの両方を確認し自社において、有益であるかの判断を行っていきましょう。どのような制度にも、メリット、デメリットは存在します。デメリットを許容できるかを検討することが大事です。

みなし残業制度導入のメリット

みなし残業制度導入のメリットは、賃金総額が増えることで従業員の満足度を向上させ求人の有利かを進めることです。実際に残業をする、しないに関わらず支給額が増えることで従業員のモチベーションアップを期待できます。

みなし残業制度導入のデメリット

実労働時間計算で計算していた時と比較して、労務費が増えてしまう点がデメリットです。残業をする、しないに関わらず給与として支払うことになることで、労務費の総額が格段に増えます。このデメリットを回避する方法は、部署やポジションによりみなし残業時間の設定を変更する方法を採用します。こうすることで、労務費の増え幅を抑制することが可能です。

 

みなし残業の導入ステップ

最後に実際にみなし残業を導入するステップについて解説していきます。ご紹介するステップに準じて導入を進めていくことで、スムーズな導入を目指すことができます。1つ1つのステップで対応する時間にも差がありますが、確実に行っていくようにしましょう。

固定残業代の計算を行う

みなし残業の導入が決まれば、計算となる基準を決めます。この基準に応じて固定残業代の計算を行います。この計算は、従業員個別の計算となります。計算を誤ると大きなトラブルにつながることは想定できます。固定残業代の計算や確認には十分な時間を設けて対応する必要があります。

従業員への通知

みなし残業の導入や支給額は企業と従業員への通知が必要です。従業員一人一人に対して通知を行いみなし残業代の提示を行います。同時に算出根拠も含め提示を行い同意得る必要があります。制度導入の目的や個人単位のみなし残業代の金額は、通知を渡すだけではなくできるだけ個別に説明を行うようにしましょう。

就業規則等への反映

みなし残業制度の規定やルールは就業規則等への記載と周知を行います。就業規則に記載するだけでは不十分です。かならず就業規則の変更点として説明し周知をする必要があります。

労働契約書の再締結

従業員とのトラブルを回避するために、労働契約書の再締結を行います。最終的な合意の証明となる労働契約書を再締結し双方で保管を行います。万が一、トラブルが生じた際には労働契約書の締結を行っていることで合意の証明をすることができます。

 

まとめ

本記事では、みなし残業の仕組みやメリット、デメリットから導入に関する注意点について解説しています。多くの企業が採用しているみなし残業の仕組みは、トラブルになりやすい側面を持っています。今後、導入を行う際には本記事を参考にスムーズな導入を進めてください。

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