公開日:2021/05/31
更新日:2022/06/10

出戻り社員が注目される理由とは?再雇用する時の注意点も紹介

出戻り社員が注目される理由とは?再雇用する時の注意点も紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、一度退職した社員を再雇用する企業が増えています。このような社員を出戻り社員といいます。しかし、採用したいが前例がない、どのように再雇用制度として構築すればよいか悩まれる企業様も多いのではないでしょうか。この記事では、出戻り社員が注目される理由、メリットとデメリット、再雇用する際の注意点、実際に出戻り採用を行っている会社の例をご紹介します。

 

01出戻りとは?出戻り社員が注目される背景

「出戻り」とは基本的に企業においては再雇用の意味で使われます。一度退職してから、再度同じ企業に採用された社員のことを出戻り社員といいます。出戻り採用は、以前から外資系企業を中心に行われていましたが、近年では様々な企業で行われるようになってきています。なぜ出戻り社員が注目されているのか、その背景を解説します。

出戻り社員とは退職したのち元の会社で再雇用される社員のこと

出戻り社員とは、退職したのち元の会社で再雇用される社員のことです。一度辞めた社員を再雇用する制度のことを、卒業生・同窓生を意味する「アルムナイ制度」とこともあります。日本では、「一度退職した会社には戻りにくい」という考え方がありましたが、終身雇用の崩壊、労働力不足、採用や教育のコスト削減等により、出戻り採用は増えています。よほど問題を起こし辞めた社員でもない限り、再雇用のハードルは低くなってきていると言えるでしょう。

労働人口の減少

現在、日本では労働人口の減少に拍車がかかっています。その影響から、採用難はこれからも続くでしょう。労働力人口が減少する中では、新たに人材を探すより、退職する社員の声をかけたほうが効率がよいと考える企業が増えています。

売り手市場

新卒・中途ともに売り手市場、採用難に直面している企業が増え、優秀な即戦力を確保することは難しくなっています。出戻り社員であれば、業務や会社の雰囲気を熟知し、必要な能力を有していることが分かっているため即戦力として期待できます。

大手企業での積極採用の事例

2000年代から、大手企業で出戻り社員の積極採用が増加しました。成功事例を見ることが増えたことに伴い、出戻り採用を実施する企業も増えてきました。自社の出戻り採用の制度を構築する上でも大手企業の例は参考になります。

 

02出戻り社員を採用するメリット

出戻り採用は、コスト削減を始め、様々なメリットがあると言われています。具体的にどのようなメリットがあるか解説します。

即戦力が期待できる

まず第一に挙げられるのが、即戦力として採用できることです。以前と同じ部署に配置することができれば、退職前と同じ働きを発揮できるでしょう。特に他の新規採用の社員を教育する時間がないとき、出戻り採用は非常に効率的だといえます。

採用コストの削減

出戻り採用の場合は、エージェントや採用媒体を利用する必要がないため、採用コストがかかりません。また、他の中途採用と違い、人となり等が分かっているため選考のプロセスも省略できるでしょう。スピーディな採用が可能です。

教育コストの削減

出戻り社員は、仕事内容や企業文化等を理解しているため、教育の必要がありません。在職当時と変わった部分についてのみ、フォロー教育を実施することで活躍してもらうことが可能です。これにより、新入社員や他の中途入社の社員と比べると、各段に教育コストを抑えられます。

採用ミスマッチが起きにくい

すでに、どのような人物が分かっていることから、安心感があります。また、当然仕事内容や会社の雰囲気等も熟知しているため、入社前に抱いていたイメージとのミスマッチを防ぐことができます。中途入社にありがちな、ミスマッチが原因で短期間に退職してしまうことのリスクは低いでしょう。

他社でのノウハウ・経験に期待できる

出戻りの場合、一度他の会社に勤めてから、前の職場に戻るというケースがあります。他社での経験を有しているため、既存社員にない発想が期待できるでしょう。また、他社で得られたノウハウや経験を活かしてくれる可能性があります。更に、自身で企業を経営する経験を持つ出戻り社員の場合は、経営者としての視点を持ちながら、業務にあたることも期待できるでしょう。

会社への愛着心を持っている

一度辞めたにも関わらず、採用してくれたということで会社に恩義を感じる場合が多いでしょう。また、他の会社と比較した上で戻っているので、以前より会社への愛着が生まれやすくなります。再雇用後は安易に離職を考えず、高いモチベーションを持って業務に従事してもらえるでしょう。

 

03出戻り社員を採用するデメリット

メリットが多い出戻り採用ですが、注意すべき点もあります。一度辞めた社員が戻ることを快く思わない社員もいるでしょう。具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。

周囲の社員のモチベーション低下

出戻り採用を頻繁に行うと、周囲の社員の中で、「いつでも戻ってくることができる職場だ」という考え方が根付いてしまい、モチベーション低下に繋がる可能性があります。また、一度辞めても、いつか戻ってこられるというイメージが安易に定着してしまうと、優秀な社員が流出してしまうリスクが高まります。

不公平感

一度退職した社員が好条件で戻ってくると、現職の社員から不公平感が出てきます。特に、管理職等のポストに配置するときには注意が必要です。既存社員との待遇とのバランスに配慮した採用を行う必要があります。

社内への変化に適応するのに時間を要する

離れていた間に大きな人事異動や組織改編があった場合、出戻り社員は、その変化についていけない可能性があります。業務のシステムや仕事内容が変わっている場合もあるでしょう。数年経ってから戻る場合には、新しい環境に慣れためのフォロー体制を敷くことが求められます。

 

04出戻り社員を採用する際の注意点

採用する社員によっては、周りからの不満の声が上がる可能性があるのが出戻り社員採用の難しいところです。出戻り社員を採用する際には、新規採用の社員以上に処遇など取り扱いに気を付ける必要があります。それでは、出戻り社員を採用する際には、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

再雇用における採用基準の構築

出戻り採用における採用基準や条件を明確に定めておくことで、安易に元にポジションに戻れるような印象による人材の流出を防ぐことができます。具体的には次のような項目を定めておくと有効でしょう。 ・出戻りまでの年数 ・退職理由により出戻り採用の可否 ・必須となるスキル 業務ごとに必須スキルや資格を明確にしておけば、選考時の客観的な判断材料になります。退職している間に身に付けた能力も見ましょう。また、在職年数や職能資格も基準にします

待遇・処遇面の確立

既存社員との軋轢を生まないように、待遇・処遇面を確立する必要があります。必要なスキルや資格、経験を元に給与やポジションを決め、周りの社員とのバランスの取れる仕組みを作りましょう。

 

05出戻り社員を歓迎?大手各社の再雇用事例

近年、出戻り社員を採用する大手企業は増えてきていますが、具体的にはどのような企業が実施しているのでしょうか。実際に制度として確立し、運用している企業を紹介します。

トヨタ自動車株式会社|プロキャリア・カムバック制度

トヨタ自動車は、2005年より、事技専門職以上の社員を対象とした、「プロキャリア・カムバック制度」を導入しました。これは、配偶者の転勤や介護により退職する事技専門職以上の社員のうち、専門性・能力を有する者に対して再雇用申請の機会を提供し、原則、職場へ復帰できる制度です。
参照:トヨタ自動車「プロキャリア・カムバック制度」導入について

富士通株式会社|カムバック制度

富士通株式会社のカムバック制度とは、育児・家族介護・配偶者の転勤などのやむを得ない事情により退職した方や、学業・転職等によるキャリアアップのために退職した社員の方に、再度富士通で活躍できる場を提供する制度です。 社員の多様な働き方の実現および多様な知識・経験によるイノベーション創出を目的としています。 また、退職した社員の方を対象として、退職者同士、退職者と富士通が繋がるコミュニティ「FUJITSU Alumni Network」を開設しています。参加すると、親睦と交流の場や、イベントやニュース、求人など、富士通の最新情報を届けてもらうことができます。
参照:富士通「キャリア採用カムバック制度」

KDDI株式会社|退職者の再雇用制度

KDDIでは、多様化する社員の仕事と家庭の両立支援を強化するために、育児などの一定の理由で退職された社員を、再び正社員として受け入れる「退職者の再雇用制度」を2008年に導入しました。 退職した社員がKDDIで培った知識や経験・スキルを即戦力として生かすために、選考を実施のうえ、再度KDDIで活躍するための制度です。
参照:KDDI「退職者の再雇用制度」


 

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06まとめ

この記事では、出戻り社員が注目される理由、メリットとデメリット、再雇用する際の注意点、実際に出戻り採用を行っている会社の例をご紹介しました。出戻り採用を行うと、即戦力になる人材が確保できる、教育や採用コストを削減できるなどメリットが多数あります。社員側としても一から人間関係を作る必要がなく、仕事に慣れるのも早いでしょう。 自社に応じた出戻り採用の制度を構築してみてはいかがでしょうか。

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