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多能工化とは?導入する目的からメリットまで詳しく解説

公開日:2021/07/20
更新日:2021/08/13
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多能工化とは?導入する目的からメリットまで詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

日本の労働人口が少しずつ減少を続けていく中、従業員1人1人のスキルや能力を高め、複数の業務を担当できるようになることはとても重要だと言えます。この記事では既存の従業員の能力を十分に活用し、人材不足の解決や働き方改革にもつながる、多能工化について詳しく解説します。

 

多能工化とは?

多能工化とは1人の従業員が複数の業務を担えるよう教育を施し、特定の従業員にしかできない業務をなくすことです。 多能工は「マルチスキル」「マルチタスク」とも言い換えることができ、近年企業の生産性を高めるのを目的として多能工化が推進されるようになってきたと言えるでしょう。 企業では1人の従業員が1つの業務を担当するのが当たり前でしたが、現在ではニーズに合わせてマルチスキルを活かせるように、多能工化が少しずつ進んできているのです。

多能工と単能工の違い

複数の業務を担うことのできる従業員である多能工に対して、単一の業務を担う従業員のことを単能工と呼びます。 例えば、企業において単能工しかいない状態では、特定の従業員が有給休暇を取得した際、他の従業員がその人の業務を代わって担うことができないため、その業務が進まなかったり、場合によっては顧客を待たせてしまったりといった課題が発生するでしょう。 企業がこのような課題を抱えた状態では、合理的に業務を進めていくことはできませんし、生産性も高まりません。 このような課題を解決するため単能工を減らし、多能工化を進めることが求められているのです。

多能工が生まれた背景

多能工が生まれた背景にはどのようなことがあるのでしょうか。 多能工は、かつてトヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)の副社長だった大野耐一氏によって考案されました。 大野副社長は元々、トヨタ紡織に勤務していたため、紡績工場では1人の従業員が複数の機械を操作していたのに対し、自動車工場では1人で1つの機械しか操作していないという違いに気づいたのです。 大野副社長はこのことが自動車工場の業務における課題だと感じたため、「トヨタ生産方式」という無駄を徹底的に排除するという方針に基づいた生産方式を体系化し、1人の従業員が複数の工程を担当できるような知識や技術を教育・訓練する多能工化を推進していきました。 多能工化により、自動車工場では忙しい工程に多めに人員配置するなど臨機応変な人材配置が可能となり、業務量や業務負荷が偏らず平準化されることにつながったのです。 多能工化はこのようにして自動車工場の生産性を高めただけではなく、今や人材育成の手法の1つとしてさまざまな業界で応用されるようになりました。

多能工が必要とされる業界・業種

多能工化は最初製造業で主に広まりましたが、現在では多品種少量生産が求められているため、他の業界や業種でも少しずつ取り入れられるようになってきています。 そして流通業界、ホテル業界、建設業界、スーパーなどで多能工化が進められた結果、生産性が高まったためさらに注目を集めているのです。

 

多能工化するメリット

各企業が多能工化を推進するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。 5つご紹介します。

業務負荷が平準化する

多能工化を進める1番のメリットが、業務負荷を平準化させられることです。 業務の進捗度合いによって人員を適切に配置できるので、業務の少ない部署と多い部署が発生するといった不平等な状況が生まれにくくなります。 また特定の業務に遅れが生じなくなるので、納期を遵守することができ残業も減らせるでしょう。 従業員の欠勤など、イレギュラーな事態にも対応しやすくなります。

組織のチームワークが向上する

多能工化によって、従業員の各担当業務への理解が深まり多角的な視点が生まれるため、お互いを思いやる気持ちから組織のチームワークが向上するでしょう。 組織が単能工だけで構成されている場合、従業員は自分の担当していない業務には無関心な振る舞いや人任せにするといった対応を取りがちです。 しかし、多能工化で複数の業務を兼務すれば、他の立場の人の気持ちも理解できるようになり、逆に助け合いの気持ちが醸成されていくでしょう。 その結果、企業内に一体感とチームワークが生まれ、大きな成果を挙げることにも繋がるでしょう。

業務を可視化しリスク回避できる

多能工化においては、従業員に知識やスキルを習得させるため、まずは手順や必要な技能に関する全てを見える化することで、業務においてそれまでわからなかった課題や、改善策を見出しやすくする必要があります。 これにより業務の合理化、手順の整備などを行うことができるため、企業としては隠れていたリスクを回避することにも繋がるでしょう。

柔軟性の高い組織作りができる

企業が市場における競争力を維持するためには、変化するニーズに合わせて柔軟に商品やサービスを提供し続ける必要があります。 単能工だけで構成された組織では、企業が経営方針や戦略を変えるとそれに対応できず、事業を続けていくのが難しくなってしまうでしょう。 ニーズがどのように変化するのかを読むのは容易ではないので、多能工化を推進して突発的な変更にも備えることができるようにしておくのが大切です。

働き方改革につながる

現在の日本では、労働において「少子高齢化に伴う労働人口の減少」「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」など、さまざまな課題を抱えています。 このような課題の解決のため、働く人が置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することや、より良い将来の展望を持てるようにすることを目指して行われているのが働き方改革です。 多能工化が進むことで従業員が高い成果を出せる環境が整い、労働時間の削減や業務負荷の軽減にもなるため、企業は働き方改革をさらに推進できるでしょう。 参考:厚生労働省「働き方改革の実現に向けて」

 

多能工化するデメリット

企業が多能工化するメリットは大きいですが、デメリットも発生するので3つご紹介します。

人材育成に時間がかかる

1人の従業員を多能工化するまでには、時間と手間がかかります。 複雑な知識やスキルが必要な業務ほど、研修だけではなくOJTなどをする必要があり、人材育成を長い目で見て計画的に行わなければならないということです。 少しでもコストを削減するためには、1人1人の適性を把握してから多能工化するなどの工夫をすることが大切だと言えるでしょう。

適正な人事評価制度が必要となる

従業員を多能工化する際には、それに即した適正な人事評価制度を同時に整備する必要があります。 従業員が多能工となって多方面で高いパフォーマンスを発揮しているのに、それが評価に繋がらないようでは、かえってモチベーションの低下を招き、時間をかけて育成した多能工が早期離職してしまうといった事態も引き起こしかねません。 従業員が所属する部署や、従事する業務に関わらず、適切に評価ができる人事評価制度の整備を模索することが重要です。

モチベーションの低下につながる可能性がある

入社したばかりの従業員に対して多能工化を進めたり、企業の都合の良いように多能工に業務を担当させたりしていると、従業員のモチベーションの低下に繋がるでしょう。 多能工化を推進する上では、その目的や業務範囲、評価制度について企業側がしっかりと説明を行い、従業員との間でコミュニケーションを図りながら進めていくことが大切です。

 

多能工化の進め方

企業において多能工化を進める手順を5段階にわけて説明します。

必要な業務の洗い出しを行う

現状行っている業務の棚卸しを行い、業務量やスキルを調査します。 その上で、企業において重要な業務や優先順位の高い業務を明確化し、どの業務とどの従業員を多能工化するのか決めていくのが望ましいでしょう。 具体的には、属人的になっている業務、コストのかかる業務、人手が足りない業務などで多能工化を検討すると、効率化を図ることができます。 また現場の従業員としっかりとコミュニケーションを取り、多能工化の方向性や必要性について理解を得ることも重要です。

業務を可視化する

多能工化の必要がある業務を可視化するため、現状の業務でスキルマップを作成してみます。 スキルマップとは、従業員1人1人の持っている業務に必要なスキルを一覧にした表のことで、作成することでどのスキルが不足していて、誰に業務が偏っているのかなどがわかります。 ここから業務を平準化するために、目標値と現在のギャップを課題として設定し、その課題をクリアするためのマニュアルを作成します。 マニュアルには業務において実際に行われている作業工程や内容を、図や表で表し、誰が見ても作業ができるように配慮した作りにすることが大切です。

育成計画を作成する

マニュアル作成後は多能工化する従業員に対して行う育成計画を立案します。 立案する際は「いつ」「誰が」「誰に」「何を」「どのように」育成を行うのかを明確にすることが大切です。 計画を実行する際には従業員とコミュニケーションを取りながら進めていくのはもちろんのこと、体調やモチベーションに配慮し、仕事と同時進行することで無理を強いることのないように行うことが重要だと言えるでしょう。

評価や振り返りを行い定着させる

多能工化は育成計画の進捗管理をしながら、定期的に評価や振り返りを行って定着を促進させていくことが大切です。 ただし多能工化した従業員の負荷を高め、企業の都合で振り回すような業務の割り振りをすると従業員のモチベーション低下に繋がるだけではなく、早期離職といった事態を引き起こす可能性も出てきます。 せっかく育成した時間やコストを無駄にしないためにも、多能工となった従業員の目線にも立って、コミュニケーションを取りながら担当する業務を決めていくことが重要だと言えるでしょう。

 

まとめ

多能工化とは1人の従業員が複数の業務を担えるよう教育を施し、特定の従業員にしかできない業務をなくすことですが、最初に広まった製造業だけではなく、今では流通業界、ホテル業界、建設業界、スーパーなどさまざまな業種で生産性を高めるために応用されています。 多能工化が進むことで企業は働き方改革をさらに推進できることに繋がり、業務の平準化やコストカット、組織のチームワークの向上などさまざまなメリットを享受できます。

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