クレドカード導入のメリットとは?クレドカードの導入手順や注意点を解説する
本記事は、企業の行動指針などを記載したクレドカードをテーマに解説していきます。多くの企業が発行しているクレドカードについて、導入手順や注意点について理解し自社における発行の参考にしてください。
- 01.クレドカードの定義
- 02.クレドカードを導入することのメリットとは
- 03.クレドカードを導入する際の注意点とは
- 04.クレドカード導入手順
- 05.クレドカードを活用する企業事例とは
- 06.まとめ
01クレドカードの定義
クレドカードには、どのような意味があるのでしょうか。クレドカードが持つ意味とクレドカードを導入する理由について解説します。クレドカード導入企業が増えている意味についても理解していきましょう。
クレドカードとは「行動指針」を示すカード
クレドカードとは、「企業の信条・行動指針を簡潔に示した言葉を書いたカード」を意味しています。クレドとはラテン語で「信条」を意味しており、経営判断や社員が現場で行う判断の指針となります。クレドカードとは、行動指針をカードに記載したもので社員は常時携帯し日々の行動において意識できるようにします。
クレドカードを導入する企業が増加する理由
クレドカードを導入する企業が増えている理由は、企業の信条・行動指針を従業員に根づかせ企業の持つ使命を浸透させるためです。現在では、企業の信条・行動指針については企業HPなどでも紹介されておりサービスを利用する顧客での確認も容易であり、企業の信条・行動指針をもとにサービスを利用するかどうかを判断基準にもなっています。そのため、従業員一人一人が企業の信条・行動指針を理解し行動に反映されているかがとても重要になるためだと理解しておきましょう。
経営理念との違いとは
クレドが「企業の信条・行動指針」を表しているのに対して、経営理念とは「経営者が大切にしている考え方」です。こうして比較すると2つの違いが分かりやすくなりますが、クレドの方が土台となる考え方であり、それを受けて経営理念が存在すると考えてください。
02クレドカードを導入することのメリットとは
クレドカードを導入するメリットについて解説します。クレドカードを導入することで、どのようなメリットが企業にはあるのでしょうか。クレドカード導入のメリットを理解し自社における導入の実施を判断していきましょう。
社員が行動指針を常に確認することができる
クレドカードは、小さいカード型のものです。大きさは名刺サイズが基準となるため持ち運びも容易です。そのため、社員は常に持ち運びをすることができ必要に応じて常に確認をすることができます。日々の行動について常に行動指針を確認し定着化することは企業のブランド力向上にもつながると理解しておきましょう。
他社との差別化や企業ブラインドの向上に期待できる
クレドカードは他社との差別化や企業ブラインドの向上に期待することもできます。単純にクレドカードを携帯するだけではなく、記載されている行動指針にもとづき行動することでブランド力の向上につながっていきます。また、クレドの内容は企業のHPなどに掲載し周知していくことも必要です。多くの方に自社のクレドを知ってもらう、そして、従業員はクレドを実践するというスパイラルがあることで始めて企業ブランドの向上が実現すると考えておきましょう。
03クレドカードを導入する際の注意点とは
次にクレドカードを導入する際の注意点について解説します。クレドカードは何に注意して作成するのがよいのでしょうか。自社においてクレドカードを作成する際の注意点として確認しておきましょう。
クレドカード作成を「目的」としない
最も注意すべきは、クレドカードの作成が「目的」にならないことです。クレドカードの作成が目的となってしまっては、企業ブランドの向上にはつながりません。最終的には、企業ブランドが向上し顧客や取引先に評価され企業成長ができることです。そのためには、クレドカードを作成し社員の行動様式が変化することが必要であることを念頭においきクレドカードの作成を実施していく必要があります。
クレドの定着化には時間が必要
次に注意すべきなのは、クレドの定着化には時間が必要だということです。クレドカードを作成し配った翌日から行動様式が変化する訳ではありません。定着化に向けて経営者が常に発信をすること、会議の場などで確認をするなど定着化に向けたアプローチを継続して実施していくことでクレドの浸透、そして定着化を実施することが可能だと理解しておきましょう。
04クレドカード導入手順
クレドカードを実際に導入する際の手順について解説します。どのような手順で何をすべきかについて確認し導入を行う必要があります。また、手順を守ることでクレドカードの作成が途中で中断することを防ぐことも理解しておきましょう。
ステップ1|経営理念を基に理想の社員像とは何かを定義する
経営理念を元に理想の社員像とは何かを経営層で定義していきます。クレドカードには行動指針を記載していますので、どういう行動をする社員が理想であるかを検討し定義付けを行います。この際、非現実的にならず自社にいて必要な社員像を整理することがポイントになります。
ステップ2|クレドカード作成までのマイルストーンを作成
次にクレドカード作成(完成し社員に配布するまで)のマイルストーンを作成します。マイルストーンが完成後には、それを元にプロジェクトを進めていきますが、このタイミングで自社内への周知を行います。社員には、クレドカードの作成目的や意図についても発信し周知をしていくことも大事だと理解しておきましょう。
ステップ3|クレドカード作成
実際にクレドカードを作成します。ステップ1で定義した理想の社員像を元に、簡潔で分かり易い言葉でクレドカードを作成します。文章が長くなることはできるだけ避け、覚えやすい言葉にする工夫も必要です。
ステップ4|社内への導入と社外へのPRを実施
クレドカードが作成できれば、社員への配布、取引先への配布を行います。社員への配布時には改めて、何故、クレドカードを作成したのか、目的や意義について説明を行い常に携帯するなどのルールも説明する必要があります。取引先への配布においても、自社の行動指針を策定した理由などを含め説明し周知していきます。同時に企業のHPなどにも掲載し広く周知することも対応していきましょう。
ステップ5|見直しを改善を繰り返す
クレドカードは一度作成し配布すれば終わるということではありません。行動指針の定着までには繰り返しクレドカードの内容を説明することが必要です。また、クレドカードの内容を見直すことも必要になります。クレドカードで記載している内容を変更してはいけないというルールはありません。業界の変動、顧客ニーズの変更などに伴い企業方針が変更となれば、それに見合った内容になるように適宜修正を行っていきましょう。
05クレドカードを活用する企業事例とは
次にクレドカードを利用した企業事例をご紹介します。クレドカードの導入で成功した事例は自社のクレドカード導入の参考になります。インターネットで検索すると多くの企業の事例を確認することもできますので、自社の業態にあった企業を参考にしてみましょう。
事例1|リッツカールトン
クレドの導入企業として最も有名な企業は「ザ・リッツ・カールトン」です。リッツ・カールトンでは、クレドを「従業員への約束」と位置づけて従業員に共有しています。 リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。 私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。 リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。
参考:ザ・リッツ・カールトン「従業員の約束」
事例2|楽天
国内の企業でクレドの導入企業として有名な企業は「株式会社楽天」です。楽天では、クレドを「成功のコンセプト」と位置づけて従業員に共有しています。 ・常に改善、常に前進 ・Professionalismの徹底 ・仮説→実行→検証→仕組化 ・顧客満足の最大化 ・スピード!!スピード!!スピード!!
参考:楽天「成功のコンセプト」
事例3|ニチレイフーズ
「ニチレイフーズ」のクレドです。ニチレイフーズはクレドを「従業員のモットー、及び行動方針」と位置づけて社員に共有しています。
- 1. 法と社会の秩序を守り、高い倫理観をもって行動します。
- 2. お役に立つ価値提案のために食と生活を見つめます。
- 3. 互いに多様性を認め合い、対話を通じて連携します。
- 4. 誠実な気質を継承し、ていねいなものづくりを心がけます。
- 5. 謙虚に自己を見つめ、挑戦することで成長し続けます。
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06まとめ
本記事はクレドカードをテーマに解説しています。クレドカード作成の目的や事例紹介などを元に自社のブランド力向上のためにクレドカード作成を検討してください。クレドの浸透には時間が掛かりますが、繰り返し発信することで定着化は起きることを理解し対応していくことが大事です。