公開日:2021/07/20
更新日:2022/09/22

アンダーマイニング効果とは?内発的動機つけで社員のやる気をアップさせる方法を解説

アンダーマイニング効果とは?内発的動機つけで社員のやる気をアップさせる方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アンダーマイニング効果の定義や、外発的動機づけのメリット・デメリットについて、本記事では紹介しています。また、内発的動機づけを行い、アンダーマイニング効果を防止するにはどのようにすればよいかについても解説しています。従業員のマネジメントを行う方、人事担当の方は、ぜひ本記事をお役立てください。

 

01アンダーマイニング効果とは?

アンダーマイニング効果とは、好奇心や向上心の内発的動機づけをもとに行ったことが、他人に評価され昇給するなどの外発的動機づけを受け、モチベーションが低下する現象です。もともと、自分の向上心を満たすために行った仕事が、評価されて昇給が与えられると、頼まれてからやった方が評価につながると考え自発的な行動を起こさなくなるのです。

外発的動機づけ

外発的動機づけとは、報酬や評価、昇給や罰則など、外部からの働きかけによる動機づけです。外発的動機づけの具体例としては、日常業務に対する給与や、功績に対する昇進・昇給などが挙げられ、ほとんどの企業で取り入れられています。

内発的動機づけ

内発的動機づけとは、物事に対する好奇心や向上心、探求心など、人間の内面的な要因による動機づけです。内発的動機づけは、仕事に対する興味や達成感、やりがいなど、自分自身の内面から生まれるものであるため、仕事に対して高い集中力とクオリティを保ちやすい傾向にあります。

アンダーマイニング効果とエンハンシング効果の関係とは

アンダーマイニング効果と反対の意味を持つ言葉に、エンハンシング効果という現象があります。エンハンシング効果とは、外発的動機づけによってモチベーションを高め、徐々に内発的動機づけにシフトしていく現象を意味します。はじめは上司に褒められるのが嬉しくて仕事に打ち込んでいたものの、徐々に自ら仕事にやりがいや探求心を見出す場合があります。こうした内発的動機づけによってモチベーションを保てるようになるのが、エンハンシング効果の好例です。

 

02外発的動機付けのメリット・デメリットとは

外発的動機づけと内発的動機づけには、それぞれメリットとデメリットが存在します。対象となる従業員の性格や特性、モチベーションを高めたい目的によって、各々の動機づけを使い分けたり組み合わせるのが効果的です。まずは、外発的動機づけのメリット・デメリットについてみていきましょう。

メリット1:報酬を与えるなど実施方法がシンプル

外発的動機づけは、報酬や懲罰など目に見えてわかりやすい方法で行うものです。したがって、動機づけを行う側にとってシンプルで行いやすい点がメリットといえます。また、「報酬をもらいたくない」「懲罰を受けたい」という人は通常いないため、どの従業員に対しても効果的であるといえます。

メリット2:短時間で効果が表れやすい

外発的動機づけの対象となる従業員にとって、メリットやデメリットがわかりやすいため、外発的な働きかけから行動を起こすまでの期間が短い傾向にあるものです。目の前に迫っている障壁を乗り越えるための手段として、短期的な外発的動機づけは有効な手段であると考えられます。

デメリット1:コストがかかる

一時的な報酬や昇給は外発的動機づけの一種ですが、この方法では企業が経済的な負担を強いられます。したがって、金銭的なインセンティブを従業員に与えることは、継続的かつ長期的にモチベーションを高める方法としては適切ではありません。

デメリット2:効果が長続きしない

報奨金や昇給などの外発的動機づけは、常態化すると従業員のモチベーションを保つ効果が薄れてしまいます。そのため、外発的動機づけはあくまで一時的な方策にとどめ、長期的に効果を出す方法と組み合わせて行うことが必要です。

デメリット3:求めた基準以上の結果を得られにくい

外発的な要因によって動機づけされた従業員は、目標を達成して何らかの報酬を得ることを目的に行動を起こしますが、目標を超えて努力するメリットは生まれません。外発的動機づけでは、期待以上の成果を求めることが難しく、従業員や企業の長期的な成長は期待できないといえます。

 

03内発的動機づけのメリット・デメリットとは

ここまで、外発的動機づけのメリットとデメリットをみてきましたが、動機づけの目的によっては外発的動機づけが適さない場合があります。内発的動機づけにもメリットとデメリットが存在するため、外発的動機づけと組み合わせて効果的に活用することをおすすめします。

メリット1:集中力が発揮されやすい

内発的動機づけにおいては、自分の好奇心や探求心を満たすために行動を起こすため、従業員が自ら学び、自発的な行動を期待できます。行動自体が目的となるため、より質の高い行動を選択し、長期的に継続していくと考えられます。

メリット2:期待していた以上の成果が出やすい

内発的動機づけによって行動を起こした結果、当初の目標を達成したあとでも、自ら次の目標を掲げてクオリティの向上を目指していくと期待されます。したがって、当初の目標を達成さえすればよいという考えになる外発的動機づけに対して、内発的動機づけの方が、期待していた以上の成果が出やすいといえます。

メリット3:創造力が高まる

内発的動機づけでは、取るべき行動を自主的に考えて、より質の高い結果になるように創意工夫を凝らすことを期待できます。結果として、自らが仕事のより良いプロセスや思考方法を作り出し、試行錯誤を行っていくという意味で、従業員の創造力が向上するのです。

デメリット1:短期成果につながりにくい

物事に対して興味や好奇心を持つきっかけは個々人で異なるため、一概にこの方法で内発的動機づけを行えると明確化するのは難しいものです。また、好奇心や探求心を持ったあとでも、最終的に行動に対してやりがいや意味を見出すまでには時間がかかるため、内発的動機づけにおいては短期的な成果につながりにくいと考えられます。

デメリット1:万人に共通の方法で動機づけができない

すべての従業員に対して同様の動機づけを行える外発的動機づけに対して、興味や好奇心の持ち方は個人によって異なるため、内発的動機づけは万人に共通の方法では行えません。したがって、従業員一人ひとりの性格や特性を把握したうえで、個々人で異なるアプローチを取ることが必要です。

 

04アンダーマイニング効果を起こさないための対策とは?

アンダーマイニング効果は、従業員の自主的な行動を促し、創造力を育成するうえで、好ましくない現象です。アンダーマイニング効果を起こさないための対策には、どのようなものがあるのでしょうか。従業員のマネジメントにおいて、気をつけるべきポイントを解説します。

お金ではない報酬を与える

報奨金や昇給は目に見える報酬の一種ですが、従業員の頑張りや成果に対して褒めるなど言葉で報酬を与えることは、モチベーションの向上につながると期待できます。従業員の日々の仕事ぶりや努力を上司がよく観察し、成果だけでなく努力の過程も評価するようにしましょう。

モチベーションが高いうちは報酬を与えない

従業員が自らの興味や探求心から自発的に行動を起こしているうちは、内発的動機づけによってモチベーションが高く保たれている時期です。したがって、このようなタイミングにおいては金銭的なインセンティブは与えないようにしてください。

過度な競争環境をつくらない

ノルマを設定し、職場内で競争環境を作ってしまうと、一時的に従業員のモチベーションは維持できますが、内発的動機づけにつながりにくく、アンダーマイニング効果が起こるおそれがあります。また、過度な競争環境は職場内の空気を悪くし、離職率が上がる原因になりかねないため注意が必要です。

監視よりも見守り体制を重視する

上司や企業によって常に監視されている状況では、従業員は失敗をおそれて萎縮してしまい、自発的に行動を起こさなくなる場合があります。したがって、従業員の好奇心や自主性を伸ばすためには、監視より見守り体制になるようにするなど、自由な環境と社風が必要といえます。

 

05内発的動機づけをするためには研修がおすすめ

外発的動機づけは、即効性のある成果を出すには向いていますが、長期的な観点で考えた場合、内発的動機づけは企業と従業員の成長に欠かせない存在です。内発的動機づけの効果が出るまでの期間は個人によって差があるものですが、研修でモチベーションの高め方を学ぶことで、その期間を短くしたり効果を高めたりできます。

管理職対象の研修を実施する

内発的動機づけを行うためには、管理職など上司が従業員の努力過程を評価し褒めることが有効です。そのため、管理職対象の研修を実施し、部下のやる気や自主性を引き出すフィードバックの仕方などマネジメントについての勉強をおすすめします。

モチベーションアップ研修で仕事のやりがいを見つけさせる

管理職以外の従業員も含め、すべての従業員に対してモチベーションアップ研修を実施すると、仕事にやりがいや達成感を見出せるようになると期待できます。モチベーションアップ研修では、日々の業務のなかでやりがいを見出すための思考方法を学び、従業員の内発的動機づけにつなげる狙いがあります。

社内の人間と研修で関わることで愛社精神を育む

モチベーションアップ研修においてグループワークの場面を設けることで、社内の従業員である受講者同士のコミュニケーションが生まれます。同じ方向を向いて日々頑張っている従業員同士に信頼関係が生まれ、愛社精神が育まれる効果が期待されます。

外部講師を呼んで研修を行う

内発的動機づけに関わるモチベーションマネジメントの分野では、専門的な知識とスキルを要するため、社内で講師を担当できる人材はそういないものです。そのため、モチベーションを高めて維持するノウハウに精通しており、教育のプロである研修会社の外部講師に、研修を依頼するのがおすすめです。


 

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06まとめ

アンダーマイニング効果は短期的には成果が挙がるようにみえても、従業員の好奇心や探求心を萎縮させてしまうおそれがあるため、内発的動機づけによって継続的かつ長期的にモチベーションの維持が重要です。外部講師による研修を実施し、従業員自身のモチベーション維持や、管理職によるモチベーションマネジメントについて、学んでみてはいかがでしょうか。

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    Great Place to Work® Institute Japan 代表

    2003年HRR株式会社(現 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)入社。営業職として中小~大手企業までを幅広く担当。顧客企業が抱える人・組織課題に対するソリューション提案を担う。2012年から管理職として営業組織をマネジメントしつつ、2015年には同社の組織行動研究所を兼務し、女性活躍推進テーマの研究を行う。2020年より現職。

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