公開日:2021/08/26
更新日:2022/09/22

モチベーションを高めるインセンティブ制度とは?制度の特徴と注意点について解説する

モチベーションを高めるインセンティブ制度とは?制度の特徴と注意点について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

営業部門を中心にインセンティブ制度を設けている企業は多数あります。本記事では、インセンティブ制度における特徴や運営上の注意点について解説していきます。現在既に存在しているインセンティブ制度の問題解決にも役立ててください。モチベーションを高める上でも有効な施策とされているインセンティブ制度を最大限有効に活用していきましょう。

 

01インセンティブ制度とは

人は誰しも目標を達成したいと考えます。インセンティブ制度とは、目標達成をした際に報酬の形でインセンティブを支払う仕組みのことです。この報酬とは「インセンティブ報酬」とも呼ばれ、目標達成をした際のご褒美と訳されることもあります。インセンティブ報酬は非常に分かり易い目標達指標であるため、営業部などを中心に取り入れられています。

インセンティブ制度の仕組み

一般的にインセンティブ制度とは、目標達成をした際に支払われる報酬がでる仕組みを指します。目標に応じて報酬の内容は異なり、金額や支給方法も企業が独自に決めることが可能です。多くの場合、営業部門などに適用される仕組みですが全社を挙げて支給することもあります。この報酬は、一般的には給与とは別の項目として支払われるため、プチボーナスとして扱われる場合もあります。インセンティブ報酬は、一時的な発生となる項目であることから基本給の様に固定で支払われるものとは別として給料明細などにみ記載されます。

 

02インセンティブ制度と類似用語の比較

次にインセンティブ制度と類似している用語について解説します。インセンティブ制度と混同しやすい用語となるため、それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。用語の理解を行うことで、インセンティブ制度の意味もより深く理解できます。特に人事部門においては用語の違いを理解しておくことは必須といえます。

ボーナスとの違い

ボーナスとは、企業の業績に連動した従業員全員に対して支払われる報酬を指します。それに対してインセンティブ報酬とは、個人や組織の目標達成により支払われます。あくまで、あらかじめ立てた目標に対して該当者のみが受取ることができる仕組みである点に違いがあります。

歩合制との違い

歩合制はインセンティブ報酬と同じように個人や組織単位での目標達成により支払われますが、基本給への影響有無の点で相違点があります。インセンティブ制度で支払われるインセンティブ報酬は基本給に影響を与えません。しかし、歩合は基本給に影響を与え成果が出れば基本給が上がる仕組みです。

 

03インセンティブの種類

インセンティブは、いくつかの種類に分類できます。次に、インセンティブの種類について解説します。自社が定めるインセンティブ制度では、どういったインセンティブ報酬を与えるかについて検討する際に役立ててください。インセンティブの種類により得られる効果が違う点についても着目して確認していきましょう。

物理的インセンティブ

給与、昇給など経済的な報酬をインセンティブとして与えるのが物理的インセンティブです。良い暮らしがしたいなどといった欲求を刺激して、目標達成を実現することを目的としています。最も分かり易く、もっとも主流のインセンティブとなり、物理的インセンティブが最もモチベーションを上げると言われています。

評価的インセンティブ

上司や同僚から褒められる、評価されるインセンティブです。承認欲求を満たすインセンティブとなりモチベーションアップには効果的です。評価インセンティブは、インセンティブ制度が導入されなくても実施することが可能であり、日常の業務において上司から与えることは容易なインセンティブです。

人的インセンティブ

組織で接する人の人間的魅力や良好な人間関係がもたらすインセンティブです。誰かと一緒に仕事をしたい、誰かのために仕事をしたいなどというモチベーションは長期的な継続が期待できます。短期的なモチベーションアップではなく長期的な視点を持つことで継続的でかつ相乗効果の可能性が高まります。

自己実現インセンティブ

自分の目標や夢が叶うことは自己実現インセンティブと呼ばれます。人的インセンティブやモチベーションにも連動し、相乗効果を発揮した高いモチベーションとなります。人的インセンティブよりも長期的な持続性に期待ができる点も大きな魅力です。

 

04インセンティブ制度を導入する企業メリット

次にインセンティブ制度を導入することで、企業に生じるメリットについて解説していきます。インセンティブ制度がどの様な効果を発揮するかを理解して、自社における導入有無の判断にしていきましょう。

経営者からのメッセージ伝達

インセンティブ制を導入する上では、その主旨や目的について経営者から発信する必要性があります。この発信により経営者が何に期待しているかを伝えることが可能になります。現在、どの様な変化が生じているか、どの様な変化を期待しているかなどのメッセージを伝えインセンティブ制度の意義についての理解を促進させることで、向くべきベクトルの方向合わせなどができ組織として目標達成に向けた動きを行うことが可能になります。

モチベーションの向上

インセンティブ制度導入によるメリットの最大とも言えるのがモチベーションの向上です。達成度合いに応じたインセンティブ報酬は、従業員にとって大きな魅力になります。通常支払われる報酬にプラスされる報酬があることは、従業員のやり気にも大きく影響しモチベーションの向上に大きな期待が持てるでしょう。

競争意識の熟成

インセンティブ制度については、通常、達成度合いをグラフ化し見える化していきます。こうした見える化により、負けたくない、自分も頑張るなどという競争意識を芽生えさせることができます。自分の目標達成度合いを客観視できる点では、自分自身が頑張る意欲を有無要素もあり、相乗効果を期待できる点もメリットです。

達成感・満足感

目標達成による達成感や満足感を得ることで、継続的なモチベーション維持にも期待できます。チーム単位での目標クリア時には、チームワークの大切さも体感することが可能です。インセンティブ制度は、決して個人だけで実施する制度ではありません。チームや組織単位での取り組みにより、個人の時とは異なる達成感や満足感を得られるメリットがあります。期待する効果や内容により、個人単位かチーム単位かを決めて実施するようにしましょう。

 

05インセンティブ制度を導入する際の注意点

インセンティブ制度を導入する際には、メリットだけではなく注意すべきデメリットについての理解も必要です。注意点を理解しておかなければ、制度導入後に期待した結果を得られない可能性があります。注意点については、あらかじめ施策を講じて対応しておきましょう。

内発的動機が損なわれる可能性がある

動機には、内発的動機、外発的動機の2種類が存在します。内発的動機は、個々人の内面からの動機であるため、持続性が高くなります。しかし、インセンティブ制度については外発的動機になるため、内発的動機を抑制してしまう可能性があります。目の前の目標に囚われてしまい自発的な動機を損なわない工夫が必要です。高いモチベーションを維持するためには、目先の目標達成だけではなくスキルアップなどを含めた内面的な成長や努力についても評価できる仕組みを準備しておきましょう。

不満が醸成される可能性

目標が高く達成しないことが続く場合には、不満が蓄積し醸成される可能性があります。誰もが達成する目標とする必要性はありませんが、全く到達できない目標とすることではなく努力を行うことで達成できるラインの目標設定を行う必要があります。インセンティブ制度の目的には継続した目標達成によるスキル向上も含まています。継続的なスキル向上ができるように段階を追った目標設定を心掛けていきましょう。

組織力低下のリスク

競争意識ばかりが先行してしまうことでは、組織のコミュニケーション力が低下してしまいます。こうしたコミュニケーション力の低下は、組織力の低下にも影響する可能性があります。組織力低下のリスクを回避するには、競争意識だけが先行しないようにチームで目標達成する仕組みなどを組み合わせて制度を活用していきましょう。

 

06効果を出すインセンティブ制度導入のポイント

次に効果を出すインセンティブ制度導入のポイントについて解説していきます。注意点を意識しながら効果的な制度導入を行っていく必要があります。制度導入により従業員が高いモチベーションを維持し企業運営を効果的に進められる方法を理解していきましょう。

内発的動機付けを意識した評価制度の導入

評価制度の導入については、内発的動機付けを意識して実施する必要があります。評価軸には売上達成などだけではなく、プロセスや自己成長を達成した結果などを含めて評価するようにしておく必要があります。

企業風土や経営理念を意識した制度設計の立案

インセンティブ制度の設計には、企業風土や経営理念を意識した仕組み作り、目標設定が必要です。企業風土としてチャレンジ精神を尊ぶ場合には、チャレンジできる仕組みが必要です。このように風土や経営理念に則したインセンティブ制度を導入することは難しいことですが、制度導入の成功には必要なことだと理解しておきましょう。

制度導入の目的周知

インセンティブ制度の目的や意義についての周知を行い理解してもらう働きかけが必要です。制度を導入した目的と期待効果には、どのようなものがあるのかや制度導入によりどう変革していきたいかについても周知し理解を促進する必要があります。目的を周知することは、インセンティブ制度の成功には欠かせない要素だと理解しておきましょう。


 

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07まとめ

本記事では、インセンティブ制度をテーマに制度導入のメリットや注意点、導入を成功させるためのポイントについて解説しています。営業部門を中心に導入されるインセンティブ制度ですが、組織全体に導入しモチベーション向上を図る企業もあります。本記事を参考に、自社におけるインセンティブ制度導入の検討を進めてください。

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  • 登壇者:坪谷 邦生 様
    株式会社壺中天 代表取締役

    立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。その後、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げ、2020年「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し代表と塾長を務める。

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