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ノーレイティングとは?メリットや導入している企業事例を紹介

公開日:2021/08/26
更新日:2021/09/09
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ノーレイティングとは?メリットや導入している企業事例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ノーレイティングは、従来の人事評価制度の課題を解決する制度として、近年では多くの企業から関心を集めています。本記事では、ノーレイティングの内容や導入するメリット・デメリットを、実際の導入事例とともに紹介していきます。

 

ノーレイティングとは

ノーレイティングとは、数字やランクによる人事評価を行わず、面談などのコミュニケーションを通して、目標設定やフィードバックを行う人事評価制度です。ノーレイティングで取り入れられる面談は、従業員と上司とのマンツーマンの面談であり、これは「1on1面談」とも呼ばれています。1on1面談は、通常ではひと月に数回のペースで行われ、面談でのコミュニケーションを通して、信頼関係が構築されると期待されます。

レイティングとの違い

レイティングは、日系企業で従来取り入れられてきた人事評価制度であり、ランクや数値に基づく人事評価を行います。ノーレイティングのように、ひと月に何度も面談を行うことはなく、通常では四半期ごとに一度、上司から一方的に評価を伝える場が設けられることがほとんどです。 ノーレイティングとレイティングとの最も大きな違いは、「数値やランクによる評価を行う」かどうかといえます。ノーレイティングは、ランク付けをしない評価制度である一方、レイティングは、ランク付けを基に行う評価制度です。

ノーレイティングが注目されている背景

昨今、大手外資系企業を皮切りにノーレイティングの導入事例が増えてきたことから、日系企業においても注目を集め始めています。この背景に潜むのは、従来の人事評価制度が抱える課題点や、レイティングによる人材管理に限界を感じる企業の増加と考えられます。 従来の人事評価制度であるレイティングにおいては、上司など第三者の主観が評価に反映されるため、不透明で従業員が納得しにくい結果となることがしばしばあるものです。また、レイティングでは画一的な評価基準に当てはめて人事評価を行うため、基準では評価しきれない個性や能力が、評価結果に反映されないという課題もありました。 このような課題を解決すべく取り入れられはじめたのが、面談を中心にフレキシブルな評価を可能にするノーレイティングということです。

 

ノーレイティングを導入するメリットとは

ノーレイティングの特徴は柔軟性と透明性の高さにあり、ノーレイティングは、従業員と企業の双方にとって多くのメリットをもたらす制度といえます。ここでは、ノーレイティングの導入によって期待されるメリットを紹介します。

外部環境の変化に対応しやすくなる

昨今のビジネスを取り巻く環境は刻一刻と変化しており、従来のレイティングでは、急速な変化に応じて目標を軌道修正することが難しいという問題がありました。一方、ノーレイティングでは1on1面談が頻繁に実施されるため、外部環境の変化に合わせて行動目標や業務内容の軌道修正を行えるというメリットが存在します。マーケットの変化に迅速に対応することによって、ビジネスチャンスを逃すことなく企業利益を最大化できると考えられるのです。

評価に対する従業員の納得を得られやすい

従来のレイティングでは、上司が従業員に対して一方的に評価を行うため、上司からの評価と従業員の自己評価との間に乖離が生じてしまい、納得感が得られにくい傾向にありました。一方で、ノーレイティングは1on1の面談を通して緻密なコミュニケーションを取り、上司と従業員の双方で評価を摺り合わせていきます。この結果、レイティングの課題であった「上司と従業員の評価のズレ」という点は起こりにくく、従業員も評価に対して納得しやすくなるのです。

従業員のモチベーションを維持できる

ノーレイティングでは、画一的な評価基準で評価を行わないため、従業員個人の能力や独自の成果を幅広く評価対象とすることが可能になります。従業員は自らの成果や能力がしっかり評価されているとわかれば、仕事にやりがいを見出しやすくなり、モチベーションを高く維持できると期待されます。

多様な働き方に対応しやすくなる

ノーレイティングにおいては、頻繁に行われる1on1面談を通して、従業員一人ひとりの状況や希望をヒアリングし、個人に合わせた目標設定と評価を柔軟に行えます。結果として、従業員の個別の要望に対応しやすくなり、多様な働き方の実現を期待できるのです。

 

ノーレイティングの課題とデメリットとは

ノーレイティングにはさまざまなメリットがある一方で、管理者側の負担や現場の混乱のおそれなど、課題やデメリットも存在しています。ここでは、ノーレイティングにはどのような課題が潜んでいるのかを解説するとともに、課題解消のための対策をみていきます。

管理者に高いマネジメント力が求められる

画一的で明確な判断基準が存在するレイティングとは異なり、ノーレイティングでは決められた評価項目が存在しないため、管理者に評価が委ねられています。したがって、上司が柔軟な評価を行える一方で、適切な評価を与えてしまったり、部下が評価内容に疑問を持ってしまったりというおそれがあるのです。 このような事態を避けるためには、上司が高いマネジメント力を兼ね備える必要があり、管理者に対する研修や意識改革を実施することはノーレイティングの導入時に欠かせないといえます。

定期的な面談を要するため管理者の負担が増加する

ノーレイティングでは定期的に1on1面談を実施し、従業員に対してこまめにヒアリングする必要があります。したがって、管理者側は面談の実施に多くの時間を費やすことになり、個別的なフィードバックやヒアリングには手間もかかります。 しかし、ノーレイティングでは、面談の回数や質が制度の成功に大きく関わるため、管理者は周囲のサポートを得ながら、面談に力を入れられる環境づくりをしましょう。

現場が混乱するおそれがある

従来のレイティングでは、一度決めた目標は変わることはありませんでしたが、ノーレイティングでは、面談の都度に市場の変化に応じて目標を変化することがあります。この結果、従業員は目まぐるしく変わる目標に振り回されて、現場は混乱してしまうおそれはあるのです。 この問題を解消するためには、どんな状況でも不変のビジョンを掲げることや、目標設定に関与するような状況の変化が生じたときには、迅速に従業員に伝えることが有効と考えられます。

 

ノーレイティングを導入する際の注意点とは

ノーレイティングの導入によって最大の成果を挙げるためには、管理者の育成や仕組みづくりが大切です。ここでは、ノーレイティングを導入する際に注意すべき点を紹介します。自社でノーレイティングの導入を検討している方は、導入計画に以下の注意点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

管理者のマネジメント力を育成する

ノーレイティングでは、管理者のマネジメント力の有無が制度の成功を左右します。したがって、ノーレイティングの導入時に管理者のマネジメント力強化対策は必要不可欠といえます。具体的な対策としては、傾聴力やコーチングに関わる研修を実施して、管理者の意識改革やスキル向上を図ることが挙げられます。 管理者のマネジメント力を確実に向上させるには、研修のプロであり独自のノウハウを有している外部専門機関に、講師を依頼するのがおすすめです。

報酬と昇進の判断方法を策定する

ノーレイティングを導入する際に必ず策定しなければならないものが、従業員の報酬と昇進の決定方法や判断基準です。報酬の決め方の代表例は、上司が報酬の原資を委ねられて、従業員の成果に応じて報酬を配分するという方法です。また、ノーレイティングにおいても従来の制度と同様に、新たな業務の遂行能力やリーダーシップなどの総合評価を踏まえたうえで、昇進の有無を決定することになります。

全面的な導入ではなく徐々に取り入れる

ノーレイティングを全面的に開始してしまうと、管理者の負担が大きく、通常の業務に支障が出ることが懸念されます。そのため、ノーレイティングを急に始めるのではなく、まずは上司と従業員との面談頻度を増やしていく方法をおすすめします。対話を通して目標設定および評価を行うことに徐々に慣れて、マネジメント力の育成が進んだ段階で、ノーレイティングを導入するとよいでしょう。

 

ノーレイティングを実際に導入している企業の例

ノーレイティングは、従来の人事評価制度が抱える課題を解決すべく、外資系企業を中心に導入例が増えてきています。ノーレイティングを導入している企業は、従来制度のどのような課題を解消するために導入したのか、またどのような方法でノーレイティングを取り入れているのかについてみていきます。

Microsoft

Microsoftは、相対的な評価を行う旧制度により、社内の従業員同士で不健全な競争が巻き起こったことから、2000年から2010年までの間に株価が大幅に低下したうえ、競合他社に技術および経営面で大きな遅れを取った過去を持ちます。この問題を打破しようと考えた同社は、画一的なランク付けシステムを廃止して、日常のフィードバックの延長線上に人事評価を置くという仕組みを導入しました。従業員個人の成果だけでなく、チームへの貢献度や他の従業員へのサポートも評価することで、社内の不健全な競争をなくそうとしたのです。
参考:「Microsoft throws stack ranking out the window|impraise」

General Electrics

General Electricsは、1年に一度の評価面談を通して人事評価を行う制度を取り入れていましたが、従業員から評価への不信感が募っているという現状があったといいます。そこで、2016年からは「Fastwork」と呼ばれる新たな人生評価制度を導入しました。この制度は、専用アプリを使用して、日常的に管理者から従業員へのフィードバックを送り、従業員のパフォーマンスを向上させることに狙いがあります。 制度を変革した結果、従業員からは「上司の期待していることが明確にわかるためモチベーションが向上した」という意見が挙げられました。
参考:「How Does GE Do Performance Management Today?|ParformYard」

Adobe Systems

Adobe Systemsでは、一年のはじめに目標を設定し、年度末に上司との面談を経て評価を決めるという制度を取り入れていました。しかし、この制度では従業員の評価に対する納得が得られないうえに、管理者の評価に関わるペーパーワークの時間が大きく膨れ上がっており、管理者側の負担が増加していることが判明したといいます。 このため、継続的なフィードバックや対話の延長線上に人事評価を置くことで、状況を打開しようと考えたのです。新制度導入後のアンケートでは、「アドビを働きがいのある会社として勧められる」「上司からのフィードバックが役立つものである」と回答した社員が10%も増加したということです。
参考:「Managing without performance reviews – and transforming the employee experience.|Adobe」

 

まとめ

ノーレイティングは、従来の人事評価制度の問題点を解決する制度として、導入には多くのメリットがある一方、注意すべき点や課題点も存在しています。自社にノーレイティングを導入する際に大切なのは、社風や他の制度、業務内容を制度内容に反映させるということです。時間と手間をかけてノーレイティングの制度内容を策定しつつ、管理者層のマネジメント力を育成するようにしましょう。

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