公開日:2021/09/09
更新日:2023/03/26

キャリア教育とは?必要とされる背景からメリットや取り組み事例を紹介

キャリア教育とは?必要とされる背景からメリットや取り組み事例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

キャリア教育とはどのような教育なのでしょうか?もともとは、学校教育の中で利用されていた単語ですが、現在ではビジネスシーンでも利用されています。本記事では、キャリア教育がビジネスではどのように扱われているか、キャリア教育の事例について解説します。

 

01キャリア教育とは

キャリア教育とは、文部科学省が提唱し推進してきた学生や子供に対する訓練や教育を意味しています。しかし、現在では、ビジネスシーンでも利用される用語となっています。最初に、キャリア教育の言葉の定義から理解をし、類似用語との違いを確認していきましょう。

キャリア教育が必要とされる背景

ビジネスにおけるキャリア教育とは、「一人一人の社会的・職業的自立やキャリアアップに向け、必要な能力や経験、態度を育てること」と定義できます。実際には、一人一人が業務に役立つスキルや能力、経験を習得しキャリアアップが図れることです。現在は、グローバル化が進み従来の業務スタイルや業務スタンスだけでは不十分になっています。実際に従業員一人一人がキャリアアップをしていくことが必要であり、従業員それぞれのキャリア形成がなくては企業を取り巻く環境の変化についていくことができません。こうした背景をもとに、ビジネスにおいてもキャリア教育が重要視されているのです。

文部科学省によるキャリア教育の定義

文部科学省は、「キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義付けを行っています。文部科学省にとってのキャリア教育のステージは学校です。さまざまな教育活動を通して、一人一人の基礎的・汎用的能力の発達や育成、職業人としての自立を促すことを最大の目標としています。ビジネスにおけるキャリア教育のステージは社会、職場などとなりますが基本的な概念は同じである点を理解しておきましょう。
参考:文部科学省「キャリア教育とは何か」

職業教育との違い

キャリア教育と類似している用語に職業訓練があります。この2つの違いは、キャリア教育が「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度」に対して、職業教育は「一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度」と定義付けされます。職業訓練はある特定の職業が対象です。キャリア形成は職業的自立を目的としているなどの点で違いがあります。

 

02キャリア教育を行うメリット

次にキャリア教育を行うことでのメリットについて解説していきます。キャリア形成を行うことで得られるメリットは複数あります。また、メリットについては、企業側だけではなく従業員にとってのメリットもある点を意識して確認していきましょう。

キャリア形成の目標が定まる

従業員にとってキャリア形成の目標を定めることは大きなメリットです。自分自身の目標が明確にできる側面だけではなく、そのキャリア形成に向って何をすべきかもわかります。キャリア形成の目標が明確になることで、無駄なことをせず進んでいくことが可能です。そのスピードは、自分が納得し決めたゴールであるため、人から言われた場合に来れば格段に早くなります。

▼キャリア形成について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】キャリアプランニングとは?キャリア形成に必要な要素や実施方法について解説する

モチベーションの向上につながる

キャリア形成の目標が決まることは、モチベーションの向上にもつながります。これは、自分が進むべきキャリアの方向性や道筋が分かったことでの安心感とやる気から生じます。キャリア教育の中でには、難しい内容もありスピードダウンしてしまうこともありますが、将来どうなりたいか、どうあるべきかが分かることで強いやる気を生み結果として、高いモチベーションを維持することが可能になるでしょう。

▼モチベーションアップについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】モチベーションアップに必要なことは?効果的な方法を紹介

満足度の向上による定着率の向上がはかれる

キャリア教育を通して、自分自身のキャリアが明確になること、それに向う道筋が見えていくことでの安心感、やる気は満足度の向上につながります。満足度の向上は、職場の定着率を改善することにも期待できるでしょう。定着率が高まることで、より経験値や技術力を増すことができ、社内にも高い技術やノウハウを蓄積することが可能となり企業成長にもつながります。

企業成長につながる

高いモチベーションを持つ人材が集まることで、企業成長にも期待できます。高いモチベーションを保有する人材は、変化に対応しチャレンジすることを恐れません。結果として、新しいサービスや商品の開発を始め販路の拡大や掘り起こしなども積極的に実施することで企業成長を促す効果があります。こうした一連の流れの構築には時間を必要としますが、一度流れ始めると長い期間に渡り継続することが可能です。

 

03キャリア教育に対する企業の関わり方

キャリア教育が学校だけにとどまらずビジネスシーンにおいても広まっていることから、推進していくためには企業の協力も必要です。 では、企業はどのようなことを行えばよいのでしょうか。ここでは具体的な従業員に対するキャリア教育に対する企業の具体的な関わり方を解説します。

能力開発関連制度の導入

従業員のスキルアップやキャリアについて考えて行動を促すような制度として、能力開発に関する制度が有効です。 具体的な例にキャリアパスがあります。キャリアパスはどんな職種にどのような立場でつくのか、そしてそのためにはどんな経験を積み、どんなスキルを身に着ける必要があるのかといった道筋を提示するものです。キャリアパスが提示されることで、従業員はその目標に向けて能動的に取り組むことができます。 キャリアプランにおいて、自分自身の将来のキャリアにおいて、どのようになりたいかという目標を個別に立てることも企業の関わり方の一つです。

異動・配置関連制度の導入

異動や配置などに関する制度を導入することも、従業員の長期的なキャリア教育の施策の一つです。 代表的な例としては、会社が求めるポストや職種の要件を従業員に公開し、応募者の中から人材を登用する社内公募制度があります。また、逆に従業員が自ら能力やスキルを売り込み、希望するポジションを与える社内FA制度などもあります。 これらによって従業員側が職場や仕事内容の選択肢を持てるようになり、自分のキャリアを見つめ直すきっかけになるため、キャリア教育に関する有効な制度と言えます。

キャリア教育に関する研修の実施

階層別や年代別に従業員の特性やキャリアプランに合わせたプログラムを策定し、研修を行う企業が増えています。企業側が一律に研修を行うのではなく、従業員の意向に合わせて受講できるような環境を整えることで、必要な能力やスキルについて考えて意欲的に学ぶことができます。また、研修の実施に併せて上司と部下の間でキャリアに関する話し合いの機会を設けるキャリア面談などを行うケースも見られます。

<Schooでおすすめのキャリアに関する授業>

月間40万人の読者が読む転職メディア「すべらない転職」の運営やキャリアに特化した有料パーソナルトレーニングサービス「マジキャリ」など多岐にわたるキャリア支援サービスを展開し、転職エージェントとして20代向けの転職・キャリア支援を行っている末永 雄大さんをお招きし、8月3日に発売となる書籍『キャリアロジック 誰でも年収1000万円を超えるための28のルール』(実業之日本社)をもとに、「これからのキャリア」について教えていただきます。

これからの未来を生き、働いていく中で大切な「キャリア」について、みなさんと一緒に学んでいきましょう。

「キャリアロジック-これからのキャリアについて-」

キャリアロジック-これからのキャリアについて-

  • アクシス株式会社 代表取締役 兼 転職エージェント

    新卒でリクルートキャリア(旧リクルートエージェント)入社。リクルーティングアドバイザーとして様々な業界・企業の採用支援に携わる。その後、サイバーエージェントに転職し、アカウントプランナーとして最大手クライアントを担当し、インターネットを活用した集客支援をおこなう。2011年にヘッドハンター・転職エージェントとして独立。2012年アクシス株式会社を設立し、代表取締役に就任。月間40万人の読者が読む転職メディア「すべらない転職」の運営やキャリアに特化した有料パーソナルトレーニングサービス「マジキャリ」など多岐にわたるキャリア支援サービスを展開。転職エージェントとして20代向けの転職・キャリア支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発や大学・ハローワークでのキャリアについての講演活動、ヤフーニュースや東洋経済オンラインでの寄稿など幅広く活動している。
 

04経済産業省が実施するキャリア教育への取り組み

経済産業省では、キャリア教育への取り組みとして「キャリア教育アワード」を開催しています。ビジネスをターゲットにした活動でありませんが、大学と企業が取り組むを実施した際には、将来、自社への入社を促すなど採用活動の側面も備えている活動です。

キャリア教育アワード

キャリア教育アワードとは、経済産業省が実施しています。そのコンセプトは、「企業や経済団体等による教育支援の取組を奨励・普及するため平成22年度に創設された表彰制度です。また、平成23年度より最も優秀と認められる取組には経済産業大臣賞を授与しています。(公式HPより引用)」と明文化されています。過去の受賞企業には大手をはじめ様々な業種業態での活動があることがわかります。
参考:経済産業省 「キャリア教育」

 

 

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07まとめ

本記事は、キャリア教育をテーマにビジネスにおける解釈やメリットについて解説しています。従来より学校に対する概念でしたが、現在では、ビジネスの場面でも利用されている概念です。従業員へのキャリア教育は将来的な企業成長と大きく関わってくることを理解し実践していきましょう。

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  • 登壇者:田中 研之輔 様
    法政大学キャリアデザイン学部 教授

    一橋大学大学院(社会学)を経て、メルボルン大学・カリフォルニア大学バークレー校で、4年間客員研究員をつとめ、2008年3月末に帰国。2008年4月より現職。教育・研究活動の傍ら、グローバル人材育成・グローバルインターンシップの開発等の事業も手がける。一般社団法人 日本国際人材育成協会 特任理事。Global Career人材育成組織TTC代表アカデミックトレーナー兼ソーシャルメディアディレクター。 著書―『先生は教えてくれない大学のトリセツ』(筑摩書房)『走らないトヨタ―ネッツ南国の組織エスノグラフィー』(法律文化社)『都市に刻む軌跡―スケートボーダーのエスノグラフィー』(新曜社)他多数

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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