公開日:2021/09/09
更新日:2023/07/24

タレントプールとは?活用するメリットや方法を解説

タレントプールとは?活用するメリットや方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

タレントプールとは、会社にとって必要な人材の情報を、中期的に管理していくためのデータベースのことをさします。本記事ではタレントプールについてのメリットやデメリット、ステップの方法や導入事例について紹介します。タレントプール導入を検討している企業はぜひ内容を参考にしてください。

 

01タレントプールとは

タレントプールとは"

タレントプールは、会社にとって必要な人材の情報を、中期的に管理していくためのデータベースです。「タレント」は才能、「プール」は蓄えるという意味で、つまり「才能を蓄える」という意味です。 企業は必要な人材を確保することで、会社の業務を効果的に行え、新しい事業にもチャレンジできます。しかし、人材獲得は激化していて、人材育成も難しくなってきているため、必要な人材の確保には工夫が求められています。 タレントプールを利用すると、ポテンシャルの高い人材とコンタクトを取り、関係性を持続でき、採用の機会を逃さないため注目されています。

 

02タレントプールに注目が集まる背景

タレントプールに注目が集まる背景として、次の3つの観点が挙げられます。

  • 1:労働人口の減少
  • 2:働き方の多様化
  • 3:専門性の高い人材の不足

ここではそれぞれについて解説していきます。

労働人口の減少

近年、日本では、高齢化や出生率の低下に伴い、労働人口の減少が進んでいます。一方で、需要は依然として存在し、多くの企業では優れた人材を常に求めています。このため、優秀な人材に対してすぐにアプローチできるタレントプールに注目が集まっているのです。企業は限られた労働力を最大限に活用するために、タレントプールから適切な人材を見つけ出し、雇用する必要があります。

▶︎参考:人口減少下の中で誰もが 活躍できる社会に向けて|厚生労働省

働き方の多様化

働き方の多様化もタレントプールに注目が集まる要因の一つです。従来のような「9時から5時のオフィス勤務」だけでなく、リモートワークやフレキシブルな労働時間、フリーランスとしての働き方などが増えています。これにより、企業は地理的な制約を受けずに優れた人材を採用できるようになり、優れた人材を確保できるタレントプールがますます重要となっています。

専門性の高い人材の不足

現代のビジネス環境はますます複雑化し、高度な専門知識やスキルを持つ人材の需要が高まっています。特にDXなどの推進により、IT人材などは、市場価値が高く、このような専門性の高い人材は限られており、需要と供給のギャップが生じています。企業は競争力を維持するために、タレントプール内で希少な専門人材を見つけ出し、確保する必要があります。そのため、タレントプールには注目が集まっており、企業は積極的に採用戦略を展開しています。

 

03タレントプールを活用することで企業が得られるメリット

タレントプールをすると、どのようなメリットが得られるかみていきます。あらかじめメリットを把握しておくことで、企業側は導入を前向きに検討しやすくなります。以下のようなメリットをひとつずつ詳しく解説します。

採用活動の効率化が図れる

タレントプールは採用活動の効率化を図ることが可能です。企業は、たとえ良い人材を見つけても、既に新規で人材を採用した直後などタイミングによりすぐに採用できないケースがあります。 しかし、タレントプールで関係性を維持しておき、情報収集を行っていると、次に人材が必要になった際、すぐにアプローチをして自社への入社をアピールできます。さらに、すでに人材の情報収集ができているため、適材適所な人材を最短時間で確保することが可能です。

採用コストの削減につながる

タレントプールの活用は採用コストの削減を期待できます。人材不足が生じると、求人募集のための広告の準備や登録など出費が生じます。人手不足のたびに求人募集の出費が生じ、会社の収益にも影響が出ます。 しかし、タレントプールで人材情報の収集をしておくと、採用候補の中からアプローチできるため、広告などの費用は必要なく時間も節約可能です。情報の収集により一定のデータが揃っているため、選考の工数も少なく手間がかかりません。

マッチング精度を高められる

タレントプールはマッチングの精度が高いです。登録した人材に継続的にアプローチを続けるため、どのような仕事や待遇を受けられるのか詳細な点を理解できます。条件を納得したうえで入社するため、ミスマッチを防げます。ミスマッチがあると、せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまいかねず、さらに手間と時間を注ぎ込むことになります。マッチングの精度を高められる点が、大きなメリットといえます。

 

04タレントプールを活用することで応募者が得られるメリット

タレントプールを活用することで、企業だけではなく、応募者も得られるメリットがあります。ここでは、「企業理解が深まる」と「キャリアプランをじっくりと考えることができる」という観点からそれぞれ解説します。

企業理解が深まる

タレントプールを活用することで、応募者は企業に関する情報や文化をより深く理解する機会を得ることができます。タレントプールは、企業が将来の求人ニーズに備えて興味を持つ候補者の情報を集めているデータベースです。応募者がタレントプールに登録することで、企業のウェブサイトやSNSプロフィールなどから提供される情報や更新情報を定期的に受け取ることができます。
また、このような情報の提供により、応募者は企業のビジョン、ミッション、製品やサービス、競争優位性などについて詳細に知ることができます。さらに、企業がどのような文化や価値観を持っているのかも把握も可能です。これにより、応募者は自身のスキルや経験が企業との相性が良いかどうかを判断することができるのです。企業理解が深まることで、応募者はより適切な職務経験や知識を持つ候補者としてアピールすることができます。

キャリアプランをじっくりと考えることができる

タレントプールに登録することで、応募者は自身のスキルや経験を評価し、将来の職務や業界における目標を明確にする機会を得られます。
タレントプールは、求人ニーズに備えて候補者の情報を保持するため、企業と応募者のマッチングがすぐに行われるわけではありません。その間に応募者は、自身のキャリア目標やスキルセットを再評価し、自己成長に向けた計画を練ることができます。また、タレントプールが提供する情報を通じて、業界や職種のトレンドや将来の需要についても学ぶことが可能です。
このように、時間と余裕を持ってキャリアプランを考えることで、応募者は自身の強みや興味を再確認し、将来の仕事に対して、より納得度の高い選択をすることができるようになるのです。

 

05タレントプールのデメリットとは

採用コストの削減やマッチング精度を高められるメリットがある一方で、タレントプールには以下のようなデメリットもあります。ここからは、主にふたつのデメリットを解説しますので、タレントプールを導入する際の参考にしてください。

再アプローチのタイミングの見定めが難しい

タレントプールは、再アプローチのタイミングを見定めることが難しい点があげられます。人材の情報収集をしても、自社に採用のポジションに空きがない場合や企業の方針として採用の話がまとまっていない場合、採用のアプローチを行えません。 仮に、優秀な人材だとしても、タイミングが合わなければ採用できず、リストにあった人材が他の企業に採用されてしまうと、アプローチがさらに難しくなります。そのため、タレントプールは再アプローチの見極めが困難な点がデメリットと考えられます。

情報のアップデートが追いつかない

タレントプールに登録された候補者の情報は、一定の期間が経過すると古くなる可能性があります。候補者の連絡先やスキル、経歴などの情報が変化している場合、タレントプール内のデータは最新の情報と一致しない可能性があります。LAPRAS株式会社のアンケート調査によると、全体の46.9%が情報のアップデートに追いつかないという回答をしました。このように、企業がタレントプールを利用する際には、データのアップデートを継続的に行う必要があります。しかし、候補者自身が情報を提供しない限り、企業はその変更に気付くことができません。情報のアップデートが追いつかないと、正確な候補者情報に基づく採用活動が困難になり、適切な人材を見逃す可能性があるのです。

▶︎参考:タレントプールの利用実態に関するアンケート調査|LAPRAS株式会社

社内の方針転換がある

企業や組織は、時折、人材ニーズや戦略的な方向性に関して方針転換を行うことがあります。例えば、新たな事業領域への進出や技術の変化に伴うスキル要件の変更などが該当します。このような場合、タレントプール内の候補者情報が現在の方針や要件と一致しなくなる可能性があります。その結果、タレントプールに蓄積されたデータは、企業の最新のニーズや目標に対応できなくなります。これにより、適切な候補者を見つけるためのリソースや時間が浪費される可能性があります。

 

06タレントプールを活用するためのステップとは

メリットとデメリットについてみてきましたが、ここからはタレントプールを活用するために踏むべきステップについて確認します。採用候補者の選定や人材データベースの構築方法、採用候補者へのアプローチ方法などについて解説します。

採用候補者の選定を行う

まず、自社にとって必要な採用者候補を選定します。採用候補は企業の都合で不採用になった人、内定辞退をした人などがありますが、自社の理念に合致する人材をリストアップすることが重要です。 自社の理念や経営方針に合致した人材であれば、会社に長く留まり、貢献してくれる期待が持てるからです。そのため、SNSや勉強などのイベントを利用するなど、広い範囲で採用者候補の選定を行うことが重要です。選定は慎重に行うようにしてください。

優秀な人材のデータベースを構築する

自社の理念に合う人や自社が求めている人物像に出会えたなら、データベースを作成して管理します。データベース上で優秀な人材を管理することで、適切にアプローチすべき人材を絞ることができます。 データベースは、専用サービスなどを活用し、個人情報が流出しないよう効率よく管理できるように計画してください。

採用候補者と定期的にアプローチを行う

採用候補者に定期的にアプローチを行います。アプローチを行わなければ、自社のビジョンや業務内容などを把握できません。アプローチを定期的に続けることで、採用候補者は状況を把握でき、自社への就職を決定しやすくなります。 積極的に良い関係を築くことができるように、ビデオ通話やチャットツールなどSNSを利用するのもひとつの方法です。候補者のモチベーションを維持できるように連絡を行ってください。

適切なタイミングで求人案内を行う

タレントプールの目的は採用することであるため、適切なタイミングを見計らいスカウトすることが重要です。そのため、自社に空きのポジションができた際や、専門スキルを持った人材が必要になった時、求人案内などを通してスカウトします。 タイミングよくアプローチできるように、常に社内の動向に注意をして、準備をしておくようにしてください。

 

07人材のプールに役立つツールとは

人材のプールに役立つツールについてみていきます。優秀な人材や自社の理念に合致する人材を確保するためには、SNSや採用管理システムなどのツールを有効活用することが重要なポイントです。自社に適した方法を検討してください。

SNS

SNSのFacebookやLinkedlnを活用すると、データベースの構築や管理を行うことができ、人材のプールとして活用できます。SNSを見て、相手が自社に合うスキルや経験をしていることが分かれば、メッセージを送信してコンタクトを取り、すぐにコミュニケーションがとれます。 また、優秀な人材を集めるため、SNSを活用してイベントの宣伝を行えば、条件に合う人が参加しつながることができます。

採用管理システム

採用管理システムを活用して、情報の管理をするのもひとつの方法です。採用管理システムは管理しやすいように構築されているため、採用の質やアプローチのタイミングを効果的にコントロールできます。 例えば、SNSでプールした人材の一元管理や自社専用のタレントプールを作成し、その後チャットツールを通して人材を紹介してもらうなどの機能が組み込まれています。採用管理システムで人材の情報を把握しやすくすれば、無駄な工数や手間を省けます。

 

08タレントプールの導入事例

タレントプールを活用するためのステップやツールについてみてきました。ここからは、タレントプールを実際に導入している企業の事例を3つ紹介します。具体的な活用内容を知ることで、自社にタレントプールを導入する際の参考にしてください。

デル株式会社

デル株式会社は公式採用ページに、求人情報を受け取るための登録フォームがあります。利用者が登録フォームに自分の情報を入力することでタレントプールに登録され、その人に合わせた情報が配信される仕組みです。 希望したポジションに合わせて情報が発信され、さらにSNSと連携して知人に募集を紹介できるようなシステムにしているため、効果的にアプローチが可能です。この活用により、必要なポジションに人材を確保できるようにしています。

参考:DELL Technologies

日本ミシュラン株式会社

日本ミシュラン株式会社は、採用ページ情報を閲覧するためにフォーム登録を必須にしています。閲覧する利用者が登録フォームの入力有無により、転職や就職のやる気の有無が明確にわかるからです。 さらに、フォームに入力することでタレントプールに登録され、利用者に合わせた情報が配信されるようになります。このシステムにより、企業はアプローチを行いつつ、利用者は自分のやりたい業務を理解すでき、前向きに入社を考えられるようになっています。

参考:ミシュラン

ゼネラルモーターズ

ゼネラルモーターズは、キャリアサイト内にタレントプールへの登録ページを設けています。名前や所属、職務経歴を登録してLinkedlnとアカウント連携が可能となっています。このシステムににより、企業側はコンタクトを取りやすく、登録者のスキルや経歴に合わせたアプローチを定期的に行えます。人材確保のひとつとして活用しています。

参考:ゼネラルモーターズ

 

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09まとめ

タレントプールを活用することで必要な人材確保を行え、人材不足が生じた際もすぐに対処できます。優秀な人材確保は企業にとって必須の業務です。その業務がスムーズに行えるように、タレントプールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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