ディープラーニング検定とは?試験概要や難易度、資格取得のメリットまで解説
ディープラーニングはAI技術には欠かせません。しかし、専門用語や専門知識が豊富で活用するためには覚えなければいけない知識が多くあります。ディープラーニングの技術者は非常に希少で求められているなか、一定以上のスキルと知識を保証するディープラーニング検定が注目されています。当記事ではディープラーニング検定について解説をします。
- 01.ディープラーニング検定とは?
- 02.ディープラーニング検定取得のメリット
- 03.ディープラーニング検定の試験概要
- 04.ディープラーニング検定の難易度
- 05.ディープラーニングの将来性
- 06.まとめ
01ディープラーニング検定とは?
ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト)と、ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)の育成を目指します。各々に必要な知識やスキルセットを定義し、資格試験を行うとともに、協会が認定した事業者がトレーニングを提供します。各々年二回実施予定。日進月歩する技術であることから、検定・資格実施年毎に実施年号を付与する。
ディープラーニング検定にはG検定とE資格の2種類があります。G検定はディープラーニングの基礎レベルの知識の検定です。一方E資格はG検定より難易度が高く、ディープラーニングを実装するエンジニア向けの資格となっています。
ディープラーニングとは
そもそもディープラーニングとは深層学習のことです。コンピューターに学習させる機会学習の手法の一つで、AIの発展を支えるために重要な技術です。コンピューターが自動的にデータを検出して学習を重ねていくことで、大量のデータを取り込むことを可能にしました。ディープラーニングにより従来の技術では不可能だった行動をコンピューターに学習することが可能になりました。
現在ディープラーニングは自動運転や医療機器など幅広い分野で活用されています。特に自動運転の分野では大量の情報認識が必要です。安全性が優先される分野であるため、細かい情報までも読み取る必要があります。歩行者の検知や標識、信号機、道路状況などを認識するためには大量のデータを認識させる必要があります。そのため、自動運転の開発にはディープラーニングは欠かせません。そして、ディープラーニングはまだまだ発展途上の技術です。この先、より精度が高まり、それに伴って需要も高まることが予測されている分野であるため、先駆的に知識を有することには価値があります。
ディープラーニング検定の種類
前述の通りディープラーニング検定にはG(ジェネラリスト)検定とE(エンジニア)資格の2種類があります。G検定は、ディープラーニングをビジネスに活用する際に必要となる基礎知識が試験範囲です。一方E資格はディープラーニングの仕組みそのものを実装するための技術職に向けた知識が試験範囲となっています。
ビジネス職向けG検定
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。
参考:一般社団法人日本ディープラーニング協会
AIを活用したい企業のマーケティング職や経営企画職の方に人気のある資格です。また、コンサルタントも今後よりAI活用の知識が求められてきます。営業職や人事職などそのほかの職種についている人にとってもAIやディープラーニングは今後避けては通れない知識です。そのため受験者は年々増大しており、人気のある資格です。
エンジニア向けE資格
ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する。
参考:一般社団法人日本ディープラーニング協会
ディープラーニングの基礎となる機械学習や応用数学、実装技術など専門的な分野からの出題が多くG検定より難易度は上がります。エンジニアに人気のある資格です。名刺にE資格のロゴを入れることができ、エンジニアとして深層学習に対する技術を有していること証明できます。
02ディープラーニング検定取得のメリット
今後ディープラーニングの技術はますます発展していくことが予測されています。つまり業務に活かすためには一度試験に合格して満足するのではなく、継続的に学んでいくことが求められます。しかし、確実に需要がある分野での知識を証明する資格のため資格取得のメリットは大きいでしょう。ディープラーニング検定は2017年から始まった比較的新しい資格です。そのため資格保有者の数はそれほど多くありません。希少性が高く、数々のメリットを享受することができる資格です。
業務に活用できる実務的な知識の獲得
前述のように既に一部の企業のマーケティング職や経営企画職ではAIを活用した活動を行っています。より最適な決定を下すためには検証するデータを増やす必要があります。膨大なデータを人力で検証するのは無理があり、機械に一つひとつ覚えさせるのも非常に手間がかかる作業です。ディープラーニングの知識を身につけていることで、より業務の効率化が測れます。 ディープラーニングは確かに有効な技術ですが、適切に使わなければ本来の効果を発揮しません。エンジニア任せではなく、企業運営に携わる人材にもディープランニング活用の知識が必要になってきています。
交流会に参加できる
ディープランニング検定に合格すると一般社団法人ディープラーニング協会主催の各種コミュニティに参加できます。コミュニティではディープラーニングの勉強はもちろんのこと、活用事例を学ぶ、失敗談を聞くなどしてより実用的な知識を得られるでしょう。また人脈作りにも効果的です。
就職や転職にも活かせる
日本にはAIの運用や開発を行える人材が不足しています。日本のAI人材の不足は深刻で需要は高まるばかりです。特にディープラーニングを実装できるAIエンジニアの需要は非常に高まっています。そのため、検定資格の保持者は就職や転職において有利になるでしょう。
03ディープラーニング検定の試験概要
G検定とE資格ともに一般社団法人ディープラーニング協会のホームページから受験の申し込みができます。G検定は誰でも受験が可能なのに対して、E資格は受験資格が設定されているため注意が必要です。 またディープラーニング検定の過去問は公開されていません。試験内容の口外は禁じられているため、試験範囲に忠実に学んでいく必要があります。
ビジネス職向けG検定の試験概要と試験範囲
G検定は誰でも受験が可能です。年間3回試験が行われ、一回ごとの試験は試験時間120分の知識問題のテストのみです。試験はオンラインにて実施され自宅受験が可能です。下記の項目に関する知識が試験範囲です。
- ・人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
- ・人工知能をめぐる動向
- ・人工知能分野の問題
- ・機械学習の具体的手法
- ・ディープラーニングの概要
- ・ディープラーニングの手法
- ・ディープラーニングの社会実装に向けて
エンジニア向けE資格の試験概要と試験範囲
E資格は一般社団法人ディープラーニング協会認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが受験資格です。年間2回試験が行われ一回ごとの試験は試験時間120分の知識問題のテストのみです。G検定とは異なり各地の指定試験会場での受験が求められます。下記の項目に関する知識が試験範囲です。
- ・応用数学
- ・機械学習
- ・深層学習
- ・開発運用環境
04ディープラーニング検定の難易度
ほかの資格試験と比べ難易度は決して高くはありません。どちらも合格率は60%以上あり、特にG検定は初学者でも取り組みやすい内容です。しかしE資格の受験者はある程度の知識や技術を既にもっている人がほとんどです。実際にエンジニアとして業務を行っている人が数多くいるので、合格率以上に難易度は高いと考えられるでしょう。
ビジネス職向けG検定の難易度
G検定の合格率は60~70%程度です。合格するには約30時間の勉強が必要といわれています。自宅での受験のため参考書やインターネットを参考にしながら受験することが可能です。しかし、試験時間120分に対して問題数は220問程度のためすべてを調べる時間はないため一定以上の知識を有している必要はあります。
エンジニア向けE資格の難易度
E資格の合格率は60~70%程度です。Study-AI株式会社の調査によると合格者が費やした勉強時間は100時間~200時間程度が一番多く45.59%を占めています。
参考:Study-AI株式会社
また、試験資格を獲得するための一般社団法人ディープラーニング協会認定プログラムにはさまざまなプログラムが用意されていますが、いずれも30時間程度の時間がかかります。
独学でも十分合格を狙える
G検定に関しては独学でも十分に合格を目指せる難易度です。しかし受験費用は13,200円と資格試験のなかでも安くはない金額のため、何度も挑戦するのは避けたいところです。 E資格は独学での取得は不可能ではないものの、ハードルは高くなります。E資格を受験するにあたりPythonを用いたプログラミングを学ぶ必要があり、初学者から独学で合格を目指すことは難しいでしょう。普段からエンジニアとしてPythonを利用している人であれば独学での合格も狙える難易度です。
05ディープラーニングの将来性
ディープラーニングの分野は今後確実に伸びると予測されています。そのため、ディープラーニング検定の必要性は今後も高まっていくでしょう。
ディープラーニングの市場規模
株式会社グローバルインフォメーションの調査によると2020年時点での市場規模は123億米ドルです。そして2025年には605億米ドル規模に成長すると予測がされています。特にソフトウェア部門、サービス部門では成長規模が顕著になると予想されています。
参考:株式会社グローバルインフォメーション
今後急速に伸びていく市場であると言えるでしょう。
ディープラーニングを学ぶのは早ければ早いほど有利
上述のようにディープラーニングの需要はますます高まっています。技術の進化が激しい分野であるため資格取得後も継続して学んでいく必要はありますが、取得は早いに越したことはありません。変化の激しい現代で生き残るためには最先端の知識をいち早く身につけることが重要です。
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06まとめ
ディープラーニング検定は、決して難易度が高く取得可能性が低いものではありません。取得の過程で専門的な知識を得られ、実践に活用できる資格です。資格取得のための勉強ではなく、仕事に活かせる勉強であるためお勧めです。これを機に受験を検討してみてはいかがでしょうか。