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キャリアドリフトとは?変化に対応するキャリアの考え方を徹底解説!

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/10
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キャリアドリフトとは?変化に対応するキャリアの考え方を徹底解説! | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

この記事では、キャリアドリフトという言葉を解説しています。10年後のWhatを明らかにするキャリア論とは違い、芯をもって漂うことで、変化に対応しやすく充実したキャリアをめざす考え方を理解いただけます。

 

キャリアドリフトとは

従来、キャリアデザインやキャリア開発と言われる言葉では、何になるのか(職種や職位、どんな仕事をするのか)という「What」に力点が置かれることが少なくありませんでした。 企業内でキャリアデザイン研修と言えば、3年後、5年後、10年後という節目で「What」を詳細にプランするという研修を実施するパターンが多いでしょう。 「キャリアドリフト」とは、上記の考え方と一線を画し、キャリアの大枠だけ構想したら、どちらかというと身を任せて、その途中で起こる変化を楽しむことで、キャリアが形成されるという考え方です。 「ドリフト(Drift:漂う)」という言葉を使っているのはそのためです。 また、ただ漂うだけではキャリアを構築するのが難しくなるため、「What」を突き詰めるよりも「How」(どのように働きたいのか)をキャリアアンカー(錨)として置いて漂うことを推奨しています。

キャリアアンカーとキャリアドリフト

「キャリアアンカー」とは、キャリアドリフトで効果的に漂うための「錨」の役割を果たす考え方です。 組織心理学やキャリア開発の学問的権威であるエドガー・シャインが提唱した考え方で、以下の8つの象限で、「どのように働きたいか」を分類します。

  • 1.専門・職能別能力(専門性やスキルを高めたい)
  • 2.経営管理能力(経営視点で仕事がしたい)
  • 3.自律・独立(自分のペースで仕事がしたい)
  • 4.保障・安定(長期的・安定的に、ゆったりと働きたい)
  • 5.起業家的創造性(事業の立ち上げなど、創造性を発揮したい)
  • 6.奉仕・社会貢献(社会や人の役に立ちたい)
  • 7.純粋な挑戦(難しい問題に挑戦したい)
  • 8.生活様式(プライベートも充実させたい)

キャリアアンカーで自分自身の働き方をどの軸に置いておくのかを定めたうえで、変化を受け入れて漂い、対応することが推奨されているのです。

キャリアデザインとキャリアアンカーの比較

キャリアデザイン研修でも、よく「Will(何がしたいか)」「Can(何ができるか)」「Must(何をするべきか)」を明らかにする重要性を説きますが、すべて「What」を問うてます。 一方、キャリアアンカーは、「How(どのように働きたいか)を軸に検討します。 両者には「What」か「How」かの違いがあります。

計画的偶発性とキャリアドリフト

キャリアドリフトを語るうえで欠かせないもう一つの理論が「計画的偶発性」という考え方です。 プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)とも言われ、クランボルツという人が提唱した考え方です。 この理論が提唱しているのは、下記のとおりです。

  • ・変化の激しい時代では、キャリアの80%が偶然の出来事の積み重ねででき上がる
  • ・偶然の出来事を利用して、キャリアに役立てる
  • ・偶然の出来事を引き寄せて、スキルや経験を積み重ねるようにする

例えば、下記のような事例をイメージしてください。 『人事で要員管理や予算編成の仕事をしていたが、HRBP(戦略人事)の仕事も担当するようになり、人材育成や組織開発の仕事をやることになった。何年か経験して人材育成や組織開発のノウハウが身についた』 このように、「計画的偶発性」とは偶然を味方につけ、スキルや経験を積み重ねることで、次のキャリアへとつながりやすくなる側面があるという考え方です。

 

キャリアドリフトの例

では、具体的にキャリアドリフトでキャリアを構築する流れはどのようになるのでしょうか。 人材サービスからコンサルティング会社に転職、人材育成・組織開発のコンサルタントとしてキャリア形成している架空の事例をもとに、それぞれのステップに分けて解説します。

方向感を定める

まずは、キャリアの方向感を定めます。このときに使用するのがキャリアアンカーです。 新卒で人材サービス企業に入社し、4年目でリーダー、5年目でマネージャーに就任したAさんは、4年目のときにキャリアアンカーを診断しました。 その際、「専門・職能別能力(専門性やスキルを高めたい)」というキャリアアンカーと診断されました。 確かに、専門分野で企業への貢献をしたい、という気持ちがありました。 そのため、5年目でマネージャーを経験していましたが、人材育成のコンサルティング会社に転職しました。コンサルティング会社であれば、何らしか専門能力が身につけられるのではないかと感じたからです。

節目に深く考える

次に、キャリアアンカーを思い起こし、深く考える機会をつくります。 Aさんは、人材育成のコンサルティング会社に転職したとはいえ、転職後1年目は研修プログラムを提案して受注する、という仕事でした。 人材サービスの営業とはまったく違う営業スタイルに戸惑いましたが、やりがいを感じることができました。 転職して3年目のあるとき、よく一緒に仕事をしていたベテランコンサルタントが「どんな働き方をしたいの?よく考えてみたら?」と言ってくれる機会がありました。 成果も出ていたので、少し天狗になっていた自覚があったAさんは、自分自身のキャリアアンカーを思い出し、営業だけではなくコンサルタントとしての仕事にも挑戦したいと思うようになりました。 そして、その機会を伺うようになります。

偶然を活かす

次に、偶然きたチャンスを何とかものにし、活かすことについてです。 研修だけではない、コンサルティングも含めた大きな仕事を受注したのを機に、Aさんは本格的にコンサルタントとしての仕事を行うようになりました。 偶然にも、世界的に有名なコンサルティングファームのコンサルタントとも、プロジェクトで一緒に仕事をする経験も得られました。 顧客企業のオフィス内の部屋を借り、顧客とのミーティングや成果物の作成、現場とのやりとりなどコンサルタントとしての仕事をすることができたのです。 気づけばAさんは、ある分野での専門性を確立することができました。

 

キャリアドリフトのおすすめ書籍

キャリアドリフト、あるいはキャリア開発全般にも参考になる書籍を紹介します。 いずれも、キャリアドリフト、キャリア開発の権威の著書です。

働く人のためのキャリアデザイン

1冊目は、神戸大学の金井壽宏氏の著書、「働く人のためのキャリアデザイン」です。金井壽宏氏は、日本におけるキャリア開発やリーダーシップ研究の第一人者です。 この書籍で金井氏が提唱しているのは、「節目だけ深く考える」というキャリア論です。キャリアデザインが氾濫し、現在の職場や仕事で経験やスキルの獲得がおぼつかないのは本末転倒としています。 また、流れに身を任せることも重要と、キャリアドリフトを推奨しています。 もともと、金井氏はエドガー・シャインに師事していたので、エドガー・シャインの著書を翻訳してキャリアアンカーを日本に広めた人物です。

キャリアアンカー

2冊目は、エドガー・シャインの著書、「キャリアアンカー」です。エドガー・シャイン氏は組織開発、キャリア開発、組織文化の世界的な研究者です。 この書籍は、当記事でも解説している「キャリアアンカー」を開発した本人であるエドガー・シャイン氏が執筆したものです。 この書籍の翻訳者は、前述の金井壽宏氏です。

その幸運は偶然ではないんです

3冊目は、クランボルツの著書、「その幸運は偶然ではないんです!」です。クランボルツ氏も教育心理学、キャリア論の世界的な研究者です。この書籍では、キャリアドリフトの根幹の考え方である、「計画的偶発性理論」を解説しています。こちらも型にはまったキャリアプランは、逆にキャリアの可能性を閉ざしてしまうと批判しています。

 

キャリアドリフトでキャリアを考えるメリット

キャリアドリフトを学ぶと、キャリアプラン研修などで計画するキャリアプランに違和感を感じることがあるでしょう。 何になりたいか、何を成し遂げたいかが明確にイメージできる人であれば、従来のキャリア理論の適合性が高いでしょう。 一方、企業の現場では「何になりたい」が不明確、あるいは明確であっても現在の仕事とまったく関係のないことを想像する人も多いのです。 その際、キャリアドリフトという考え方を理解できると、違う確度からキャリアを考えることができます。

 

まとめ

キャリアアンカーを置きながら現在の仕事に果敢に取り組むことで経験やスキルを積み重ね、キャリアの可能性を開くキャリアドリフトという考え方を紹介しました。 キャリアについて何も考えないわけではなく、キャリアアンカーで自分自身のコアなキャリア観を自覚したうえで、チャンスをつかむための前向きな努力が必要です。 当記事をきっかけに、「キャリアドリフト」という考え方の導入に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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